ジャスティスリーグvsスーサイドスクワッド #1
ジャスティスリーグvsスーサイドスクワッド #1
(作:ジョシュア・ウィリアムソン、画:ジェイソン・ファボック)
政府の高官アマンダ・ウォラーによって組織された特殊部隊タスクフォースX――減刑をエサに集められた札付きの悪人たちによって構成され、表沙汰にできない危険な汚れ仕事を密かにこなす"自殺部隊(スーサイドスクワッド)"。
彼らの今日の戦場は、小さな島国バドニシアであった。

S.T.A.R.ラボから盗み出した地震兵器を使用し島を破壊しようとするカルト教団を止めるために派遣されたスーサイドスクワッド。
もちろんその目的は人命救助ではない。バドニシアの地下に密かに建造されたアメリカ政府の軍事基地が発覚し、国際社会から非難を浴びることを恐れたアマンダ・ウォーラーが先手を打ったのだ。

教団員の気がハーレイ達にとられている隙に、見事、高所からの狙撃で教祖を射殺したデッドショット。
しかし、教祖が最後に放った地震パルスはデッドショットのいたビルを破壊する。
必死に脱出を試みるも、逃げ場を失ったデッドショット。

デッドショット:パパも、今回ばかりは弾切れらしい。
デッドショット:地獄でまってるぜ、アマンダ!
愛する娘の写真を目に焼き付け、覚悟を決めて身投げをするデッドショット。
そんな彼を救ったのは、スーパーマンをはじめとするジャスティスリーグの面々であった。
リーグがここに来たのは偶然ではない。
バットマン誌で繰り広げられたサンタ・プリスカの一件で、アマンダ・ウォラーと彼女の築き上げたスーサイドスクワッドの危険性を再認識したバットマンは、その存在をリーグに打ち明けスーサイドスクワッド壊滅のために協力を仰いだのだ。

(そういえば当ブログでリバース後のジャスティスリーグを取り上げるのは今回が初めてですね。
オリジナルメンバーを踏襲した構成ですが、グリーンランタンがバズとジェシカの二枚看板、スーパーマンはフラッシュポイント前のDC世界からやってきた方になっています)
一触即発の状態で対峙する両チーム。
しかし"地球最高のヒーローチーム"であるジャスティスリーグと、ごろつきの寄せ集めであるジャスティスリーグではその戦力差は明らか。
バズ:こりゃ一方的過ぎないか?あの男なんて武器がブーメランだぜ?
フラッシュ:キャプテン・ブーメランを舐めない方がいい。奴は…
バズ:いや、それでもブーメランはないだろ?
どこか緩んだ空気がリーグの中に漂う中、デッドショットは冷静にアマンダ・ウォーラーに連絡をとる。

デッドショット:で、俺たちはどうすればいい?
アマンダ:わかっているはず
デッドショット:もう一度、お前の口から聞きたいんだ
アマンダ:リーグに生け捕りにされるな。失敗したときは無線爆弾で殺す。
デッドショット:お前ら聞いたな。俺たちが潜り抜けてきた糞ったれな日々の中で、今日ほど楽な任務はない。
見ての通りリーグの奴らは殺しはできない。だが・・・

俺たちは殺れる!
遂に始まった現在のDCを代表する2チームの戦い。
しかしその陰で密かに動き始めた第3チームがいた。
カリフォルニアはデスバレーの地下深くにある秘密施設カタコンベ。ほんの数名の囚人のためだけに造られたこの施設に一人の男が入り込み、そこに収監された"この世ならざる者"を解放したのだ。
解放された囚人はこの5人。

(左から)31世紀からやってきた魔女エメラルド・エンプレス、磁力を操るグリーンランタンの宿敵Dr.ポラリス、宇宙最凶の賞金稼ぎロボ、かつてJSAと戦った無貌の仮面ジョニー・ソロー、スーサイドスクワッドのライバルであった国際テロ組織"オンスロート"の首領ラスタム。
そして彼らを解き放った張本人、マクスウェル・ロードは彼らに語る。

マクスウェル・ロード:君たちに君たちがいま最も欲しているもの――アマンダ・ウォラーの首を差し上げよう。
見返り?世界を救う手伝いをしてくれればそれで結構。
***************
というわけでDCリバース初の大型クロスオーバー『ジャスティスリーグvsスーサイドスクワッド』の紹介でした。
DCが、本編をミニシリーズでやるような大型クロスオーバーを行うのは久しぶり、『フォーエバーイービル』から数えれば3年ぶり、DC社屋の引っ越し時におこなった『コンバージェンス』から数えても1年半ぶりになります。
上記の通り"vs"とは銘打たれていますが、物語の中心はマクスウェル・ロードと彼の率いるチームとの戦いになりそうなのですが、実はマクスウェル・ロードのチームは非常に興味深い構成でして、ロボ以外のメンバーは全員、NEW52以降初登場。
ロボにしても、New52に登場したロカビリースタイルのロボではなく、彼に殺されたはずのバイカースタイルで、フラッシュポイント前を強く意識させるメンバーです。
(厳密にはジョニー・ソローは『アース2:ソサエティ』に、Dr.ポラリスは『フューチャーズエンド』に、それぞれ"別バージョン"が登場しています。)
またエメラルド・エンプレスは「この世界は時が失われている」と語り、ジョニー・ソローは"聞いたこともないヒーローチーム"についてのたわ言を繰り返します。
彼らが収監されていた施設の職員が、彼らに対して使った"この世ならざる者"という呼び名は、果たして単なる修辞表現なのか?それとも本当にこの世界ではない別の世界、つまりリブート前の世界からやってきた存在であることを意味していたのか、次なる展開が非常に楽しみです。
【宣伝】(使いまわし)
新作の発表が多すぎて、何を紹介したんだかしてないんだか分からなくなってしまった翻訳アメコミ。
今回は目についた作品を片っ端から紹介。
まずはイベント『ジャスティスリーグvsスーサイドスクワッド』も始まり、いまDCが最も力を入れているタイトルであるスーサイドスクワッドから、その主要メンバーに焦点を当てた2作品『スーサイド・スクワッド モスト・ウォンテッド:デッドショット』と『スーサイド・スクワッド モスト・ウォンテッド:カタナ』が発売。
またゴッサムシティのはずれにある名門校を舞台にした学園探偵もの『ゴッサム・アカデミー:カラミティ』が発売。
Twitter上で話題になった"イケメン・ダミアン"が遂に登場。マップス、ダミアン、グラップル銃の三角関係に発展!
そして『アクアマン:王の最期』にてジェフ・ジョーンズ期のアクアマンが遂に完結。オーシャンマスターを倒しアトランティス王位を改めて継ぐこととなったアーサーの前に、古代の王が甦る!
お次は月刊が通常のアメコミ界において、週刊作品を1年間続けるというクレイジーな企画『バットマン:エターナル』の上巻がまさかの刊行。
ジム・ゴードン逮捕の衝撃と共に、ゴッサムで最も危険な"人"――カーマイン・ファルコーネが帰ってくる!
次も大作『バットマン:ノーマンズランド』の3巻が刊行。90年代後半のバットマンの金字塔となったクロスオーバーのいよいよ後半戦。
そして「LOBO ポートレイト・オブ・ア・バスティッチ」で驚異の翻訳デビューを果たしたジュリアンパブリッシングから、『BATMAN LOBO / LOBO AUTHORITY:HOLIDAY HELL』が発売!
容赦のない筋肉描写で一世を風靡したサイモン・ビズレーのアートで、ロボとバットマンが読めるよろこび!
翻訳デビューといえば、誠文堂新光社も翻訳アメコミに参戦。そしてそのチョイスが凄い!
まずはヴァイオレンスグルメコミック界の金字塔(そんな"界"があるならばですが)『GET JIRO!』!
"スシ"の名をかたるまがい物が幅を利かせる悪徳の街ロサンセルスに、硬派な寿司職人ジローが帰ってくる。
色物と侮ることなかれ、著作の映画化も控えた有名グルメライター、アンソニー・ボーデインがライターなだけあって、その寿司描写だけは確か。ほかの設定は頭のネジがかなり飛んでいますが…
続いてはガース・エニスの『ザ・ボーイズ』。ヒットマン、パニッシャーなど、問題作を数多く世に送り出したガース・エニスの作品の中でも一番の問題作である本作。
大手出版社の自主規制の頸木を逃れたエニスが、本当に下世話で下品でハートフルなヒーロー界を描く!
続いては『ウォーキングデッド』で飛ぶ鳥を落とす勢いのライター、ロバート・カークマンの『アウトキャスト』が翻訳。
こちらは管理人は未読なのですが、悪魔祓いをテーマにした話題作の翻訳ということで非常に楽しみです。
最後にエンターブレインから『ヒットマン』の続巻が刊行されることが発表。
てっきりラインが止まったと思っていたヒットマンの復活が大変うれしいです。New52世界にも帰ってこないかなモナハン。
"最後に"と思ったら、まだ重要な作品『ハワード・ザ・ダック』の紹介が漏れていました。
私世代だと、ルーカスによる映画でお馴染みの彼ですが、実は近年マーべス世界で復活を果たし、大人気となっています。
地球と宇宙を股にかけるやや脱力系のコメディですが、その面白さお墨付き。
(作:ジョシュア・ウィリアムソン、画:ジェイソン・ファボック)
政府の高官アマンダ・ウォラーによって組織された特殊部隊タスクフォースX――減刑をエサに集められた札付きの悪人たちによって構成され、表沙汰にできない危険な汚れ仕事を密かにこなす"自殺部隊(スーサイドスクワッド)"。
彼らの今日の戦場は、小さな島国バドニシアであった。

S.T.A.R.ラボから盗み出した地震兵器を使用し島を破壊しようとするカルト教団を止めるために派遣されたスーサイドスクワッド。
もちろんその目的は人命救助ではない。バドニシアの地下に密かに建造されたアメリカ政府の軍事基地が発覚し、国際社会から非難を浴びることを恐れたアマンダ・ウォーラーが先手を打ったのだ。

教団員の気がハーレイ達にとられている隙に、見事、高所からの狙撃で教祖を射殺したデッドショット。
しかし、教祖が最後に放った地震パルスはデッドショットのいたビルを破壊する。
必死に脱出を試みるも、逃げ場を失ったデッドショット。

デッドショット:パパも、今回ばかりは弾切れらしい。
デッドショット:地獄でまってるぜ、アマンダ!
愛する娘の写真を目に焼き付け、覚悟を決めて身投げをするデッドショット。
そんな彼を救ったのは、スーパーマンをはじめとするジャスティスリーグの面々であった。
リーグがここに来たのは偶然ではない。
バットマン誌で繰り広げられたサンタ・プリスカの一件で、アマンダ・ウォラーと彼女の築き上げたスーサイドスクワッドの危険性を再認識したバットマンは、その存在をリーグに打ち明けスーサイドスクワッド壊滅のために協力を仰いだのだ。

(そういえば当ブログでリバース後のジャスティスリーグを取り上げるのは今回が初めてですね。
オリジナルメンバーを踏襲した構成ですが、グリーンランタンがバズとジェシカの二枚看板、スーパーマンはフラッシュポイント前のDC世界からやってきた方になっています)
一触即発の状態で対峙する両チーム。
しかし"地球最高のヒーローチーム"であるジャスティスリーグと、ごろつきの寄せ集めであるジャスティスリーグではその戦力差は明らか。
バズ:こりゃ一方的過ぎないか?あの男なんて武器がブーメランだぜ?
フラッシュ:キャプテン・ブーメランを舐めない方がいい。奴は…
バズ:いや、それでもブーメランはないだろ?
どこか緩んだ空気がリーグの中に漂う中、デッドショットは冷静にアマンダ・ウォーラーに連絡をとる。

デッドショット:で、俺たちはどうすればいい?
アマンダ:わかっているはず
デッドショット:もう一度、お前の口から聞きたいんだ
アマンダ:リーグに生け捕りにされるな。失敗したときは無線爆弾で殺す。
デッドショット:お前ら聞いたな。俺たちが潜り抜けてきた糞ったれな日々の中で、今日ほど楽な任務はない。
見ての通りリーグの奴らは殺しはできない。だが・・・

俺たちは殺れる!
遂に始まった現在のDCを代表する2チームの戦い。
しかしその陰で密かに動き始めた第3チームがいた。
カリフォルニアはデスバレーの地下深くにある秘密施設カタコンベ。ほんの数名の囚人のためだけに造られたこの施設に一人の男が入り込み、そこに収監された"この世ならざる者"を解放したのだ。
解放された囚人はこの5人。

(左から)31世紀からやってきた魔女エメラルド・エンプレス、磁力を操るグリーンランタンの宿敵Dr.ポラリス、宇宙最凶の賞金稼ぎロボ、かつてJSAと戦った無貌の仮面ジョニー・ソロー、スーサイドスクワッドのライバルであった国際テロ組織"オンスロート"の首領ラスタム。
そして彼らを解き放った張本人、マクスウェル・ロードは彼らに語る。

マクスウェル・ロード:君たちに君たちがいま最も欲しているもの――アマンダ・ウォラーの首を差し上げよう。
見返り?世界を救う手伝いをしてくれればそれで結構。
***************
というわけでDCリバース初の大型クロスオーバー『ジャスティスリーグvsスーサイドスクワッド』の紹介でした。
DCが、本編をミニシリーズでやるような大型クロスオーバーを行うのは久しぶり、『フォーエバーイービル』から数えれば3年ぶり、DC社屋の引っ越し時におこなった『コンバージェンス』から数えても1年半ぶりになります。
上記の通り"vs"とは銘打たれていますが、物語の中心はマクスウェル・ロードと彼の率いるチームとの戦いになりそうなのですが、実はマクスウェル・ロードのチームは非常に興味深い構成でして、ロボ以外のメンバーは全員、NEW52以降初登場。
ロボにしても、New52に登場したロカビリースタイルのロボではなく、彼に殺されたはずのバイカースタイルで、フラッシュポイント前を強く意識させるメンバーです。
(厳密にはジョニー・ソローは『アース2:ソサエティ』に、Dr.ポラリスは『フューチャーズエンド』に、それぞれ"別バージョン"が登場しています。)
またエメラルド・エンプレスは「この世界は時が失われている」と語り、ジョニー・ソローは"聞いたこともないヒーローチーム"についてのたわ言を繰り返します。
彼らが収監されていた施設の職員が、彼らに対して使った"この世ならざる者"という呼び名は、果たして単なる修辞表現なのか?それとも本当にこの世界ではない別の世界、つまりリブート前の世界からやってきた存在であることを意味していたのか、次なる展開が非常に楽しみです。
【宣伝】(使いまわし)
新作の発表が多すぎて、何を紹介したんだかしてないんだか分からなくなってしまった翻訳アメコミ。
今回は目についた作品を片っ端から紹介。
まずはイベント『ジャスティスリーグvsスーサイドスクワッド』も始まり、いまDCが最も力を入れているタイトルであるスーサイドスクワッドから、その主要メンバーに焦点を当てた2作品『スーサイド・スクワッド モスト・ウォンテッド:デッドショット』と『スーサイド・スクワッド モスト・ウォンテッド:カタナ』が発売。
またゴッサムシティのはずれにある名門校を舞台にした学園探偵もの『ゴッサム・アカデミー:カラミティ』が発売。
Twitter上で話題になった"イケメン・ダミアン"が遂に登場。マップス、ダミアン、グラップル銃の三角関係に発展!
そして『アクアマン:王の最期』にてジェフ・ジョーンズ期のアクアマンが遂に完結。オーシャンマスターを倒しアトランティス王位を改めて継ぐこととなったアーサーの前に、古代の王が甦る!
お次は月刊が通常のアメコミ界において、週刊作品を1年間続けるというクレイジーな企画『バットマン:エターナル』の上巻がまさかの刊行。
ジム・ゴードン逮捕の衝撃と共に、ゴッサムで最も危険な"人"――カーマイン・ファルコーネが帰ってくる!
次も大作『バットマン:ノーマンズランド』の3巻が刊行。90年代後半のバットマンの金字塔となったクロスオーバーのいよいよ後半戦。
そして「LOBO ポートレイト・オブ・ア・バスティッチ」で驚異の翻訳デビューを果たしたジュリアンパブリッシングから、『BATMAN LOBO / LOBO AUTHORITY:HOLIDAY HELL』が発売!
容赦のない筋肉描写で一世を風靡したサイモン・ビズレーのアートで、ロボとバットマンが読めるよろこび!
翻訳デビューといえば、誠文堂新光社も翻訳アメコミに参戦。そしてそのチョイスが凄い!
まずはヴァイオレンスグルメコミック界の金字塔(そんな"界"があるならばですが)『GET JIRO!』!
"スシ"の名をかたるまがい物が幅を利かせる悪徳の街ロサンセルスに、硬派な寿司職人ジローが帰ってくる。
色物と侮ることなかれ、著作の映画化も控えた有名グルメライター、アンソニー・ボーデインがライターなだけあって、その寿司描写だけは確か。ほかの設定は頭のネジがかなり飛んでいますが…
続いてはガース・エニスの『ザ・ボーイズ』。ヒットマン、パニッシャーなど、問題作を数多く世に送り出したガース・エニスの作品の中でも一番の問題作である本作。
大手出版社の自主規制の頸木を逃れたエニスが、本当に下世話で下品でハートフルなヒーロー界を描く!
続いては『ウォーキングデッド』で飛ぶ鳥を落とす勢いのライター、ロバート・カークマンの『アウトキャスト』が翻訳。
こちらは管理人は未読なのですが、悪魔祓いをテーマにした話題作の翻訳ということで非常に楽しみです。
最後にエンターブレインから『ヒットマン』の続巻が刊行されることが発表。
てっきりラインが止まったと思っていたヒットマンの復活が大変うれしいです。New52世界にも帰ってこないかなモナハン。
"最後に"と思ったら、まだ重要な作品『ハワード・ザ・ダック』の紹介が漏れていました。
私世代だと、ルーカスによる映画でお馴染みの彼ですが、実は近年マーべス世界で復活を果たし、大人気となっています。
地球と宇宙を股にかけるやや脱力系のコメディですが、その面白さお墨付き。
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