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マーベル ツー・イン・ワン #1

マーベル ツー・イン・ワン #1
(作:チップ・ザダスキー、画:ジム・チェウン)

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固い友情で結ばれた4人組は宇宙へのテスト飛行を敢行。
そこで起こった事故により能力を手に入れた彼らは、スーパーヒーローとなったのです。
しかし、ファンタスティック・フォーの事をただ"ヒーロー"と呼んでしまうのは誤りです。
彼らはヒーローである以前に、なによりも冒険家であり探索者であったのですから。

宇宙開発の現場で優れた功績を残した人物を表彰する目的で新設された科学賞。
偉大なる先人の名をとり"ファンタスティック賞"と名付けられたその賞の設立記念式典に、ファンタスティックフォーの生き残りのひとりベン・グリム(シング)は招待されていた。

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シング:本当はスピーチってやつぁ、ストレッチョ …リードの役目の筈なんだけどな。まぁいいが。
リードって野郎はあのドえらい頭でいつも星々の事を考えてた。
ジョニーは目標を見つけたら一直線につっぱしる根っからの冒険家。
でも、オレたちが目的や意義を見失いそうなとき、目を覚まさえてくれたのはいつもスーだった。
で、オレはただの運転手ってわけだ。


多次元世界の衝突現象から地球を救う止めるため家族もろともその身を犠牲にした(と本人は思っている)リードたちの事を思いだし、スピーチ中に涙を浮かべるベン。

なんとかスピーチをやりきり、華やかなパーティ会場を居場所なさげに後にするベンであったが、
彼の脳裏には、ファンタスティック・フォーとして活動中にスーと交わした約束が浮かんでいた。

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スー:今回の冒険はいつもと違う予感がする。もし私とリードに何かがあったら、残された家族の事をお願いね。
特にジョニー… あの子はあなたの思う以上に、あなたの事を頼りにしてる。
ジョニーにとってあなたは決して揺るがない岩山なの。


独り街をぶらつき友人たちとの思い出に浸る彼の前に突然現れた人影、それはファンタスティック・フォーの長年の宿敵Dr.ドゥームであった。

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Dr.ドゥームは『シークレットウォーズ』事件で、リードが自身よりに勝っていることを自分自身も認めていることに気が付き、改心。いまは"インファマス・アイアンマン"としてリード亡き世界を護るヒーローとして活動中の身。
そんな彼がシングの前に現れた理由、それはDr.ドゥームが(勝手に)引き継いだリードの遺産にあった。

「リードの天才性の価値もわからない凡人に渡すくらいなら」と(勝手に)引き継いだリードの発明品の中に、シング宛てのメッセージボックスを見つけたというのだ。

シングの遺伝子に反応して起動したメッセージボックスは世界中の人物をスキャンし、自動的にファンタスティック・フォーの中でシングとジョニーのみが生き残った場合を想定したリードからのメッセージを再生する。

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「立ち止まっていてはいけない。冒険をするんだ。君自身は気が付いていないかもしれないけれど、君にもジョニーにも冒険が必要なんだ。」
在りし日のように情熱的にベンを冒険の旅へといざなうリード。そしてリードはこの時のために密かに隠していた、次元跳躍機の隠し場所をベンに伝える…


一方そのころファンタスティックフォーのもう一人の生き残りジョナサン・ストームは、喪失感のために自暴自棄となっていた。
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自動車レースでの無茶な走行、大気圏外からのフリーフォール。
そんなジョニーの下に現れたベンは、何かを試すように自分の命を揺らしつづけるジョニーの目に再び希望の炎をともすため1つの嘘をつく。

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シング:ジョニー、リードはオレにメッセージを残した。…みんな生きてるかもしれない。

**************************************
というわけで、始まった"ファンタスティック・ツー"こと『マーベル ツー・イン・ワン』。
シングの嘘を切っ掛けに、シングとヒューマントーチはリード達を探す次元を超えた探索行へと乗り出す事になるわけですが、ベンを含め、マーベル世界の住人が信じ込んでいるように、リードとスーそして子供たちは世界を救うために死んだわけではありません。
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大型イベント『シークレットウォーズ』のラストで神皇帝ドゥームを倒し創世の力を手に入れた彼らは、インカージョンで壊滅した多次元宇宙を修復するために、自らユニバースを創りそこを探索した後で、また新たなユニバースを創るという冒険旅行へと旅立ったのです。

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かくして(実時間で)2年間ほど表舞台に登場することのなかった彼らですが、『マーベル・レガシー』において久しぶりに登場し、冒険旅行中にホームシックを感じているヴァレリアの姿が描かれました

というわけで、ベンとジョニーがリード達に再会し再びファンタスティック・フォーが結成されることはもはや秒読みのようにも見えますが、はたしてその再開がどのようなものになるのか?
管理人はその瞬間を本作の中で目撃することを楽しみにしています。

【宣伝(使いまわし)】

前回の記事では、ドニー・ケイツの非ヒーロー系のタイトルを少し紹介しましたが、最近の米国での非ヒーロー系のコミックの盛り上がりは目を見張るものがあり、ヒーロー系で腕を磨いたクリエーターが非ヒーロー系の作品に移って大ヒットを飛ばすのが一つの潮流となっています。
ヒーロー系を追っているとそういった作品の情報も自然と耳に入ってくるのですが、なかなか手を出しづらく面白そうな作品を横目でにらんでいるような状態だったのですが、最近はそういった非ヒーロー系作品の翻訳もコンスタントに出版されるようになり、嬉しい限りです。
そんなわけで、今回はそんな非ヒーロー系で気になる新刊を紹介。

『モンストレス vol.1: AWAKENING』売れっ子作家マージョリー・リュウと日本人アーティスト、サナ・タケダによるホラーコミック。
サナ・タケダの美麗でどこか妖しい筆致によって描かれた獣人や伝説上の生物が闊歩するアルーデコ風のスチームパンク世界が人気を博し、SF作品の最高峰ヒューゴ賞を受賞した作品が、遂に翻訳開始!

美麗なアートといえば『サンストーン』も忘れてはいけません。
現在アクアマンも担当しているステファン・セジクによるレズビアンとボンデージセックスをテーマとした作品。
これはもう、ちょっと検索してアートと作風を確認してみてくださいとしか言えない作品です。

最後にお勧めしたいのが、『Y:THE LAST MAN』の最終話!
「全ての男が死滅し女だけの世界となった現代の地球で生き残った最後の男」というシチュエーションを、俗悪な方向に流されることなく描き切った傑作コミックが遂に完結。
アメコミ界の最高権威アイズナー賞を総なめにしたのも納得の作品ですの、未読の方はこれを機にぜひ!



続いてヒーローコミックですが、2017年初頭のDCのクロスオーバー『ジャスティス・リーグ VS.スーサイド・スクワッド』が早くも翻訳決定。
DCを代表する2大ヒーロー(?)チームの激突を描いた作品ですが、当ブログをご覧の方はご存知の通りそこに介入する"第三のチーム"がファンの話題をさらった作品でもあります。
そんなスーサイドスクワッドですがリバース後第二巻にあたる『スーサイド・スクワッド:ゴーイング・セイン』も同時に発売予定。
また『ワンダーウーマン:イヤーワン』も翻訳が発表。こちらも一応リバース後の第二巻に当たるのですが、ワンダーウーマン誌は奇数号の現代編と偶数号の過去編を交互にやるという特殊な出版形態をとっており、本作はその過去編にあたるワンダーウーマンの誕生譚を収録。
このためいきなりここから読み始めても何ら問題のない作品になっています。
また、MCU版ドラマの日本公開を控えた『インヒューマンズ』も翻訳予定。こちらはかつてマーベルの大人向けレーベル"マーベルナイツ"の目玉の一つとして発表され、その華美で退廃的な雰囲気で今日のインヒューマンズのイメージの礎を築いた記念碑的作品ですので、翻訳は嬉しいところ。



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NOB-BON

Author:NOB-BON
X-men生まれSpawn育ちを地でいく、90年代アメコミバブルの残党。
しばらくの間、アメコミは翻訳本を買う程度だったのが、最近のデジタルコミックの手軽さにひかれ、本格的に復活しました。

基本的にMarvelメインですが、DCのリランチを機に自分の中でDCブームが来てるので、しばらくはDCの話題続くかも。
しばらくどころか完全にDC派に転びました。

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