Amazing Spider-man #699-700
【注意】この記事は先週発売のスパイダーマン最終号のネタバレです
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アメイジング・スパイダーマン #699-700
前号でDr.オクトパスと精神を入れ替えられていたことが発覚したピーター。
超人刑務所ラフト最深部で生命維持装置に繋がれた本物のピーターに残されたものは、余命数時間の肉体と脳内に残されたDr.オクトパスの人生の記憶だけであった。
(紛らわしいので以下、"スパイダーマン"と言ったらスパイダーマンの身体を乗っ取ったオクトパス、"ピーター"と言ったらDr.オクトパスの身体に閉じ込められたピーターの事を指すと思ってください。)
Dr.オクトパスの記憶を探り、自分とオクトパスの精神を入れ替えた手口をしったピーターは、入れ替えに使われた小型オクトボットを動かすことに成功。
オクトボットを用いてPCをハッキングし、自分を脱獄させた者に多額の謝礼を支払うことを裏社会中に伝える。

ちなみにオクトパスの記憶を探る過程で、オクトパスとメイ伯母さんの結婚式の記憶を探り当ててしまうピーター。これはトラウマ物...

ほどなくラフトは賞金につられた3人のヴィラン、ハイドロマン、スコーピオン、トリックスターに襲撃され、ピーターは無事脱獄に成功。そのまま3人を雇ったピーターは、NYを闊歩するスパイダーマン(中身はオクトパス)を追う。

(ここまで#699)
ニューヨークの街を舞台に始まったピーターとDr.オクトパスの最後の知恵比べ。
しかし、長年の戦いでお互いの手の内を知り尽くしたうえに、今では記憶すら共有した二人は相手の裏をかきあうばかり。
そんな宿敵同士の2人は、遂にヒーロー不在のアベンジャーズタワーの最上階で相対。最後の戦いを繰り広げることになる。

スパイダーマン(中身はオクトパス)が呼び寄せたピーターの友人たち(メイ伯母さん、MJ、ビュークルとホライゾンラボの同僚たち)を案じながらの戦いに劣勢気味なピーター。
しかし、それはピーターの策略であった。
お互いの精神をもう一度入れ替えさせるために、人格交換用オクトボットをスパイダーマンの背後に忍びよらせたピーターは、一瞬の隙をつきスパイダーマンの延髄にオクトボットの触手を刺し入れる。
カツッ!

ピーターの予想に反して触手に伝わる硬い感触。
ピーターの行動を読んでいたスパイダーマンは、対オクトボット用カーボンプロテクターを開発し後頭部を守っていたのだ。
万策尽き、危篤状態の身体を必死で支えてきたピーターも、自分の敗北と最後の時の訪れを知る。
人生の走馬灯に身を任せ目を閉じたピーターの脳裏に、ベン伯父さんとの思い出が甦る。

ベン伯父さん:起きろピーター!学校に遅れるぞ!
ピーター :まったく叔父さんときたら…
スパイダーマン:…目覚まし時計よりも、容赦ないんだから。
なぜか同じ走馬灯を共有するピーターとスパイダーマン
ピーターは悟った、自分の記憶をそのまま奪ったことで、ピーターとDr.オクトパスの精神にある種の繋がりが生まれたことを。
最後の力を振り絞り、自分の人生をスパイダーマンに追体験させるピーター。
-メイ伯母さんとベン伯父さんの下、貧しいながらも愛にあふれた家庭で育ったこと。
-放射能にさらされたクモにかまれ、超人的能力を身につけたこと。
-自分の傲慢さが原因で、最愛の叔父を失ったこと。

スパイダーマン:今すぐ止めろ!さもなくば殺してやる。
ピーター :君にはそんなことできないさ。"僕ら"は命の大切さを知っているはず。
ステイシー警部、グウェン・ステイシー、シルバーセーブル。助けることができなかった人々の記憶が悲しみと共に2人の脳裏に浮かぶ。

スパイダーマン:やめてくれ。もう充分だ。これ以上悲しみはを背負いきれない。
ピーター :背負えるさ。自分がどれだけの物を背負えるか知ればきっと君は驚くぞ。
:この世は戦う価値のあるものにあふれてる。
シンビオート、ジャガーノート、今までピーターが戦った絶望的な戦いの記憶がスパイダーマンを苦しめる。

ピーター :そうした?君はスパイダーマンになりたかったんだろ?
スパイダーマン:こんなことまで望んでいなかった。
:なぜ?どうしてここまでやれるんだ?
ピーター :"やれる"じゃない。やらなきゃならないんだ。
:大いなる力には大いなる責任が伴うのだから...
スパイダーマン:…そうだな。
ピーター :よかった。これで君はスパイダーマンだ。
:最後のお願いだ...僕の友人達を守ってくれ...
:それこそが僕の...
スパイダーマンの腕の中で息を引き取るピーター。

ピーターの亡骸の前でスパイダーマンは、ピーターの魂に語りかける。
スパイダーマン:さらばピーター・パーカー。君の遺志は私が引き継いだ。
:私は誓う。この世界を悪人の手には渡さないと。
:私の才能と熱意の全てをつぎ込み、君以上に優れた(Superior)スパイダーマンになると!
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以上がニュースサイトなどで話題なった「アメイジング・スパイダーマン最終話 ピーター・パーカー死亡」の全てです。
世間では「俺たちのピーターに何してくれるんじゃい!」とばかりに憤る声もありますが、個人的にはこのようなダイナミックな展開もアメコミの魅力の一部だと思ってますし、「スパイダーマンの記憶を引き継ぐ事で、Dr.オクトパスが『大いなる力には大いなる責任が伴う』ということを知りヒーローとして目覚める」という展開も、初めから完成された完全無欠のヒーローではなく、『等身大の少年が幾多の戦いと喪失の中でヒーローになっていく』というスパイダーマンのテーマに沿った良い展開ではないかと思います。
ちなみにAmazing Spider-man誌は今回の話で一旦終了。来月以降は新スパイダーマンを主人公にしたSuperior Spider-manが始まります。
One More Dayで別れて以降ファンが心待ちにしていた復縁を、遂に(ファンが望まない形で)果たしたMJとスパイダーマンの関係や、ピーターからオクトパスと中身を入れ替えられたことを打ち明けられながらも、今の段階では全く信じていないカーリー、人間の心を取り戻しながらも自らの罪の大きさを悔やみラフトで怪物として投獄されることを選んだリザードなど、新たなドラマツルギーはふんだんに用意されておりしばらく退屈することはなさそうです。
…とはいえ自分にとってスパイダーマンの魅力とは、あくまで「少し頼りなく、ついていないけど快活さを失わないみんなの友人ピーター・パーカーの人生を見守る」ことだったので、Superior Spider-manを読むかどうかは、世間の評判次第ですね。
前回も描きましたが、今回の話は先日のスパイダーマンのイベント"End of the Earth"から話が続いています。
また、今回は大団円に相応しくスパイダーマンの関係者が総登場しますが、臨死体験をしたピーターが今までスパイダーマンが救えなかった人々達が平和に暮らす田舎町を訪れるシーンは必見です。

そこに1コマだけ出てくる赤毛の少年ティム・ハリソンが登場する名エピソード「スパイダーマンを集める少年」は、翻訳もでているので是非。
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アメイジング・スパイダーマン #699-700
前号でDr.オクトパスと精神を入れ替えられていたことが発覚したピーター。
超人刑務所ラフト最深部で生命維持装置に繋がれた本物のピーターに残されたものは、余命数時間の肉体と脳内に残されたDr.オクトパスの人生の記憶だけであった。
(紛らわしいので以下、"スパイダーマン"と言ったらスパイダーマンの身体を乗っ取ったオクトパス、"ピーター"と言ったらDr.オクトパスの身体に閉じ込められたピーターの事を指すと思ってください。)
Dr.オクトパスの記憶を探り、自分とオクトパスの精神を入れ替えた手口をしったピーターは、入れ替えに使われた小型オクトボットを動かすことに成功。
オクトボットを用いてPCをハッキングし、自分を脱獄させた者に多額の謝礼を支払うことを裏社会中に伝える。

ちなみにオクトパスの記憶を探る過程で、オクトパスとメイ伯母さんの結婚式の記憶を探り当ててしまうピーター。これはトラウマ物...

ほどなくラフトは賞金につられた3人のヴィラン、ハイドロマン、スコーピオン、トリックスターに襲撃され、ピーターは無事脱獄に成功。そのまま3人を雇ったピーターは、NYを闊歩するスパイダーマン(中身はオクトパス)を追う。

(ここまで#699)
ニューヨークの街を舞台に始まったピーターとDr.オクトパスの最後の知恵比べ。
しかし、長年の戦いでお互いの手の内を知り尽くしたうえに、今では記憶すら共有した二人は相手の裏をかきあうばかり。
そんな宿敵同士の2人は、遂にヒーロー不在のアベンジャーズタワーの最上階で相対。最後の戦いを繰り広げることになる。

スパイダーマン(中身はオクトパス)が呼び寄せたピーターの友人たち(メイ伯母さん、MJ、ビュークルとホライゾンラボの同僚たち)を案じながらの戦いに劣勢気味なピーター。
しかし、それはピーターの策略であった。
お互いの精神をもう一度入れ替えさせるために、人格交換用オクトボットをスパイダーマンの背後に忍びよらせたピーターは、一瞬の隙をつきスパイダーマンの延髄にオクトボットの触手を刺し入れる。
カツッ!

ピーターの予想に反して触手に伝わる硬い感触。
ピーターの行動を読んでいたスパイダーマンは、対オクトボット用カーボンプロテクターを開発し後頭部を守っていたのだ。
万策尽き、危篤状態の身体を必死で支えてきたピーターも、自分の敗北と最後の時の訪れを知る。
人生の走馬灯に身を任せ目を閉じたピーターの脳裏に、ベン伯父さんとの思い出が甦る。

ベン伯父さん:起きろピーター!学校に遅れるぞ!
ピーター :まったく叔父さんときたら…
スパイダーマン:…目覚まし時計よりも、容赦ないんだから。
なぜか同じ走馬灯を共有するピーターとスパイダーマン
ピーターは悟った、自分の記憶をそのまま奪ったことで、ピーターとDr.オクトパスの精神にある種の繋がりが生まれたことを。
最後の力を振り絞り、自分の人生をスパイダーマンに追体験させるピーター。
-メイ伯母さんとベン伯父さんの下、貧しいながらも愛にあふれた家庭で育ったこと。
-放射能にさらされたクモにかまれ、超人的能力を身につけたこと。
-自分の傲慢さが原因で、最愛の叔父を失ったこと。

スパイダーマン:今すぐ止めろ!さもなくば殺してやる。
ピーター :君にはそんなことできないさ。"僕ら"は命の大切さを知っているはず。
ステイシー警部、グウェン・ステイシー、シルバーセーブル。助けることができなかった人々の記憶が悲しみと共に2人の脳裏に浮かぶ。

スパイダーマン:やめてくれ。もう充分だ。これ以上悲しみはを背負いきれない。
ピーター :背負えるさ。自分がどれだけの物を背負えるか知ればきっと君は驚くぞ。
:この世は戦う価値のあるものにあふれてる。
シンビオート、ジャガーノート、今までピーターが戦った絶望的な戦いの記憶がスパイダーマンを苦しめる。

ピーター :そうした?君はスパイダーマンになりたかったんだろ?
スパイダーマン:こんなことまで望んでいなかった。
:なぜ?どうしてここまでやれるんだ?
ピーター :"やれる"じゃない。やらなきゃならないんだ。
:大いなる力には大いなる責任が伴うのだから...
スパイダーマン:…そうだな。
ピーター :よかった。これで君はスパイダーマンだ。
:最後のお願いだ...僕の友人達を守ってくれ...
:それこそが僕の...
スパイダーマンの腕の中で息を引き取るピーター。

ピーターの亡骸の前でスパイダーマンは、ピーターの魂に語りかける。
スパイダーマン:さらばピーター・パーカー。君の遺志は私が引き継いだ。
:私は誓う。この世界を悪人の手には渡さないと。
:私の才能と熱意の全てをつぎ込み、君以上に優れた(Superior)スパイダーマンになると!
******
以上がニュースサイトなどで話題なった「アメイジング・スパイダーマン最終話 ピーター・パーカー死亡」の全てです。
世間では「俺たちのピーターに何してくれるんじゃい!」とばかりに憤る声もありますが、個人的にはこのようなダイナミックな展開もアメコミの魅力の一部だと思ってますし、「スパイダーマンの記憶を引き継ぐ事で、Dr.オクトパスが『大いなる力には大いなる責任が伴う』ということを知りヒーローとして目覚める」という展開も、初めから完成された完全無欠のヒーローではなく、『等身大の少年が幾多の戦いと喪失の中でヒーローになっていく』というスパイダーマンのテーマに沿った良い展開ではないかと思います。
ちなみにAmazing Spider-man誌は今回の話で一旦終了。来月以降は新スパイダーマンを主人公にしたSuperior Spider-manが始まります。
One More Dayで別れて以降ファンが心待ちにしていた復縁を、遂に(ファンが望まない形で)果たしたMJとスパイダーマンの関係や、ピーターからオクトパスと中身を入れ替えられたことを打ち明けられながらも、今の段階では全く信じていないカーリー、人間の心を取り戻しながらも自らの罪の大きさを悔やみラフトで怪物として投獄されることを選んだリザードなど、新たなドラマツルギーはふんだんに用意されておりしばらく退屈することはなさそうです。
…とはいえ自分にとってスパイダーマンの魅力とは、あくまで「少し頼りなく、ついていないけど快活さを失わないみんなの友人ピーター・パーカーの人生を見守る」ことだったので、Superior Spider-manを読むかどうかは、世間の評判次第ですね。
前回も描きましたが、今回の話は先日のスパイダーマンのイベント"End of the Earth"から話が続いています。
また、今回は大団円に相応しくスパイダーマンの関係者が総登場しますが、臨死体験をしたピーターが今までスパイダーマンが救えなかった人々達が平和に暮らす田舎町を訪れるシーンは必見です。

そこに1コマだけ出てくる赤毛の少年ティム・ハリソンが登場する名エピソード「スパイダーマンを集める少年」は、翻訳もでているので是非。
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