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シビルウォーII #1

シビルウォーII #1
(作:ブライアン・ベンディス、画:デヴィッド・マルケス)

地球は危機に瀕していた。

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宇宙最古の超種族、セレスチャルズがニューヨークのど真ん中に突如現れたのだ。

何の前触れもない彼らの到来に、地球はなすすべもなく壊滅するはずであった。
しかし、セレチャルズが地球に現れたまさにそのとき、救世主が現れる。

その救世主とは、アベンジャーズ、ニューアベンジャーズ、アンキャニーアベンジャーズ、アルファフライト(アルティメッツ)、X-Men、インヒューマンズ…
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ありとあらゆるヒーローたちが、セレスチャルズの到来を待ちかまえ、一斉に攻撃を仕掛けたのだ。

攻撃隊が時間を稼ぐ間に、後ろに控えた世界を代表する魔術師たちが合体魔法を詠唱する。
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完璧なタイミングでなされた完璧な連携は見事に決まり、セレスチャルズは見事に次元の彼方に追放され、地球はまたもやヒーローたちの手によって救われたのだ。

そしてその夜。
立場や種族の差を超え見事な共闘を成し遂げたヒーロー達が互いを称えあう祝勝会が、スタークタワーの頂上で開かれた。
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互いに肩をたたき合い、くだらないジョークや世間話で盛り上がるヒーロー達。
しかし、彼らの話題はやがて今回の作戦に関する1つの疑問に移っていく。

「いったい誰が、どうやって、敵の到来をいち早く察知したのか?」

そもそも今回の警告をヒーローたちにもたらした当人であるインヒューマンズの女王メデューサは、その質問に答えるべく、ヒーロー達に一人の青年を紹介する。
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青年の名はユリシーズ。つい最近インヒューマンズとして目覚めた彼は、恐ろしく正確な未来予知の能力を持ち、今回、インヒューマンズがいち早くセレスチャルズの到来を知ることができたのも、全て彼の能力のおかげだというのだ。

地球防衛隊アルファフライトのリーダーとして、ユリシーズを早速引き抜きにかかるキャロル・ダンパース。
しかし、トニーは仕組みも何もわからないユリシーズの予知を信じて、未来の事件の芽を摘むような行動に対して、深い疑念を示す。
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とはいえ、そこはめでたい祝勝会の席で起こったこと。
トニーもこの件に対して深く追及することはなく、その場をそれでお開きとなる。

しかし、キャロルの提案は本気であった。

パーティーから数週間後、ラボで研究をするトニーの下に突然の連絡がもたらされる。
キャロルが再びユリシーズの予知を理由に作戦行動を行ったこと。
そして、作戦中にヒーロー側の犠牲者がでたこと。
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その犠牲者とは…

*************************
というわけで、マーベルの夏のイベント『シビルウォーⅡ』の冒頭の紹介でした。
物語は今後、予知を頼りに積極的に未来に介入しようとするキャロル陣営と、未来の犯罪を理由に人を裁くことを良しとしないスターク陣営に分かれていくようなのですが、#2の段階ではまだトニーが一人で疑念を唱えている状態。

今回の物語も、「ヒーローコミックのお約束に、現実の倫理観から問題提起を行う」という意味においては、前回のシビルウォーと同じ構造をしているのですが、"何の訓練も受けていない素人による無茶なヒーロー行為による大惨事"で幕を上げ、読者にヒーローコミックのお約束の問題点をいきなり突き付けた前回に比べ、今回は割とスロースタート。

トニーの問題提起も現実視点で言えば至極もっともな主張なのですが、ヒーローコミックの世界では昔から予知をはじめとする不確かな証拠をもとに"悪人"達を裁いてきたわけで、いまさらそんな主張を物語に持ち込むのであればそれ相応の事件を起こしてほしいものです。
とはいえ、この記事を書いてる時点ではまだ未刊行の#3で、事態はさらにエスカレーションしていくとのことですので、そこに期待するとしましょう。。

【宣伝】
今月発売で気になるタイトルですが、まずは「スーパーマン/バットマン:スーパーガール」。
名作と呼び名の高い「スーパーマン/バットマン」シリーズの最新刊となり、おそらく日本で初めてスーパーガールを中心に据えた物語となります。
またトニー・ダニエルのアートが美麗な「デスストローク」も気になるところ。管理人はDC:リバースのデスストロークを読む予定なので、その予習としてデスストロークというキャラクターの解説にも期待したいところ。
DC関連では他にも、スーパーマン/バットマン/ワンダーウーマンという3大ヒーローをマット・ワグナーが料理した「トリニティ バットマン/スーパーマン/ワンダーウーマン」や、
グリーンランタンが超人気SFドラマと共演する「スター・トレック/グリーン・ランタン」などが発売されます。



また、最近、過去から現代に続くアメコミキャラの歴史を横断的に眺めるのに最適なアンソロジーを多数翻訳している出版社、パイ・インターナショナルからは、バットマンの宿敵ジョーカーに関する名作を多数収録したアンソロジー「ジョーカー アンソロジー」と、
DCの様々な悪役を紹介するアートブック「DC ヴィランズ -THE COMPLETE VISUAL HISTORY」が発売され、これらも気になるところです。



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NOB-BON

Author:NOB-BON
X-men生まれSpawn育ちを地でいく、90年代アメコミバブルの残党。
しばらくの間、アメコミは翻訳本を買う程度だったのが、最近のデジタルコミックの手軽さにひかれ、本格的に復活しました。

基本的にMarvelメインですが、DCのリランチを機に自分の中でDCブームが来てるので、しばらくはDCの話題続くかも。
しばらくどころか完全にDC派に転びました。

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