スーサイド・スクワッド#1
スーサイド・スクワッド#1
(作:トム・タイラー、画:ブルーノ・レドンド)
【タスクフォースX招集】
オーストラリアで起こった、超人環境テログループによる原子力潜水艦のシージャック事件。
自国が売りつけた原潜が裏社会に流出することを恐れ、密かに事態の収拾に乗り出したアメリカ政府は、罪の減免をかけて戦う悪党たちの特殊部隊タスクフォースX――通称スーサイドスクワッドの投入を決定する!
ベル・レーヴ収容所にあるブリーフィングルームに、いつものように連れ出されたハーレクインとデッドショットはしかし、いつもの任務とは違う2点に気が付く。
1つめは、彼らに任務の説明をするのがアマンダ・ウォラーではなく、ロークと呼ばれる新顔である点。
そして2つ目は、その集められたメンバーであった。

デッドショット:マグパイにキャバリエ?
本気か?もっと他にいるだろ。
こいつらと一緒だと、道路を横断するのだって自殺任務だ。史上最低のスーサイドスクワッドだぜ。
ハーレイ:あまり"可哀そうな人たち"のことを非難したくはないけど、デッドショットの言うことも一理あるかも……

キャバリエ:ワンフォーオール、オールフォーワン!
デッドショット&ハーレイ:黙ってろ!

デッドショット:このシマウマ野郎もひどいな。
ハーレイ:そもそもなんでまたシマウマの恰好してるの?放射能シマウマに噛まれた?
ゼブラマン:いや
ハーレイ:シマウマの能力を持ってるとか?
ゼブラマン:いや
ハーレイ:シマウマがすっごい好き?
ゼブラマン:自分の名前については、一度も考えたことがない。
ハーレイ:一度も!?

マグパイ:わたしただのコソ泥で、ちょっと場違いな気がしてるんですけど……
そんな不平たらたらなチームをスーサイドスクワッドの新長官ロークは、暴力的に黙らせる。
例えどんな面子でも彼らに拒否権はない。自身の恩赦を鼻先にぶら下げられ自殺同然の任務へと向かう。
それこそがスーサイドスクワッドなのだから。
【任務開始】
一方、奪われた原子力潜水艦の艦上では、自らを”地球環境を守るヒーロー”と自認する若者たちが、自らに迫りくるスーサイドスクワッドの存在を知らず、その翼を休めていた。
兄弟ではしゃぐ者、

恋人と語らう者、

新たな愛情を育む者。

まるで家族のように互いを思いやる彼らに、スーサイドスクワッドが襲い掛かる!
闘いは凄惨を極めた。
キラーシャークに兄を食われ、崩れ落ちる弟、

頭を勝ち割られるキャバリエ

一瞬で殺されるマグパイ……
互いに殺しあう2つのチームの動向を上空から見下ろしていたスーサイドスクワッドの新司令官ロークは、戦いに気を取られる全員の体内にリモート爆弾を埋め込み、見せしめにテロリストの1人を爆殺したうえで、投降を促す。
ローク:次はどいつを殺してほしい?
リーダー:いつか絶対に殺してやる。

ローク:同じことを言った奴はお前の前にも何人もいた。そして私はまだここにいる。
さぁ撤収だ。タスクフォースXの諸君、彼らがお前らの新しいチームメートだ。
デッドショット、お前は最初に"史上最低のスーサイドスクワッド"といったな。
その通りだ。私はこのやり方で世界を変えていく。
*************************
というわけで、今回は始まったばかりの新生『スーサイドスクワッド』の紹介でした。
直前のミッションで殺しあった敵をチームメンバーに徴用していく方針を推し進めた結果、"悪党同士の友情"どころか互いに互いの事を"仲間の仇"とみなす者たちで構成されることとなった新生スーサイドスクワッド。そんな彼らが「恩赦のために自殺的ミッションを遂行しながら、いかに監視の目を欺き身内の寝首を掻くか?」に血道をあげる姿が今回の作品の見どころですが、それに加えて特筆するべきポイントは、そのマイナーキャラ主体のメンバー構成。
映画などの影響もあり、それなりの人気悪役たちで構成されることが多かった近年のスーサイドスクワッド。
勿論、メジャーなキャラが登場することに異論はないのですが、そのせいで物語から"死臭"を感じなくなってしまったことは紛れもない事実。
そんな状況に対する反省なのか、今回は(ハーレクインとデッドショットを除き)皆がいつ死んでも不思議ではないメンバーばかり。
しかもそんな彼らをただ殺すだけではなく、短い描写の中で読者が彼らを好きになるのを見計らってから、きっちり殺すその見事さは、さすがトム・タイラー。『インジャスティス』、『DCeased』などで、"DC界の虐殺王"の名(管理人が命名)を欲しいままにしたのは伊達じゃありません。
【宣伝】
今回紹介した作品はこちら。(1つ目が単行本、2つ目が該当号の電子書籍となります)
続いて翻訳本ですがなんといってもお勧めしたいのが『ヴィジョン』の第2巻。"現役最重要ライターによる21世紀のマーベルの最高傑作"という売り文句が、大げさに聞こえない超傑作が日本語版で完結!
また傑作と言えば、漫画論の傑作『マンガ学 マンガによるマンガのためのマンガ理論 完全新訳版』。漫画における各種表現の分析や、欧米のコミックと日本の漫画の比較を、あくまで定量的な手法で行い、それを漫画形式で説明する作品です。
何度も言いますが、管理人はこの本の古本を相当なプレミアを払って手に入れました。それが新訳ででるなんて…
映画に合せて発売されるのが『ハーレイ・クイン&バーズ・オブ・プレイ(仮) 』。映画版バーズ・オブ・プレイに登場する主要キャラクターでのコミックでの名シーンを集めたオムニバス誌で、通常ならば翻訳の機会があまりないキャラが主体なのが嬉しいところ。
続く『マーベル・ミャオ』は、マーベルの公式アカウントで発表された日本人漫画家藤ナオ氏によるWebコミックを"ほぼ全編描き下ろし&日本オリジナル編集"でまとめた作品です。
(作:トム・タイラー、画:ブルーノ・レドンド)
【タスクフォースX招集】
オーストラリアで起こった、超人環境テログループによる原子力潜水艦のシージャック事件。
自国が売りつけた原潜が裏社会に流出することを恐れ、密かに事態の収拾に乗り出したアメリカ政府は、罪の減免をかけて戦う悪党たちの特殊部隊タスクフォースX――通称スーサイドスクワッドの投入を決定する!
ベル・レーヴ収容所にあるブリーフィングルームに、いつものように連れ出されたハーレクインとデッドショットはしかし、いつもの任務とは違う2点に気が付く。
1つめは、彼らに任務の説明をするのがアマンダ・ウォラーではなく、ロークと呼ばれる新顔である点。
そして2つ目は、その集められたメンバーであった。

デッドショット:マグパイにキャバリエ?
本気か?もっと他にいるだろ。
こいつらと一緒だと、道路を横断するのだって自殺任務だ。史上最低のスーサイドスクワッドだぜ。
ハーレイ:あまり"可哀そうな人たち"のことを非難したくはないけど、デッドショットの言うことも一理あるかも……

キャバリエ:ワンフォーオール、オールフォーワン!
デッドショット&ハーレイ:黙ってろ!

デッドショット:このシマウマ野郎もひどいな。
ハーレイ:そもそもなんでまたシマウマの恰好してるの?放射能シマウマに噛まれた?
ゼブラマン:いや
ハーレイ:シマウマの能力を持ってるとか?
ゼブラマン:いや
ハーレイ:シマウマがすっごい好き?
ゼブラマン:自分の名前については、一度も考えたことがない。
ハーレイ:一度も!?

マグパイ:わたしただのコソ泥で、ちょっと場違いな気がしてるんですけど……
そんな不平たらたらなチームをスーサイドスクワッドの新長官ロークは、暴力的に黙らせる。
例えどんな面子でも彼らに拒否権はない。自身の恩赦を鼻先にぶら下げられ自殺同然の任務へと向かう。
それこそがスーサイドスクワッドなのだから。
【任務開始】
一方、奪われた原子力潜水艦の艦上では、自らを”地球環境を守るヒーロー”と自認する若者たちが、自らに迫りくるスーサイドスクワッドの存在を知らず、その翼を休めていた。
兄弟ではしゃぐ者、

恋人と語らう者、

新たな愛情を育む者。

まるで家族のように互いを思いやる彼らに、スーサイドスクワッドが襲い掛かる!
闘いは凄惨を極めた。
キラーシャークに兄を食われ、崩れ落ちる弟、

頭を勝ち割られるキャバリエ

一瞬で殺されるマグパイ……
互いに殺しあう2つのチームの動向を上空から見下ろしていたスーサイドスクワッドの新司令官ロークは、戦いに気を取られる全員の体内にリモート爆弾を埋め込み、見せしめにテロリストの1人を爆殺したうえで、投降を促す。
ローク:次はどいつを殺してほしい?
リーダー:いつか絶対に殺してやる。

ローク:同じことを言った奴はお前の前にも何人もいた。そして私はまだここにいる。
さぁ撤収だ。タスクフォースXの諸君、彼らがお前らの新しいチームメートだ。
デッドショット、お前は最初に"史上最低のスーサイドスクワッド"といったな。
その通りだ。私はこのやり方で世界を変えていく。
*************************
というわけで、今回は始まったばかりの新生『スーサイドスクワッド』の紹介でした。
直前のミッションで殺しあった敵をチームメンバーに徴用していく方針を推し進めた結果、"悪党同士の友情"どころか互いに互いの事を"仲間の仇"とみなす者たちで構成されることとなった新生スーサイドスクワッド。そんな彼らが「恩赦のために自殺的ミッションを遂行しながら、いかに監視の目を欺き身内の寝首を掻くか?」に血道をあげる姿が今回の作品の見どころですが、それに加えて特筆するべきポイントは、そのマイナーキャラ主体のメンバー構成。
映画などの影響もあり、それなりの人気悪役たちで構成されることが多かった近年のスーサイドスクワッド。
勿論、メジャーなキャラが登場することに異論はないのですが、そのせいで物語から"死臭"を感じなくなってしまったことは紛れもない事実。
そんな状況に対する反省なのか、今回は(ハーレクインとデッドショットを除き)皆がいつ死んでも不思議ではないメンバーばかり。
しかもそんな彼らをただ殺すだけではなく、短い描写の中で読者が彼らを好きになるのを見計らってから、きっちり殺すその見事さは、さすがトム・タイラー。『インジャスティス』、『DCeased』などで、"DC界の虐殺王"の名(管理人が命名)を欲しいままにしたのは伊達じゃありません。
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今回紹介した作品はこちら。(1つ目が単行本、2つ目が該当号の電子書籍となります)
続いて翻訳本ですがなんといってもお勧めしたいのが『ヴィジョン』の第2巻。"現役最重要ライターによる21世紀のマーベルの最高傑作"という売り文句が、大げさに聞こえない超傑作が日本語版で完結!
また傑作と言えば、漫画論の傑作『マンガ学 マンガによるマンガのためのマンガ理論 完全新訳版』。漫画における各種表現の分析や、欧米のコミックと日本の漫画の比較を、あくまで定量的な手法で行い、それを漫画形式で説明する作品です。
何度も言いますが、管理人はこの本の古本を相当なプレミアを払って手に入れました。それが新訳ででるなんて…
映画に合せて発売されるのが『ハーレイ・クイン&バーズ・オブ・プレイ(仮) 』。映画版バーズ・オブ・プレイに登場する主要キャラクターでのコミックでの名シーンを集めたオムニバス誌で、通常ならば翻訳の機会があまりないキャラが主体なのが嬉しいところ。
続く『マーベル・ミャオ』は、マーベルの公式アカウントで発表された日本人漫画家藤ナオ氏によるWebコミックを"ほぼ全編描き下ろし&日本オリジナル編集"でまとめた作品です。
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