ワンダーウーマン:リバース
ワンダーウーマン:リバース
(作:グレッグ・ルッカ、画:マシュー・クラーク&ライアム・シャープ)
ダイアナは思い返す、自分自身の現状を。
人々は彼女の事をワンダーガールと呼ぶ。"ワンダー"とは驚きをあらわす言葉であり、人々が彼女に感じる畏敬の念を表していた。 ・・・かつては
しかし物語は変わり続ける・・・
今日では"ワンダー"とは彼女に対する形容詞ではなく、呼ぶ側の気持ちを表すようになった。
人々は"疑問を感じて(wonder)"いる、「なんで、こんな女がいるのか?」、「彼女はいったい何者なのか?」と。
ダイアナは思い返す、自分自身の出自を。

アマゾンの女王は子供を求め神に祈り、神は彼女の祈りに応え、泥人形に命を与え給うた。
しかし物語は変わり続ける・・・

アマゾンの女王はオリンポスの主神ゼウスと恋に落ち、密かに子をもうけた。
ダイアナは思い返す、自分自身の幼少期を。

永遠の生を楽しむパラダイスに生まれた唯一の少女は、皆の妹として愛されて育った。
しかし物語は変わり続ける・・・

島に住む多くの少女たちの一人として育ったダイアナは、素性の知れない自身の生い立ちを蔑まれながら育った。
彼女にとってセミッシラは"パラダイス"というほどではなかった。
自身の半生の曖昧さに疑問を持った彼女は、真実の投げ縄を自らに巻き付け、自問する。
ダイアナ:私は誰だ?
ダイアナ:私はダイアナ、王女、ヒッポリタの娘、アマゾンの第十代女王。
ダイアナ:それで、私は何者だ?
ダイアナ:私は多くの貌を持つ、平和の調停者、戦争の闘士、嘆願者、悔悟者、真の友にして愉快な知己、信頼のおける真実の語り部・・・そう思わされてきた。

自らの口からでた思いもよらない言葉に驚くダイアナ。
やがて彼女は自らの人生を欺いてきた何者かの存在をさとる。

「物語が変わり続けるのも道理!」
もはや自分が何者であるのかすら疑わしいものになったダイアナ。
彼女は、自身の"真の誕生譚"を探す旅に出ることを決意する!
*******************************
というわけで、今回は「DC:リバース」後のワンダーウーマン誌の導入となるリバース号の紹介でした。
ワンダーウーマンのオリジンの曖昧さを、神話や伝承の変遷する様であるかのように語り、やがてそれがダイアナ自身の存在の揺らぎにも続いていく、非常に観念的な内容の本作ですが、それをここまで緊張感をもって読ませてしまうのは、ハードボイルド小説でならしたルッカの手腕がなせる業なのでしょうか。
また、ルッカはこれ以降の物語の構成でも、隔週刊行である本誌の特性を活かし、
#1から始まる奇数号では、現代を舞台にしたワンダーウーマンのルーツ探求の旅を描かき、

#2からはじまる偶数号では、ワンダーウーマンの"真のオリジン"を描くという、かなり挑戦的な試みを行っています。

来年映画が公開されることもあり、"DCの本気"を感じさせる本作。
ここから新たなオリジンを語られることもあり、(自分のように)今まであまりワンダーウーマンを読んだことがない人に、うってつけの作品となっていますので、皆さんもぜひ。
【宣伝(使いまわし)】
相変わらず刊行ラッシュが続く翻訳アメコミですが、まずはDC関連で目が付いたのはこちら。
「スーパーマン/バットマン:スーパーガール」は、リブート前の人気シリーズの翻訳。
実はリブート前世界で長い間登場していなかった"本当のスーパーガール"の復活を描いた作品となります。
美しい女性を描くことに定評のあるマイケル・ターナーをアーティストに据えていることからも、当時のDCの意気込みがうかがえます。
こちらもリブート前になりますが、名手マット・ワグナーが、DCヒーローの最高峰の共演を描いた「トリニティ バットマン/スーパーマン/ワンダーウーマン」も、個人的には外せないタイトル。
また、映画版が近日公開予定のスーサイド・スクワッドについては、「スーサイド・スクワッド:バジリスク・ライジング」が刊行。前作が良いところで終わったので、素早い続刊は嬉しいところ。
最近、80年以上の歴史を誇るDCの時間を横断したアンソロジーを翻訳しているパイ・インターナショナルからは、ジョーカー傑作選である「ジョーカー アンソロジー」が刊行。
続いてマーベル。
「スーパーマン/バットマン:スーパーガール」のライターを務めるジェフ・ローブ(バットマン:ロングハロウィーンなど)の作品が奇しくもマーベルからも刊行!そのタイトルは「キャプテン・アメリカ:ホワイト」。
本国での刊行を終えたばかりの最新作の登場は嬉しいところ。
続いて国内で驚異的なヒットを飛ばしたスパイダーバースの最終巻「ワールド・オブ・スパイダーバース」が7月に刊行。
カプコン版スパイダーマンなど、レアな(ある意味なじみ深い)スパイダーマンが次々登場する超短編が収録されるようなので個人的には楽しみです。
また少年ヒーローたちによる若さあふれる掛け合いが国内で人気を呼んでいる「ヤング・アベンジャーズ:スタイル>サブスタンス 」と、ガーディアンズのメンバーが様々なマーベルヒーローとチームアップする「ガーディアンズ:チームアップ」も8月に刊行予定。
(作:グレッグ・ルッカ、画:マシュー・クラーク&ライアム・シャープ)
ダイアナは思い返す、自分自身の現状を。
人々は彼女の事をワンダーガールと呼ぶ。"ワンダー"とは驚きをあらわす言葉であり、人々が彼女に感じる畏敬の念を表していた。 ・・・かつては
しかし物語は変わり続ける・・・
今日では"ワンダー"とは彼女に対する形容詞ではなく、呼ぶ側の気持ちを表すようになった。
人々は"疑問を感じて(wonder)"いる、「なんで、こんな女がいるのか?」、「彼女はいったい何者なのか?」と。
ダイアナは思い返す、自分自身の出自を。

アマゾンの女王は子供を求め神に祈り、神は彼女の祈りに応え、泥人形に命を与え給うた。
しかし物語は変わり続ける・・・

アマゾンの女王はオリンポスの主神ゼウスと恋に落ち、密かに子をもうけた。
ダイアナは思い返す、自分自身の幼少期を。

永遠の生を楽しむパラダイスに生まれた唯一の少女は、皆の妹として愛されて育った。
しかし物語は変わり続ける・・・

島に住む多くの少女たちの一人として育ったダイアナは、素性の知れない自身の生い立ちを蔑まれながら育った。
彼女にとってセミッシラは"パラダイス"というほどではなかった。
自身の半生の曖昧さに疑問を持った彼女は、真実の投げ縄を自らに巻き付け、自問する。
ダイアナ:私は誰だ?
ダイアナ:私はダイアナ、王女、ヒッポリタの娘、アマゾンの第十代女王。
ダイアナ:それで、私は何者だ?
ダイアナ:私は多くの貌を持つ、平和の調停者、戦争の闘士、嘆願者、悔悟者、真の友にして愉快な知己、信頼のおける真実の語り部・・・そう思わされてきた。

自らの口からでた思いもよらない言葉に驚くダイアナ。
やがて彼女は自らの人生を欺いてきた何者かの存在をさとる。

「物語が変わり続けるのも道理!」
もはや自分が何者であるのかすら疑わしいものになったダイアナ。
彼女は、自身の"真の誕生譚"を探す旅に出ることを決意する!
*******************************
というわけで、今回は「DC:リバース」後のワンダーウーマン誌の導入となるリバース号の紹介でした。
ワンダーウーマンのオリジンの曖昧さを、神話や伝承の変遷する様であるかのように語り、やがてそれがダイアナ自身の存在の揺らぎにも続いていく、非常に観念的な内容の本作ですが、それをここまで緊張感をもって読ませてしまうのは、ハードボイルド小説でならしたルッカの手腕がなせる業なのでしょうか。
また、ルッカはこれ以降の物語の構成でも、隔週刊行である本誌の特性を活かし、
#1から始まる奇数号では、現代を舞台にしたワンダーウーマンのルーツ探求の旅を描かき、

#2からはじまる偶数号では、ワンダーウーマンの"真のオリジン"を描くという、かなり挑戦的な試みを行っています。

来年映画が公開されることもあり、"DCの本気"を感じさせる本作。
ここから新たなオリジンを語られることもあり、(自分のように)今まであまりワンダーウーマンを読んだことがない人に、うってつけの作品となっていますので、皆さんもぜひ。
【宣伝(使いまわし)】
相変わらず刊行ラッシュが続く翻訳アメコミですが、まずはDC関連で目が付いたのはこちら。
「スーパーマン/バットマン:スーパーガール」は、リブート前の人気シリーズの翻訳。
実はリブート前世界で長い間登場していなかった"本当のスーパーガール"の復活を描いた作品となります。
美しい女性を描くことに定評のあるマイケル・ターナーをアーティストに据えていることからも、当時のDCの意気込みがうかがえます。
こちらもリブート前になりますが、名手マット・ワグナーが、DCヒーローの最高峰の共演を描いた「トリニティ バットマン/スーパーマン/ワンダーウーマン」も、個人的には外せないタイトル。
また、映画版が近日公開予定のスーサイド・スクワッドについては、「スーサイド・スクワッド:バジリスク・ライジング」が刊行。前作が良いところで終わったので、素早い続刊は嬉しいところ。
最近、80年以上の歴史を誇るDCの時間を横断したアンソロジーを翻訳しているパイ・インターナショナルからは、ジョーカー傑作選である「ジョーカー アンソロジー」が刊行。
続いてマーベル。
「スーパーマン/バットマン:スーパーガール」のライターを務めるジェフ・ローブ(バットマン:ロングハロウィーンなど)の作品が奇しくもマーベルからも刊行!そのタイトルは「キャプテン・アメリカ:ホワイト」。
本国での刊行を終えたばかりの最新作の登場は嬉しいところ。
続いて国内で驚異的なヒットを飛ばしたスパイダーバースの最終巻「ワールド・オブ・スパイダーバース」が7月に刊行。
カプコン版スパイダーマンなど、レアな(ある意味なじみ深い)スパイダーマンが次々登場する超短編が収録されるようなので個人的には楽しみです。
また少年ヒーローたちによる若さあふれる掛け合いが国内で人気を呼んでいる「ヤング・アベンジャーズ:スタイル>サブスタンス 」と、ガーディアンズのメンバーが様々なマーベルヒーローとチームアップする「ガーディアンズ:チームアップ」も8月に刊行予定。
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