バットマン:エターナル その1
BATMAN Eternal その1
(作:スコット・スナイダー他、画:ジェイソン・ファボック他)
ついに始まったバットマン生誕75周年記念企画「バットマン:エターナル」。
自分は週刊タイトルに手を出したことがないので、正直このタイトルを読むかどうか悩んでいたのですが、「せっかくのお祭り企画なので乗らなきゃ損」と思い、手を出すことにしてみました。
今回は開始1カ月ということで、簡単な登場人物紹介を。
「本当に奴が銃をもっていたのか、今となっては私にも確信がもてんのだよ…」
(ジェームス・ゴードン)

ゴッサムを混乱の渦に巻き込んだ事件の発端は、意外にもゴッサムの正義を象徴する高潔の士ジェームス・ゴードンであった。
いつものようにバットマンと共にプロフェッサー・ピグの犯罪を止めたゴードンは、逃げ出したピグの手下を追って地下鉄の線路に降り立つ。
銃を構えるピグの手下に、とっさに射撃するゴードン。射撃の名手である彼が放った銃弾は、狙いたがわず男の持つ銃に当たる……かに思われたが、銃弾は銃をすり抜け、あろうことか男の背後にあった配電盤を直撃する。
これより、折悪くこの路線を通りかかった列車が制御を失い、駅に向かって暴走。犠牲者100人を超す大惨事となる。
自らの手で最悪の事故を引き起こし呆然とするゴードン。しかし、彼を襲った衝撃はこれだけではなかった。
ゴードンが引き金を引いた直接の原因となったピグの手下による銃撃。しかし、監視カメラによれば、彼は銃など持っておらず、完全な丸腰であったのだ。
「過剰防衛と、その結果として引き起こされた大惨事」その全ての責任を負わされたゴードンは、業務上過失致死の罪により、彼を憎む犯罪者が渦巻くブラックゲート刑務所へ収監されることに…
「さぁ蝙蝠やら猫やらペンギンやらの手から、我々の街を取り戻そうじゃないか。」
(カーマイン・"ローマン"・ファルコーネ)

ゴードンを嵌めた男。それはかつてはゴッサムを自らの支配下におさめながらも、ジョーカーやペンギンのような"ヴィラン"の出現と入れ替わるように街を去った男カーマイン・"ローマン"・ファルコーネであった。
バットマンをして「ゴッサム1危険な"人間"」と呼ばしめたローマンは、人間の手によるゴッサムの支配を宣言し、再びゴッサムの裏社会へと戻ってきたのだ。
ゴードンの後釜として自らの傀儡を送り込み警察を自らのものとしたローマンは、続いて現在の裏社会のボスであるペンギンと、警察と共にゴッサムの秩序を護っていた存在、バットマンの両者へ攻撃を開始する。
「大丈夫よママ。パパにパズルの答えをばらしたら(Spoil)、直ぐ帰るから。」
(ステファニー・ブラウン)
「"犠牲"? 娘を殺すくらいで大げさな言葉を使うなよ。」
(クルーマスター)

列車事故とギャングの抗争でざわめくゴッサム。
そんななか、ごく普通の少女であるステファニーは、いつも通り離婚した両親の家を行き来する生活を送っていた。
ある日、父の家に忘れ物をしたステファニーは、心配する母親の忠告を無視して、父親の家を訪れる。
父親を驚かすために、茶目っ気を起こして、こっそりと家に忍び込んだステファニー。
そこで彼女が見た物は、友人たちとパズルパーティーをしている筈の父親が、怪しげなコスチュームに身を包み、ゴッサムを壊滅する作戦を練っている姿であった。

(シグナルマンがいる!シークレットソサエティのメインメンバーだったはずなのに、フォーエバーイービルが始まったとたん見なくなったと思ったら、こんなところに!!)
驚くステファニーをよそに、クルーマスターと名乗る父親は、あっさりと口封じのために娘を殺すことを決める。
とっさの機転でその場を脱出したステファニーはしかし、父親たちの計画を胸にゴッサムの街を彷徨うことに…
「私を信じるが良い。私ほど"悪"を知る物は、この世にはいないのだから…」
(ジム・コリガン)

ゴッサムに集まりつつある暗雲。それはローマンや、クルーマスターたちのような、形而下の存在だけではなかった。

アーカムの闇では、謎の悪霊「ディーコン・ブラックファイア」が帰還を宣言し、それに呼応するかのようにオカルト探偵にして復讐の精霊スペクターの寄り代ジム・コリガンもゴッサムに出現し、霊的な緊張も高まって行く。
「ブルース・ウェイン。お前の仲間、そしてゴッサムそのもの。お前の愛する物を全て奪ってやったぞ!」
(謎の声)

『バットマン:エターナル』の冒頭は、バットシグナルに縛りつけられ、燃え落ちるゴッサムをただ見守ることしかできない未来のバットマンの姿で始まります。
"The End"と銘打たれたこのシーンで、バットマンに語りかける声は何者なのか?
いったい、どのような経緯でゴッサムの街はこのような惨状におちいるのか?
まだはじまって4号しか経過していない現状では、皆目見当がつきませんが、どうやら今回のお話は通常のタイトルの4年分という圧倒的な物量をいかして、多くのキャラの物語が多層的に重なる群衆劇となって行くようです。
月に4冊読むタイトルが増えるのは、なかなか厳しいですが、何とか振り落とされぬように喰らいついて行きたいものです。
【宣伝】
「梟の法廷」から始まるNew52のバットマン誌を成功させた手腕をかわれ、「バットマン:エターナル」のメインライターを務めることになったスコット・スナイダー。
彼がリランチ直前に手がけた「バットマン:ブラックミラー」と「バットマン:ゲート・オブ・ゴッサム」が翻訳されます。
管理人は両作品とも未見ですが、ブラックミラーは管理人が大好きなヴィランの日本デビュー作となる為、非常に楽しみにしています。
その他の翻訳作品としては何と言っても「ジャスティス・リーグ:アトランティスの後継者」。
ワンダーウーマンやアクアマンなど、日本では露出の少ないキャラが主人公を張る要チェック作です。
またDCの最重要タイトルだけあって、アートをアイヴァン・レイスやトニー・ダニエルなど今世代のトップアーティストが担当し、そういった面でもDCの"本気"が楽しめる作品であります。
また映画『X-men:フューチャー&パスト』の公開に合わせて、その原作となった名作「X-MEN:デイズ・オブ・フューチャーパスト」も翻訳されます。未来世界での老ローガンがシブいんだこれ。
(作:スコット・スナイダー他、画:ジェイソン・ファボック他)
ついに始まったバットマン生誕75周年記念企画「バットマン:エターナル」。
自分は週刊タイトルに手を出したことがないので、正直このタイトルを読むかどうか悩んでいたのですが、「せっかくのお祭り企画なので乗らなきゃ損」と思い、手を出すことにしてみました。
今回は開始1カ月ということで、簡単な登場人物紹介を。
「本当に奴が銃をもっていたのか、今となっては私にも確信がもてんのだよ…」
(ジェームス・ゴードン)

ゴッサムを混乱の渦に巻き込んだ事件の発端は、意外にもゴッサムの正義を象徴する高潔の士ジェームス・ゴードンであった。
いつものようにバットマンと共にプロフェッサー・ピグの犯罪を止めたゴードンは、逃げ出したピグの手下を追って地下鉄の線路に降り立つ。
銃を構えるピグの手下に、とっさに射撃するゴードン。射撃の名手である彼が放った銃弾は、狙いたがわず男の持つ銃に当たる……かに思われたが、銃弾は銃をすり抜け、あろうことか男の背後にあった配電盤を直撃する。
これより、折悪くこの路線を通りかかった列車が制御を失い、駅に向かって暴走。犠牲者100人を超す大惨事となる。
自らの手で最悪の事故を引き起こし呆然とするゴードン。しかし、彼を襲った衝撃はこれだけではなかった。
ゴードンが引き金を引いた直接の原因となったピグの手下による銃撃。しかし、監視カメラによれば、彼は銃など持っておらず、完全な丸腰であったのだ。
「過剰防衛と、その結果として引き起こされた大惨事」その全ての責任を負わされたゴードンは、業務上過失致死の罪により、彼を憎む犯罪者が渦巻くブラックゲート刑務所へ収監されることに…
「さぁ蝙蝠やら猫やらペンギンやらの手から、我々の街を取り戻そうじゃないか。」
(カーマイン・"ローマン"・ファルコーネ)

ゴードンを嵌めた男。それはかつてはゴッサムを自らの支配下におさめながらも、ジョーカーやペンギンのような"ヴィラン"の出現と入れ替わるように街を去った男カーマイン・"ローマン"・ファルコーネであった。
バットマンをして「ゴッサム1危険な"人間"」と呼ばしめたローマンは、人間の手によるゴッサムの支配を宣言し、再びゴッサムの裏社会へと戻ってきたのだ。
ゴードンの後釜として自らの傀儡を送り込み警察を自らのものとしたローマンは、続いて現在の裏社会のボスであるペンギンと、警察と共にゴッサムの秩序を護っていた存在、バットマンの両者へ攻撃を開始する。
「大丈夫よママ。パパにパズルの答えをばらしたら(Spoil)、直ぐ帰るから。」
(ステファニー・ブラウン)
「"犠牲"? 娘を殺すくらいで大げさな言葉を使うなよ。」
(クルーマスター)

列車事故とギャングの抗争でざわめくゴッサム。
そんななか、ごく普通の少女であるステファニーは、いつも通り離婚した両親の家を行き来する生活を送っていた。
ある日、父の家に忘れ物をしたステファニーは、心配する母親の忠告を無視して、父親の家を訪れる。
父親を驚かすために、茶目っ気を起こして、こっそりと家に忍び込んだステファニー。
そこで彼女が見た物は、友人たちとパズルパーティーをしている筈の父親が、怪しげなコスチュームに身を包み、ゴッサムを壊滅する作戦を練っている姿であった。

(シグナルマンがいる!シークレットソサエティのメインメンバーだったはずなのに、フォーエバーイービルが始まったとたん見なくなったと思ったら、こんなところに!!)
驚くステファニーをよそに、クルーマスターと名乗る父親は、あっさりと口封じのために娘を殺すことを決める。
とっさの機転でその場を脱出したステファニーはしかし、父親たちの計画を胸にゴッサムの街を彷徨うことに…
「私を信じるが良い。私ほど"悪"を知る物は、この世にはいないのだから…」
(ジム・コリガン)

ゴッサムに集まりつつある暗雲。それはローマンや、クルーマスターたちのような、形而下の存在だけではなかった。

アーカムの闇では、謎の悪霊「ディーコン・ブラックファイア」が帰還を宣言し、それに呼応するかのようにオカルト探偵にして復讐の精霊スペクターの寄り代ジム・コリガンもゴッサムに出現し、霊的な緊張も高まって行く。
「ブルース・ウェイン。お前の仲間、そしてゴッサムそのもの。お前の愛する物を全て奪ってやったぞ!」
(謎の声)

『バットマン:エターナル』の冒頭は、バットシグナルに縛りつけられ、燃え落ちるゴッサムをただ見守ることしかできない未来のバットマンの姿で始まります。
"The End"と銘打たれたこのシーンで、バットマンに語りかける声は何者なのか?
いったい、どのような経緯でゴッサムの街はこのような惨状におちいるのか?
まだはじまって4号しか経過していない現状では、皆目見当がつきませんが、どうやら今回のお話は通常のタイトルの4年分という圧倒的な物量をいかして、多くのキャラの物語が多層的に重なる群衆劇となって行くようです。
月に4冊読むタイトルが増えるのは、なかなか厳しいですが、何とか振り落とされぬように喰らいついて行きたいものです。
【宣伝】
「梟の法廷」から始まるNew52のバットマン誌を成功させた手腕をかわれ、「バットマン:エターナル」のメインライターを務めることになったスコット・スナイダー。
彼がリランチ直前に手がけた「バットマン:ブラックミラー」と「バットマン:ゲート・オブ・ゴッサム」が翻訳されます。
管理人は両作品とも未見ですが、ブラックミラーは管理人が大好きなヴィランの日本デビュー作となる為、非常に楽しみにしています。
その他の翻訳作品としては何と言っても「ジャスティス・リーグ:アトランティスの後継者」。
ワンダーウーマンやアクアマンなど、日本では露出の少ないキャラが主人公を張る要チェック作です。
またDCの最重要タイトルだけあって、アートをアイヴァン・レイスやトニー・ダニエルなど今世代のトップアーティストが担当し、そういった面でもDCの"本気"が楽しめる作品であります。
また映画『X-men:フューチャー&パスト』の公開に合わせて、その原作となった名作「X-MEN:デイズ・オブ・フューチャーパスト」も翻訳されます。未来世界での老ローガンがシブいんだこれ。
スポンサーサイト