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マーベルの新リランチ"フレッシュスタート"

今回は遂に始まった、マーベルの2018年のリランチ"フレッシュスタート"の解説です。

最初にお断りですが、今回の記事は管理人がTwitterでやっている情報アカウント「アメコミ通信社(@amecomi_tsushin)」のツイートを極力再利用する形で作成しています。




とこのようなアナウンスで始まったマーベルの今年のリランチ。
ちょっとだけ補足をすると、この動画の名称以外でマーベルが"フレッシュスタート"という言葉を使ったことはなく、この名前はあくまでファンやニュースサイトがつけた通称に過ぎません。
(このため、アメコミ流通の大手ダイアモンドコミックスのカタログ上のタイトルにも、フレッシュスタートを示す3文字略語は付いていません。ちなみにマーベル・レガシーは"LEG"。)

とはいえ、名前がないのも極まりが悪いので、本ブログでもこの"フレッシュスタート"という名前で今回のリランチを呼ぶこととしましょう。

2012年に行った大規模リランチ『Marvel Now!』の大成功を受け、マーベルは近年、年に1回大規模なリランチキャンペーンを行い大量の#1を発売することで売り上げを伸ばす戦略をとってきました。






この間にライバルのDCが行ったリランチが、
2011年のNew52、2015年のDC YOU、2016年のDCリバースだけだったことを考えると、
1年に1回という頻度が、どれほどのものかわかるでしょう。

ただ、当初はかなり上手く機能していたこの"短期リランチ戦略"ですが、リランチを繰り返すうちにその効果にも陰りが見えてきました。

特に直近のリランチである『マーベル・レガシー』は大失敗といってもいい結果。
20180520_01.jpg

「マーベルの歴史の全てを全肯定する」、「全タイトルの導入としてワンショット『マーベル・レガシー』を刊行する」など、当時大成功を収めていた『DCリバース』の雰囲気にそのまま乗っかる様なプロモーションを展開し、「今回の発表で業界の歴史が変わる」と大見得を切り、散々ファンの期待感を煽ったのですが、
肝心の発表の後で読者が目にしたものは、「制作陣はそれまでと変わらないけれど、号数は通算表記に戻してなんとなく"リランチ感"だけは醸した作品群」と、「過去作品をオマージュしたヴァリアントカバーを、リランチの目玉であるかのように激押しする出版社」、そして「そのヴァリアントカバーの過酷な仕入れ条件に苦しむ小売店の怨嗟の声」でした。

というわけで、そんな商業的にも評判的にも振るわなかったレガシーの開始から、4ヶ月後という超短期間で発表されたのが今回の"フレッシュスタート"。

「ここまで悪し様に書いたのだから、さぞやフレッシュスタートに対しても思うところがあるに違いない」と思われた方もいると思いますが、さにあらず。
実は、管理人は今回のリランチに今までにないくらい期待しているのです。

その理由は、今回のリランチの骨太さ。
今までのリランチは短期間で新味を出さないといけない関係上、どうしても飛び道具的な設定や展開を前面に押し出していくタイトルが多かったのですが、今回はそんな小細工は一切なし。
ひたすら「人気キャラを人気ライターの手にゆだねる」というストロングスタイルのタイトルばかりで、なおかつそのキャラとライターの組み合わせが、ファンに新たなケミストリーを感じさせずにはいられない絶妙な配合なんですよね。

というわけで、前置きが長く、そしてネガティブになってしまいましたが、以降はフレッシュスタートの注目タイトルとそのポイントを見ていきましょう。

【アベンジャーズ】






まずは、今回の旗艦タイトルとなるアベンジャーズ誌。
最近はその時々の"旬"のメンバーで構成されることが多かったアベンジャーズですが、今回はビッグ3のオリジナルメンバーが中心となっており、ぐっと正統派な雰囲気があります。
ライターのジェイソン・アーロンも、壮大で王道なストーリー展開に定評のある人気ライターで、そんな彼がアベンジャーズを再びユニバースの中心に戻すというのですから、そりゃ期待は高まります。

物語は、『マーベル・レガシー』で提示された、紀元前100万年のアベンジャーズに、彼らが戦った謎のセレスチャルが絡むらしく、やはり相当スケールのでかい話になりそうです。

【ソー】



そんなアーロンが、6年以上続けているソーの物語の新章。
引き続きダークエルフの戦争狂マレキスが仕掛ける"ウォー・オブ・ザ・リアルムス"を中心に、銀河中の全文明の神を殺す男ゴッド・ブッチャーのネクロソードの行方、未来世界のキング・ソーと彼の孫娘3姉妹と様々な要素の絡む壮大な話になりそう。
ちなみに現在のファンの関心ごとは、ムジョルニアを持つ資格を失ったソーの新たな武器が何かという事。
前作のラストで、ソーがムジョルニアの破片を使って何かを創ろうとしていましたが、果たして何がでてくるのか…
ちなみに、ライターがかぶっていることもあり、『アベンジャーズ』と将来的には絡んでいくことになりそう。

【イモータル・ハルク】










久しぶりにバナー博士が主人公となるハルクのタイトル。
見ての通り、「バナー博士が、緑の怪物という正体を隠しながらアメリカを放浪する」という、ハルクの原点回帰ともいえる内容。
ライターのアル・ユーイングは、『USアベンジャーズ』や『アルティメッツ』などSF系のタイトルで大評判のライター。
管理人は彼の担当する作品を読むのはこれが初めてですが、その評判を常々聞いているので、これまた楽しみな作品。

【アメイジング・スパイダーマン】





『ブラン・ニュー・デイ』で始まり10年間もの長期政権となったダン・スロットのスパイダーマンが遂に終了。
これだけでも大ニュースですが、その後を継ぐのは『キャプテン・アメリカ』や『スペリアーフォーズ・オブ・スパイダーマン』
のニック・スペンサー!
シリアスながらユーモア溢れる物語が大得意なスペンサーは、スパイダーマンの担当にうってつけ。
先日公開された予告編で、既に彼の持ちキャラであるスパイダーマンのC級ヴィラン、ブーメランと、ピーターとの同居が始まっており、早くもシチュエーションコメディの様相を呈してきました。
そして、何といっても、今回は10年ぶりに来たスパイダーマンの本当の意味での"読み初めポイント"!
これは読むしかないですね。

【ファンタスティック・フォー】




こちらは『シークレットウォーズ』以降、久々に表舞台に帰ってきたファンタスティックフォー。
『マーベルレガシー』、『マーベル・2 in One』と散々復活が仄めかされてきたところに、満を持しての登場となります。
ライターは『アメイジング・スパイダーマン』を終えたばかりのダン・スロット。
実は彼のタイトルを読んだことはあまりないのですが、「10年間アメスパを任されてきた」という事実を前に考えると、そこは寧ろ楽しみな要素です。

【トニー・スターク:アイアンマン】


そしてダン・スロットはアイアンマン誌も担当。
こちらに至っては、管理人はアイアンマンの個人誌も読んだ経験がありません。
しかし、マーベル的にかなり力が入った作品となることは間違いないので、こちらもこれを機に読んでみるつもりです。

【キャプテン・アメリカ】



キャプテン・アメリカ誌を担当するのは映画公開に先駆けてブラックパンサーを大スターに押し上げたタナハシ・コーツ。
ポリティカルな内容をエンターテイメントに昇華するのが非常にうまく、管理人はポリティカルなキャプテン・アメリカが大好きなので、この組み合わせは非常に楽しみ。

…だめだ、書ききれない。
他にもたくさん紹介したいタイトルはあるのですが、今回はこれまで。
とにかく、今回のリランチは今までとは違う、超本気、超王道のリランチとなりそうですので、原書デビューを考えている方は是非どうぞ!

【宣伝】
(今回はさらっと)

『バットマン:アイ・アム・ベイン』DCリバース期のバットマンの第1章ともいえる、「アイ・アム三部作」の完結編。
一部で話題の「バットマンバーガーでのロビンたちの雑談」もこの本に収録されるので、ロビンズファンも見逃すな!
またスパイダーマンの最新タイトルである『スペクタキュラー・スパイダーマン:イントゥ・ザ・トワイライト』の翻訳も決定。
こちらは、独自路線を行くアメスパ誌に対して"普通の"スパイダーマンを目指し、非常に評判のいいタイトルなので、翻訳去れるのも納得のセレクト。
徐々に翻訳にエンジンがかかってきたトランスフォーマー関連では、『トランスフォーマー:メガトロン・オリジン』が発売。管理人が子供の頃に持っていたサウンドウェーブの短編が収録されるという事で、ぐっと興味がわいてきました。
厳密には持っていたのは、カセット型の方ですが…
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プロフィール

NOB-BON

Author:NOB-BON
X-men生まれSpawn育ちを地でいく、90年代アメコミバブルの残党。
しばらくの間、アメコミは翻訳本を買う程度だったのが、最近のデジタルコミックの手軽さにひかれ、本格的に復活しました。

基本的にMarvelメインですが、DCのリランチを機に自分の中でDCブームが来てるので、しばらくはDCの話題続くかも。
しばらくどころか完全にDC派に転びました。

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