ジャスティス・リーグ #19
Justice League #19
(作:ジェフ・ジョーンズ、画:アイヴァン・レイス)
**********
バットケイブに新たに設置された陳列ケース。先日、殉職したダミアンの衣装を安置するために置かれたそれを前に、アルフレッドとジェイソンが語り合っている。

ジェイソン:今回はブルースだって、こんなことを望んでないんじゃないのか?
アルフレッド:それをいうなら、ジェイソン様の時もブルース様はユニフォームを飾ることを望んでおられませんでした。わたくしはブルース様に、悲しみを胸の奥に押し込め全てに背を向けるという、安易な道を選んでほしくないのです。
ジェイソン:俺の時とは違うだろ。実の子が死んだんだぞ?俺は所詮"もうひとりのロビン"に過ぎなかった...
アルフレッド:自分の事を"もうひとりのロビン"と思い込むのはあなたの悪い癖です。ブルース様は、他の方々同様、あなたの事を実の息子のように思っておられますし、僭越ながらわたくしもジェイソン様を息子のように感じております。
ジェイソン様がジョーカーに殺された時、わたくしとウェイン様はどんなに...
…うぅ、ダミアン様だってまだ幼い少年だというのに、神よ...
ジェイソン:アルフレッド、少し休んだ方がいい。そうだな。俺だって奴が恋しいさ...
アルフレッドを慰めるジェイソンの背に、突如テーザー(電気銃)が突き刺さる。
たまらず昏倒するジェイソン。
謎の男が人知れずバットケイブに侵入してきていたのだ。

謎の男はアルフレッドをガラス製のケースに投げつけたのち、厳重なセキュリティをものともせず、ケイブ最深部の保管庫へと進んでいく。

男の目的は、そこ保管庫に置かれている6つのケースの1つであった。
一方、スーパーマンとワンダーウーマンは、中東の紛争地域カンダークで起った武闘派勢力(※)による立てこもり事件を解決したところであった。
※武闘派勢力の名前は"アダムの子ら"、「何故、イスラム教なのにアダム?」と思いきや、カンダークは"悪のシャザム"であるところのブラックアダムの生まれ故郷でした。
砂漠の夕焼けの臨み、ワンダーウーマンはスーパーマンに語りかける。

ワンダーウーマン:綺麗な所ね。それなのにこの地に生きる人々は、長年、暴力によって押さえつけられている。私たちならさっきの人質だけじゃなくて、この国全体を救えるのよ。
スーパーマン:それは、僕たちの役目じゃない。
僕はずっと前に決めたんだ「自分の力は人々を勇気づけるためだけに使おう、社会を直接改革するのは無しだ」とね。
ワンダーウーマン:直接的な改革が必要な場面だってあるはずよ。
スーパーマン:そんなことをしても、ひどい結果になるだけだよ。
ワンダーウーマン:飢餓に苦しむ国に食料を運ぶことが?国際社会による制裁決議のせいで、誰もこの国の人々に物資を届けることができない。私たちを除いてはね。私たちの行動を制止できるものは何もないわ。
バットマン:まるでスーパーヴィランのような台詞だな。
突如2人の前に姿を現したバットマン。
彼はスーパーマンとワンダーウーマンによるカンダークでの活動が、国際社会で物議を醸していることを伝え、2人の軽率な行動をいさめる。

ワンダーウーマン:人の命がかかっていたの。他に方法は無かったわ!
バットマン:私に相談してくれれば、いくらでも方法は用意できた。ただでさえリーグに対する世論が微妙なこの時期。これ以上世間の風向きが悪くなればリーグの活動自体に問題をきたすことになる。
スーパーマン:あれはリーグと関係のない、ダイアナと私の個人的活動だよ。
バットマン:世間はそうは見てくれない。それともう一つ、君たちに言っておきたいことがある。
君たちは今、チームメイト以上の関係だな?
スーパーマン&ワンダーウーマン:!!
スーパーマン:…リーグの他のメンバーは知っているのか?
バットマン:いや、まだだ。しかし、だんだんと怪しみ始めてるようだ。私個人は君たちの新たな関係を嬉しく思っている。
ただ、これだけは肝に銘じておいてくれ。世間の大部分は君たちの関係を決して祝福しない。
君たちは地球上でもっとも強力な存在なんだ。奴らは既に君たちを狙っている。
スーパーマン:奴ら?誰の事だ。
バットマン:さあな。君たち2人の力を恐れる誰かだ。先日、バットケイブのセキュリティが破られた。しかしこれは私を狙ったものではない。
狙いは君だ。スーパーマン。
ワンダーウーマン:バットケイブにクラークを倒すための手段があったってこと?いったい何を企んでいたの?
そのころ、ジャスティスリーグの本拠地ウォッチタワーで居残りをしている新メンバー、ファイアストームとアトムは、ウォッチタワーへの侵入者と対峙していた。
その侵入者とは、

デスぺロ!
そしてその左手には...
**********
というわけで、新たなストーリーラインが始まりました。デスペロが直接、バットケイブに侵入したようには思えないのですが、これも「ジャスティスリーグ:誕生」の最後を飾ったSecret Society of Super-Villainsの企みの一環なのでしょうか?このまま、夏のイベント、トリニティ・ウォーになだれ込むのか気になるところです。
【和解】
謎の男の侵入を許したバットケイブでは、異変に気がついたバットマンが、アクアマン、サイボーグと犯人の痕跡を探している。そんななか、治療を終えたジェイソンがバットマンに近づく。
ジェイソン:アルフレッドはようやく眠ったよ。眠る直前まで自分の容態よりも、俺たちの昼食を心配していた。
すまない、ブルース。俺が奴の侵入に気が付いていれば...
俺に失望してるんだろ。俺だって自分の間抜けさにはうんざりだ。
バットマン:ジェイソン、私はただ2人の無事に胸をなでおろしてるだけだよ。
…冒頭のジェイソンとアルフレッドの会話といい、今回はジェイソン好きにはグッとくるシーンばかりですね。むしろ、ジャスティス・リーグ誌で済ませてしまうのが勿体ないくらいの名シーンですよ。
【分かりやす過ぎる】
今回、バットケイブから盗まれたクリプトナイト。バットマンはこのクリプトナイトをこんなアタッシュケースに入れていました。

ちょっと、直球すぎるのでは?(しかも自分用の対策を用意していないところが、これまた底意地悪い。)
【宣伝】
遂に小プロからJLAの翻訳本2冊が発売されました。
「バベルの塔」は王道好きのマーク・ウェイドらしい直球展開で万人におすすめ。
「逆転世界」もよくある"異世界物"と思わせておきながら、物語の要素の意図的な省略や、メタ要素バリバリのヒーロー観など、モリソンらしさ爆発の快作となっています。(モリソンといえば、スーパーゴッズを読むと、彼のちょっとキ○○イじみたヒーロー観がよくわかります。)
ところで今回紹介した「バベルの塔」を読んでいて、なんとなく今回紹介したジャスティスリーグを思い出しました。ホントにあの人は懲りないんだから...
後外せないのが、ヴィレッジブックスから先日発売された「ニューアベンジャーズ:トラスト」。
遂に私がMarvelで好きなヴィラン、フッドの登場です。私のフッドへの熱い思いはこちらの記事を参照。
後は、映画「マン・オブ・スティール」の公開に合わせて、スーパーマンの翻訳が盛んになってきました。
管理人は未読ですが、「フォーオールシーズン」は名作と名高いので楽しみです。
後は「アースワン」と「レッドサン」はそれぞれ別世界を舞台にした作品ですが、それゆえにDC世界に馴染が無い方にもお勧めできます。何気に「レッドサン」はバットマン/ワンダーウーマン/グリーンランタンなど、ジャスティスリーグのヒーローが総登場だったりします。
(作:ジェフ・ジョーンズ、画:アイヴァン・レイス)
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バットケイブに新たに設置された陳列ケース。先日、殉職したダミアンの衣装を安置するために置かれたそれを前に、アルフレッドとジェイソンが語り合っている。

ジェイソン:今回はブルースだって、こんなことを望んでないんじゃないのか?
アルフレッド:それをいうなら、ジェイソン様の時もブルース様はユニフォームを飾ることを望んでおられませんでした。わたくしはブルース様に、悲しみを胸の奥に押し込め全てに背を向けるという、安易な道を選んでほしくないのです。
ジェイソン:俺の時とは違うだろ。実の子が死んだんだぞ?俺は所詮"もうひとりのロビン"に過ぎなかった...
アルフレッド:自分の事を"もうひとりのロビン"と思い込むのはあなたの悪い癖です。ブルース様は、他の方々同様、あなたの事を実の息子のように思っておられますし、僭越ながらわたくしもジェイソン様を息子のように感じております。
ジェイソン様がジョーカーに殺された時、わたくしとウェイン様はどんなに...
…うぅ、ダミアン様だってまだ幼い少年だというのに、神よ...
ジェイソン:アルフレッド、少し休んだ方がいい。そうだな。俺だって奴が恋しいさ...
アルフレッドを慰めるジェイソンの背に、突如テーザー(電気銃)が突き刺さる。
たまらず昏倒するジェイソン。
謎の男が人知れずバットケイブに侵入してきていたのだ。

謎の男はアルフレッドをガラス製のケースに投げつけたのち、厳重なセキュリティをものともせず、ケイブ最深部の保管庫へと進んでいく。

男の目的は、そこ保管庫に置かれている6つのケースの1つであった。
一方、スーパーマンとワンダーウーマンは、中東の紛争地域カンダークで起った武闘派勢力(※)による立てこもり事件を解決したところであった。
※武闘派勢力の名前は"アダムの子ら"、「何故、イスラム教なのにアダム?」と思いきや、カンダークは"悪のシャザム"であるところのブラックアダムの生まれ故郷でした。
砂漠の夕焼けの臨み、ワンダーウーマンはスーパーマンに語りかける。

ワンダーウーマン:綺麗な所ね。それなのにこの地に生きる人々は、長年、暴力によって押さえつけられている。私たちならさっきの人質だけじゃなくて、この国全体を救えるのよ。
スーパーマン:それは、僕たちの役目じゃない。
僕はずっと前に決めたんだ「自分の力は人々を勇気づけるためだけに使おう、社会を直接改革するのは無しだ」とね。
ワンダーウーマン:直接的な改革が必要な場面だってあるはずよ。
スーパーマン:そんなことをしても、ひどい結果になるだけだよ。
ワンダーウーマン:飢餓に苦しむ国に食料を運ぶことが?国際社会による制裁決議のせいで、誰もこの国の人々に物資を届けることができない。私たちを除いてはね。私たちの行動を制止できるものは何もないわ。
バットマン:まるでスーパーヴィランのような台詞だな。
突如2人の前に姿を現したバットマン。
彼はスーパーマンとワンダーウーマンによるカンダークでの活動が、国際社会で物議を醸していることを伝え、2人の軽率な行動をいさめる。

ワンダーウーマン:人の命がかかっていたの。他に方法は無かったわ!
バットマン:私に相談してくれれば、いくらでも方法は用意できた。ただでさえリーグに対する世論が微妙なこの時期。これ以上世間の風向きが悪くなればリーグの活動自体に問題をきたすことになる。
スーパーマン:あれはリーグと関係のない、ダイアナと私の個人的活動だよ。
バットマン:世間はそうは見てくれない。それともう一つ、君たちに言っておきたいことがある。
君たちは今、チームメイト以上の関係だな?
スーパーマン&ワンダーウーマン:!!
スーパーマン:…リーグの他のメンバーは知っているのか?
バットマン:いや、まだだ。しかし、だんだんと怪しみ始めてるようだ。私個人は君たちの新たな関係を嬉しく思っている。
ただ、これだけは肝に銘じておいてくれ。世間の大部分は君たちの関係を決して祝福しない。
君たちは地球上でもっとも強力な存在なんだ。奴らは既に君たちを狙っている。
スーパーマン:奴ら?誰の事だ。
バットマン:さあな。君たち2人の力を恐れる誰かだ。先日、バットケイブのセキュリティが破られた。しかしこれは私を狙ったものではない。
狙いは君だ。スーパーマン。
ワンダーウーマン:バットケイブにクラークを倒すための手段があったってこと?いったい何を企んでいたの?
そのころ、ジャスティスリーグの本拠地ウォッチタワーで居残りをしている新メンバー、ファイアストームとアトムは、ウォッチタワーへの侵入者と対峙していた。
その侵入者とは、

デスぺロ!
そしてその左手には...
**********
というわけで、新たなストーリーラインが始まりました。デスペロが直接、バットケイブに侵入したようには思えないのですが、これも「ジャスティスリーグ:誕生」の最後を飾ったSecret Society of Super-Villainsの企みの一環なのでしょうか?このまま、夏のイベント、トリニティ・ウォーになだれ込むのか気になるところです。
【和解】
謎の男の侵入を許したバットケイブでは、異変に気がついたバットマンが、アクアマン、サイボーグと犯人の痕跡を探している。そんななか、治療を終えたジェイソンがバットマンに近づく。
ジェイソン:アルフレッドはようやく眠ったよ。眠る直前まで自分の容態よりも、俺たちの昼食を心配していた。
すまない、ブルース。俺が奴の侵入に気が付いていれば...
俺に失望してるんだろ。俺だって自分の間抜けさにはうんざりだ。
バットマン:ジェイソン、私はただ2人の無事に胸をなでおろしてるだけだよ。
…冒頭のジェイソンとアルフレッドの会話といい、今回はジェイソン好きにはグッとくるシーンばかりですね。むしろ、ジャスティス・リーグ誌で済ませてしまうのが勿体ないくらいの名シーンですよ。
【分かりやす過ぎる】
今回、バットケイブから盗まれたクリプトナイト。バットマンはこのクリプトナイトをこんなアタッシュケースに入れていました。

ちょっと、直球すぎるのでは?(しかも自分用の対策を用意していないところが、これまた底意地悪い。)
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遂に小プロからJLAの翻訳本2冊が発売されました。
「バベルの塔」は王道好きのマーク・ウェイドらしい直球展開で万人におすすめ。
「逆転世界」もよくある"異世界物"と思わせておきながら、物語の要素の意図的な省略や、メタ要素バリバリのヒーロー観など、モリソンらしさ爆発の快作となっています。(モリソンといえば、スーパーゴッズを読むと、彼のちょっとキ○○イじみたヒーロー観がよくわかります。)
ところで今回紹介した「バベルの塔」を読んでいて、なんとなく今回紹介したジャスティスリーグを思い出しました。ホントにあの人は懲りないんだから...
後外せないのが、ヴィレッジブックスから先日発売された「ニューアベンジャーズ:トラスト」。
遂に私がMarvelで好きなヴィラン、フッドの登場です。私のフッドへの熱い思いはこちらの記事を参照。
後は、映画「マン・オブ・スティール」の公開に合わせて、スーパーマンの翻訳が盛んになってきました。
管理人は未読ですが、「フォーオールシーズン」は名作と名高いので楽しみです。
後は「アースワン」と「レッドサン」はそれぞれ別世界を舞台にした作品ですが、それゆえにDC世界に馴染が無い方にもお勧めできます。何気に「レッドサン」はバットマン/ワンダーウーマン/グリーンランタンなど、ジャスティスリーグのヒーローが総登場だったりします。
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