アメコミの読み始め方:現行誌編

今回は少し趣向を変え「アメコミの読み始め方:現行誌編」と称して、「ヒーロー物のアメコミの最新ストーリーを追ってみたい」と思われた方が、毎月リーフ形式で発売される現行誌を読むときに気を付けるポイントを、Tips形式で解説したいと思います。

①前提知識を求められてもひるまない
まず重要なことですが、ヒーロー物のアメコミは基本的に"終わらない物語"です。
なので、日本のマンガのように、1話から読めば前提知識がなくとも100%理解できるという物ではなく、例えば「スーパーマンは惑星クリプトンからやってきた超人で普段は新聞記者として働いている」であったり、「かつて超人登録法の是非を巡ってヒーロー同士の争いがあり、キャプテンアメリカが死亡する事態にまで発展した」など、有名なキャラクターや事件はある程度知っていることがどうしても前提となってしまうケースがあります。

ここら辺、歴史をテーマにした日本のマンガを頭に浮かべればイメージがしやすいでしょうか?
幕末を舞台にした漫画であれば、説明なしで坂本竜馬が登場することもあるでしょうし、いきなり「黒船の来航で…」みたいなセリフが出てきたりもしますよね?
あれと同じような感じです。

20160904_1.jpg
(有名なキャラ、衝撃的な事件はユニバースの"歴史"となっていく)

このように自分の知らないキャラや事件にぶち当たることは、アメコミを読んでるとしょっちゅうです。

もちろん余裕があれば、ネットを使ってそのキャラや事件について調べてみてもよいですし、面倒くさいようであったら「そういうキャラもいるんだ」くらいにとらえて、さらっと流してしまうのも問題ありません。
大丈夫、本当に物語の本筋に絡んでくるキャラや事件であれば、最低限の説明は作中にあるはずです。

②"最初から"に拘らない
前項と似ているのですが、"終わらない物語"であるアメコミを始めから読むのは至難の業です。

先日翻訳された『グレイソン』を例にとって見ましょう。
この作品は「『フォーエバーイービル』事件でその正体を世間に知られてしまったナイトウイングがマスクを捨て秘密組織の諜報員として活躍する」という物語なのですが、
この粗筋を聞いて「じゃあその『フォーエバーイービル』から読まないとだめなのか」と『フォーエバーイービル』の粗筋を調べると今度は、
「『トリニティウォー』事件の結果、この世界に現れた悪のジャスティスリーグが…」となり、
『トリニティウォー』を調べると
「『フラッシュポイント』事件で登場したパンドラが…」と、正直きりがありません。
なのでどこかで見切りをつけてしまうことが重要です。

(真面目にさかのぼっていくとキリがないのが、アメコミの恐ろしいところ)

とはいえ、せっかく読むのであればきりの良いところから読みたいのもまた事実。
以降のTipsでは「それではどこから読めばよいのか?」という部分を考えていきましょう

③#1は裏切らない
当たり前の話ですが、#1(第1号)はどんなケースにおいても読み始めに丁度いい区切りです。
特に近年では各出版社とも大きい号数のコミックを出すことを嫌い、適切なタイミングで#1から再出発することに積極的ですので、その分#1と銘打たれたコミックを目にする機会は多く、読み始めるのに格好のタイミングとなっています。

20160904_2.jpg
(近年の流行であるリランチによる号数リセットは、読み初める格好の機会)

また後述しますが、まれに#1と銘打たれながらも、その前から話が続いているケースもあるのですが、その場合でも#1のタイミングでは必ずその号から読み始めた読者に向けたフォローは入るので、悩んだら#1から読んでおけば間違いありません。

④ライターで追ってみよう
また号数が#1ではない場合でも、「ライターが替わったタイミングで読み始める」という方法もあります。

日本では「アメコミには最終回が無い」というイメージが先行しており、それほど意識されていませんが、アメコミの場合は「1人のライターが担当した最初から最後まで」が、おおむね日本の漫画における"1作品"に該当します。
もちろんライターが替わったからといって前任者の物語が無かったことになるわけではありませんが、前任者が張った細かい伏線は前任者の任期中に大方解消され、新担当は自分の語りたい物語のために、新しく伏線を張り始めるのが基本です。

余談ですが、管理人も基本的にはライター単位でそのタイトルを読むか読まないかを決めており、例えばこのブログで紹介した「グリーンアロー」や、「スーパーマン」はそれまで読んでいなかったタイトルを、ライターが替わったのを機に読み始めています。

さらに余談ですがこの"1人のライターが担当した最初から最後まで"の事を"Run"と呼び、例えば"Geoff Johns' Aquaman Run"といえば、ジェフ・ジョーンズがアクアマン誌を担当した#1~25の事を意味します。


(ジェフ・ジョーンズの担当したアクアマンの1巻~4巻。5巻め以降は、ジェフ・パーカーによる"別の作品"。

で、前述のとおりこのRunは日本のマンガにおける1作品とおおむね同じ扱いですので、「誰々のあのRunは名作だ」とか、「誰々のRunは直ぐに打ち切られて、別のライターのRunが始まった」なんていう風に語られることになります。

⑤ライター追いの応用編
先ほどは「号数の途中でもライターが替われば別の作品」という話をしましたが、次はその逆「号数が#1にリセットされたのに、ライターが同じなので話が繋がっている」というケースの話をします。

先ほどもちらりと話しましたが、近年、各出版社は大きな号数のタイトルを出すのを嫌い、「DC YOU」や「Marvel Now!」などのキャンペーンにかこつけて積極的に号数を#1にリセットする傾向があります。

この際、上手くリセット前に物語にけりをつけて、#1から新ライターが就任できればよいのですが、そんなにうまくいくケースばかりではありませんし、評判のいいタイトルであれば号数リセット後も同じライターに担当してもらいたい場合もあります。

こういった場合は、号数は#1となりますが物語自体はリセット前の物語を引き継がれるケースが多く、読むときは注意が必要です。

とはいえ、「③#1は裏切らない」でも述べたとおり、#1が物語の途中であったとしても新規読者を獲得したくて号数を#1に戻すわけですから、そのタイミングで必ず新規読者向けのフォローが入るので、悩んだら読んでしまうことをお勧めします。

またこの考え方を応用すると、先日#52で完結を迎えた『グリーンランタン』の続きを読みたい場合に、「DC:リバース」で始まる『グリーンランタンズ』と『ハル・ジョーダン&グリーンランタン・コァ』のどちらを読めばいいか悩んだときに、ライターに注目することで「『グリーンランタン』と同じライターが担当する『ハル・ジョーダン&グリーンランタン・コァ』を読む」といった判断をすることもできます。
20160904_3.jpg
(先日始まったグリーンランタン系の2誌。前作の直系の続編もみえてくる)

以上、長くなりましたが、自分なりに思う「現行誌を読み始めるときのポイント」でした。

過去の名作や、好きなキャラクターのターニングポイントを、後からTPBで読むのももちろん面白いのですが、
毎月リーフを追うことで、ダイナミックな展開に胸を躍らせながら、ユニバースの歴史が誕生する瞬間を見守っていくのも、アメコミならではの格別な楽しさがあると自分は思っています。

少しでも多くの方とそういった"現行誌を追う楽しみ"を共有できればと思ったのが、今回の記事をまとめるきっかけとなったのですが、いかがでしたでしょうか?
もし機会があれば、今度は"イベントとの付き合い方"という記事でもまとめてみようかなと思いますので、引き続きよろしくお願いします。

【宣伝】(使いまわし)
今回の翻訳本の宣伝はDCから。
まずお勧めなのが『アクアマン』! 長い歴史を誇りながらも「ジャスティスリーグ1の不人気ヒーロー」と揶揄されることも多かったアクアマンを一躍DCのトップヒーローへ押し上げたジェフ・ジョーンズの腕前に舌を巻くこと間違いなしの内容です。
"一躍DCのトップヒーローへ押し上げた"といえば『バットガール:バーンサイド』も外せません。打ち切り前の穴埋め的に行った路線変更が大当たり。その方向性の後追いをするタイトルがDCのみならずマーベルでも現れ、"バットガール化"という言葉すら生まれた記念碑的作品となります。
つづいては『ジャスティス・リーグ:インジャスティス・リーグ』。傑作イベント『フォーエバーイービル』の展開をうけ、ルーサーがジャスティスリーグに加入という衝撃の導入で開始する本作は、ジェフ・ジョーンズのジャスティスリーグの絶頂期と言っても過言ではない面白さです。



続いてはマーベル。
こちらは何といっても『スーペリア・スパイダーマン:マイ・オウン・ワースト・エネミー』でしょう。
Dr.オクトパスがピーターの体を乗っ取りヒーロー活動を始めるという、変化球どころかビーンボールのような内容ながら、その面白さで多くの人を唸らせた傑作です。ピーターが体を乗っ取られるまでの経緯を描いたアメージング・スパイダーマン誌の最後のストーリーも収録されるのがうれしいところ。
続いて未読ながら「心の中にいるキャプテンアメリカ、ウルヴァリン、スパイダーマンの人格と会話をしながら戦う多重人格ヒーロー」という設定がとにかく凄い『ムーンナイト 上』も気になるところ。
最後は定番となったデッドプールから『デッドプールVol.7:アクシス』と『デッドプール Vol.8:オール・グッド・シングス(仮) 』の2冊が発売。


コミッション募集:デヴィッド・バルデオン(David Baldeon)

今回はコミッション募集の告知です。

今回、コミッションを受けてくださるアーティストさんは、
20160411_1.jpg
20160411_2.jpg
デヴィッド・バルデオン(David Baldeon)さん。

【略歴】
スペイン在住のコミックアーティスト。
新人の頃、DCにてRobinでペンシラーを務めた(担当したイシューがラスアルグールの復活のクロスオーバーで邦訳されています)。その後はMarvelに渡り、ジムリーが創刊号で記録を塗り替えたマーベルの記念碑的シリーズ『X-men』を締めくくる最終号を担当し、17か月に渡って連載された『NOVA』など様々なタイトルを担当。
現在はSpider-manのスピンオフ、『Web Warriors』を担当中。

【申し込みの要綱】
今年後半のイベントへの来日に向けてコミッションの受付、制作予定です。
できあがったコミッションの受け渡しは会場、あるいは仲介者のyokkunが後日郵送
イベントに当日いけなくなった場合、あるいはお住まいが東京から離れているのでイベント自体に来れる見込みが立たなそうな方は、郵送料1500円かかると見てください。

【申し込み事項】
以下の事項を記載の上、yoshimichicomicarttrade@gmail.comへメール
・お名前
・電話番号
・住所
・希望のキャラとオプション

【お支払い時期】
 ・イベント会場でコミッションと受け渡し
 ・後日郵送の方は口座振り込み

【米ドルの日本円での正確な支払金額】
来日数日前に代理人のyokkun氏がみずほ銀行などの金融機関で換金予定で、その際に掛かった換金レートに基づいて算出。(新聞やニュース等で公表されるレートよりも金融機関が換金する際に手数料がかかるので数円分レートがアップする事をあらかじめご了承ください)

【価格表】
A-3サイズ, 1 CHARACTER, 全身絵, インク+コピック、グレーで陰影 $300
A-4サイズ, 1 CHARACTER, 全身像, インク+コピック、グレーで陰影 $180
A-4サイズ, 1 CHARACTER, バストアップ, インク+コピック(グレー) $90

全て簡略な背景を含みますが、ディテールを含んだ詳細な背景をご希望の際は追加料金で承ります。

ブランクカバーのオプションもありますが、ご依頼者から直接スペインへ送っていただく必要があります。

ブランクカバー, 1 CHARACTER, 全身絵, インク+コピック $120
ブランクカバー, 1 CHARACTER, ヘッドショット, インク+コピック $90

【コミッション例】
20160411_3.jpg
Nova Commission
Vader.jpg
Wolverine.jpg

[コミッション募集!]サミ・バスリ&ボン・ダゾ

毎度お世話になっているコミックディーラーYokkunさんから、コミッション募集の連絡が来ました。
今回はそのメンバーが凄い!

サミ・バスリ(Sami Basri)
氏と…
a4 (3)

ボン・ダゾ(Bong Dazo)氏です!
20151205_1.jpg


サミ・バスリ氏といえば、言わずと知れたトップアーティストの1人で、特に女性を書かせたらその腕前は天下一品!
昨年は海外マンがフェスタに合わせて来日し、会場を大いに盛り上げてくれました。
その時に書いた彼の紹介がこちら
(管理人もこっそりと、コミッションを依頼)

そして日本でコミッションを受け付けるのは今回が初めてとなるボン・ダゾ氏は、日本でも翻訳本が発売された『デッドプール:マーク・ウィズ・ア・マウス』を始め、マーベルでの数多くのデッドプール作品が有名です。
しかしその活動の範囲は、ダークホース社のスターウォーズ作品など多岐にわたっており、最近ではDCの「ダークサイドウォーズ:スーパーマン」やフラッシュ誌などでも活躍しております。
20151205_2.jpg


以下は、Yokkun氏からの募集要項となります。

【応募方法】
以下の内容を記載の上、yoshimichicomicarttrade@gmail.comへメール。
・件名:「サミ・バスリのコミッション応募」か「ボン・ダゾのコミッション応募」のいずれかを記載。
  ※両名に依頼する場合は、メールをお分け下さい
・お名前
・送付先のご住所
・電話番号
・ご希望のキャラクター名(コスチューム等に特別な指定がある場合は資料必須)
・オプション(紙のサイズ・背景有り無し・フィニッシュ方法)

【コミッション価格】

[サミ・バスリ]
11x17サイズ(ペンシル)
 ・背景無し$310
 ・背景有り+$60
 ・インク入れ+$60
 ・キャラ追加+$150
 ・コピック仕上げ+$250
(注:11x17サイズでコピック仕上げをご希望の場合、インク入れのオプションも付け足す必要があります。つまり計$310が必要となります。)

A4サイズ(インク込み)
 ・背景無し$250
 ・背景有り+$60
 ・キャラ追加+$100
 ・コピック仕上げ+$150

[ボン・ダゾ]
11x17サイズ
 ・ペンシル仕上げ$330
 ・インク入れ+$120
 ・キャラクター追加+$120

 ・カラー仕上げ$750

表紙レベルの作画
 ・ペンシル$750


【その他注意事項】
今回の募集ではあらかじめ人数制限を設けることとなりました。
サミ・バスリは10名様分、ボン・ダゾは15名様分の枠内での募集となります。枠内ですが、先着順ではなく、12月13日までにご応募頂いた方の中からコミッションの仲介役のyokkunが、応募いただいた題材をアーティストと共に吟味し、どの依頼を通すか選択する事に致します。
メールの宛先はyoshimichicomicarttrade@gmail.comまでお願い致します。メールを頂けましたら、当落に関係なく、すべての方に返信致します。

もし12月13日までに枠内の人数に達しなかった場合はご応募いただいた方全員を受付いたします。また、規定の人数以上の応募があり、今回の募集で漏れてしまう方が出た場合、ご希望であれば「待ちリスト」に記載致します。今回の募集分のコミッションの制作が終り、次回に募集をかけた際に優先的にお取次ぎします。次回分募集の時点でコミッション依頼のご興味が無くなっていましたらご辞退いただく事も可能ですので、お気兼ねなくお知らせくださいませ。

【郵送方法について】
今回の募集は海外マンガフェスタの来日に伴うものではなく、全て郵送となります。アーティストがスタジオで描いたコミッションを仲介者に一括送付→各ご依頼者様に仲介者が郵送する体裁となります。そのため、下記のコミッションの料金に加えて郵送料がかかることをご了承ください。インドネシア(サミ・バスリの場合)、あるいはフィリピン(ボン・ダゾの場合)から日本の仲介者の住所までの国際郵便料金をコミッションの依頼者人数分で割った費用+各依頼者様への梱包・郵送費のお支払いをお願いします。正確な郵送費の合計金額は現時点では判りませんが、約3000円~4000円になる見込みです。4000円以上掛かること経験上ありません。

【お支払い時期・方法】
半額前金、完成時に残額のお支払いをお願いします。

・サミ・バスリのコミッションは10名様枠内の方が決定した時点で、全員の方から半額前金のお支払いをお願いする予定です。
・アーティストへの支払いは郵便局からサミの口座へ仲介者が送金にする際にかかる郵便局の換金レートとなります。

・ボン・ダゾのコミッションはアーティストが15名様の枠内から数名様分に分けて取り掛かる予定で、ボン・ダゾが取り掛かった時点で該当者の方の前金50%のお支払いをお願いする予定です。
・ボン・ダゾへの支払いはPaypalを予定しています。換金レートはPaypalでの支払いにかかった費用になります。

お支払い金額が確定した時点で振込先の情報を各ご依頼者様に連絡します。

【作品例】
[サミ・バスリ]
a4 (1)
1117 (1)
1117 (2)
1117 (3)
1117 (4)
a4 (2)
a4 (4)

[ボン・ダゾ]
raw_wolvie_psylocke_by_manyacts-d6eeh9r.jpg
Bong Dazo Deadpool
Bong Dazo Deadpool commission 01
Deadpool vs Spidey
good_for_a_tree______by_manyacts-d5xrh0i.jpg
x-force20bong20dazo.jpg
プロフィール

NOB-BON

Author:NOB-BON
X-men生まれSpawn育ちを地でいく、90年代アメコミバブルの残党。
しばらくの間、アメコミは翻訳本を買う程度だったのが、最近のデジタルコミックの手軽さにひかれ、本格的に復活しました。

基本的にMarvelメインですが、DCのリランチを機に自分の中でDCブームが来てるので、しばらくはDCの話題続くかも。
しばらくどころか完全にDC派に転びました。

Twitter
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
本・雑誌
16位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
洋書
1位
アクセスランキングを見る>>
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
カウンター