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ハウス・オブ・X #1

ハウス・オブ・X #1
(作:ジョナサン・ヒックマン、画:ペペ・ラルラース)

地球の人類よ。君たちが寝ている間に、世界は変わった。(プロフェッサーX)

【X-MEN誕生101年目】
ニューヨーク州はウエストチェスターに存在する豪邸。
かつては"恵まれし子らの学園"と呼ばれる学園であったこの館に集まったのは、ミュータントの青少年たちの集団であった。
マーベルガールに先導され、緊張した面持ちで館内に存在するゲートをくぐる少年たち。
そんな彼らをゲートの向こうで待っていたのは、異質ながら美しい植物が生い茂ったこの世の楽園であった。
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楽園の名はクラコア。自らもミュータントである"生きている島"である。

遂にたどり着いた安住の地に目を輝かせたミュータントの少年は、興奮した様子でマーベルガールに声をかける。
少年:見て!あれってエグゼビア教授でしょ?もじゃもじゃの隣にいる人!
ジーン:そうよ。挨拶してきたら?それとあの"もじゃもじゃ"の名前はローガン


ジーンたちの到着に気が付いた教授は、彼女に微笑みかける。
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エグゼビア教授:おかえりジーン。ここなら安全だよ。


こうして世界中のミュータントによる民族大移動が起こる中、世界各国の外交官たちはエルサレムに一夜にして現れた異形の館に集められていた。
彼らの目的は、突如として現れ、「ミュータントによる独立国」を主張するクラコアの代表者と会うことであった。
しかし、彼らの前に現れたのはプロフェッサーXではなく、その名代であるマグニート。
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マグニートは、クラコアを代表して、各国の大使に一つの提案をする。
その提案とは、ミュータント国家クラコアは人間たちに、"耐性ウイルスを生まない抗生物質"、"寿命が10年延びる薬"、"あらゆる精神疾患を治癒する薬"などクラコアの花から精製されるバイオ新薬を提供する用意があること。
そして、その見返りに、クラコアが人類に求めることはただ一つ、クラコアの主権を認め、太平洋に浮かぶクラコア本島に人類は立ち入らないことであった。

望外の申し出に動揺する大使たちに追い打ちをかけるかのように、マグニートは、新国家クラコアの概要を紹介する。
"生きている島"クラコアの苗木から育つポータルを中心にしたミュータント国家の版図は、既にクラコアだけではなく、サベッジランド、月、火星と人類の手が届かない範囲まで広がっていたのだ。

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マグニートと共に、ポータルをくぐり異世界を巡るうちに、大使たちは自分たちが相対している相手の真意に気が付き始める。
つまりクラコアは、「一国の軍隊レベルの攻撃力を持つオメガ級のミュータントを、ポータルによって地球のどこにでも密かに配備可能」という圧倒的な軍事的優位性をみせつけながら、それでもなお人類に恩恵を与えて彼らを手なずけようとしているのだ。

マグニート:私は君たち人類が、どれほどシンボリズムを愛しているかを知っている。
だから君たちには気が付いてほしい。

ポータルを抜け、再び出発地点であるエルサレムに戻ったマグニートは、
アブラハムの宗教が生まれた地に沈む夕日を背景に、静かに宣言する。
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マグニート:君たちは新たな神を頂いたのだ。


*************************
というわけで、ミュータント系列の全タイトルを終了させて始まった、X-MENの新時代。

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本タイトルは、今回紹介した『ハウス・オブ・X』誌と、姉妹紙である『パワーズ・オブ・X』(こちらだけXを"10"と読む)の2誌を交互に読む形式なんですが、これがとにかく面白い。
実は管理人はあまり熱心なX-MEN読者ではないのですが、そんな自分でもドはまりしてしまうほどの快作で、いてもたってもいられず、久しぶりにブログを更新してしまいました。

ただ、実は管理人が度肝を抜かれた展開までは、今回は紹介できませんでした。
ですので、続きも近日中に紹介予定ですのが、とにかく現在一押しの作品ですので、今回の紹介で少しでも気になる部分があった方は(なかった方も)ぜひ、手に取ってみてください。

【宣伝】
今回紹介したハウス・オブ・X誌で久しぶりにマーベルに復帰を果たしたジョナサン・ヒックマン。
実は彼の直前の作品である『シークレットウォーズ』の翻訳版が発売予定です。
頭がおかしくなるくらいスケールの大きい"ヒックマン節"は本作でも健在ですので、前哨戦にあたる『タイム・ランズ・アウト』ともども是非どうぞ。



またDCではバットマンとジョーカーが運命共同体となってヨーロッパを旅する短編『バットマン:ヨーロッパ(仮) 』の予約が開始。
こちらは、同じくバットマンとジョーカーの関係性を扱った『バットマン:ダーク・プリンス・チャーミング』と一緒にどうぞ。
またアイズナー賞ベストライター部門を2年連続で受賞したトム・キングのバットマンの続きも、『バットマン:ルール・オブ・エンゲージメント』として発売。
こちらは個人的に一押しの"バットマンとスーパーマンの大人げない野球勝負"も収録されてますんで、ぜひ。

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プロフィール

NOB-BON

Author:NOB-BON
X-men生まれSpawn育ちを地でいく、90年代アメコミバブルの残党。
しばらくの間、アメコミは翻訳本を買う程度だったのが、最近のデジタルコミックの手軽さにひかれ、本格的に復活しました。

基本的にMarvelメインですが、DCのリランチを機に自分の中でDCブームが来てるので、しばらくはDCの話題続くかも。
しばらくどころか完全にDC派に転びました。

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