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ジャスティス・リーグ #19

Justice League #19
(作:ジェフ・ジョーンズ、画:アイヴァン・レイス)

**********
バットケイブに新たに設置された陳列ケース。先日、殉職したダミアンの衣装を安置するために置かれたそれを前に、アルフレッドとジェイソンが語り合っている。
20130428_01.jpg

ジェイソン:今回はブルースだって、こんなことを望んでないんじゃないのか?
アルフレッド:それをいうなら、ジェイソン様の時もブルース様はユニフォームを飾ることを望んでおられませんでした。わたくしはブルース様に、悲しみを胸の奥に押し込め全てに背を向けるという、安易な道を選んでほしくないのです。
ジェイソン:俺の時とは違うだろ。実の子が死んだんだぞ?俺は所詮"もうひとりのロビン"に過ぎなかった...
アルフレッド:自分の事を"もうひとりのロビン"と思い込むのはあなたの悪い癖です。ブルース様は、他の方々同様、あなたの事を実の息子のように思っておられますし、僭越ながらわたくしもジェイソン様を息子のように感じております。
ジェイソン様がジョーカーに殺された時、わたくしとウェイン様はどんなに...
…うぅ、ダミアン様だってまだ幼い少年だというのに、神よ...
ジェイソン:アルフレッド、少し休んだ方がいい。そうだな。俺だって奴が恋しいさ...


アルフレッドを慰めるジェイソンの背に、突如テーザー(電気銃)が突き刺さる。
たまらず昏倒するジェイソン。
謎の男が人知れずバットケイブに侵入してきていたのだ。
20130428_02.jpg

謎の男はアルフレッドをガラス製のケースに投げつけたのち、厳重なセキュリティをものともせず、ケイブ最深部の保管庫へと進んでいく。
20130428_03.jpg
男の目的は、そこ保管庫に置かれている6つのケースの1つであった。

一方、スーパーマンとワンダーウーマンは、中東の紛争地域カンダークで起った武闘派勢力(※)による立てこもり事件を解決したところであった。
※武闘派勢力の名前は"アダムの子ら"、「何故、イスラム教なのにアダム?」と思いきや、カンダークは"悪のシャザム"であるところのブラックアダムの生まれ故郷でした。

砂漠の夕焼けの臨み、ワンダーウーマンはスーパーマンに語りかける。
20130428_05.jpg

ワンダーウーマン:綺麗な所ね。それなのにこの地に生きる人々は、長年、暴力によって押さえつけられている。私たちならさっきの人質だけじゃなくて、この国全体を救えるのよ。
スーパーマン:それは、僕たちの役目じゃない。
僕はずっと前に決めたんだ「自分の力は人々を勇気づけるためだけに使おう、社会を直接改革するのは無しだ」とね。

ワンダーウーマン:直接的な改革が必要な場面だってあるはずよ。
スーパーマン:そんなことをしても、ひどい結果になるだけだよ。
ワンダーウーマン:飢餓に苦しむ国に食料を運ぶことが?国際社会による制裁決議のせいで、誰もこの国の人々に物資を届けることができない。私たちを除いてはね。私たちの行動を制止できるものは何もないわ。
バットマン:まるでスーパーヴィランのような台詞だな。


突如2人の前に姿を現したバットマン。
彼はスーパーマンとワンダーウーマンによるカンダークでの活動が、国際社会で物議を醸していることを伝え、2人の軽率な行動をいさめる。
20130428_06.jpg

ワンダーウーマン:人の命がかかっていたの。他に方法は無かったわ!
バットマン:私に相談してくれれば、いくらでも方法は用意できた。ただでさえリーグに対する世論が微妙なこの時期。これ以上世間の風向きが悪くなればリーグの活動自体に問題をきたすことになる。
スーパーマン:あれはリーグと関係のない、ダイアナと私の個人的活動だよ。
バットマン:世間はそうは見てくれない。それともう一つ、君たちに言っておきたいことがある。
君たちは今、チームメイト以上の関係だな?

スーパーマン&ワンダーウーマン:!!
スーパーマン:…リーグの他のメンバーは知っているのか?
バットマン:いや、まだだ。しかし、だんだんと怪しみ始めてるようだ。私個人は君たちの新たな関係を嬉しく思っている。
ただ、これだけは肝に銘じておいてくれ。世間の大部分は君たちの関係を決して祝福しない。
君たちは地球上でもっとも強力な存在なんだ。奴らは既に君たちを狙っている。
スーパーマン:奴ら?誰の事だ。
バットマン:さあな。君たち2人の力を恐れる誰かだ。先日、バットケイブのセキュリティが破られた。しかしこれは私を狙ったものではない。
狙いは君だ。スーパーマン。
ワンダーウーマン:バットケイブにクラークを倒すための手段があったってこと?いったい何を企んでいたの?


そのころ、ジャスティスリーグの本拠地ウォッチタワーで居残りをしている新メンバー、ファイアストームとアトムは、ウォッチタワーへの侵入者と対峙していた。
その侵入者とは、
20130428_07.jpg
デスぺロ!
そしてその左手には...

**********

というわけで、新たなストーリーラインが始まりました。デスペロが直接、バットケイブに侵入したようには思えないのですが、これも「ジャスティスリーグ:誕生」の最後を飾ったSecret Society of Super-Villainsの企みの一環なのでしょうか?このまま、夏のイベント、トリニティ・ウォーになだれ込むのか気になるところです。

【和解】
謎の男の侵入を許したバットケイブでは、異変に気がついたバットマンが、アクアマン、サイボーグと犯人の痕跡を探している。そんななか、治療を終えたジェイソンがバットマンに近づく。

ジェイソン:アルフレッドはようやく眠ったよ。眠る直前まで自分の容態よりも、俺たちの昼食を心配していた。
すまない、ブルース。俺が奴の侵入に気が付いていれば...
俺に失望してるんだろ。俺だって自分の間抜けさにはうんざりだ。

バットマン:ジェイソン、私はただ2人の無事に胸をなでおろしてるだけだよ。


…冒頭のジェイソンとアルフレッドの会話といい、今回はジェイソン好きにはグッとくるシーンばかりですね。むしろ、ジャスティス・リーグ誌で済ませてしまうのが勿体ないくらいの名シーンですよ。


【分かりやす過ぎる】
今回、バットケイブから盗まれたクリプトナイト。バットマンはこのクリプトナイトをこんなアタッシュケースに入れていました。
20130428_04.jpg
ちょっと、直球すぎるのでは?(しかも自分用の対策を用意していないところが、これまた底意地悪い。)

【宣伝】
遂に小プロからJLAの翻訳本2冊が発売されました。
「バベルの塔」は王道好きのマーク・ウェイドらしい直球展開で万人におすすめ。
「逆転世界」もよくある"異世界物"と思わせておきながら、物語の要素の意図的な省略や、メタ要素バリバリのヒーロー観など、モリソンらしさ爆発の快作となっています。(モリソンといえば、スーパーゴッズを読むと、彼のちょっとキ○○イじみたヒーロー観がよくわかります。)
ところで今回紹介した「バベルの塔」を読んでいて、なんとなく今回紹介したジャスティスリーグを思い出しました。ホントにあの人は懲りないんだから...



後外せないのが、ヴィレッジブックスから先日発売された「ニューアベンジャーズ:トラスト」。
遂に私がMarvelで好きなヴィラン、フッドの登場です。私のフッドへの熱い思いはこちらの記事を参照。




後は、映画「マン・オブ・スティール」の公開に合わせて、スーパーマンの翻訳が盛んになってきました。
管理人は未読ですが、「フォーオールシーズン」は名作と名高いので楽しみです。
後は「アースワン」と「レッドサン」はそれぞれ別世界を舞台にした作品ですが、それゆえにDC世界に馴染が無い方にもお勧めできます。何気に「レッドサン」はバットマン/ワンダーウーマン/グリーンランタンなど、ジャスティスリーグのヒーローが総登場だったりします。
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非公開コメント

No title

「逆転世界」を買ったのですが、意図的な省略やメタ要素の部分が全く分からず、単に情報量が少なくて面白みの薄い作品に見えてしまいました……。
もしよければ、解説やレビューをお願いできないでしょうか。

No title

デスペロさんたら、わざわざジャスティスリーグ基地にまで結婚報告をしに来てくれたのかしら?(大きな勘違い)

Re: No title

>>ロウカストさん

あらら、いまいち「逆転世界」がお気に召さなかったみたいですね。
正直私の言っている、「意図的な省略」「メタ要素」は、知ったからといって「それなら楽しい」と思えるような類のものではないので恐縮ですが、語らせてください。(ちなみにネタバレ全開です。)

まず「意図的な省略」の部分ですが、モリソンは「物語の重要な要素をあえて描写せずに読者の想像に任せる」という手法をよく使い、これによって「作劇にスピード感を出す」「読者に"読み解く楽しさ"を提供する」という効果を狙ってるふしがあります。(すいません、予想です。)

「逆転世界」における前者の例を挙げると、冒頭の「正義ルーサーによる、悪ルーサーの地位の乗っ取り」や、クライマックスでの「CSAのメンバーによる正史世界の侵略」の過程がサクッと省略されているのがこれに当たり、それぞれ、その後のセリフから何が起こったかを想像させる構成になっています。

後者の例で顕著なのは、ゴッサム警察署長とオウルマンの関係でしょうか。
翻訳版では解説にあっさりと答えが書いてあるので、そう感じない人が多いかもしれませんが、基本的に読者は、一読しただけではこの2人(とバットマン)の関係がよくわからず混乱するように書かれています。
顕著な例でいえば、署長がオウルマンを呼ぶときに使う"トーマス"という呼び方でしょうか。
(自然な流れでいえば"トーマス"ではなく"ジo○○"ですよね?)
また警察署長が常に名字か愛称でしか呼ばれないのも、同様です。

この部分を読者に推理させることで「自分は2人の秘密に気が付いた」という満足感をあたえ、オウルマンの墓前での失意や、最後の活き活きした態度が、より感慨深いものとなるような仕組みとなっています。

また「メタ要素」ですが、これは読まれた方に語るのはいまさらなのですが、逆転世界における"逆転"とは、単純にヒーローが悪人になっているという「善人と悪人の逆転」でもなければ、SF短編でたまにある"善行が悪徳、悪行が美徳"という「倫理の逆転」でもなく、世界の基本理念が"勧善懲悪"ではなく"勧悪懲善"になっているという「物語のルールの逆転」となっている部分です。

そのせいで、CSAの世界ではヒーローであるルーサーが立てた計画にはいつも穴があり、それに漬け込まれてルーサーは失敗ばかりしているのですが、これって裏を返すと「普段のコミックで最後にヒーローが勝つのは、そういう物語世界だからだ」っていうことですよね。

そんなこんなで、「悪のJLA登場」というキャッチーなあらすじの割に、本作品はちょっとクセのある、好き嫌いの別れる作品となっております。
ですので、あまり好みに合わなかったとしても、あまり気にせず、次の作品に行ってしまってもよいのではと思います。
(王道展開の「バベルの塔」は、その点でクセがなく万人受けするものだと思います。)

Re: No title

> サイ吉さん
確かに左手の薬指!

No title


ジェイソンとブルースの仲が回復したのは、非常にうれしいです
確かにJL誌でやってしまうには少しもったいないですね(笑

非常に申しあげにくいのですが、デスペロさんってどちらさまでしたっけ・・・?
出来れば簡単な詳細を教えていたただければ幸いです。

No title

ありがとうございますー。
オウルマンが逆転世界におけるブルース・ウェインではなく、
正史世界には存在しないブルースの兄弟のトーマスJr.である……
などの設定を知らないまま読んだので、
きちんと知っていれば感動できるはずの墓前の場面も
何の事だか分からなかったのです。
「この世界は悪が勝つ事になっているんだ、だから世界を見捨てればいい」
というのも、読んだときには何を言っているのか理解できなくて……。
わざわざ説明していただいて、感謝いたします。どうもありがとうございました。

!!

デ、デ、デスペロだぁーー!!デスペロ大好きなんですよね~(((^-^)))
しかもこっちの衣装とは...リーフ買わざるを得ない(決意)

しかしこのスーパーマンの物資を届ける云々はピース・オン・アースでも語られましたが難しい問題ですよね。

そしてブルースのJLメンバー対策...奇しくもバベルの塔の翻訳版が出たこともあってニヤリとしてしまいます(笑)
やっぱこの人リランチしても仲間を信用してないんだなぁ~(^_^;)

Re: No title

>>初心者さん

> 非常に申しあげにくいのですが、デスペロさんってどちらさまでしたっけ・・・?

実は私もそこまでよく知っているわけじゃないですが、とりあえず知っていることを書くと
 ・60年代に刊行されたJLA#1のヴィラン。(有名なスターロの奴はJLA誌じゃなくて、Brave & Bold誌。)
 ・額の第三の目による催眠術を得意とする。
ってことくらいでしょうか。

Re: !!

>>リョウマさん
実は、私デスペロが出る作品って、あまり読んだことないんですよね。
なので、今回の話には期待です。

No title



解答ありがとうございます!!

なるほど記念すべきJLA第一号ヴィランが攻めてきたということですか。
これは熱い展開ですね!
プロフィール

NOB-BON

Author:NOB-BON
X-men生まれSpawn育ちを地でいく、90年代アメコミバブルの残党。
しばらくの間、アメコミは翻訳本を買う程度だったのが、最近のデジタルコミックの手軽さにひかれ、本格的に復活しました。

基本的にMarvelメインですが、DCのリランチを機に自分の中でDCブームが来てるので、しばらくはDCの話題続くかも。
しばらくどころか完全にDC派に転びました。

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