バットマン #86-90
バットマン #86-90
(作:ジェイムス・タイニン4世、画:トニー・S・ダニエル他)
【家族の死】
バットマンの心身の粉砕と屈服を目論んだベインとトーマス・ウェインによるゴッサム侵攻を退けたバットマンたち。
しかしその代償は余りにも大きかった。バットファミリーによるゴッサム奪回作戦の邪魔になることを恐れたアルフレッド・ペニーワースは、自らの命をベインに捧げたのだ。

父親同然の存在であるアルフレッドの死に打ちひしがれたバットマン。しかし、彼はその悲劇を振り払うかのように、資産家ブルース・ウェインとして、また闇の騎士バットマンとして、ゴッサムシティの再建に没頭していく。
そんなある日、「世界最高の職業暗殺者たちが何者かによって雇われ、ゴッサム入りした」という情報が、裏社会に流れる。

チェシャ、マーリン、ガンスミス、Mr.ティース、一人また一人と雇い主が指定した酒場に現れるDC世界最高の暗殺者たち。
そして最後に現れたのは、当然"世界最高の傭兵"であった…

【ヴィランたちの動揺】
5人の暗殺者の噂を聞き、その身柄の確保のために動き出したバットマン。
しかし動き出しのたのは彼だけではなかった。

ペンギン、リドラー、キャットウーマン。
バットマンの最古参の敵である彼らもまた、それぞれ独自の動きを見せ始める。
そう、彼らは知っていたのである、「5人の暗殺者の到来」は、彼らが忘れようとしていた過去の亡霊の復活を意味することを…
ヴィラン達があわただしい動きを見せる中、バットマンの内縁の妻となったキャットウーマンは、バットマンに彼女たちの"完全犯罪計画"を告白する。
【デザイナー登場】
キャットウーマンの告白は、バットマンが活動を始めて間もないころの時代に遡る。

それは物事が今よりもずっとシンプルで大らかな時代であった。颯爽とゴッサムに現れたバットマンとその相棒である"驚異の少年"ロビンはゴッサムの屋上を駆けまわり、彼らとの知恵比べを楽しむかのように、カラフルなコスチュームに身を包んだ悪人たちは、より大仰でより奇妙な犯罪の準備にいそしむ。
そんなある日、ゴッサムを代表する4人のヴィランに招待状が届く。
差出人の名として書かれているのは、"D"の飾り文字。その頭文字は、ヴィラン達に犯罪界に伝わるある都市伝説を思い起こさせるのであった。

ジョーカー:はてなマークの杖の男と一緒なんて笑えるぜ。
キャットウーマン:ジョーカーも呼ばれたなんて心外だわ。TV局の事件の時なんて、本当に犠牲者がでたのよ?
軽口へと交わし、招待状の示す館へと向かうヴィラン達。
そして、館のドアをあけ、一人の男が彼らを出迎える。

デザイナー:ようこそ。私が今宵の晩餐の招待者、デザイナーと呼んでくれたまえ。
彼の名はデザイナー。
「そんなわけでデザイナーはまんまと犯罪をやり遂げたってわけさ」、「そのブツなら20年前にデザイナーが盗んで、今あるのは贋物だぜ」…
ゴッサムの犯罪者たちの間で交わされる法螺話にしか登場しない、伝説の犯罪プランナーである。
ジョーカー:はっ!
ペンギン:少しは敬意を見せんか、ジョーカー。我々はいま、生ける伝説を目の当たりにしてるだぞ。
その名を聞いてせせら笑うジョーカーをいさめるペンギン。

デザイナー:"犯罪界の道化王子"。君の名声はいささか独り歩きが過ぎるようだ。
ジョーカー:勝手に独り歩きするから名声っていうのさ。お前さんの名声だって、まだその裏付けを見せてもらってないんだぜ?
ジョーカーの愚弄を悠然と交わし、4人の若きヴィランを晩餐の席に座らせたデザイナーは、自身の過去の物語と4人を呼び寄せた目的を語りだす。
【デザイナーの過去】
彼がまだデザイナーと呼ばれる前の時代、既に凄腕の犯罪者として知られていた彼には1人の宿敵がいた。
その宿敵とは、バットマンが登場するずっと前に"世界最高の探偵"と呼ばれた男。

犯罪者と探偵との戦いはまるで永遠のいたちごっこのようであった。
敗北の度により周到を計画立てる犯罪者と、そのたびに一歩先をいく捜査術で犯罪者を捕まえる探偵。
再戦を重ねるたびにその複雑さを増していく彼らの戦いはしかし、いずれも犯罪者の敗北で終わった。
ある日、犯罪者は自分の過ちに気が付く。
このまま、少しずつ自分の計画に改良を加えていっても、更なる敗北を重ねるだけだと。
彼が探偵に勝つためには、「このまま探偵との戦いを20年間続けた末にたどり着くであろう自分の最終形」に、一足飛びでならなければいけないのだ。
かくして自分の犯罪計画を練り直すために自室に引き籠った犯罪者。
一年後、その部屋から出てきたのは今までの彼ではなかった。犯罪者は彼自身の最終形、"デザイナー"となったのだ。
自身の究極の犯罪計画をもって探偵との再戦に臨むデザイナーだが、既に探偵は彼の敵ではなかった。
一度は"世界最高の探偵"として称えられた男は、歴史の影でその生涯を閉じたのであった。
【究極の犯罪計画】
自身の過去を4人のヴィランに語り終えたデザイナーは、本題、つまりは彼が4人を招待した目的を明かす。
バットマンが登場したゴッサムで日夜バットマンとの知恵比べを続ける4人に、かつての自分の姿をみたデザイナーは、彼らを"最終形"へと引き上げるための協力を申し出たのだ。
バットマンを打倒し彼らの最終目的を達成するための"究極の犯罪計画"を授けるため、4人それぞれと順番に面談を始めたデザイナー。
面談相手として最初に選ばれたのはキャットウーマンであった。
デザイナーの執務室の中で、じっくりと語り合う2人。

その中でデザイナーは、気に入った美術品を狙う盗人であるキャットウーマンに、より大きなスケールで物事を考えることの必要性を説き、彼女が最終的に狙うべき獲物を定義し、それを盗み出すための計画を作り出す。
面談を終え執務室から出てきたキャットウーマンは、新たな獲物と新たな計画のことで頭がいっぱいであった。
彼女の後に続いたリドラーとペンギンも、同様であった。
いずれもデザイナーとの対話で、自分が心の奥底で臨んでいた自分の"最終形"を見出したのだ。
最後に、デザイナーの執務室に招かれたのはジョーカーであった。

しかし、彼だけは違った。ジョーカーの"最終形"を引き出すデザイナーのセッションはいつまでたっても終わらなかったのだ。
執務室の前で終了を待つ3人。ジョーカーのセッション開始から数時間たったのち、執務室の扉がはね明けられる。

デザイナー:この者たちを殺せ!
抜き身の剣を持ったデザイナーは、部下たちにそう命令する。
デザイナー:奴は私に、ゴッサムがどのような街なのか、どのような街になろうとしているのかを示した。奴は……
しかし、デザイナーの口からその続きが語られることはなかった。
ジョーカーが隠し持っていた拳銃で、デザイナーを射殺したからである。
ジョーカー:どうも俺のジョークが奴の気に障ったらしい。
燃え落ちるデザイナーの館を尻目に、そそくさとゴッサムへと帰還する4人。
彼らは、この日の事はなかったこととし、バットマンと知恵比べを繰り返す日常に帰っていくことを決めたのだ。
しかし、キャットウーマンは気が付いていた。
あの部屋の中で、ジョーカーは確かに変わったことを
その眼の中で、彼の"最終形"が確かに生まれたことを……

******************************
というわけで、遂に完結したトム・キングによるバットマン・サーガの後を受けて伝統ある『バットマン』誌のライターに就任したのは、ジェイムス・タイニン4世。
最近で言えば、DCリバース期の『ディテクティブコミックス』や、『ジャスティスリーグ・ダーク』などを担当しており、今回のバットマン誌の起用は名実ともに彼がDCのトップライターであることをDC社が宣言したといっても過言ではないでしょう。
またバットマン誌の前担当であるトム・キングや、その前の担当であるスコット・スナイダーと比べると非常にエンタメ志向の強いライターであるため、そういう意味でも先が楽しみであります。
今回、紹介した内容で管理人が気に入っているのは、「バットマンがゴッサムでデビューした当初、バットマンもヴィラン達も、実際のコミック同様に牧歌的な戦いを繰り広げていた」という設定。
実際の出版史とユニバースの歴史を重ねる面白い設定だと思います。
そういう意味で言えば、今回の4人のヴィランの人選にも納得がいきますよね、つまりはこれです。

【宣伝】
今回紹介した作品の単行本はこちら。
続いてマーベルのクロスオーバー『モンスターズ・アンリーシュド』が邦題『マーベル怪獣大進撃』として翻訳決定。
ヒーローたちが登場する以前のマーベル社の顔であった怪獣たちが、日系人の少年"キッド・カイジュウ"を筆頭とするヒーローたちと共に宇宙怪獣に立ち向かう痛快娯楽作です。
日本人漫画家によるマーベル公式コミック『スパイダーマン/偽りの赤』は既に発売済み。映画ではなくコミック版をベースとした、様々なヴィランが登場する物語で、アメコミ読者の評判も上々ですので、気になる方は是非。
また1200人以上のキャラクターを紹介する事典『マーベル・エンサイクロペディア』は発売が8月に延期。
10年前に発売した『マーベル・キャラクター大事典』は、速攻で売り切れてプレミア本になってしまったので、買い逃した方は是非。
この手の事典系の書籍は、翻訳がツボを外した微妙なものになることも多いのですが、本作はアメコミ翻訳の一線で活躍する翻訳者が集結しているので、そういう意味でも安心して手を出せるタイトルですね。
続いてDCからは『スーパーマン:イヤーワン』が翻訳決定。『バットマン:イヤーワン』のフランク・ミラーと巨匠ジョン・ロミータJr.によるダークナイト・リターンズ世界におけるスーパーマンのオリジンです。
『ハーレイ・クイン:ブレイキング・ガラス』は、若者向けレーベルから発売された"学園パロディ版ゴッサム"ともいえる作品。
『バットマン/ミュータント タートルズ 2』は今回紹介したジェイムス・タイニン4世による企業間クロスオーバー。非常に評価の高い作品で、本国では既に3度目のクロスオーバーが刊行済み
そして最後は、翻訳コミックに新規参入したワイズ・パブリッシングさんの参入第一弾『ソニック・ザ・ヘッジホッグ①フォールアウト!』。その名の通り、ゲーム、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』のコミックとなります。
管理人は門外漢なので詳しくないのですが、ソニックのアメコミは米国では非常に人気があり、既にゲームを離れコミック独自のユニバースを形成していると聞いているので、そんな作品が遂に日本に上陸するのは非常に喜ばしいところです。
(作:ジェイムス・タイニン4世、画:トニー・S・ダニエル他)
【家族の死】
バットマンの心身の粉砕と屈服を目論んだベインとトーマス・ウェインによるゴッサム侵攻を退けたバットマンたち。
しかしその代償は余りにも大きかった。バットファミリーによるゴッサム奪回作戦の邪魔になることを恐れたアルフレッド・ペニーワースは、自らの命をベインに捧げたのだ。

父親同然の存在であるアルフレッドの死に打ちひしがれたバットマン。しかし、彼はその悲劇を振り払うかのように、資産家ブルース・ウェインとして、また闇の騎士バットマンとして、ゴッサムシティの再建に没頭していく。
そんなある日、「世界最高の職業暗殺者たちが何者かによって雇われ、ゴッサム入りした」という情報が、裏社会に流れる。

チェシャ、マーリン、ガンスミス、Mr.ティース、一人また一人と雇い主が指定した酒場に現れるDC世界最高の暗殺者たち。
そして最後に現れたのは、当然"世界最高の傭兵"であった…

【ヴィランたちの動揺】
5人の暗殺者の噂を聞き、その身柄の確保のために動き出したバットマン。
しかし動き出しのたのは彼だけではなかった。

ペンギン、リドラー、キャットウーマン。
バットマンの最古参の敵である彼らもまた、それぞれ独自の動きを見せ始める。
そう、彼らは知っていたのである、「5人の暗殺者の到来」は、彼らが忘れようとしていた過去の亡霊の復活を意味することを…
ヴィラン達があわただしい動きを見せる中、バットマンの内縁の妻となったキャットウーマンは、バットマンに彼女たちの"完全犯罪計画"を告白する。
【デザイナー登場】
キャットウーマンの告白は、バットマンが活動を始めて間もないころの時代に遡る。

それは物事が今よりもずっとシンプルで大らかな時代であった。颯爽とゴッサムに現れたバットマンとその相棒である"驚異の少年"ロビンはゴッサムの屋上を駆けまわり、彼らとの知恵比べを楽しむかのように、カラフルなコスチュームに身を包んだ悪人たちは、より大仰でより奇妙な犯罪の準備にいそしむ。
そんなある日、ゴッサムを代表する4人のヴィランに招待状が届く。
差出人の名として書かれているのは、"D"の飾り文字。その頭文字は、ヴィラン達に犯罪界に伝わるある都市伝説を思い起こさせるのであった。

ジョーカー:はてなマークの杖の男と一緒なんて笑えるぜ。
キャットウーマン:ジョーカーも呼ばれたなんて心外だわ。TV局の事件の時なんて、本当に犠牲者がでたのよ?
軽口へと交わし、招待状の示す館へと向かうヴィラン達。
そして、館のドアをあけ、一人の男が彼らを出迎える。

デザイナー:ようこそ。私が今宵の晩餐の招待者、デザイナーと呼んでくれたまえ。
彼の名はデザイナー。
「そんなわけでデザイナーはまんまと犯罪をやり遂げたってわけさ」、「そのブツなら20年前にデザイナーが盗んで、今あるのは贋物だぜ」…
ゴッサムの犯罪者たちの間で交わされる法螺話にしか登場しない、伝説の犯罪プランナーである。
ジョーカー:はっ!
ペンギン:少しは敬意を見せんか、ジョーカー。我々はいま、生ける伝説を目の当たりにしてるだぞ。
その名を聞いてせせら笑うジョーカーをいさめるペンギン。

デザイナー:"犯罪界の道化王子"。君の名声はいささか独り歩きが過ぎるようだ。
ジョーカー:勝手に独り歩きするから名声っていうのさ。お前さんの名声だって、まだその裏付けを見せてもらってないんだぜ?
ジョーカーの愚弄を悠然と交わし、4人の若きヴィランを晩餐の席に座らせたデザイナーは、自身の過去の物語と4人を呼び寄せた目的を語りだす。
【デザイナーの過去】
彼がまだデザイナーと呼ばれる前の時代、既に凄腕の犯罪者として知られていた彼には1人の宿敵がいた。
その宿敵とは、バットマンが登場するずっと前に"世界最高の探偵"と呼ばれた男。

犯罪者と探偵との戦いはまるで永遠のいたちごっこのようであった。
敗北の度により周到を計画立てる犯罪者と、そのたびに一歩先をいく捜査術で犯罪者を捕まえる探偵。
再戦を重ねるたびにその複雑さを増していく彼らの戦いはしかし、いずれも犯罪者の敗北で終わった。
ある日、犯罪者は自分の過ちに気が付く。
このまま、少しずつ自分の計画に改良を加えていっても、更なる敗北を重ねるだけだと。
彼が探偵に勝つためには、「このまま探偵との戦いを20年間続けた末にたどり着くであろう自分の最終形」に、一足飛びでならなければいけないのだ。
かくして自分の犯罪計画を練り直すために自室に引き籠った犯罪者。
一年後、その部屋から出てきたのは今までの彼ではなかった。犯罪者は彼自身の最終形、"デザイナー"となったのだ。
自身の究極の犯罪計画をもって探偵との再戦に臨むデザイナーだが、既に探偵は彼の敵ではなかった。
一度は"世界最高の探偵"として称えられた男は、歴史の影でその生涯を閉じたのであった。
【究極の犯罪計画】
自身の過去を4人のヴィランに語り終えたデザイナーは、本題、つまりは彼が4人を招待した目的を明かす。
バットマンが登場したゴッサムで日夜バットマンとの知恵比べを続ける4人に、かつての自分の姿をみたデザイナーは、彼らを"最終形"へと引き上げるための協力を申し出たのだ。
バットマンを打倒し彼らの最終目的を達成するための"究極の犯罪計画"を授けるため、4人それぞれと順番に面談を始めたデザイナー。
面談相手として最初に選ばれたのはキャットウーマンであった。
デザイナーの執務室の中で、じっくりと語り合う2人。

その中でデザイナーは、気に入った美術品を狙う盗人であるキャットウーマンに、より大きなスケールで物事を考えることの必要性を説き、彼女が最終的に狙うべき獲物を定義し、それを盗み出すための計画を作り出す。
面談を終え執務室から出てきたキャットウーマンは、新たな獲物と新たな計画のことで頭がいっぱいであった。
彼女の後に続いたリドラーとペンギンも、同様であった。
いずれもデザイナーとの対話で、自分が心の奥底で臨んでいた自分の"最終形"を見出したのだ。
最後に、デザイナーの執務室に招かれたのはジョーカーであった。

しかし、彼だけは違った。ジョーカーの"最終形"を引き出すデザイナーのセッションはいつまでたっても終わらなかったのだ。
執務室の前で終了を待つ3人。ジョーカーのセッション開始から数時間たったのち、執務室の扉がはね明けられる。

デザイナー:この者たちを殺せ!
抜き身の剣を持ったデザイナーは、部下たちにそう命令する。
デザイナー:奴は私に、ゴッサムがどのような街なのか、どのような街になろうとしているのかを示した。奴は……
しかし、デザイナーの口からその続きが語られることはなかった。
ジョーカーが隠し持っていた拳銃で、デザイナーを射殺したからである。
ジョーカー:どうも俺のジョークが奴の気に障ったらしい。
燃え落ちるデザイナーの館を尻目に、そそくさとゴッサムへと帰還する4人。
彼らは、この日の事はなかったこととし、バットマンと知恵比べを繰り返す日常に帰っていくことを決めたのだ。
しかし、キャットウーマンは気が付いていた。
あの部屋の中で、ジョーカーは確かに変わったことを
その眼の中で、彼の"最終形"が確かに生まれたことを……

******************************
というわけで、遂に完結したトム・キングによるバットマン・サーガの後を受けて伝統ある『バットマン』誌のライターに就任したのは、ジェイムス・タイニン4世。
最近で言えば、DCリバース期の『ディテクティブコミックス』や、『ジャスティスリーグ・ダーク』などを担当しており、今回のバットマン誌の起用は名実ともに彼がDCのトップライターであることをDC社が宣言したといっても過言ではないでしょう。
またバットマン誌の前担当であるトム・キングや、その前の担当であるスコット・スナイダーと比べると非常にエンタメ志向の強いライターであるため、そういう意味でも先が楽しみであります。
今回、紹介した内容で管理人が気に入っているのは、「バットマンがゴッサムでデビューした当初、バットマンもヴィラン達も、実際のコミック同様に牧歌的な戦いを繰り広げていた」という設定。
実際の出版史とユニバースの歴史を重ねる面白い設定だと思います。
そういう意味で言えば、今回の4人のヴィランの人選にも納得がいきますよね、つまりはこれです。

【宣伝】
今回紹介した作品の単行本はこちら。
続いてマーベルのクロスオーバー『モンスターズ・アンリーシュド』が邦題『マーベル怪獣大進撃』として翻訳決定。
ヒーローたちが登場する以前のマーベル社の顔であった怪獣たちが、日系人の少年"キッド・カイジュウ"を筆頭とするヒーローたちと共に宇宙怪獣に立ち向かう痛快娯楽作です。
日本人漫画家によるマーベル公式コミック『スパイダーマン/偽りの赤』は既に発売済み。映画ではなくコミック版をベースとした、様々なヴィランが登場する物語で、アメコミ読者の評判も上々ですので、気になる方は是非。
また1200人以上のキャラクターを紹介する事典『マーベル・エンサイクロペディア』は発売が8月に延期。
10年前に発売した『マーベル・キャラクター大事典』は、速攻で売り切れてプレミア本になってしまったので、買い逃した方は是非。
この手の事典系の書籍は、翻訳がツボを外した微妙なものになることも多いのですが、本作はアメコミ翻訳の一線で活躍する翻訳者が集結しているので、そういう意味でも安心して手を出せるタイトルですね。
続いてDCからは『スーパーマン:イヤーワン』が翻訳決定。『バットマン:イヤーワン』のフランク・ミラーと巨匠ジョン・ロミータJr.によるダークナイト・リターンズ世界におけるスーパーマンのオリジンです。
『ハーレイ・クイン:ブレイキング・ガラス』は、若者向けレーベルから発売された"学園パロディ版ゴッサム"ともいえる作品。
『バットマン/ミュータント タートルズ 2』は今回紹介したジェイムス・タイニン4世による企業間クロスオーバー。非常に評価の高い作品で、本国では既に3度目のクロスオーバーが刊行済み
そして最後は、翻訳コミックに新規参入したワイズ・パブリッシングさんの参入第一弾『ソニック・ザ・ヘッジホッグ①フォールアウト!』。その名の通り、ゲーム、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』のコミックとなります。
管理人は門外漢なので詳しくないのですが、ソニックのアメコミは米国では非常に人気があり、既にゲームを離れコミック独自のユニバースを形成していると聞いているので、そんな作品が遂に日本に上陸するのは非常に喜ばしいところです。
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