オリジナル・シン #1-3
Original Sin #1-3
(作:ジェイソン・アーロン、画:マイク・デオダートJr.)
月夜に響く一発の銃声
今夜、1人の男が殺された
犯行現場は彼の自宅
自宅は荒らされ、貴重品は持ち去られていた
一見物取りの犯行と思われたが、奇妙なことに被害者の両眼はえぐり取られ持ち去られていた
そしてなによりも奇妙なこと
それは被害者が人間ではなく、宇宙の観察者ウォッチャーであったことだ!

(というわけで、柄にもなくもったいぶった書き出しで始めてしまいましたが、今回はマーベルのクロスオーバー「オリジナル・シン」の紹介です。)
【アベンジャーズ達は】
キャップ、ウルヴァリン、アイアンマン等アベンジャーズは、ウォッチャーを殺しその両眼と彼が保持していた超技術(宇宙一危険な兵器アルティメット・ヌリファー含む)を持ち去った犯人を探すようニック・フューリーから依頼される。
やがて、彼らはウォッチャーの片目を所有するヴィラン、オーブに辿り着く。

(彼がオーブ。最終ページでもったいぶって正体を明かしたのに知らないキャラで「誰?」と思っていたら、わざわざページ隅に「Z級マイナーキャラ」という但し書きが・・・凝った冗談だな!)
【解き放たれた"原罪"】
オーブを追い詰めたアベンジャーズ。しかし、オーブは堂々とした態度で、ウォッチャーの片眼を掲げる。
キャプテンアメリカ:その眼を置いて、ゆっくりと下がるんだ。
オーブ:私は君たちが探しているウォッチャー殺しの犯人ではない。
そして、私が持っている物もまた単なる眼ではない。
これは爆弾。火薬の代わりに秘密が詰まった爆弾なのだよ。
爆弾がやることといえば?
そう、爆発だ。

そういってオーブは、宇宙の歴史の全てを監視する役目を担ったウォッチャーが、長年その眼に焼き付けてきた秘密を周囲のヒーロー達に向けて解き放つ。
光に包まれたヒーローたちは、あまりの罪深さゆえに歴史の陰に葬られた自分たちの秘密を知る!
その後、オーブは投降し、一旦は落ち着きを取り戻したニューヨーク。
しかし、その翌日、ヒーロー達の中心地アベンジャーズタワーはから幾人かのヒーローが消えていた。
彼らは自らに明かされた秘密を前に、アベンジャーズの任務を放棄したのだ。
【密かに集められたヒーロー達】
アベンジャーズたちがオーブを追っている陰で、別のヒーロー達もまた、ウォッチャー殺人の真犯人を探していた。
彼らはみな謎の男(ヒーロー達の顔見知りのようですけれど、読者には誰なのかが判りません)に集められ、真犯人の痕跡を探すために、世界の各所に派遣される。
エマ・フロスト、2代目アントマン、ブラックパンサーは地下世界へ…

Dr.ストレンジ、パニッシャーは異次元へ…

ウィンターソルジャー、ガモラ(ガーディアン・オブ・ギャラクシー)、ムーンナイトは宇宙へ…

各チームが異世界で発見したものは、銃弾によって殺されたおびただしい数の超存在の死体であった。
調査の結果、割り出された犯人に続く手掛かりは以下の2つ!
・犯人はありとあらゆる銃器に精通し、世界屈指の技を持った銃の達人であること
・犯行に使われたのは現場に残されたガンマ線を放射する緑色の弾丸であること
【真犯人判明?】
外宇宙に漂う"生ける惑星"に降り立ち調査を始める、バッキー、ガモラ、ムーンナイトの3人。
しかしリーダーのバッキーは忽然と姿を消す。
そのころ、地球にあるアベンジャーズタワーにあるニック・フューリーの私室では…

そんなわけで、マーベルの夏のクロスオーバー「オリジナル・シン」です。
久しぶりに、具体的には「Avengers vs X-men」終了後、はじめてマーベルのイベントを読むのですが、やはり色々変わっていますね。
変化した内容をみていると、キャプテン・アメリカのコスチュームが映画同様プロテクター風な物になっていたり、ニック・フューリーJr.として「黒人/隻眼/禿頭」というどう見てもサミュエル・ジャクソン風のキャラが出ていたり、ガーディアン・オブ・ギャラクシーのガモラに脚光があたっていたりと、映画とコミックをキャラクタービジネスの両輪にしていこうとするマーベルの戦略を感じます。
話は戻って今回のイベント。何が面白いかというと、ヒーロー物らしいスケールの大きい話をやっているにもかかわらず、あくまでも推理小説の文脈で書かれていること。
真犯人についても、宇宙や異次元から次々と強敵があらわれる昨今のマーベルを考えれば、犯人候補なんていくらでもいそうですが、各キャラになんども「こんな芸当ができるのは、ヒーロー側の人間を含めても数人かしかいない。」と言わせることで、"犯人はこの中にいる!"ということを匂わせています。
またもう一つ面白いのがイベント自体の構成。
今回のお話は以下の2点が大きな主題となっています。
1.ウォッチャー殺人事件の犯人探し
2.オーブによって公になった各ヒーローの"原罪"とは?
なんですけれど、本編の内容は1に集中させて、「2について知りたければタイインを読んでね!」という態度を崩さないんですよね。
事前情報を効いている限りでは、非常に刺激的な"原罪"が明かされているようなので、話のネタを集めたい人はタイインを追った方が良いのかもしれません。
ちなみに管理人が度肝を抜かれたのは、「ソーには実は妹がおり、オーディンはそのことを隠していた」、「その妹とはライバル会社であるイメージの看板コミック『SPAWN』の人気キャラであったアンジェラ」というもの。

…ちょっと読みたい。
Marvelに関しては、レッドスカルがオンスロート化しヒーロー達に戦いを挑む、秋のイベント『AXIS』や、

来年6月にMarvelユニバースが迎える大きな変化を扱った『Time Runs Out(時間切れ)』など

今後も大きな動きが予想されますので、定期的に状況を紹介していけたらなと思います。
特に『Time Runs Out』。一説にはDCのように完全リランチであるとも噂されているこのイベントですが、確かにオンスロートって名前を聞いてしまうと、そこらへん身構えちゃいますよね(笑)
【宣伝】
そして翻訳本。
もうこちらはたくさんあり過ぎて全部紹介するのを諦めました(笑)
オリジナル・シンで陰影の効いた美麗なアートを見せてくれるマイク・デオダートJr。じつは今月発売の『ダークアベンジャーズ:アセンブル』も担当しています。
オリジナル・シンの絵も非常に素晴らしいですが、彼のアートが一番魅力を発揮するのは自身がインカーも務めたときですので、そういう意味でもダークアベンジャーズはお勧めです。
また先日、映画「Superman V Batman」への登場も決定したアクアマンがメインを張る「ジャスティス・リーグ:ジャスティス・リーグ:アトランティスの進撃」も今月発売です。こちらはアクアマンの宿敵オーシャンマスターのリランチ後デビューにもなっています。ジェフ・ジョーンズの手によって、"悲劇の美系悪役"に生まれかわった彼の活躍を是非!
(作:ジェイソン・アーロン、画:マイク・デオダートJr.)
月夜に響く一発の銃声
今夜、1人の男が殺された
犯行現場は彼の自宅
自宅は荒らされ、貴重品は持ち去られていた
一見物取りの犯行と思われたが、奇妙なことに被害者の両眼はえぐり取られ持ち去られていた
そしてなによりも奇妙なこと
それは被害者が人間ではなく、宇宙の観察者ウォッチャーであったことだ!

(というわけで、柄にもなくもったいぶった書き出しで始めてしまいましたが、今回はマーベルのクロスオーバー「オリジナル・シン」の紹介です。)
【アベンジャーズ達は】
キャップ、ウルヴァリン、アイアンマン等アベンジャーズは、ウォッチャーを殺しその両眼と彼が保持していた超技術(宇宙一危険な兵器アルティメット・ヌリファー含む)を持ち去った犯人を探すようニック・フューリーから依頼される。
やがて、彼らはウォッチャーの片目を所有するヴィラン、オーブに辿り着く。

(彼がオーブ。最終ページでもったいぶって正体を明かしたのに知らないキャラで「誰?」と思っていたら、わざわざページ隅に「Z級マイナーキャラ」という但し書きが・・・凝った冗談だな!)
【解き放たれた"原罪"】
オーブを追い詰めたアベンジャーズ。しかし、オーブは堂々とした態度で、ウォッチャーの片眼を掲げる。
キャプテンアメリカ:その眼を置いて、ゆっくりと下がるんだ。
オーブ:私は君たちが探しているウォッチャー殺しの犯人ではない。
そして、私が持っている物もまた単なる眼ではない。
これは爆弾。火薬の代わりに秘密が詰まった爆弾なのだよ。
爆弾がやることといえば?
そう、爆発だ。

そういってオーブは、宇宙の歴史の全てを監視する役目を担ったウォッチャーが、長年その眼に焼き付けてきた秘密を周囲のヒーロー達に向けて解き放つ。
光に包まれたヒーローたちは、あまりの罪深さゆえに歴史の陰に葬られた自分たちの秘密を知る!
その後、オーブは投降し、一旦は落ち着きを取り戻したニューヨーク。
しかし、その翌日、ヒーロー達の中心地アベンジャーズタワーはから幾人かのヒーローが消えていた。
彼らは自らに明かされた秘密を前に、アベンジャーズの任務を放棄したのだ。
【密かに集められたヒーロー達】
アベンジャーズたちがオーブを追っている陰で、別のヒーロー達もまた、ウォッチャー殺人の真犯人を探していた。
彼らはみな謎の男(ヒーロー達の顔見知りのようですけれど、読者には誰なのかが判りません)に集められ、真犯人の痕跡を探すために、世界の各所に派遣される。
エマ・フロスト、2代目アントマン、ブラックパンサーは地下世界へ…

Dr.ストレンジ、パニッシャーは異次元へ…

ウィンターソルジャー、ガモラ(ガーディアン・オブ・ギャラクシー)、ムーンナイトは宇宙へ…

各チームが異世界で発見したものは、銃弾によって殺されたおびただしい数の超存在の死体であった。
調査の結果、割り出された犯人に続く手掛かりは以下の2つ!
・犯人はありとあらゆる銃器に精通し、世界屈指の技を持った銃の達人であること
・犯行に使われたのは現場に残されたガンマ線を放射する緑色の弾丸であること
【真犯人判明?】
外宇宙に漂う"生ける惑星"に降り立ち調査を始める、バッキー、ガモラ、ムーンナイトの3人。
しかしリーダーのバッキーは忽然と姿を消す。
そのころ、地球にあるアベンジャーズタワーにあるニック・フューリーの私室では…

そんなわけで、マーベルの夏のクロスオーバー「オリジナル・シン」です。
久しぶりに、具体的には「Avengers vs X-men」終了後、はじめてマーベルのイベントを読むのですが、やはり色々変わっていますね。
変化した内容をみていると、キャプテン・アメリカのコスチュームが映画同様プロテクター風な物になっていたり、ニック・フューリーJr.として「黒人/隻眼/禿頭」というどう見てもサミュエル・ジャクソン風のキャラが出ていたり、ガーディアン・オブ・ギャラクシーのガモラに脚光があたっていたりと、映画とコミックをキャラクタービジネスの両輪にしていこうとするマーベルの戦略を感じます。
話は戻って今回のイベント。何が面白いかというと、ヒーロー物らしいスケールの大きい話をやっているにもかかわらず、あくまでも推理小説の文脈で書かれていること。
真犯人についても、宇宙や異次元から次々と強敵があらわれる昨今のマーベルを考えれば、犯人候補なんていくらでもいそうですが、各キャラになんども「こんな芸当ができるのは、ヒーロー側の人間を含めても数人かしかいない。」と言わせることで、"犯人はこの中にいる!"ということを匂わせています。
またもう一つ面白いのがイベント自体の構成。
今回のお話は以下の2点が大きな主題となっています。
1.ウォッチャー殺人事件の犯人探し
2.オーブによって公になった各ヒーローの"原罪"とは?
なんですけれど、本編の内容は1に集中させて、「2について知りたければタイインを読んでね!」という態度を崩さないんですよね。
事前情報を効いている限りでは、非常に刺激的な"原罪"が明かされているようなので、話のネタを集めたい人はタイインを追った方が良いのかもしれません。
ちなみに管理人が度肝を抜かれたのは、「ソーには実は妹がおり、オーディンはそのことを隠していた」、「その妹とはライバル会社であるイメージの看板コミック『SPAWN』の人気キャラであったアンジェラ」というもの。

…ちょっと読みたい。
Marvelに関しては、レッドスカルがオンスロート化しヒーロー達に戦いを挑む、秋のイベント『AXIS』や、

来年6月にMarvelユニバースが迎える大きな変化を扱った『Time Runs Out(時間切れ)』など

今後も大きな動きが予想されますので、定期的に状況を紹介していけたらなと思います。
特に『Time Runs Out』。一説にはDCのように完全リランチであるとも噂されているこのイベントですが、確かにオンスロートって名前を聞いてしまうと、そこらへん身構えちゃいますよね(笑)
【宣伝】
そして翻訳本。
もうこちらはたくさんあり過ぎて全部紹介するのを諦めました(笑)
オリジナル・シンで陰影の効いた美麗なアートを見せてくれるマイク・デオダートJr。じつは今月発売の『ダークアベンジャーズ:アセンブル』も担当しています。
オリジナル・シンの絵も非常に素晴らしいですが、彼のアートが一番魅力を発揮するのは自身がインカーも務めたときですので、そういう意味でもダークアベンジャーズはお勧めです。
また先日、映画「Superman V Batman」への登場も決定したアクアマンがメインを張る「ジャスティス・リーグ:ジャスティス・リーグ:アトランティスの進撃」も今月発売です。こちらはアクアマンの宿敵オーシャンマスターのリランチ後デビューにもなっています。ジェフ・ジョーンズの手によって、"悲劇の美系悪役"に生まれかわった彼の活躍を是非!
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