ドゥームパトロール #1-3

ドゥームパトロール #1-3
(作:ジェラルド・ウェイ、画:ニック・ダーリントン)

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老人:教えてくれ、わしは死ぬのか?
ケーシー:そのうちね。でも今日じゃないわよ。
老人:なぜそんなことが言える。
ケーシー:このケーシーが運転しているからよ。わたしってなかなかの凄腕なのよ!


どんな事故現場にも誰よりも早く駆け付け、怪我人・病人をささっと搬送。
緊急病院のエースドライバー、ケーシー・ブリンクは今日もひと仕事を終え、相棒の救命士サムと小休止をしていた。

古いSFシューティングゲームに没頭するケーシーと、その横でピタパンをぱくつくサム。
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しかしサムが食べ残し、ゴミ箱へと投げ入れたピタパンの中に存在する小宇宙では、今まさにユニバースの運命を賭けた善と悪の戦いが最終局面を迎えていた。
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兵士に紛れ込み、敵陣営の奥深くへと忍び込むロボットマン。
ロボットマン:お前らまとめて地獄へ道連れだ。

ロボットマンは死を覚悟し、敵の秘密基地に設置された爆弾の自爆スイッチを起動する…
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いっぽうそのころ、あるホテルの貸会議室では、怪しげな一団が秘密の会合を開いていた。

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「肉こそが私たちのメッセージ」
「柔らかく、そして味わい深い」

彼らの正体は汎銀河ハンバーガーフランチャイズの経営陣。ヘルシー路線を強く打ち出したライバル企業のキャンペーンに対抗する手段を検討するために集まったのだ。

彼らの起死回生の一手とは、地球に存在する「無限に生命を生み出す街路」を捕獲し、そこから無限に生み出される肉を使ったハンバーガーで市場に打って出ることであった。
社運を賭けた一大キャンペーンを前に彼らは、既に広告も作成。

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ストレスフリーで生育された上質な肉(しかも原価ゼロ!)で作られたそのハンバーガーは、その源泉となる"街路"の名前をとり"ダニー・バーガー"と名付けられたのであった…


…すみません。人気ロックバンド"マイ・ケミカル・ロマンス"のボーカルであったジェラルド・ウェイの『ドゥームパトロール』は、大傑作ながら管理人の拙い表現力ではその素晴らしさをお伝えすることができません。
細かな展開を紹介することは諦め、以下は管理人がお気に入りのシーンを紹介させてください。

【副操縦士】
新型機のテストパイロット、ラリー・トレイナーはパニックを起こしていた。

ラリー:管制塔!当機は現在、制御不能。今にもバラバラになりそうだ!
管制塔:こちら管制塔。大丈夫だ。今すぐ副操縦士に任せるんだ
ラリー:副操縦士?パイロットは俺だけの…
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副操縦士:どうした!何があった!?


【ダニー・ランドにようこそ!】
ケーシーは、"ビーチのヒーロー"、"筋肉の奇跡"などの異名を持つヒーロー、フレックス・メンタロにいざなわれ、自分の救急車の中に広がる遊園地ダニー・ランドに向かう。
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ダニー・ランドの一角にあるコミックショップに入ったケーシーはそこで、彼女のために書かれたコミック"ダニーコミックス"を手に取り、自身の出征の秘密を知る…
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(こちらがコミックショップ"ダニー・ブックス&ゲームズ"の中。コミック「アンキャニー・ダニー」のポスターや、カードゲーム「ダニー・ザ・ギャザリング」、サイバーパンクRPG「ダニー・ラン」、ミニチュアゲーム「ダンハンマー80k」の姿も)

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(ダニーコミックスの表紙。コミックファンにおなじみの、Detective Comics誌#1のパロディ)

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(ダニーコミックスの中身。よく読むと、全ての文字がケーシーへの呼びかけに)

【宣伝】
今回はマーベルから。
人気キャラ、デッドプールは引き続き翻訳予定がてんこ盛り。
一つ目はウルヴァリンと並んで90年代のX-MENの顔であったガンビットとのチームアップ誌『デッドプール VS. ガンビット』、つい最近の作品が早くも翻訳です。
またガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシーのチームアップ誌『ガーディアンズ:チームアップ 2』にもデッドプールが登場。
先日ケーブルとのチームアップ誌『デッドプール&ケーブル:スプリット・セカンド』も翻訳され、図らずもデッドプールのコンビものが一挙に翻訳です。


また、『ゴーストライダー:破滅への道』『イモータル・アイアンフィスト』『ムーンナイト/影』『スパイダーグウェン:モスト・ウォンテッド?』と、比較的マイナーキャラの翻訳が増えてきたこともうれしい限り。
特にアイアンフィストは非常に評価の高い作品なので、個人的に楽しみにしています。


DCについてもNew52の締めくくりとなる『ジャスティス・リーグ:ダークサイド・ウォー 2』や、鬼才グラント・モリソンによるワンダーウーマンの誕生譚『ワンダーウーマン:アースワン』といった定番作品から、トニー・S・ダニエルの美麗アートが魅力の『デスストローク:ゴッド・キラー 』や、コメディタッチの『ハーレイ・クイン:キス・キス・バン・スタブ』といった変化球まで取り揃えており、特定の作品の翻訳にとどまっていた90年代のブームを知る身としては隔世の感が在ります。


そして今回のブームの凄いところは、その範囲がヒーロー物にとどまらないこと。
ジェフ・ダロウによるアイズナー賞受賞のゾンビコミック『少林カウボーイ SHEMP BUFFET』や、料理番組やエッセイなどでお馴染みの料理人アンソニー・ボーデンによるスシコミック『GET JIRO!』といった作家性が強い作品から、映画の脚本家本人によるコミック『バック・トゥ・ザ・フューチャー アントールド・テイルズ』や『スター・ウォーズ:ポー・ダメロン ブラックスコードロン』といった映画関連まで、ジャンルにとらわれない広範なジャンルの翻訳がコンスタントに出ており、"翻訳アメコミ"という世界そのものの円熟を感じます。

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No title

ジェラルドウェイ、いいですよね。
アンブレラアカデミーの続きが邦訳されないか、かすかな期待で待ってるのですが、、、

編集おつかれさまです

『ドームパトロール』ってXメンと同時期に創刊されたコミックスで比較されるの嫌でだいぶ変な路線に走った作品だと聞いております。

Re: 編集おつかれさまです

> 『ドームパトロール』ってXメンと同時期に創刊されたコミックスで比較されるの嫌でだいぶ変な路線に走った作品だと聞いております。
それが変な路線に走った理由かは知りませんが、「はみ出し者の集まり」で「リーダーが車いす」ということで、比較されがちですよね

Re: No title

>>N@otoさん

> ジェラルドウェイ、いいですよね。
> アンブレラアカデミーの続きが邦訳されないか、かすかな期待で待ってるのですが、、、
ジェラルド・ウェイいいですよね。
翻訳アメコミの刊行数が少なかったころに、アンブレラアカデミーが発売され、「貴重な翻訳枠をこんな"芸能人枠"に使うんじゃないよ…」と憤ったのですが、読んでみてその面白さに打ちのめされた覚えがあります。
プロフィール

Author:NOB-BON
X-men生まれSpawn育ちを地でいく、90年代アメコミバブルの残党。
しばらくの間、アメコミは翻訳本を買う程度だったのが、最近のデジタルコミックの手軽さにひかれ、本格的に復活しました。

基本的にMarvelメインですが、DCのリランチを機に自分の中でDCブームが来てるので、しばらくはDCの話題続くかも。
しばらくどころか完全にDC派に転びました。

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