バットマン#9(その1)
バットマン#9
(作:トム・キング、画:ミケル・ハニン)
【これまでのお話】
今日も独りゴッサムで犯罪との終わりなき闘いを続けるバットマン。
そんな彼の前に突如現れたのは、自らを"ゴッサム"、"ゴッサムガール"と名乗る超人兄妹であった。

自らの寿命を削ることでスーパーマンにも匹敵する力を発揮することができる兄妹は、幼いころに命を救われたバットマンを慕い、彼と共に自らの故郷――ゴッサムを守るため立ち上がったのだ。
突然の助っ人に戸惑いながらも、少しずつ絆を築いていくバットマンと、ゴッサム&ゴッサムガール。
しかし、その関係は政府によって極秘裏に進められていたゴッサム治安維持計画によって破局を迎える。
政府の高官アマンダ・ウォラーがゴッサムへと送り込んだ戦闘集団タスクフォースXまたの名をスーサイドスクワッド。その一員であるDr.ヒューゴ・ストレンジとサイコパイレートが部隊を脱走、ゴッサム&ゴッサムガールに襲い掛かったのだ。

(ここで登場するスーサイドスクワッドは、ハーレクインやデッドショットのいる本隊とは異なるいわば"別動隊")
その気になれば神の正気すら奪うことができるサイコパイレートの感情投射能力により、完全に精神を破壊されたゴッサムとゴッサムガール。"怒り"の感情を暴走させられたゴッサムは、ゴッサムシティで起こる全ての犯罪の原因である街そのものを破壊しようと試みバットマンと対決し絶命。
残されたゴッサム・ガールも、かつての快活な姿は見る影もなく、"恐怖"の感情に打ちのめされベッドの上で恐怖に震え続けるのみとなってしまった。
バットマンは、家族を失い恐怖に押しつぶされようとしているゴッサム・ガールとかつての自分の姿を重ね、彼女を救うために何としてでもサイコパイレートを捕まえることを決意する!
(とここまでが、リバース以後のバットマン誌の最初のアーク「I am Gotham」の内容)
【アマンダ・ウォラーの執務室にて】
スーサイドスクワッドの責任者、アマンダ・ウォラーの秘密の執務室。
そこには、今回の悲劇をもたらしたスーサイドスクワッドによるゴッサム治安維持活動の責任者、アマンダ・ウォラーとレーン将軍(ちなみにロイス・レーンのお父さんです)が今回の計画の失敗について話し合っていた。

レーン将軍「彼のことなど心配する必要はありません」
ウォラー「…」
レーン将軍「今回の事件を我々と結びつけることなど、彼にも不可能。よしんばそれが出来たとしても、この秘密基地の場所はいかなる文書にも記載されておりません」
ウォラー「…レーン」
レーン将軍「また奇跡的にこの場所を知ることができたとしても、この場所は軍部最上級のセキュリティシステムで保護されております。つまりふざけた蝙蝠男は我々には指一本触れることはできんのです。」
ウォラー「レーン。その"ふざけた蝙蝠男"が、あなたの真後ろに立ってるわ」

バットマン「ウォラー。そろそろ互いに話し合う頃合いだ。」
ウォラー「そうね…」
ウォラーにサイコパイレートとヒューゴ・ストレンジの居場所を訪ねるバットマン。
しかし、サイコパイレートは既にヒューゴ・ストレンジの手を離れていた。
ストレンジは多量のヴェノム(バットマンの宿敵ベインの肉体を強化する毒薬)と引き換えに、ベインの根城、南米の小国サンタ・プリスカに送られていたのだ。

ウォラー「つまり、サイコパイレートを連れ戻すには、強力な独裁国に出向いて、人類史上最も堅牢な刑務所に侵入する必要があるの。
あなたが望むなら、私に一つ案があるけれど、言っておくけど簡単じゃないわ。
おそらくあなたは戻ってこれないでしょう。別の言い方をすれば、この作戦は、そう・・・
自殺行為(スーサイド)ね。」
******************
というわけで、はじまったリーバス後バットマンの第2アーク「I am Suicide」。
この後、バットマンはサンタ・プリスカに侵入するために、アーカムの囚人たちの中からメンバーを選び、自らの"スーサイドスクワッド"を組織することになります。
本当は、そのアーカムでの選別の様子を描いた#9の内容を紹介したかったのですが、今回はその導入までで息切れしてしまいました。
『グレイソン』、『オメガメン』、『ヴィジョン』と立て続けに傑作を発表し、今回、DCの旗艦タイトルである『バットマン』のライターを担当することになったトム・キングですが、今回も出色の出来栄え。
既に第三アークのタイトル『I am Bane』も発表されており、今後も盛り上がっていくこと間違いなしのバットマン誌を、管理人は楽しみにしています。
【宣伝】
10月に発売された『ジャスティス・リーグ:インジャスティス・リーグ』の興奮も冷めぬうちに、続刊となる『ジャスティス・リーグ:ダークサイド・ウォー 1』が12月に発売されます。
New52のジャスティスリーグの総決算となる、アンチモニター/ダークサイド/ジャスティスリーグの3つ巴の戦いが遂に翻訳!
そして、DCからは他にも「レッドフード:ロスト・デイズ」と「フラッシュ:グロッドの脅威」が刊行。
前者は最近すっかり丸くなったジェイソンのダークヒーロー時代が描かれる作品ということで個人的にたのしみです。
また「フラッシュ:グロッドの脅威」は、New52フラッシュの第三巻となるのですが、フランシス・マナプルという才能豊かなアーティストが、ライターとアートを兼務したからこそできる珠玉の見開きページが含まれるはずですので、そのためだけに買ってもいいくらいです。
そして、こちらも1巻が出たばかりのアクアマンの続刊である『アクアマン:王の遺産』が発売。1巻を読んでその面白さに度肝を抜かれた方も多いと思いますが、実は2巻からが本番。アクアマンの宿敵ブラックマンタと、新たな盟友ジ・アザーズの登場で物語はさらにエスカレートしていきます。
マーベルからは、MCUのラスボスであるサノスを扱った作品である『デッドプール VS. サノス』と『サノス・ライジング』がお目見え。また、映画の公開が待たれるDr.ストレンジのオリジンである『ドクター・ストレンジ:シーズンワン』に、最近の翻訳では珍しい1冊完結の読み切り作品『アベンジャーズ:エンドレス・ウォータイム』など、映像化作品を中心に据えた手堅い作品が並んでいます。
(作:トム・キング、画:ミケル・ハニン)
【これまでのお話】
今日も独りゴッサムで犯罪との終わりなき闘いを続けるバットマン。
そんな彼の前に突如現れたのは、自らを"ゴッサム"、"ゴッサムガール"と名乗る超人兄妹であった。

自らの寿命を削ることでスーパーマンにも匹敵する力を発揮することができる兄妹は、幼いころに命を救われたバットマンを慕い、彼と共に自らの故郷――ゴッサムを守るため立ち上がったのだ。
突然の助っ人に戸惑いながらも、少しずつ絆を築いていくバットマンと、ゴッサム&ゴッサムガール。
しかし、その関係は政府によって極秘裏に進められていたゴッサム治安維持計画によって破局を迎える。
政府の高官アマンダ・ウォラーがゴッサムへと送り込んだ戦闘集団タスクフォースXまたの名をスーサイドスクワッド。その一員であるDr.ヒューゴ・ストレンジとサイコパイレートが部隊を脱走、ゴッサム&ゴッサムガールに襲い掛かったのだ。

(ここで登場するスーサイドスクワッドは、ハーレクインやデッドショットのいる本隊とは異なるいわば"別動隊")
その気になれば神の正気すら奪うことができるサイコパイレートの感情投射能力により、完全に精神を破壊されたゴッサムとゴッサムガール。"怒り"の感情を暴走させられたゴッサムは、ゴッサムシティで起こる全ての犯罪の原因である街そのものを破壊しようと試みバットマンと対決し絶命。
残されたゴッサム・ガールも、かつての快活な姿は見る影もなく、"恐怖"の感情に打ちのめされベッドの上で恐怖に震え続けるのみとなってしまった。
バットマンは、家族を失い恐怖に押しつぶされようとしているゴッサム・ガールとかつての自分の姿を重ね、彼女を救うために何としてでもサイコパイレートを捕まえることを決意する!
(とここまでが、リバース以後のバットマン誌の最初のアーク「I am Gotham」の内容)
【アマンダ・ウォラーの執務室にて】
スーサイドスクワッドの責任者、アマンダ・ウォラーの秘密の執務室。
そこには、今回の悲劇をもたらしたスーサイドスクワッドによるゴッサム治安維持活動の責任者、アマンダ・ウォラーとレーン将軍(ちなみにロイス・レーンのお父さんです)が今回の計画の失敗について話し合っていた。

レーン将軍「彼のことなど心配する必要はありません」
ウォラー「…」
レーン将軍「今回の事件を我々と結びつけることなど、彼にも不可能。よしんばそれが出来たとしても、この秘密基地の場所はいかなる文書にも記載されておりません」
ウォラー「…レーン」
レーン将軍「また奇跡的にこの場所を知ることができたとしても、この場所は軍部最上級のセキュリティシステムで保護されております。つまりふざけた蝙蝠男は我々には指一本触れることはできんのです。」
ウォラー「レーン。その"ふざけた蝙蝠男"が、あなたの真後ろに立ってるわ」

バットマン「ウォラー。そろそろ互いに話し合う頃合いだ。」
ウォラー「そうね…」
ウォラーにサイコパイレートとヒューゴ・ストレンジの居場所を訪ねるバットマン。
しかし、サイコパイレートは既にヒューゴ・ストレンジの手を離れていた。
ストレンジは多量のヴェノム(バットマンの宿敵ベインの肉体を強化する毒薬)と引き換えに、ベインの根城、南米の小国サンタ・プリスカに送られていたのだ。

ウォラー「つまり、サイコパイレートを連れ戻すには、強力な独裁国に出向いて、人類史上最も堅牢な刑務所に侵入する必要があるの。
あなたが望むなら、私に一つ案があるけれど、言っておくけど簡単じゃないわ。
おそらくあなたは戻ってこれないでしょう。別の言い方をすれば、この作戦は、そう・・・
自殺行為(スーサイド)ね。」
******************
というわけで、はじまったリーバス後バットマンの第2アーク「I am Suicide」。
この後、バットマンはサンタ・プリスカに侵入するために、アーカムの囚人たちの中からメンバーを選び、自らの"スーサイドスクワッド"を組織することになります。
本当は、そのアーカムでの選別の様子を描いた#9の内容を紹介したかったのですが、今回はその導入までで息切れしてしまいました。
『グレイソン』、『オメガメン』、『ヴィジョン』と立て続けに傑作を発表し、今回、DCの旗艦タイトルである『バットマン』のライターを担当することになったトム・キングですが、今回も出色の出来栄え。
既に第三アークのタイトル『I am Bane』も発表されており、今後も盛り上がっていくこと間違いなしのバットマン誌を、管理人は楽しみにしています。
【宣伝】
10月に発売された『ジャスティス・リーグ:インジャスティス・リーグ』の興奮も冷めぬうちに、続刊となる『ジャスティス・リーグ:ダークサイド・ウォー 1』が12月に発売されます。
New52のジャスティスリーグの総決算となる、アンチモニター/ダークサイド/ジャスティスリーグの3つ巴の戦いが遂に翻訳!
そして、DCからは他にも「レッドフード:ロスト・デイズ」と「フラッシュ:グロッドの脅威」が刊行。
前者は最近すっかり丸くなったジェイソンのダークヒーロー時代が描かれる作品ということで個人的にたのしみです。
また「フラッシュ:グロッドの脅威」は、New52フラッシュの第三巻となるのですが、フランシス・マナプルという才能豊かなアーティストが、ライターとアートを兼務したからこそできる珠玉の見開きページが含まれるはずですので、そのためだけに買ってもいいくらいです。
そして、こちらも1巻が出たばかりのアクアマンの続刊である『アクアマン:王の遺産』が発売。1巻を読んでその面白さに度肝を抜かれた方も多いと思いますが、実は2巻からが本番。アクアマンの宿敵ブラックマンタと、新たな盟友ジ・アザーズの登場で物語はさらにエスカレートしていきます。
マーベルからは、MCUのラスボスであるサノスを扱った作品である『デッドプール VS. サノス』と『サノス・ライジング』がお目見え。また、映画の公開が待たれるDr.ストレンジのオリジンである『ドクター・ストレンジ:シーズンワン』に、最近の翻訳では珍しい1冊完結の読み切り作品『アベンジャーズ:エンドレス・ウォータイム』など、映像化作品を中心に据えた手堅い作品が並んでいます。
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