ヴィジョン#1

ヴィジョン#1
(作:トム・キング、画:ガブリエル・ヘルダンデス・ワルタ)

ワシントンDC近郊に位置する町チェリーデイル。ワシントンのベッドタウンとして閑静な住宅地が広がるこの町に、新たな住人がやってくる。
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ジョージ:まったく馬鹿げとる。クッキーだって?ロボットがクッキーを食うものか。
ノラ:あら?きめつけは良くないわ。それに私ネットで見たの、彼らはロボットじゃないって。シンセ何とかってやつなのよ。
ジョージ:"シンセ何とか"ね。それで問題は解決じゃわい。


新たな隣人の家の玄関前で他愛もない言い合いを始めるジョージとノラ。やがて玄関の扉が開き、2人の前に現れた人物。それは…
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アベンジャーズの一員ヴィジョンと、彼が自ら作った3人の家族であった。

ヴィジョンは笑顔でジョージとノラを迎え入れ、新居の案内をする。
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ブラックパンサーから送られたワカンダ製のピアノ、シルバーサーファーから送られた惑星ゼン=ラの空飛ぶ花瓶、ノルマンディー上陸作戦時にキャップが使ったライター、そしてスカーレットウィッチより送られた四季咲きの鉢植え――"過去への扉を開く力がある"という伝説の残るその花を紹介する時、ヴィジョンの妻ヴァージニアは押し黙っていたことを2人は気づかなかった――様々な記念品をジョージ達に紹介するヴィジョン一家。
まるでごく普通の引越しのあいさつのように、家族の紹介と再訪問の約束を済ませたジョージ達は、ヴィジョン家を後にする。

ところで、この物語の最終盤でヴィジョン一家の1人によって自宅に火を放たれ、ジョージとノラは死亡する。
死の目前にジョージの脳裏に浮かんだ物は、かつて妻に見出した真実の愛とそのあとに続いた生活に対する若干の後悔。ノラが思い起こしたのはヴィジョン家に飾られた空飛ぶ花瓶と「何故、あの花瓶には何も活けられていなかったのか?」という疑問であった。

*****
というわけで、今回はオールニュー・オールディファレント・マーベルの新タイトル「ヴィジョン」の紹介です。

「ヒーロー活動には不要な機能」と自らの感情を消し去ったヴィジョンですが、彼がその後に求めた物、それはなんと普通のアメリカ人としての普通の生活でした。
読者にはまだ明かされていない"ある人物"の人格AIをベースに作成した妻ヴァージニアと、ヴァージニアと自身のプログラムを混合して作った子供であるヴィヴとヴィン。
どうみても普通とはいえない一家が父であるヴィジョンの号令のもと、淡々と"普通"であろうとする姿は不気味でどこか滑稽なものがあります。

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貰ったばかりの手作りクッキーを片づけながら、「親切そうね(They seemed kind.)」と「いい人そうね(They seemed nice)」のどちらが"普通"かを議論する2人…

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ヴィヴとヴィクも地元の学校に編入しますが、周囲の生徒も本人もどこか決まりが悪げ。

こうして始まったヴィジョン一家の普通の生活ですが、周囲はヴィジョンたちを放ってはおかずに開始早々破滅の危機がおこります。
夫ヴィジョンの留守を狙い、ヴィランであるグリムリーパーが一家を襲ったのです。
(詳細は割愛しますが、グリムリーパーとヴィジョンの間には複雑な関係があります)
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右手の鎌でヴィヴを刺し貫いたグリムリーパーは、返す刀でヴィンを狙います。

それを必死に止めようと応戦するヴァージニア。

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愛する家族を守るために必死になりすぎたヴァージニアは、勢い余ってグリムリーパーを殴殺してしまいます。
自分の行動の結果を呆然と見下ろすヴァージニア。

彼女は自分たちの"普通の生活"を守るために、息子にあることを告げます。
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「このことは絶対にお父さんには言わないように」と・・・

映画『アベンジャーズ:エイジ・オブ・ウルトロン』で華々しくデビューを飾り、これからマーベルが押していくであろうキャラクターの個人誌とは思えない、不気味な開始を告げた本誌ですが、
本作のライターは、元ロビンであるディック・グレイソンをスーパースパイへと生まれ変わらせた傑作『グレイソン』や、単純に善悪の色分けができない国際情勢の闇を宇宙SFへと昇華させ評論家の絶賛を浴びている『オメガメン』などを手掛け、最近メキメキと頭角を現している俊英トム・キングが担当。
まだ2話までしか刊行されていない状態にも関わらず、ニュースサイトCBRが「2015年ベストコミックtop10」に上げるなど、大注目の作品となっています。

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この表紙から漂う一抹の不気味さが、全ページから立ち昇ってくるような、ホラーともサスペンスともコメディともつかない独特の作風が読む人を選ぶかもしれませんが、2016年の大注目作となることは間違いのない作品ですので、皆さんもぜひどうぞ!


【宣伝】(使いまわし)
翻訳本で気になるのが、映画『スーサイドスクワッド』に合わせて発売される「スーサイド・スクワッド:悪虐の狂宴」と「ハーレイ・クイン:ホット・イン・ザ・シティ」の2作。特にハーレイ・クインは米国での評価が非常に高く、あっという間にDCでトップレベルの売り上げを誇るまでに成長したタイトルですので、非常に楽しみです。またドラマ『アロー』が絶好調のグリーンアローのオリジンを扱った「グリーンアロー:イヤーワン」も気になるところ。
ドラマといえば、マーベルユニバースを舞台にした超人ハードボイルドコミック「ジェシカ・ジョーンズ:エイリアス AKA 謎の依頼者」もドラマに合わせて発売です。


またコミックではないのですが、昔から非常に質の高い作品を出している事で評判のDCアニメの新作「バットマン:バッド・ブラッド」や「ジャスティス・リーグ:ゴッド&モンスター」のBDが日本語字幕付きで発売しています。先行予約のためか、かなりの割引価格で販売されているので気になる方は是非。
(管理人は視聴環境がないので無くなく断念…)

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NOB-BON

Author:NOB-BON
X-men生まれSpawn育ちを地でいく、90年代アメコミバブルの残党。
しばらくの間、アメコミは翻訳本を買う程度だったのが、最近のデジタルコミックの手軽さにひかれ、本格的に復活しました。

基本的にMarvelメインですが、DCのリランチを機に自分の中でDCブームが来てるので、しばらくはDCの話題続くかも。
しばらくどころか完全にDC派に転びました。

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