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ディテクティブコミックス紹介:ヒーロー編

今回は、DCリバース以降のバットマンにおける重要タイトル『ディテクティブコミックス』の紹介です。
ディテクティブコミックスといえばDCコミックス社の社名の由来となった伝統あるタイトル。
(余談ですが、この話をすると「じゃあ、DCコミックスを略さずに書くと"Detective Comics Comics"になるのか?」と書かずにはいられない面倒くさいファンが必ず現れます。そうです、私の事です。)

代々バットマン誌と並ぶバットマン系列の旗艦タイトルとして扱われていたディテクティブコミックス誌ですが、New52期においては快進撃を続けるスコット・スナイダーのバットマン誌に対して今一つ独自色を打ち出せず、正直目立った活躍がなかった印象があります。
そんな状況を踏まえてか、リバース後のディテクティブコミックスはバットマン誌と差別化を図るべく、同誌とはっきりと異なる路線を打ち出してきました。

その路線とは"チーム物としてのバットマン"。
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バットマンが結成した新たなチームの活躍を描いた本誌は、とあるニュースサイトが"バットマン版X-MEN"と評したように、特定の主人公が存在せずストーリーアークごとに各メンバーに順繰りと焦点を当たっていく群集劇となっています。

またライバル(?)のバットマン誌が、新進気鋭の人気ライターであるトム・キングによって技巧的で批評的、言い換えれば"一歩引いた視点"での物語を展開するのと対照的に、ジェイムス・タイノン4世のディテクティブコミックスは「次々現れる強大な敵とそれに立ち向かうヒーロー、そしてそれらを結びつける謎」というエンタメ路線。

「群集劇としてのバットマン」と「王道エンタメ路線」という2つの趣向ががっちりと噛み合った同誌は、その甲斐あって読者に好評を持って受け入れられ、名実ともに"バットマン系列の2枚看板"(厳密には『オールスター・バットマン』も入れた3枚看板)の座を手に入れることとなりました。

今回の記事では、そんなディテクティブコミックス誌をキャラクター説明の形式で紹介していきたいと思います。

【バットマン】
ご存知、ゴッサムを護る闇の騎士。
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ゴッサムにいるヴィジランテ達を蝙蝠型の小型ドローンで密かに監視する何者かの存在に気が付いた彼は、若きヴィジランテ達を自身の庇護に置き彼らの訓練を行うことを思いつく。

しかし、個人主義が骨の髄まで染み込んだ自分がリーダーには不向きであることを重々承知しているバットマンは、新チームに結成にあたり、そのリーダー役を一人の女性に託す…

【バットウーマン】
バットマンが新チームの組織化を託した女性こそが、ゴッサムで活躍する女性ヴィジランテであるバットウーマン。
その正体はブルースの母方の従姉妹ケイト・ケイン。
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軍人の家系で育ち自身も従軍経験のあるケイトは、"個"の集団を有機的に機能する"チーム"へとまとめ上げることはお手の物。
ゴッサムにたむろする若いヒーローたちの鬼軍曹として彼らの再教育に乗り出す。

【カサンドラ・ケイン】
週刊タイトル『バットマン&ロビン:エターナル』にて登場した少女。
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世界中から才能を持った子供を集めて洗脳し、最高の教育を与えたうえで用途ごとに高値で販売する闇の奴隷商"マザー"の最高傑作ともいえる暗殺者。現在はオーファンと名乗るヒーローとして、ゴッサムで活動中。

バットマンすら凌ぐ格闘技術を持つチームの最強戦力である彼女だが、子供のころから格闘術以外の教育を一切与えられなかったため、肉体言語以外のコミュニケーションが苦手。

自分の殺人術同様、極限まで自身の肉体を統制する技術でありながら、それを美の表現に利用するバレエにあこがれており、夜な夜な劇場に忍び込み"劇場の怪人"として恐れられている。
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【クレイフェイス】
泥状になった自らの身体を自在に操る怪人で、その能力は変形、変装、分身と何でもござれ。
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元々はハリウッドの賞レースに絡んだことがあるほど才能に恵まれた役者であったが、撮影中の事故によりクレイフェイスとなってからは、大脳皮質の泥化によって分裂症気味の症状を示すようになり、長年、ゴッサムを脅かすヴィランとして活動してきた。

そんな彼がバットマンによる治療の申し出を受け、チームに加わることに。

本当の彼は、昔のギャング映画から抜け出てきたような少し芝居がかったしゃべり方を好む好漢。
自らが次第に人間性を失い怪物になっていくことを恐れているが、それを表には出すことはせず、同じく自らの怪物性と戦うカサンドラのよき理解者となっている。
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(カサンドラにシェークスピアを教えるクレイフェイス)

ちなみに彼の体組織を利用して、レッド・ロビンが造った訓練施設が"マッドルーム"。
事前にプログラミングしたありとあらゆるシチュエーションが泥によって現実化し、トレーニングに利用できる。
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(むしろここら辺が"バットマン版X-MEN"と言われる由縁なのかも…)

【レッド・ロビン】
ご存知"3代目ロビン"、ティム・ドレイク。
チームの副官兼メカニック担当として参加。
バットマンから潤沢な資金を提供された彼は、その天才性をいかんなく発揮して、ゴッサムの中心にそびえ立つ時計台の中にチームの秘密基地"ベルフライ"を建造。
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子供のころからバットマンのよき理解者としてヒーロー活動を続けてきた彼だが、実は近年「ヒーロー活動以外にも、よりよい世界の実現のために自分を活かす道があるのでは?」と悩んでいた。
その後、恋人ステファニーの後押しもあり、ヒーロー稼業を引退し研究者となるべく大学への進学を決意したティムであったが、その直後にバットマンにインスパイアされた米国の秘密特殊部隊"バットメン"のドローン軍団からゴッサムを護り、命を散らすことに…
(ティムの死の真相についてはこちらを参照)

【スポイラー】
『バットマン:エターナル』に登ゴッサム破壊計画の鍵を握る少女として登場し、ヒーロー/ヴィランの双方に追われながら大逃走を繰り広げたステファニー・ブラウン。
粗削りながら優れた身体能力と、SNSなど現代的なIT技術を駆使するその手腕を買われチームの一員となった彼女であったが、恋人であるティムの死亡以来ヒーローという存在そのものに疑問を抱くようになる。
その後、バットマンとヴィランの戦いで巻き沿いを食らった人々で構成された犯罪組織ヴィクティム・シンジケート(被害者の会)との戦いを経て「ヒーローの存在こそがゴッサムに悲劇を招く原動力」という結論に達した彼女はチームを脱退。

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バットシグナルの破壊など地味な妨害活動をしながら、ゴッサムをよりよい街にするためにヒーローでもヴィランでもない第三の道を模索中。

【バットウィング】
最新技術が満載のアーマーを身にまとったゴッサムには珍しいタイプのヒーローで、その正体はウェインテックの頼れる番頭ルシアス・フォックスの息子ルーク・フォックス。
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天才的技術力に裏打ちされた若き起業家にして、ゴッサムの社交界に君臨するパーティ好きのセレブリティとして知られるルーク。一見、ブルース・ウェインとよく似た経歴の持ち主ですが、彼のチャラついた性格は隠れ蓑ではなく、全くの地。
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それゆえ、生真面目なバットウーマンからは毛嫌いされているのですが、ティム亡き後のチームの技術担当としてチームに参加することに。

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現在の彼が力を入れている研究はAIで、その研究室にはゴードン・バットマンの相棒であるルーキーが、助手として働いている。

【アズラエル】
『バットマン&ロビン:エターナル』にて登場したヒーロー。
元々は「最新技術の革新と収集」をその教義に取り入れた秘密教団聖デュマス教会に帰依する暗殺者であったジャン・ポール・バレーだが、『バットマン&ロビン:エターナル』の中で教団の呪縛を打ち破り、現在はヒーローとして活躍中。
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後の展開で、あらゆるAIをその聖デュマスのドグマによって"教化"する力を持った新型アズラエルと立ち向かうため、何者にも洗脳されることのない狂気じみた信念である"バットマン"をその制御AIに組み込んだ新型スーツを着込み、アズラエル・バットマンとなる。

…うーん、チームのメンバーを紹介するだけで、この分量。
本当は本作に登場する魅力的な悪役も紹介したかったのですが、それはまたの機会に譲ることにしましょう。
とにかく、エンタメ系バットマンとして出色の出来の作品ですので、気になる方はぜひ!

【宣伝】

翻訳作品の注目作品、初めは『ゴッサム・アカデミー:イヤーブック』。
「ゴッサムシティの学校を舞台にした学園探偵物」という、奇抜な設定ながらその丁寧なライティングで好評をはくした本シリーズ。
今回は様々な人気アーティストを招へいしたうえでの短編集となっています。
管理人の一押しライターで本国で"現代のアラン・ムーア"という形容詞が付くまでになったトム・キングのバットマンの2巻目『バットマン:アイ・アム・スーサイド』が早くも発売。ここから加速度的に面白くなっていくので、ぜひ!
そしてNew52のバットマンを担当したスコット・スナイダーのDCリバースでの作品『オールスター・バットマン:ワースト・エネミー』も翻訳開始。こちらはNew52ではそれほど露出の無かった人気悪役ツーフェイスがメインです。
またリバース版ジャスティスリーグの2巻目となる『ジャスティス・リーグ:アウトブレイク』も予約開始、こちらは管理人未読なので楽しみです。


そしてマーベル関連では何といっても『Ms.マーベル:もうフツーじゃないの』が楽しみ。
今まで翻訳されていなかったことが不思議なくらいの作品が満を持しての登場です。
また『ロキ:エージェント・オブ・アスガルド』も地味に楽しみ。「映画に合せてイケメン化」という心無い中傷を一気に覆した快作という評判だけは聞いていますが、未読なのでこれまた楽しみですね。


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NOB-BON

Author:NOB-BON
X-men生まれSpawn育ちを地でいく、90年代アメコミバブルの残党。
しばらくの間、アメコミは翻訳本を買う程度だったのが、最近のデジタルコミックの手軽さにひかれ、本格的に復活しました。

基本的にMarvelメインですが、DCのリランチを機に自分の中でDCブームが来てるので、しばらくはDCの話題続くかも。
しばらくどころか完全にDC派に転びました。

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