スーパーマン:TRUTH
今回は6月より始まったスーパーマン系列のクロスオーバー『TRUTH』を紹介します。

[どのようなイベントなのか?]
内容に入る前にまずはイベントの構造の紹介から。
「アクションコミックス」、「スーパーマン」、「バットマン/スーパーマン」、「スーパーマン/ワンダーウーマン」の4誌がかかわる今回のクロスオーバー。
意外に誤解している方も多い(というか管理人が誤解していた)のですが、このイベントは4誌が1つのストーリーラインを構成し各誌を交互に読み進めていく形式ではありません。
4誌が共有するのはストーリーではなく、スーパーマンの置かれた新たな状況のみとなり、4誌はそれぞれ独立した物語の中で、その状況下でのスーパーマンの姿を描いていく形になります。
そして肝心の”スーパーマンが直面する新たな状況”。
それは、「超能力を失い、自分の正体を世界中の人に知られてしまう」というものなのです!
[スーパーマンの置かれた状況]
TRUTHの作中では、スーパーマンはその能力の大半を失い、人より少し頑丈で力が強い程度。

能力消失の謎を解くために、北極にあるクリプトン星の叡智がつまった秘密基地「沈黙の要塞」に何とかたどりつくも(今までは問題にもなりませんでしたが、今のスーパーマンは寒さを感じるのです!)、要塞の人工知能は遺伝子スキャンの結果、スーパーマンをクリプトン人として認識せず。

スーパーマンを迎えいれるどころか、両親の形見であるマントに身に包んだ彼を、”クリプトン星の遺物を持ち出した不届きもの”として、マントを奪ったうえで締め出す始末。
(マントを失ったスーパーマンは、残った端切れをグローブ代わりに手に巻いています。)
また、彼が失っている物はパワーだけではありません。ヒーローとしてのデビュー以降、スーパーマンが大切に守ってきたクラーク・ケントというシークレットアイデンティティも失ってしまっているのです。
スーパーマンの正体を暴いた同僚ロイス・レーンのすっぱ抜き記事は速やかに世間にひろがり、いまやスーパーマンの正体はおろか、クラーク・ケントの送ってきた半生のありとあらゆる部分がピーピングジャーナリズムの力によって世界中の人の知るところとなっているのです。
彼の正体と共に、彼が現在能力を失っている事も世間に伝わったため、今ではかつての敵は勿論のこと、街のチンピラまでもが「スーパーマンを倒した男」の名を手にするために、彼を襲ってくる始末。

通常であればこういう時に一般市民が駆け込むべきは警察ですが、スーパーマンが米国籍を持っていることが判明したため、ヒーロー活動中の緊急避難的行為の刑事責任を追求され、今では彼も立派なお尋ね者なのです。
ヒーローとして能力、新聞記者としての社会的信用、全ての拠りどころを失い、どん底といっても過言ではない状況に陥ったスーパーマン。
「それでも彼はスーパーマン足りえるのか?」という事こそが、本イベント『TRUTH』の重要なテーマといえるでしょう。
[各誌紹介]
それでは、各誌がどのようなストーリーを展開しているか、ざっと紹介。
(まだ1話目しか読んでいないタイトルも多いので、誤解があったら失礼)
アクション・コミックス
(作:グレッグ・パク、画:アーロン・クダー)
北極からの長旅を終え、メトロポリスに戻ったクラーク。しかし、マンション周辺までたどり着いた彼は、自宅周辺の地区が警察によって封鎖されていることを知る。
長年、"正義の番人"として活動をともにしていた筈の警察から口汚く罵られ、驚きを隠せないクラーク。
しかしクラークの隣人たちは、そんなクラークを暖かく迎える・・・

というわけで、スーパーマンとそれを取り巻く一般人の反応を主軸とした内容となりそうな雰囲気。
バットマン/スーパーマン
(作:グレッグ・パク、画:アーディアン・シャフ)
とある事件の手がかりを追って、ゴッサム・シティに訪れたスーパーマン。

しかし、ゴッサムには頼りにしていた相棒バットマンの姿はなく、変わりにバットマンを名乗るパワードスーツの男からの手洗い洗礼を浴びることに。
何とか彼の前から逃げ延びたクラークは、アルフレッドから借り受けたバットケイブを拠点に、ゴッサムで活動を行うことになる!

というわけで、こちらは6月のミニリランチで大きく状況の変わったDCの2大ヒーローが始めて顔を合わせるという、シンプルながら胸躍る展開!
スーパーマン/ワンダーウーマン
(作:ピーター・J・トマシ、画:ダグ・マーンキ)
友人(元カノ)ラナ・ラングのSOSを受け、恋人ワンダーウーマンと共にスモールヴィレッジに向かったスーパーマン。

そこでは何者かが、クラークが故郷に残してきたありとあらゆる痕跡を、根こそぎ採取して回っていた。
生家、両親の亡骸、幼馴染、全てを奪われ怒り狂うクラークの前に現れたのは・・・

・・・政府お抱えの特殊部隊、スーサイド・スクアッドであった!
ワンダーウーマンとのチームアップ誌である本誌の舞台はスモールヴィレッジ。
話は変わりますが、この話の冒頭。ラナ・ラングからの電話を受け、スモールヴィレッジに2人が向かうシーンが燃える。
ワンダーウーマン:大丈夫よ、クラーク。私たちのどちらかが飛べるってことは・・・

私たちは飛べるってこと!
スーパーマン
(作:ジーン・ルン・ヤン、画:ジョン・ロミータJr.)
ユリシーズ事件の中で目覚めた新能力スーパーフレアの副作用である「使用後一定期間の人間化」に戸惑いながらも、今までどおり新聞記者として取材の傍らでヒーロー活動を行うスーパーマン。

そんなある日、彼は自分の正体を知る謎の人物から脅迫メールを受け取る・・・
こちらは他の3作と異なり、スーパーマンが能力とシークレットアイデンティティを失う前の物語。
「なぜスーパーマンは能力を失ったのか?」、「何故ロイスは友人を裏切るような真似をしてまで、暴露記事を書いたのか?」という部分が描かれそうな雰囲気。
(そうです!ロイスにも事情があったのです!)
ちなみにライターのジーン・ルン・ヤンは、先日今年のアイズナー賞のベストライター部門を獲得!
【宣伝】(使いまわし)
今月発売のアメコミでなんといってもお勧めしたいのが「フォーエバー・イービル」。NEW52始まって以来の大型イベントとなった本誌は、まさに"NEW52の最初の頂点"と言う言葉が似合う面白さです。
また面白さといえば、裏世界にその名をとどろかせる暗殺者養成学校を舞台にした青春コミック「デッドリー・クラス」もかなりの物。(こちら一般書店には並ばない商品になっています)
また映画アベンジャーズ2の公開を前にしてか、マーベル系列のラインナップも凄い。
「A+X:アベンジャーズ+X-MEN=最強」と「AVX:アベンジャーズ VS X-MEN VS」は、共にアベンジャーズとX-MENの共演をモチーフにし、前者は"共闘"、後者は"闘争"がテーマとなっています。通常のコミックの半分の長さの短編で、人気キャラどうしの掛け合いが楽しめるので、個人的にはかなり楽しみ。
「エイジ・オブ・ウルトロン コンパニオン」は、マーベルのイベント「エイジ・オブ・ウルトロン」の関連誌を集めた物。
そして、前述の「デッドリークラス」だけでなく、非ヒーロー系のコミックが多数発売されるのも今月の特徴。
管理人のお勧めは「サーガ 2」。先月発売された1巻を貪るように読んだのですが、"米国で一番売れているコミック"の異名は伊達ではありませんね!
また人気作家ジョー・ヒルの「ロック&キー」や、マーク・ミラーの「キングスマン:ザ・シークレット・サービス」なども発売され、ヒーロー物以外の話題作も着実に翻訳される流れができているようで、ファンとしては嬉しい悲鳴です。

[どのようなイベントなのか?]
内容に入る前にまずはイベントの構造の紹介から。
「アクションコミックス」、「スーパーマン」、「バットマン/スーパーマン」、「スーパーマン/ワンダーウーマン」の4誌がかかわる今回のクロスオーバー。
意外に誤解している方も多い(というか管理人が誤解していた)のですが、このイベントは4誌が1つのストーリーラインを構成し各誌を交互に読み進めていく形式ではありません。
4誌が共有するのはストーリーではなく、スーパーマンの置かれた新たな状況のみとなり、4誌はそれぞれ独立した物語の中で、その状況下でのスーパーマンの姿を描いていく形になります。
そして肝心の”スーパーマンが直面する新たな状況”。
それは、「超能力を失い、自分の正体を世界中の人に知られてしまう」というものなのです!
[スーパーマンの置かれた状況]
TRUTHの作中では、スーパーマンはその能力の大半を失い、人より少し頑丈で力が強い程度。

能力消失の謎を解くために、北極にあるクリプトン星の叡智がつまった秘密基地「沈黙の要塞」に何とかたどりつくも(今までは問題にもなりませんでしたが、今のスーパーマンは寒さを感じるのです!)、要塞の人工知能は遺伝子スキャンの結果、スーパーマンをクリプトン人として認識せず。

スーパーマンを迎えいれるどころか、両親の形見であるマントに身に包んだ彼を、”クリプトン星の遺物を持ち出した不届きもの”として、マントを奪ったうえで締め出す始末。
(マントを失ったスーパーマンは、残った端切れをグローブ代わりに手に巻いています。)
また、彼が失っている物はパワーだけではありません。ヒーローとしてのデビュー以降、スーパーマンが大切に守ってきたクラーク・ケントというシークレットアイデンティティも失ってしまっているのです。
スーパーマンの正体を暴いた同僚ロイス・レーンのすっぱ抜き記事は速やかに世間にひろがり、いまやスーパーマンの正体はおろか、クラーク・ケントの送ってきた半生のありとあらゆる部分がピーピングジャーナリズムの力によって世界中の人の知るところとなっているのです。
彼の正体と共に、彼が現在能力を失っている事も世間に伝わったため、今ではかつての敵は勿論のこと、街のチンピラまでもが「スーパーマンを倒した男」の名を手にするために、彼を襲ってくる始末。

通常であればこういう時に一般市民が駆け込むべきは警察ですが、スーパーマンが米国籍を持っていることが判明したため、ヒーロー活動中の緊急避難的行為の刑事責任を追求され、今では彼も立派なお尋ね者なのです。
ヒーローとして能力、新聞記者としての社会的信用、全ての拠りどころを失い、どん底といっても過言ではない状況に陥ったスーパーマン。
「それでも彼はスーパーマン足りえるのか?」という事こそが、本イベント『TRUTH』の重要なテーマといえるでしょう。
[各誌紹介]
それでは、各誌がどのようなストーリーを展開しているか、ざっと紹介。
(まだ1話目しか読んでいないタイトルも多いので、誤解があったら失礼)
アクション・コミックス
(作:グレッグ・パク、画:アーロン・クダー)
北極からの長旅を終え、メトロポリスに戻ったクラーク。しかし、マンション周辺までたどり着いた彼は、自宅周辺の地区が警察によって封鎖されていることを知る。
長年、"正義の番人"として活動をともにしていた筈の警察から口汚く罵られ、驚きを隠せないクラーク。
しかしクラークの隣人たちは、そんなクラークを暖かく迎える・・・

というわけで、スーパーマンとそれを取り巻く一般人の反応を主軸とした内容となりそうな雰囲気。
バットマン/スーパーマン
(作:グレッグ・パク、画:アーディアン・シャフ)
とある事件の手がかりを追って、ゴッサム・シティに訪れたスーパーマン。

しかし、ゴッサムには頼りにしていた相棒バットマンの姿はなく、変わりにバットマンを名乗るパワードスーツの男からの手洗い洗礼を浴びることに。
何とか彼の前から逃げ延びたクラークは、アルフレッドから借り受けたバットケイブを拠点に、ゴッサムで活動を行うことになる!

というわけで、こちらは6月のミニリランチで大きく状況の変わったDCの2大ヒーローが始めて顔を合わせるという、シンプルながら胸躍る展開!
スーパーマン/ワンダーウーマン
(作:ピーター・J・トマシ、画:ダグ・マーンキ)
友人(元カノ)ラナ・ラングのSOSを受け、恋人ワンダーウーマンと共にスモールヴィレッジに向かったスーパーマン。

そこでは何者かが、クラークが故郷に残してきたありとあらゆる痕跡を、根こそぎ採取して回っていた。
生家、両親の亡骸、幼馴染、全てを奪われ怒り狂うクラークの前に現れたのは・・・

・・・政府お抱えの特殊部隊、スーサイド・スクアッドであった!
ワンダーウーマンとのチームアップ誌である本誌の舞台はスモールヴィレッジ。
話は変わりますが、この話の冒頭。ラナ・ラングからの電話を受け、スモールヴィレッジに2人が向かうシーンが燃える。
ワンダーウーマン:大丈夫よ、クラーク。私たちのどちらかが飛べるってことは・・・

私たちは飛べるってこと!
スーパーマン
(作:ジーン・ルン・ヤン、画:ジョン・ロミータJr.)
ユリシーズ事件の中で目覚めた新能力スーパーフレアの副作用である「使用後一定期間の人間化」に戸惑いながらも、今までどおり新聞記者として取材の傍らでヒーロー活動を行うスーパーマン。

そんなある日、彼は自分の正体を知る謎の人物から脅迫メールを受け取る・・・
こちらは他の3作と異なり、スーパーマンが能力とシークレットアイデンティティを失う前の物語。
「なぜスーパーマンは能力を失ったのか?」、「何故ロイスは友人を裏切るような真似をしてまで、暴露記事を書いたのか?」という部分が描かれそうな雰囲気。
(そうです!ロイスにも事情があったのです!)
ちなみにライターのジーン・ルン・ヤンは、先日今年のアイズナー賞のベストライター部門を獲得!
【宣伝】(使いまわし)
今月発売のアメコミでなんといってもお勧めしたいのが「フォーエバー・イービル」。NEW52始まって以来の大型イベントとなった本誌は、まさに"NEW52の最初の頂点"と言う言葉が似合う面白さです。
また面白さといえば、裏世界にその名をとどろかせる暗殺者養成学校を舞台にした青春コミック「デッドリー・クラス」もかなりの物。(こちら一般書店には並ばない商品になっています)
また映画アベンジャーズ2の公開を前にしてか、マーベル系列のラインナップも凄い。
「A+X:アベンジャーズ+X-MEN=最強」と「AVX:アベンジャーズ VS X-MEN VS」は、共にアベンジャーズとX-MENの共演をモチーフにし、前者は"共闘"、後者は"闘争"がテーマとなっています。通常のコミックの半分の長さの短編で、人気キャラどうしの掛け合いが楽しめるので、個人的にはかなり楽しみ。
「エイジ・オブ・ウルトロン コンパニオン」は、マーベルのイベント「エイジ・オブ・ウルトロン」の関連誌を集めた物。
そして、前述の「デッドリークラス」だけでなく、非ヒーロー系のコミックが多数発売されるのも今月の特徴。
管理人のお勧めは「サーガ 2」。先月発売された1巻を貪るように読んだのですが、"米国で一番売れているコミック"の異名は伊達ではありませんね!
また人気作家ジョー・ヒルの「ロック&キー」や、マーク・ミラーの「キングスマン:ザ・シークレット・サービス」なども発売され、ヒーロー物以外の話題作も着実に翻訳される流れができているようで、ファンとしては嬉しい悲鳴です。
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