タイタンズ・ハント
タイタンズ・ハント
(作:ダン・アブネット、画:パウロ・シケイラ、ゲラルド・ボルヘス)
ロイ:ああいう給水塔をみると胸騒ぎがするの、なんでだろうな?

アメリカの片田舎を旅する男、ロイ・ハーパーまたの名をアーセナル。
彼は休憩のために立ち止まった田舎町で、T字型の給水塔を見上げながらそうつぶやき、酒を求めて"氷河期"という名の酒屋に向かう。

店長:ナーク!お客さんだ。
ロイ:ナークって、それあだ名かなんか?
ナーク:本名だ
ロイ:そうかい。・・・おっと
(落ちかけた酒瓶を素早く拾うロイ)
ナーク:スピーディ…
ロイ:いまなんつった?
ナーク:いや、お前、素早い(Speedy)な
ロイ:そう…俺は素早いよ…
ナークとの会話に、何とも言えない違和感を感じながらも店を去るロイ。
(野暮な解説ですが、ナークの正体は元タイタンズのケイヴボーイ。太古の昔に氷漬けにされ、現代によみがえった正義の穴居人です。)

一方そのころ、諜報組織スパイラルのエージェント、ディック・グレイソンは裏社会のマーケットに流れたアトランティス人の臓器を追って、臓器販売ブローカーの元へと潜入していた。
厳重な警備をかいくぐり、臓器の取引現場にたどり着いたディック。
しかし、アトランティス人の臓器を追っていたのはディックだけではなかった。

取引現場に突如乱入してきたアトランティス人の戦士ガースに、全てを台無しにされるディック。
しかし初めて見るはずのアトランティス人の姿に、なぜかディックは親近感を感じていた。
その夜、ホテルでくつろぐディックの頭に、謎の声が響く。

リリス:ディック、あなたの古い友人リリスよ。奴が動き出したわ。
あなたは今日ガースを行かせるべきじゃなかった…早くみんなを探しだして。
念話の主はとある施設で依存症カウンセラーとして働く女性リリス・クレイであった。
そして、彼女の職場の"T"と書かれたキャビネットには…

**************
というわけで、今日は先日完結した『タイタンズ・ハント』の紹介です。
本タイトルのテーマはズバリ「オリジナルメンバーのタイタンズの復活」。
少し解説すると、もともとNew52でティーンタイタンズといえば、ティムが率いるこのチームの事。

New52世界では彼らこそが最初のティーンタイタンズであり、リブート前にいたようなディックが率いたチームは存在しないものと、長らくされていました。
しかし実はディック達による"オリジナルタイタンズ"は存在したのです。
それではなぜ、世界中の人々はもちろん、ディック達本人すらチームの存在を忘れているのか?
そしてなぜ今になって、彼らを再集結させる必要があるのか?
その質問に答え、New52世界にオリジナルタイタンズを組み込む試み、それこそが『タイタンズ・ハント』の物語の目指すところとなります。
実は本タイトルは刊行当初は完全にノーマークだったのですが、「『DC:リバース』で重要な役割を果たす」というインタビューを読んだのと、ライターが『アクアマン』と『アース2:ソサエティ』を担当し、個人的に打率10割を記録しているダン・アブネットであることもあり、最終話である#8が発売された後でまとめて読んだのですが、これが期待にたがわず面白い!
最終話を読み終えたころには、"New52版オリジナルティーンタイタンズ"の過去の活躍はもちろん、「すでに彼らはティーンでもサイドキックでもなく、一人前のヒーローに成長を遂げたんだ!」というNew52世界の歴史の重みすら(本当はどちらも実際は存在しないはずなのに)感じてしまいました。

また後にダン・アブネットのインタビューで明かされたのですが、そもそもこのタイトルは『DC:リバース』に向けたDC社の実験として企画されたタイトルらしく、実際、先日発売された『DCユニバース:リバース』を読んでみると、『タイタンズハント』のどこら辺が実験であったのか非常に納得のいくものでした。
というわけで、急きょ「DCの今後を占う重要タイトル」となった本タイトル。
リバース後の新タイトル『タイタンズ』に直接つながる内容ですので、ぜひ!
【宣伝】
私が最近何としてでも皆さんに手に取ってほしいタイトルが「グレイソン」。なんとなく女性人気ばかりが取りざたされている感のある本作ですが、その内容は折り紙付き!
マーベルとDCがその才能を取り合ったスーパーライター、トム・キングの出世作をぜひ!
また今回紹介した『タイタンズ』。翻訳本は殆ど出ていないのですが、今回、大ヒットとなったアニメ版をコミカライズした『ティーン・タイタンズGO!』の発売が決まりました。スカパーの無料放送や、飛行機の上映プログラムを観ながら「もっと子の世界観で楽しみたいな」と思っていた矢先の発表だったので、これは嬉しい。
マーベルで気になるタイトルは『デアデビル:イエロー』。『バットマン:ロングハロウィーン』で一世を風靡した制作陣をマーベルが起用した『スパイダーマン:ブルー』に連なる"カラーシリーズ"の一遍が遂に翻訳!
その他、映画公開を控えたデッドプールも翻訳がドカスカでています。
(作:ダン・アブネット、画:パウロ・シケイラ、ゲラルド・ボルヘス)
ロイ:ああいう給水塔をみると胸騒ぎがするの、なんでだろうな?

アメリカの片田舎を旅する男、ロイ・ハーパーまたの名をアーセナル。
彼は休憩のために立ち止まった田舎町で、T字型の給水塔を見上げながらそうつぶやき、酒を求めて"氷河期"という名の酒屋に向かう。

店長:ナーク!お客さんだ。
ロイ:ナークって、それあだ名かなんか?
ナーク:本名だ
ロイ:そうかい。・・・おっと
(落ちかけた酒瓶を素早く拾うロイ)
ナーク:スピーディ…
ロイ:いまなんつった?
ナーク:いや、お前、素早い(Speedy)な
ロイ:そう…俺は素早いよ…
ナークとの会話に、何とも言えない違和感を感じながらも店を去るロイ。
(野暮な解説ですが、ナークの正体は元タイタンズのケイヴボーイ。太古の昔に氷漬けにされ、現代によみがえった正義の穴居人です。)

一方そのころ、諜報組織スパイラルのエージェント、ディック・グレイソンは裏社会のマーケットに流れたアトランティス人の臓器を追って、臓器販売ブローカーの元へと潜入していた。
厳重な警備をかいくぐり、臓器の取引現場にたどり着いたディック。
しかし、アトランティス人の臓器を追っていたのはディックだけではなかった。

取引現場に突如乱入してきたアトランティス人の戦士ガースに、全てを台無しにされるディック。
しかし初めて見るはずのアトランティス人の姿に、なぜかディックは親近感を感じていた。
その夜、ホテルでくつろぐディックの頭に、謎の声が響く。

リリス:ディック、あなたの古い友人リリスよ。奴が動き出したわ。
あなたは今日ガースを行かせるべきじゃなかった…早くみんなを探しだして。
念話の主はとある施設で依存症カウンセラーとして働く女性リリス・クレイであった。
そして、彼女の職場の"T"と書かれたキャビネットには…

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というわけで、今日は先日完結した『タイタンズ・ハント』の紹介です。
本タイトルのテーマはズバリ「オリジナルメンバーのタイタンズの復活」。
少し解説すると、もともとNew52でティーンタイタンズといえば、ティムが率いるこのチームの事。

New52世界では彼らこそが最初のティーンタイタンズであり、リブート前にいたようなディックが率いたチームは存在しないものと、長らくされていました。
しかし実はディック達による"オリジナルタイタンズ"は存在したのです。
それではなぜ、世界中の人々はもちろん、ディック達本人すらチームの存在を忘れているのか?
そしてなぜ今になって、彼らを再集結させる必要があるのか?
その質問に答え、New52世界にオリジナルタイタンズを組み込む試み、それこそが『タイタンズ・ハント』の物語の目指すところとなります。
実は本タイトルは刊行当初は完全にノーマークだったのですが、「『DC:リバース』で重要な役割を果たす」というインタビューを読んだのと、ライターが『アクアマン』と『アース2:ソサエティ』を担当し、個人的に打率10割を記録しているダン・アブネットであることもあり、最終話である#8が発売された後でまとめて読んだのですが、これが期待にたがわず面白い!
最終話を読み終えたころには、"New52版オリジナルティーンタイタンズ"の過去の活躍はもちろん、「すでに彼らはティーンでもサイドキックでもなく、一人前のヒーローに成長を遂げたんだ!」というNew52世界の歴史の重みすら(本当はどちらも実際は存在しないはずなのに)感じてしまいました。

また後にダン・アブネットのインタビューで明かされたのですが、そもそもこのタイトルは『DC:リバース』に向けたDC社の実験として企画されたタイトルらしく、実際、先日発売された『DCユニバース:リバース』を読んでみると、『タイタンズハント』のどこら辺が実験であったのか非常に納得のいくものでした。
というわけで、急きょ「DCの今後を占う重要タイトル」となった本タイトル。
リバース後の新タイトル『タイタンズ』に直接つながる内容ですので、ぜひ!
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私が最近何としてでも皆さんに手に取ってほしいタイトルが「グレイソン」。なんとなく女性人気ばかりが取りざたされている感のある本作ですが、その内容は折り紙付き!
マーベルとDCがその才能を取り合ったスーパーライター、トム・キングの出世作をぜひ!
また今回紹介した『タイタンズ』。翻訳本は殆ど出ていないのですが、今回、大ヒットとなったアニメ版をコミカライズした『ティーン・タイタンズGO!』の発売が決まりました。スカパーの無料放送や、飛行機の上映プログラムを観ながら「もっと子の世界観で楽しみたいな」と思っていた矢先の発表だったので、これは嬉しい。
マーベルで気になるタイトルは『デアデビル:イエロー』。『バットマン:ロングハロウィーン』で一世を風靡した制作陣をマーベルが起用した『スパイダーマン:ブルー』に連なる"カラーシリーズ"の一遍が遂に翻訳!
その他、映画公開を控えたデッドプールも翻訳がドカスカでています。
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