ホークアイ:フリーフォール #1-4
ホークアイ:フリーフォール #1-4
(作:マシュー・ローゼンバーグ、画:オットー・シュミット)
【フードvsホークアイ】
ホークアイ:人が馬鹿げたことをするのには、いろんな理由がある。
悪いツレに誘われた奴、やけっぱちの奴、スリルを求めてるだけの奴、そしてそれしか生き方を知らない奴…
おっと、最後の"奴"とは俺の事だった。

ニューヨークのうらびれた倉庫で行われた麻薬売買の現場に、何の変装もせずに飄々と現れたホークアイ。
彼が狙うターゲットはただ1人。ニューヨークの裏社会で裸一貫から暗黒街の顔役にのし上がった男、フードである。
チンピラ時代に手に入れた悪魔の頭巾によって世界最強クラスの魔力を持ちながらも、その力を「裏社会での勢力拡大」というひたすら世俗的な目的のために使うフード。
単身で立ち向かうにはいささか強大過ぎるこの男を相手に大立ち回りを演じたホークアイは、見事フードとその部下たちを逮捕することに成功する。
しかし、よかったのはそこまでであった。
政財界への太いパイプを持ち、腕利きの弁護士を雇う資産を持つフードは、裁判であっさりと無罪となる。

結局、ホークアイのしたことは、フードのような犯罪者の下で働くしか生きる術を持たない食い詰め者を、更なるどん底へと送り込んだだけであったのだ。
自分の無力さを噛みしめるホークアイ。
そしてその翌日、フードの組織を標的にした過激なヴィジランテがニューヨークに現れる。
その名はローニン…

【ローニン追跡】
フードの裏金を運ぶ現金輸送車がローニンによって襲われた翌日。
ニューヨークの高級カフェで優雅な朝食を楽しんでいるホークアイの前に2人の男が現れる。
バッキーとファルコンだ。

ファルコン:$20のオムレツだって?
ホークアイ:ブルックリンの高級住宅地化には、俺も頭を痛めているとこだよ。
で、何の用かね?
急に羽振りがよくなったホークアイを訝しみつつも、要件を切り出すバッキーとファルコン。
2人がホークアイを訪ねた理由は、もちろんローニンであった。
2人は、かつてホークアイが名乗っていた名前を使い、現在ホークアイが住むブルックリンを中心に活動するローニンの正体が、他でもないホークアイその人ではないかと疑っているのである。
自分にかかった嫌疑を晴らすために、バッキー&ファルコンと共に、ローニンの追跡を行うこととなったホークアイ。
そんなある夜、張り込みを続ける3人の前に、ローニンが現れる。

ローニンを捕まえようと襲い掛かる3人。
ホークアイ:人のコスチュームを盗みやがって、後でじっくりと話を聞かせてもらうぜ。
バッキー:クリント!俺の射線をふさぐな!
急造チームゆえの連携の悪さをつくように、3人を手玉に取るローニン。
ローニンを取り逃した後、クリントはバッキーにつぶやく。

ホークアイ:…な?俺がローニンじゃなかったろ
【ローニンの正体】
ローニンとの初対決以降も、ホークアイの前には様々なヒーローがやってくる。
スパイダーマン、

トニー・スターク、

ブラックウィドウ、

ルーク・ケイジ…

言い方は違えど、彼らがホークアイにかける言葉はみな一緒。
「ホークアイこそローニンの正体に違いない。なぜ彼がそんな馬鹿げたマネをするか?それはホークアイが馬鹿げた男だからである。」
しかし、そのたびに絶妙なタイミングでローニンが現れホークアイのアリバイは証明される。
そしてそんなある日、フードのアジトの1つに侵入したローニンは、フードの下でハッカーとして働く1人の少年に刀を突きつける。

ローニン:パスワードを教えろ。さもなくば…殺ス。
少年:えぇっと殺すわけないよね?
ローニン:何故ダ?
少年:だってお前ホークアイだろ?
ローニン:違ウ…
少年:声色でごまかしてもだめ。これを見てみな。
これがお前のパンチの映像。こちらは1年前のホークアイの映像。
ほらそっくりだ。
同じ背丈、同じスピード、同じ動き。
ってことはお前はホークアイってことだ?
ホークアイ:くそったれ…

【ホークアイの秘密】
ローニンの正体は勿論ホークアイであった。
フードと対決するための隠れ蓑として、ホークアイが過去のコスチュームを引っ張り出したのである。

政府から盗み出したカーンの携帯式タイムマシーン、シールドの倉庫から盗み出したポンコツLMD…
あらゆる手段をつかってヒーロー達から向けられる疑惑のまなざしをかわそうとするホークアイは、やがて抜き差しならぬ事態へと追い込まれていく。
デアデビルによって編成されたローニン追撃隊のメンバーに、なし崩し的に加わることとなったホークアイ。

彼はアリバイ作りのために、地球で大道芸人として暮らすスクラル人を無理やり仲間に引き込み、アリバイ工作を図る。
しかし、頼りのスクラル人は約束の場に遅刻。
さらには、命令を聞き間違えたポンコツLMDが現場に現れ、計画は一気に破綻を迎える。

計画を諦めいつも通り行き当たりばったり(ホークアイ曰く"即興")でこの場を切り抜けることを決めたホークアイ。
彼はすかさず、ローニンのコスチュームで自分の顔をさらし続けるLMDを破壊。

スクラル:マジか!殺しやがった!
ホークアイ:こいつはロボットだ。
スクラル:お前にはロボットの友人だっているだろ?
ホークアイ:…こいつは友達じゃない。こいつを海に沈めたら、コスチュームを交換するぞ。お前がホークアイの振りをしろ。
スクラル:それでお前のお友達の中に紛れ込めって?無理に決まってるだろ!
ホークアイ:じゃあ、お前がローニンになって、世界最高の格闘家4人と戦うか?
いいか、とにかくクールでいろ。それが俺に成りすますコツだ。
スクラル:お前はちっともクールじゃないだろ。
ホークアイ:…奴らはまだそれに気が付いてない。
かくして泥船で激流を渡るような計画を進めることとなったホークアイとスクラル。
しかし、その様子をすべて見ていた男がいた。スパイダーマンである。
ホークアイ扮するローニンと一戦交えたスパイダーマンは、密かにローニンを尾行し、彼の正体がホークアイであることを突き止めていたのだ。

スパイダーマン:いったいぜんたい、何を考えてこんなことをやってるんだい?
ホークアイ:これは……極秘任務なんだ。俺と……そう、俺とキャプテン・アメリカの。
咄嗟にキャップの名前を持ち出し言い訳するホークアイ。
スパイダーマン:そんな言い訳、信じるとでも?キャップがこんなことをさせる訳ない。盗んだ金はどうした?
ホークアイ:それも言えない。信じてくれ。俺と…キャップを。
それでも信じようとしないスパイダーマンを前に、ホークアイは最後の、そして最低の切り札を切る。
ホークアイ:お願いだ。今日だけは信じてくれ。キャプテン・アメリカをじゃない、お前の友人である俺のことを…
ホークアイが戻ることが出来ない一線を越えたその時、彼の振りをしてパトロールに戻ったスクラル人も別の男に遭遇していた。
その男とは…

**********************
というわけで、今回は新進気鋭のライター、マシュー・ローゼンバーグによるミニシリーズ『ホークアイ:フリーフォール』の紹介でした。
「ローニンのコスチュームでフードに嫌がらせをする」という軽いノリで始めたジョークのような作戦を進めるうちに、いつしか後戻りできない地点へと追い込まれてしまったホークアイ。
嘘で嘘を塗り固めていった先で彼を待つのは、タイトル通りの"フリーフォール"なのか?
ヒーローたちが次々現れてはホークアイと軽妙な掛け合いを行う展開も面白いし、オットー・シュミットによるアートも最高。
単行本1巻で終わるコンパクトなミニシリーズなので、何かの間違いで翻訳されないかな。
【宣伝】
今回紹介した作品はこちら。(1つ目が単行本、2つ目が該当号の電子書籍となります)
最近の翻訳はこちら。
マーベルからは日系人ヒーローキッド怪獣くんが登場するイベント『Monsters Unleased』が『マーベル怪獣大進撃』として翻訳決定。
また同じくマーベルの大型イベントとしては、アイアンマンとキャプテン・マーベルを筆頭としてヒーロコミュニティが2分する戦いを描いた『シビルウォー2』も翻訳決定。
DC作品では、ワンダーウーマンとバットマンの対決を描く『ワンダーウーマン:ヒケテイア』が発売。こちらは管理人は未読なのですが、ライターを務めるグレッグ・ルッカは『バットウーマン:エレジー』や『ワンダーウーマン:イヤーワン』などを手掛けた超実力派。
同作者の大ファンの管理人としてはマストバイですね。
(作:マシュー・ローゼンバーグ、画:オットー・シュミット)
【フードvsホークアイ】
ホークアイ:人が馬鹿げたことをするのには、いろんな理由がある。
悪いツレに誘われた奴、やけっぱちの奴、スリルを求めてるだけの奴、そしてそれしか生き方を知らない奴…
おっと、最後の"奴"とは俺の事だった。

ニューヨークのうらびれた倉庫で行われた麻薬売買の現場に、何の変装もせずに飄々と現れたホークアイ。
彼が狙うターゲットはただ1人。ニューヨークの裏社会で裸一貫から暗黒街の顔役にのし上がった男、フードである。
チンピラ時代に手に入れた悪魔の頭巾によって世界最強クラスの魔力を持ちながらも、その力を「裏社会での勢力拡大」というひたすら世俗的な目的のために使うフード。
単身で立ち向かうにはいささか強大過ぎるこの男を相手に大立ち回りを演じたホークアイは、見事フードとその部下たちを逮捕することに成功する。
しかし、よかったのはそこまでであった。
政財界への太いパイプを持ち、腕利きの弁護士を雇う資産を持つフードは、裁判であっさりと無罪となる。

結局、ホークアイのしたことは、フードのような犯罪者の下で働くしか生きる術を持たない食い詰め者を、更なるどん底へと送り込んだだけであったのだ。
自分の無力さを噛みしめるホークアイ。
そしてその翌日、フードの組織を標的にした過激なヴィジランテがニューヨークに現れる。
その名はローニン…

【ローニン追跡】
フードの裏金を運ぶ現金輸送車がローニンによって襲われた翌日。
ニューヨークの高級カフェで優雅な朝食を楽しんでいるホークアイの前に2人の男が現れる。
バッキーとファルコンだ。

ファルコン:$20のオムレツだって?
ホークアイ:ブルックリンの高級住宅地化には、俺も頭を痛めているとこだよ。
で、何の用かね?
急に羽振りがよくなったホークアイを訝しみつつも、要件を切り出すバッキーとファルコン。
2人がホークアイを訪ねた理由は、もちろんローニンであった。
2人は、かつてホークアイが名乗っていた名前を使い、現在ホークアイが住むブルックリンを中心に活動するローニンの正体が、他でもないホークアイその人ではないかと疑っているのである。
自分にかかった嫌疑を晴らすために、バッキー&ファルコンと共に、ローニンの追跡を行うこととなったホークアイ。
そんなある夜、張り込みを続ける3人の前に、ローニンが現れる。

ローニンを捕まえようと襲い掛かる3人。
ホークアイ:人のコスチュームを盗みやがって、後でじっくりと話を聞かせてもらうぜ。
バッキー:クリント!俺の射線をふさぐな!
急造チームゆえの連携の悪さをつくように、3人を手玉に取るローニン。
ローニンを取り逃した後、クリントはバッキーにつぶやく。

ホークアイ:…な?俺がローニンじゃなかったろ
【ローニンの正体】
ローニンとの初対決以降も、ホークアイの前には様々なヒーローがやってくる。
スパイダーマン、

トニー・スターク、

ブラックウィドウ、

ルーク・ケイジ…

言い方は違えど、彼らがホークアイにかける言葉はみな一緒。
「ホークアイこそローニンの正体に違いない。なぜ彼がそんな馬鹿げたマネをするか?それはホークアイが馬鹿げた男だからである。」
しかし、そのたびに絶妙なタイミングでローニンが現れホークアイのアリバイは証明される。
そしてそんなある日、フードのアジトの1つに侵入したローニンは、フードの下でハッカーとして働く1人の少年に刀を突きつける。

ローニン:パスワードを教えろ。さもなくば…殺ス。
少年:えぇっと殺すわけないよね?
ローニン:何故ダ?
少年:だってお前ホークアイだろ?
ローニン:違ウ…
少年:声色でごまかしてもだめ。これを見てみな。
これがお前のパンチの映像。こちらは1年前のホークアイの映像。
ほらそっくりだ。
同じ背丈、同じスピード、同じ動き。
ってことはお前はホークアイってことだ?
ホークアイ:くそったれ…

【ホークアイの秘密】
ローニンの正体は勿論ホークアイであった。
フードと対決するための隠れ蓑として、ホークアイが過去のコスチュームを引っ張り出したのである。

政府から盗み出したカーンの携帯式タイムマシーン、シールドの倉庫から盗み出したポンコツLMD…
あらゆる手段をつかってヒーロー達から向けられる疑惑のまなざしをかわそうとするホークアイは、やがて抜き差しならぬ事態へと追い込まれていく。
デアデビルによって編成されたローニン追撃隊のメンバーに、なし崩し的に加わることとなったホークアイ。

彼はアリバイ作りのために、地球で大道芸人として暮らすスクラル人を無理やり仲間に引き込み、アリバイ工作を図る。
しかし、頼りのスクラル人は約束の場に遅刻。
さらには、命令を聞き間違えたポンコツLMDが現場に現れ、計画は一気に破綻を迎える。

計画を諦めいつも通り行き当たりばったり(ホークアイ曰く"即興")でこの場を切り抜けることを決めたホークアイ。
彼はすかさず、ローニンのコスチュームで自分の顔をさらし続けるLMDを破壊。

スクラル:マジか!殺しやがった!
ホークアイ:こいつはロボットだ。
スクラル:お前にはロボットの友人だっているだろ?
ホークアイ:…こいつは友達じゃない。こいつを海に沈めたら、コスチュームを交換するぞ。お前がホークアイの振りをしろ。
スクラル:それでお前のお友達の中に紛れ込めって?無理に決まってるだろ!
ホークアイ:じゃあ、お前がローニンになって、世界最高の格闘家4人と戦うか?
いいか、とにかくクールでいろ。それが俺に成りすますコツだ。
スクラル:お前はちっともクールじゃないだろ。
ホークアイ:…奴らはまだそれに気が付いてない。
かくして泥船で激流を渡るような計画を進めることとなったホークアイとスクラル。
しかし、その様子をすべて見ていた男がいた。スパイダーマンである。
ホークアイ扮するローニンと一戦交えたスパイダーマンは、密かにローニンを尾行し、彼の正体がホークアイであることを突き止めていたのだ。

スパイダーマン:いったいぜんたい、何を考えてこんなことをやってるんだい?
ホークアイ:これは……極秘任務なんだ。俺と……そう、俺とキャプテン・アメリカの。
咄嗟にキャップの名前を持ち出し言い訳するホークアイ。
スパイダーマン:そんな言い訳、信じるとでも?キャップがこんなことをさせる訳ない。盗んだ金はどうした?
ホークアイ:それも言えない。信じてくれ。俺と…キャップを。
それでも信じようとしないスパイダーマンを前に、ホークアイは最後の、そして最低の切り札を切る。
ホークアイ:お願いだ。今日だけは信じてくれ。キャプテン・アメリカをじゃない、お前の友人である俺のことを…
ホークアイが戻ることが出来ない一線を越えたその時、彼の振りをしてパトロールに戻ったスクラル人も別の男に遭遇していた。
その男とは…

**********************
というわけで、今回は新進気鋭のライター、マシュー・ローゼンバーグによるミニシリーズ『ホークアイ:フリーフォール』の紹介でした。
「ローニンのコスチュームでフードに嫌がらせをする」という軽いノリで始めたジョークのような作戦を進めるうちに、いつしか後戻りできない地点へと追い込まれてしまったホークアイ。
嘘で嘘を塗り固めていった先で彼を待つのは、タイトル通りの"フリーフォール"なのか?
ヒーローたちが次々現れてはホークアイと軽妙な掛け合いを行う展開も面白いし、オットー・シュミットによるアートも最高。
単行本1巻で終わるコンパクトなミニシリーズなので、何かの間違いで翻訳されないかな。
【宣伝】
今回紹介した作品はこちら。(1つ目が単行本、2つ目が該当号の電子書籍となります)
最近の翻訳はこちら。
マーベルからは日系人ヒーローキッド怪獣くんが登場するイベント『Monsters Unleased』が『マーベル怪獣大進撃』として翻訳決定。
また同じくマーベルの大型イベントとしては、アイアンマンとキャプテン・マーベルを筆頭としてヒーロコミュニティが2分する戦いを描いた『シビルウォー2』も翻訳決定。
DC作品では、ワンダーウーマンとバットマンの対決を描く『ワンダーウーマン:ヒケテイア』が発売。こちらは管理人は未読なのですが、ライターを務めるグレッグ・ルッカは『バットウーマン:エレジー』や『ワンダーウーマン:イヤーワン』などを手掛けた超実力派。
同作者の大ファンの管理人としてはマストバイですね。
スポンサーサイト