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ファンタスティック・フォー #25  (その2)

ファンタスティック・フォー #25(その2)
(作:ダン・スロット、画:R.B.シルヴァ)

今回は前回の続き。

【リードの隠し事】
というわけで、宇宙を破滅させる可能性がある物質を、家族に内緒でバクスタービルディングの地下に保管していたことが発覚したリード・リチャーズ。
彼はその物質を、内外問わず全ての干渉を遮断する保管庫に封じ込め、ニューヨークのど真ん中に隠していたのだ。
そしてこの保管庫が全ての元凶であった。Drドゥームすら恐れをなす宇宙的存在は、銀河の中で彼らが観測できない数少ないポイントであるその保管庫に彼らが求める"何か"があると見定め、地球に降り立ったのだ。

【フランクリンの最後の一撃】
謎の敵がバクスタービルに狙いを定めたことを知り駆け付けるリード達。
しかし到着した彼らを待っていたのは、バクスタービルの跡地にできた巨大なクレーターであった。

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スー:あなた!なんでこんなところにフランクリンを連れてくるの!?
Dr.ドゥームと共に、バクスタービルにたどり着いたスーは、息子の姿を見るなりリードに詰め寄る。

リード:すまない。我々に勝機があるとすれば、ユニバースすら創りだすあの子の力だけなのだ。
スー:でも…
Dr.ドゥーム:黙るのだインヴィジブルウーマンよ。我々の優先事項はそこではなく、目の前のあやつだ。そしてリードよ、悪くない判断だ。

Dr.ドゥームが指し示した先には、バクスタービルディングを破壊した張本人がたっていた。

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ファンタスティックフォーをあたかも路傍の虫けらであるかのように無視し、黙々とバクスタービルの瓦礫を掘り進む謎の敵は、先手必勝と飛びかかったシングをハエでも追い払うように吹き飛ばす。

リード:息子よ、これがお前を連れてきた理由だ。準備はできてるか?
フランクリン:やってみる。
自分に残された力の全てを使って大事なものを護る。僕は今までこの時を待っていた。
ベンおじさんの言葉を借りるならば…

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しかし、フランクリンに残された全ての力を乗せたパンチも、謎の敵をわずかにたじろがせたに過ぎなかった。
コズミックパワーを失いただの少年となったフランクリンを、リードはすぐさま戦場から脱出させる。

唯一の勝機を失い絶望的な戦いへと突入した家族を前に、フランクリンができること。
それは、フランクリンのもう1つの"家族"であるミュータントたちに助けを求めることであった。

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セントラルパークにあるミュータント国家クラコアへのゲートに走るフランクリン。
フランクリン:まだ僕にやれることはある! コズミックパワーは失ったかもしれないけど、僕はチームで唯一のミュータントなんだ!

しかし、いつもならフランクリンの中に存在するX遺伝子(ミュータント遺伝子)に反応するゲートは、何故か今回は反応しない。
それが意味する事実に思わずへたれこむフランクリン。
そう。理由は定かではないが、彼は今やミュータントですらない名実ともにただの少年となったのだ……

【ヴァレリアの発明】
一方でバクスタービルディング跡地では事態は新たな展開を見せていた。
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謎の敵はファンタスティックフォーをあっさりと蹂躙し保管庫を破壊。しかし保管庫の中に安置されていたものが、彼らが探し求める何かではないことを知ると、全てに興味を無くし地球を去ったのだ。

しかしそれですべてが解決したわけではない。リードがバクスタービルの地下に隠していた"ユニバースを破壊しうる物質"が、解放されてしまったのだ。
彼が隠していた物質とは、このユニバースの原初の力、通称"ゼロフォース"であった。
古いユニバースを消し去り、新しいユニバースをキックスタートさせる力をもったゼロフォースを実験中に精製してしまったリードは、それを長年隠し持ってきたのだ。

再び活性化し、世界を新たなユニバースへと変換し始めたゼロフォースと対峙するリード・リチャーズとDr.ドゥーム。

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Dr.ドゥーム:このエネルギーは私がギャラクタスを倒したビッグバン砲のエネルギーと類似性が見られるな?
リード:その通り。なので君がビッグバンの力を制御した方法を教えてくれないか?
Dr.ドゥーム:長年の精密な計画のたまものだ。
リード:ならダメだ。僕たちには数分しか残されてない。
Dr.ドゥーム:貴様こそ、ゼロフォースを破壊する方法を10年近く研究してきたのであろう?
何かないのか?

リード:残念ながら何も……
???:私にはあるわ!


地球上で最も頭の良い男たちが、全てを諦めた時、救いの声が上がる。

声の主は、リードの娘ヴァレリアであった。
空飛ぶ車、ファンタスティックカーに乗って現れた彼女は、空輸してきた巨大な機械を作動させる。
彼女が持ってきたのは、ファンタスティックフォーが普段使っているテレポーターであった。
彼女はそれを、ゼロフォースの放つエネルギーを中和しその動力とできるように調整したのだ。
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そしてそれは、全ての時間軸/全ての多次元世界に自由に行き来ができるゲートが、ニューヨークのど真ん中に出現したことを意味していた……

【それぞれの夜】
事件が片付き自宅へと帰った子供たち。
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ヴァレリア:パパが10年以上解決できなかった問題を解決するなんて、私ってばちょっとすごいのかも。さて次は何をしてみようかな?
浮かれ気味に、自分の目の前に広がる無限の可能性に思いをはせるヴァレリア。
一方、フランクリンは……
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【エピローグ】
そのころ月面では、1人の男が地球を見つめていた。
男の名は"アンシーン"。世界の観測者ウォッチャーを殺害した罰として、その観測者として役割を担わされたることとなった男である。
世界にどのような危機が迫ろうとも、ただその成り行きを見守ることしかできない観測者として役割は、かつてニック・フューリーと呼ばれた彼にとって、耐えがたい罰であった。
しかし、彼の罪が遂に贖われる時が来たのである。

ニック・フューリーの前に現れたのは復活したウォッチャー。
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ウォッチャーは自身が不在の間に、ニックが観測した全ての事象を満足げに確認し、ニックに語り掛ける。

ウォッチャー:戦争が始まる。古い…原初の戦争が。
全ての者、全ての場所、そして全ての時代に危機が訪れる。
ニコラス・フューリーよ、お前は私の見えざる手となれ。
今世界に必要なのは観測者ではない、戦士だなのだ!


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***************************
というわけで、2回にわたるファンタスティックフォー誌の紹介でした。

フランクリンについての補足ですが、彼がクラコアのゲートを通れなかったのは、彼が元々ミュータントではなかったからです。
次号で行われた解説によれば、彼がミュータントと思われていたのは、彼が生まれながらに保持していたわずかなコズミックパワーの仕業ということになりました。
彼は「自分も特別な存在でありたい」と願う気持ちから無意識にコズミックパワーを使用し、自分自身の遺伝子をミュータントのそれに書き換えていたというわけです。
そのため今回の戦いで全てのコズミックパワーを使い果たした結果、フランクリンは彼の本来の姿であるごく普通の人類に戻ることとなりました。

この(無理やりな)設定変更にファンからは非難の声も上がったんですが、自分的にはウェルカムです。
「家族の中で自分だけが"特別"ではない」という状況は、思春期を迎えたフランクリンが直面する試練にぴったりですし、この展開につながる布石として、父親の才能を受け継いだヴァレリアに対してフランクリンが抱える劣等感が以前から匂わせており、けして唐突な展開でもありません。

多くの読者が思春期に体験したであろう「何者でもない自分を受け入れる」という通過儀礼を、フランクリンはどのように潜り抜けるのか?
そして、そういった凡人の悩みから最も遠いところで生きてきたリードが、父親としてどのようにふるまうのか?
今回の展開で、そういった非常に魅力的な物語の種がまかれたんじゃないですかね。

そして続いては、今回、ヴァレリアが作ってしまった"フォーエバーゲート"についてです。
物語じゃこれ以降、この全ての時間と全てのユニバースと行き来を可能とする扉を中心に進んでいくのですが、管理人はその影響はファンタスティックフォー誌に留まらないのではと予想しています。

実は先日、マーベルは『アベンジャーズ#38』の発売に先駆け、ある予告を発表を打ちました。

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その予告によれば「マーベルは2021年に、ユニバースの現在/過去/未来の衝突を描く大イベントを実施する」というのです。
実際に発売された『アベンジャーズ#38』では、太古の昔から遠い未来まで全ての時制で暗躍し、アベンジャーズの敵であり続けたメフィストの姿が描かれたのですが、どうでしょうか?
マーベルの次なるイベントで、世界の現在/過去/未来が問題になるならば、その全てと行き来ができるゲートが『ファンタスティック・フォー』誌で誕生したのは偶然ではないのではないでしょうか?

……というわけで、今回は密かに今後のマーベルユニバースの中心になっていきそうな『ファンタスティック・フォー』の紹介でした。

【宣伝】(使いまわし)
今回紹介した作品のTPB1-4巻。
ヒーローというよりは、冒険家族という側面を前面に出した冒険活劇に仕上がっています


DC関連では遂に、『ドゥームズデイクロック』の発売が決定!
"DC世界とウォッチメン世界の衝突"というDCリバースをけん引した謎の集大成です。
またゾンビ禍に襲われたDC世界を描く『ディシースト』の予約も開始。管理人は読んでないのですが、とにかく面白いらしく次から次に続編やスピンオフが出ている作品なので、気になっています。
陰惨な『ディシースト』と対照的に明るく可愛らしい作品が『スーパーマン・スマッシュ・ザ・クラン』。
「スーパーマンが人種差別団体KKKと戦った」という"実話"をベースとした作品で、アーティストは人気者のグリヒルの希望溢れる物語となっています。





マーベル関連では大型イベント『シークレット・エンパイア1』が発売。「キャプテン・アメリカは実はシールドの工作員であった」という衝撃の展開から始まったヒドラ・キャップの最終章。サム・ウィルソンがとにかくかっこいい話なので、キャプテン・アメリカとしてのサムの活躍を見たい方にもおすすめ。
また『Ms.マーベル』の新刊の発売も決定。ヒーローオタクの少女カマラ・カーンの冒険がとにかく楽しいのは勿論ですが、コミック史的な観点でもマーベル世界の方向性を新たに作った21世紀のマスターピースともいえる重要シリーズなので、邦訳の続刊は嬉しいところ。


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NOB-BON

Author:NOB-BON
X-men生まれSpawn育ちを地でいく、90年代アメコミバブルの残党。
しばらくの間、アメコミは翻訳本を買う程度だったのが、最近のデジタルコミックの手軽さにひかれ、本格的に復活しました。

基本的にMarvelメインですが、DCのリランチを機に自分の中でDCブームが来てるので、しばらくはDCの話題続くかも。
しばらくどころか完全にDC派に転びました。

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