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バットマン #33-34 (婚約の掟)

バットマン #33-34 (婚約の掟)
(作:トム・キング、画:ジョエル・ジョーンズ)

ジェイソン:ほら!放せっていってるだろ!
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ディック:どうした?犬に負けそうだぞ?
デューク:ホントかよ
ジェイソン:ざけんな!勝ちそうなのは…俺だ…


ダミアン:…ガキどもが

ウェイン邸に久しぶりに集められ、実の兄弟のように団欒を楽しむロビンたち。
そんな彼らの前に姿を現したのは、ウェイン家につかえる忠実なる執事アルフレッドであった。
アルフレッドはロビンたちに、ブルースが中東の小国カーディムへ向かい不在であることを告げると、改まった雰囲気で今日の要件を切り出す。

アルフレッド:これからわたくしがする事を、ブルース様は望んではおられません。
しかし、ブルース様の現在の状況を皆さまは知っておくべきだと、勝手ながら判断させていただきました。


ディック:分かった。また何かやばい秘密を隠してるんだろ?
デューク:それも、彼を信頼する家族やリーグに対して。
ジェイソン:で、その秘密が、全世界の全生命を危険にさらしてる…と。
ダミアン:いつもの事だな


アルフレッド:ブルース様はセリーナ様に結婚を申しで、セリーナ様がこれをお受けになりました。
一同:…

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一様に言葉を失うロビンたち。
そんな中、最初に沈黙を破ったのはジェイソンであった。

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ジェイソン:これはお前の責任だからな、デューク。
直近のロビンであるお前が"バットマンの陰を照らす"っていう役目を怠ったから、ブルースがヴィランにプロポーズするなんて事態になるんだ。
デューク:はぁ?現役時代におっ死んでヴィランとして復活したような奴が、どの面下げて"バットマンの陰を照らす"とかぬかすんだ?
だいいち、俺はロビンじゃねぇし! 今のロビンはあいつだろ?


ダミアン:デュークの言う通り…ロビンは俺だ…
これは俺の…俺のせいなんだ…

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ジェイソン:マジかよ、ダミアンが涙って…
オーケー、みんな落ち着け。こりゃ世界の終わりが来るぞ。


ただならぬダミアンの雰囲気に動揺する一同。

ダミアン:俺、知ってるんだ。
ディック:知ってるって何を?
ダミアン:なんで、親父が結婚の…あの女と結婚の前にカーディムに向かったのか。
カーディムにはアイツがいる。タリア・アル・グール…悪魔の娘…俺のおふくろ…


ちょうどそのころ、カーディムでは…
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タリア:さぁ始めましょうか?
キャットウーマン:ミャーオ…

***************************
というわけで、今回はバットマン誌の紹介でした。
全アーク『ウォー・オブ・ジョークス&リドルス』にてキャットウーマンとの婚約というの展開を迎えたバットマン誌ですが、ライターのトム・キングがその後最初に取り掛かったこと、それは長年"バットマンの恋人"役をキャットウーマンと競り合っていたタリアとの決着でした。

急に個人的な話をすると管理人は、キャットウーマンよりもタリアの方を推してたんですよね。
「奔放で性的な仄めかしを好むキャットウーマンと、それを仏頂面で受け流すバットマン」といういつもの構図が、バットマンがキャットウーマンがくっついてしまうと、「仏頂面をしながら内心ドキドキしているバットマン」というニュアンスを帯びてしまう気がして。

それよりはタリアとの「内心では激しく惹かれながらも、それぞれ為すべき使命が先に立ち仮面が取れずにいる」という抑制のきいた恋愛の方がバットマンには似合ってると思っていました。
(まあモリソンのせいで、最近はタリアもすっかり"猛女"のイメージになってしまいましたが)

ある意味、今回の物語の狙いは自分のようなファンに対して、「なぜキャットウーマンこそがバットマンの相手に相応しいのか?」という事を納得させる事で、実際に読んでみるとその試みは大成功であったと言わざるを得ません。

少なくとも自分は、本作で繰り広げられたキャットウーマンとタリアの直接対決が終わった後で、「確かにブルースの恋人はキャットウーマンだ」と強く思うに至りました。

そして「"キャットウーマンとの婚約"を補助線に、バットマンと周囲の人物との関係を再確認していく」という今回の物語の路線は、その後のバットマン誌の一つの主題となっており、トム・キングはその確認対象を

スーパーマン、
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ワンダーウーマン、
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と次々と広げていっています。

そして、5月に発売されるDCの今後を紹介する特別誌『DCネーション』では、ついに2人の結婚をジョーカーが知ることに!
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おそらく一番"バットマンの結婚"について思うところがありそうなジョーカーが、果たしてどんな反応を示すか?
そもそも二人は本当にこのまま結婚を迎えることができるのか?
まだまだ、興味は尽きそうもありません。


【宣伝】
まずは先日翻訳が発表されたタイトルの紹介。
DCから『ティーン・タイタンズ:ダミアン・ノウズ・ベスト(仮) 』が発売。
"史上最強の悪ガキ"ダミアンが、自分のチームを作るためにお馴染みの面々を誘拐まがいの方法で集めて来る、キャラ同士の掛け合いが楽しい作品です。
そして、デッドプールは『スパイダーマン/デッドプール:イッツィ・ビッツィ』と『デッドプール:エンド・オブ・エラー』の2冊も発売。
前者は「スパイダーマンとデッドプールの前に、2人の娘を名乗る怪人が現れ…」という、なんというか、ファンの期待することをよく知ってる粗筋になっています。
また、渋いところではフランク・ミラーの不朽の名作『300(スリーハンドレッド)』が新訳版で登場。
ミラーの到達点ともいえる硬質なアートに支えられたむせ返る様なマッチョイズムを是非!



あとは気になっている作品をいくつかピックアップして紹介。
まずはDCリバース初の大型クロスオーバー『ジャスティス・リーグ VS. スーサイド・スクワッド』。これタイトルだけ聞くと「勝負になるのか?」と思うのですが、作品の序盤でデッドショットがセリフ一つでその懸念を吹き飛ばす、大変かっこいいシーンがあるんですよね。そのセリフを日本語で読むためだけに買ってしまうかも…
また『グリーンランタン:シネストロ・コァ・ウォー Vol.2』も発売を控えています。こちらはグリーンランタンを一気にDCの稼ぎ頭に変えたジェフ・ジョーンズによるグリーンランタンの最初のクライマックスと言える作品で、ランタン以外のヒーローも大集合です。
そして、マーベルの『インビンシブル・アイアンマン:リブート』も4月に発売。
圧倒的な人気のわりに翻訳の機会に恵まれないアイアンマンのオンゴーイングが遂に翻訳ということで、これも要チェックです。



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プロフィール

NOB-BON

Author:NOB-BON
X-men生まれSpawn育ちを地でいく、90年代アメコミバブルの残党。
しばらくの間、アメコミは翻訳本を買う程度だったのが、最近のデジタルコミックの手軽さにひかれ、本格的に復活しました。

基本的にMarvelメインですが、DCのリランチを機に自分の中でDCブームが来てるので、しばらくはDCの話題続くかも。
しばらくどころか完全にDC派に転びました。

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