シークレット・ソサエティ#1

Justice League #23.4 Featuring Secret Society
(作:ジェフ・ジョーンズ&スターリング・ゲイツ、画:シモン・クドランスキー)

今回は個人的にヴィラン月間で一番面白かったシークレット・ソサエティ誌の紹介。

【安らかに眠れコッパーヘッド…】
ネットでヴィラン月間の情報と共に、シークレット・ソサエティ誌の表紙を見た自分が最初に思ったこと、それは「なにこの"小物臭"漂う表紙?」でした。
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何処となく「ド○ンジョ、ボ○ッキー、ト○ズラー」を彷彿とさせる表紙

唯でさえForever Evilの中でシークレット・ソサエティに大幅な増員がなされオリジナルメンバーの存在感が薄れているうえに、コンピューターゲーム『Batman Arkham Origins』にてセクシーでスタイリッシュなコッパーヘッドの画像が世間を騒がしている状況から、管理人は
「今号がオリジナルメンバーが活躍する最初で最後の花道。とりわけコッパーヘッドは今号で無残な最期を遂げ、バットマン関連誌で2代目コッパーヘッド(勿論エロイお姉さん)が登場する布石となるだろう」
と全てを察した上で、今号を読み始めました。

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ちなみにこちらが、近日発売のゲーム「バットマン:アーカム・ビギンズ」に登場する"エロイ方の"コッパーヘッド。上と比べると差は歴然...

そして驚きました。今号でコッパーヘッドを襲った"死ぬより辛い運命"とは
……登場しないこと!!
なんと、今号は「アース3での"悪のバットマン"オウルマンの活躍を、彼の忠実な執事であるアウトサイダーが述懐する」という内容で、シークレット・ソサエティのオリジナルメンバーはアウトサイダーを除いて一切登場しません。(あの表紙は何だったんだ!)

と、一瞬肩透かしを食らったものの「オウルマンの秘密の過去」と「コッパーヘッドとブロックバスターの珍道中」のどちらを読みたいかといえば、勿論、前者なわけで、冷静に考えればこの肩透かしは願ったりかなったりですね。

【クライム・アレーにて】
数十年前、ゴッサムシティの路地裏にて1組の家族をある悲劇がみまう。
暗がりから現れた人物が、突然、彼らに銃口を向けたのだ。
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しかし、銃口を向けられた父母とその子供は、慌てず騒がず懐に手を入れて……
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……暴漢(というか警察)たちを撃ち始めた!!
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というオウルマンの仰天のオリジンから始まる今回の話。
ともすればさらっと読み流してしまいそうなこのシーンですが、実は意外に重要でして、アウトサイダーの独白と画を見比べると、ある伏線が張られているのがわかります。

【ジョーカー】
リランチ前の話になりますが、善悪の概念が逆転した世界アース3では、従来のヒーローたちが悪人として世界を牛耳る一方で、正史世界ではヴィランであった面々がヒーローとして活動していました。
もちろんバットマンのライバルであるジョーカーもご多分にもれずヒーロー化しており、"ジェスター"という名前で正義のために活躍していました。
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これがジェスター。見ての通りのトリックスターながら、ちゃんとヒーローしてます。

というわけで、今号でアース3のジョーカーが登場した時も"オウルマンの宿敵"ということで、正義の味方を期待して読んでいたのですが、どうも違和感が……
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このジョーカー、自分を狙った銃撃の流れ弾で人が死のうが、ロケットランチャーで少年(ちなみに名前はティム)が爆殺されようがどこ吹く風。
ようやく「今夜、あまりにも多くの命が"切り刻まれた"……」なんていう殊勝な台詞を吐いたと思ったら、単にいつもの凶悪なジョークの前ふりだったりで、その様子は普段のジョーカーそのもの。
極め付けがライバルであるオウルマンに、ジョーカーが送ったプレゼント。
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中身は読んでのお楽しみですが、Forever Evilの展開にも大きく関係しています。

どう考えても、ヒーローの所業ではありません。

これはつまり、どういうことかというと、ライターであるジェフ・ジョーンズはジョーカーという存在を単なる悪人ではなく「善悪を超越しあらゆる秩序を否定する究極のアナーキスト」として再定義しているわけです。
正史世界でジョーカーが犯罪を犯すのは、社会の秩序を破壊し全ての人間を混沌の渦に叩き落とすためで、そこに善と悪の区別はない。
なのでアース3におけるジョーカーも、攻撃の対象がオウルマンがゴッサムに築き上げた"悪の帝国"に置き変わっただけで、本人の行動にはなんの変化もない。
そういうことなんだと思います。

正直、このジョーカーの解釈には痺れました。なんといっても、DCユニバース最凶の悪役であるジョーカーを他の悪役とは一線を画した位置に置いたのが嬉しいですね。

*******
というわけで、本作品はジョーカー好きには堪らない内容であるばかりか、フォーエバー・イービル全体の展開を左右するような伏線が随所に散りばめられている、今後の展開を占う上でも外せない作品となっております。
最初に書いたとおり、個人的には今回のヴィラン月間で読んだ作品の中で一番面白かったので、まだ未見でフォーエバー・イービルを追いかけるつもりの方は是非どうぞ。

【宣伝】(使い回しです。)
今回のヴィラン月間の内容は12月に早くも合本としてまとめられます。
基本的に1話完結で、登場キャラもバラエティに富んでいるので、普段は原書で読んでいない方もカタログ感覚で読めると思います。(多少、値は張りますが。)
また、昨年の企画「ゼロイヤー」も合本として纏められています。こちらも1話完結が多いので、気になる方は是非。


また、今月の翻訳本は以下の通りです。「アイアンマン:エクストリミス」の続編「アイアンマン:ホーンテッド」が発売になりますが、あまりアイアンマンのコミックを読んでいない管理人は、結構、楽しみにしてます。
後は何と言っても「NEW52:スーパーマン/ヤング・ジャスティス」。普段翻訳ではお目にかかれない、ティーンタイタンズや、ブルービートルの活躍が読めるのは嬉しいところです。

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NOB-BON

Author:NOB-BON
X-men生まれSpawn育ちを地でいく、90年代アメコミバブルの残党。
しばらくの間、アメコミは翻訳本を買う程度だったのが、最近のデジタルコミックの手軽さにひかれ、本格的に復活しました。

基本的にMarvelメインですが、DCのリランチを機に自分の中でDCブームが来てるので、しばらくはDCの話題続くかも。
しばらくどころか完全にDC派に転びました。

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