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最近のバットマン

最近のバットマン
(作:チップ・ズダスキー、画:ホルヘ・ヒメネス他)

久しぶりの更新になります。
最近は、ポッドキャストの方に手いっぱいで、ブログの方の更新がおろそかになっていました。

今回は、『【第23回】最近のバットマンの紹介、左利きのアメコミキャラっている?』で話した内容をベースに、新展開を迎えたバットマン誌の現状を整理します。


【ゴッサムウォー終結】
先日完結したイベント『ゴッサムウォー』。
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このイベントの中で、キャットウーマンは刑務所にて築いた人脈を元に犯罪者ギルドを設立。
自らの泥棒の技術と高い職業倫理をゴッサムのチンピラたちに叩き込むことで、強盗やヴィランの手下など、他人と自分の命を危険にさらすことしか生きる術を知らない貧者たちを、大富豪や美術館などを専門にした"怪盗"に仕立て上げ、ゴッサムから流血沙汰を伴う凶悪犯罪を一掃することに成功する。

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("手下"がいなくなったことで、大物ヴィランたちの犯罪も激減。こちらはその対策会議の様子)

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ナイトウィングやバットガールらゴッサムの守護者たちは、"凶悪犯罪発生件数の激減"という圧倒的なファクトを突き付けられた結果、口座に唸るほど資産を持つ大富豪の家財を狙う元チンピラたちと戦うことを躊躇。消極的にキャットウーマンの行為を是認する形になってしまう。
とりわけ自らも犯罪しか生活の術のない少年期を送ったレッドフードは、ゴッサムの食い詰め者たちに強く共感を示し、自らも教官として組織に参加することになる。

一方バットマンだけは「あらゆる犯罪は犯罪である」とかたくなにキャットウーマンの活動を断固拒否。
代替案なくキャットウーマンの組織を止めることが無辜の市民の流血や死に繋がるとわかりながら、ゴッサムを自分の下に取り戻すために独り自警活動を続け、結果的に自らのファミリーと対立することとなる。

とりわけレッドフードとは激しく対立。
「ジェイソンに犯罪や自警行為と距離を置いたよりよい人生を与えるため」を口実に、拉致したレッドフードの精神操作を敢行。
レッドフードが荒事などで興奮した際、激しい恐怖に見舞われ身がすくむよう暗示をかけたのである。
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しかしジェイソンは、我が身がどのような状態であれ人々を護ることをやめるような男ではない。結局バットマンが埋め込んだ暗示は、彼を荒事から遠ざける役には立たず、ただ危険な状態に陥った時にジェイソンのパフォーマンスを下げ彼の命を危険にさらすだけの行為であったのだ。

この非人道的とすら言える行いに、ファミリーとバットマンの関係は完全に破綻。
ヴァンダルサベッジの介入によりキャットウーマンの企てが破綻した後も、関係が修復されることはなかった。
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しかし、バットマンはそんな状況を意に介した様子はなかった。むしろ、これで再びゴッサムが自分だけの街なったといわんばかりに、孤独な自警活動に没頭していく。

【ズー・イン・アールのバットマン軍団】
バットマンのこのようなかたくなで酷薄な態度には理由があった。
ゴッサム・ウォー以前から、ブルース・ウェインの心の中ではある戦いが繰り広げられていたのである。
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戦いの相手はズー・イン・アールのバットマン。ブルースが自分が精神攻撃を受けたときに備えて自ら生み出した、第二の人格である。

本来は通常のバットマンと同様の性格となるはずだったズー・イン・アール。しかしその人格にはブルースが想定していなかった異物が混在していた。その異物とはジョーカー。第二人格を生み出すための瞑想期間中にジョーカーと戦いその狂気にさらされたことにより、バットマンより暴力的で、バットマンより強迫観念にかられたズー・イン・アールのバットマンが誕生したのである。

バットマンに不測の事態があった時のバックアップとして、ブルース・ウェインの心の中で眠り続けていたズー・イン・アールに転機が訪れる。
フェイルセーフとの戦いに敗れたバットマンが多次元宇宙に跳ばされた際、ズー・イン・アールはブルース・ウェインの知覚を通して初めて多次元世界のバットマンたちに触れたのだ。
多次元世界の中で新たなバットマンと出会う度に分裂していくズー・イン・アール。

誰よりも奇天烈なガジェットを駆使するアダム・ウエスト版ズー・イン・アール、強酸などダークな武器を使うことをいとわないキートン版ズー・イン・アール……
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かくしてブルース・ウェインの精神世界には、マルチバースのズー・イン・アール軍団が形成されたのだ。
数の力を得たズー・イン・アールたちの次なる目標。それは、ファミリーの絆や犯罪者への同情といった無駄な感情にうつつを抜かすブルース・ウェインの肉体を乗っ取り、バットマンの唯一にして無二の目的"犯罪の消えたゴッサム"にまい進することである。


【新たな仲間】
ズー・イン・アール軍団に半ば肉体を乗っ取られ、ファミリーとの絆を失ったバットマン。
しかし、彼には犯罪と戦う新たな仲間がいた。

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その仲間とはリドラー。
ゴッサム裏社会のライバルたちの一掃を目論むリドラーと、リドラーからもたらされる情報を必要とするバットマン。いつか相手の寝首をかくことを目論み、相手も同じことを目論んでいることを知っている二人の奇妙な共闘関係は、いびつながら一定の成果を見せていた。

そんなある日、リドラーはバットマンにとっておきの情報をもたらす。
"ジョーカーは実は3人いる"。
もったいぶったリドラーの態度とは裏腹に、バットマンは「そんなことは既に知っている」とすげない反応。
そう、ジョーカーの正体が3人いるという情報は既に"神の椅子"メビウスチェアの力によってバットマンは知っているのだ。
そんな中、しばらく世界中を飛び回っていたジョーカーが、再びゴッサムへと帰還する…
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(ちなみにジョーカーが3人いることをバットマンが知ったのはイベント『ダークサイドウォー』でのこと。ここら辺の記事を参照)

*****************
というわけで、今回はバットマンの現状の紹介でした。
今後、この"3人のジョーカー"が1つの話のポイントとなりそうなのですが、ご存じの通りこの話はジェフ・ジョーンズの『スリージョーカーズ』によって解決済み。ただ、どうもDCはブラックレーベルで発売された『スリージョーカーズ』を正史外の物語としたうえで、改めて正史世界でこの謎に取り組むつもりのようです。
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かなりの力技であることは否めませんが、個人的には割と竜頭蛇尾で終わってしまった感のある"3人のジョーカー"の物語を、仕切り直してくれるのは嬉しかったりして……

【宣伝】
マーベルの近刊でおすすめなのは『X-MEN:ヘルファイア・ガラ』。『ハウス・オブ・X/パワーズ・オブ・X』の大ヒット以降、再びマーベルのトップフランチャイズに返り咲いたX-MEN系列の隆盛を誇るかのような、クラコアの国を挙げてのお祭り騒ぎを描いた本作。今後のX-MEN系列の転機となる物語でもあるので必見です。
また同じくX-MEN系列の転機となる作品が『インフェルノ』。こちらはモイラが久しぶりに登場し、クラコア建国の真実が明かされる『ハウス・オブ・X/パワーズ・オブ・X』の直接の続編となります。
また『アイアンマン2020:ロボット・レボリューション』は、トニー・スタークが自身がある意味アンドロイドであることを世間に明かしたことに端を発するマーベル界のロボット総登場イベントの翻訳。ここら辺の記事で紹介しています。


DCは『ダークナイツ:デスメタル』に続くDCの大型イベント『インフィニット・フロンティア』が発売。
あと知らなかったんですけれど、インターブックス社による『サンドマン』の再販って、アマゾンでも買えるんですね。
アメコミ界だけにとどまらない、この50年の幻想文学の歴史を語るうえでも欠かせないド名作。今回は最後まで翻訳されてほしいものです。

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プロフィール

NOB-BON

Author:NOB-BON
X-men生まれSpawn育ちを地でいく、90年代アメコミバブルの残党。
しばらくの間、アメコミは翻訳本を買う程度だったのが、最近のデジタルコミックの手軽さにひかれ、本格的に復活しました。

基本的にMarvelメインですが、DCのリランチを機に自分の中でDCブームが来てるので、しばらくはDCの話題続くかも。
しばらくどころか完全にDC派に転びました。

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