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トニー・スターク:アイアンマン #1-15

トニー・スターク:アイアンマン #1-15
(作:ダン・スロット、画:アレクサンダー・ロザーノ他)

今回はトニー・スターク:アイアンマン誌を登場人物を軸に紹介。

【登場人物】
[トニー・スターク]
シビルウォーⅡで昏睡状態に陥って長らく表舞台から退場していた彼ですが、
その後、自ら開発したクローン技術で培養した肉体に、人格AIのバックアップをアップロードすることで復活。

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現在はスターク・エンタープライズの開発部門の運営に重点を置いており、世界中から人種、性別、種族に捕らわれず集められた天才たちと共に、自身の思い描くままに未来世界を形作っていくフューチャリストとしての才能をいかんなく発揮中。

そんなトニーの現在の一番の関心事項が仮想空間『eScape』。
最新のVR技術を駆使した総合アミューズメントサービスであるeScapeは、利用者にSF世界、ファンタジー世界、第二次世界大戦時代、レトロゲーム世界などであらゆる世界での冒険を現実の体験のように提供する、まさに夢のゲーム環境なのだ。

[アマンダ・アームストロング]
トニー・スタークの遺伝子上の母。元SHIELDのエージェントにして往年のカリスマロックシンガーで、現在でも彼女を崇拝しているファンは多い模様。
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彼女がトニーを養子に出し連絡を絶った理由は前シリーズで語られたらしく、詳細は管理人も分からないのですが、トニーに向ける愛情は本物。
今はトニーとの関係も復活し、家族として頻繁にスターク社に出入りしている模様。

[ローディ]
『シビルウォーⅡ』にてサノスと戦い死亡したローディだが、トニーと同様の手法でクローン体で復活。

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しかし、自身の死という究極のトラウマが原因でアーマー恐怖症に苦しんでおり、
現在はアーマーではなく、ホバータンクを使いスターク社の保安担当として活動中。

[ジョカスタ]
ウルトロンに自身の同胞として造られたアンドロイドで現在はスターク社の社員。
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「AIは人間と同様の人権を持つ存在」という信念のもと、AIの地位向上に努めており、スターク社に出社する際に、以前のような全裸ではなくスーツを着込んでいるのもその表れ。
人間ならば眠るはずの時間にベッドの中から仮想空間にログインし、人間としての生活を体験するのが密かな楽しみ。

[マシンマン]
マーベルが誇るロボット系ヒーローの重鎮。
(ちなみに初登場は『2001年宇宙の旅』のコミカライズ!)
ジョカスタの元恋人。
ジョカスタ同様、AIの人権向上に強い良い関心を寄せているが、彼女に比べるとその態度はやや過激で急進的。

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マシンマン:トニー・スタークがロボットのような恰好をしてヒーロー活動するのは、アンドロイドの文化の盗用だ!
トニー:あれはロボットじゃなくてアーマーで、アーマーの起源はロボットよりも古いんですぅ~


【eScapeの暴走】
フィンファンフーンの襲来や、マッチングアプリの暴走など、様々な問題を乗り越えてついに迎えた、究極の娯楽仮想現実eScapeの正式リリースの日。
しかし、またしてトラブルが勃発。
ログインしたユーザに仮想現実を提供するはずのeScapeが、拡張現実を提供。
周囲の人間を、FPSの敵兵やRPGのモンスターと勘違いしたユーザが、現実世界の人間を襲い始めたのだ。

eScape内に潜む黒幕を見つけるために、eScape内最強の権限を持つ自らのアカウントでログインしたトニー・スターク。
しかし、敵の正体は、トニーが義理の母マリア・スタークの人格を模して作ったeScapeの管理システム、通称"マザーボード"そのものであったのだ。

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eScapeの神ともいえるマザーボードによって人格を書き換えられ、マリア・スタークとハワード・スタークの理想の息子へと変貌させられたトニー。
その姿は、かつての傲慢で享楽的なトニーの姿そのものであった。

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(60年代のアニメのテーマソングと共に登場するトニー。その60年代のノリに合せるかのように、現在のトニーなら絶対にしない行為である、飲酒もしてしまう)


それでもなおマザーボードに抵抗し、現実世界へと帰ろうとするトニーに、マザーボードは諭す。
死からよみがえるために、肉体をクローン培養し、そこに人格プログラムをアップロードしたトニーの中には、もはやオリジナルのトニー・スタークは存在しない。
今の彼の存在は、人間よりももはやAIで稼働するアンドロイドに近しい存在であるのだと。

しかし、トニーはその一言に全く動じず、自らの母親の人格を持ったAIに宣言する。
トニー:私は子供のころから玩具を創りはしたが、それで遊ぶことはなかった。
私は、いつだってアイデアを形にし、現実をより良い姿に創り上げてきた。
自分自身を再構築したのも全く同じこと、アイデアこそが、私なのだ。


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そして宣言通り、eScapeの神である母親を殺すための究極アーマー、"ゴッドバスター"を仮想現実内で設計したトニーは、これをもって両親のAIを破壊し、eScapeに平和を取り戻す。


【その後】
事件はそれで終わりではなかった。
eScapeが原因で世界中で起こった惨事を重く見た米国議会は公聴会を開催し、AIをプログラミングしたトニーにその責任を問うたのだ。
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一方トニーは、今回の一件は暴走したAIが引き起こしたものであり、スターク社は事件の被害者であると主張。
「自立型AIが犯した犯罪の責任は誰にあるのか」を巡る議論は、いつしか「自立型AIに人権はあるのか?」に移っていく。
自立型AIについてなにも理解しようとしない、愚鈍な議会に業を煮やしたトニーは、全世界が見守る中で、自分もまたかつてトニー・スタークであった肉体から写し取った自立型AIのようなものであることを明かしてしまう。

そしてこのトニーの発言をきっかけに、人権をもとめるAIたちの運動が全米に広がっていくのであった…
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************************
というわけで、トニーと仲間たちのコミカルなSFアクションとして始まった本タイトルは、いつの間には人権と差別をめぐる物語に。

そして今回の物語が上手なのは、この"人工知能の人権"というSF定番のテーマの読者の巻き込み方。
タイトルの刊行当初から、マシンマンやジョカスタがトニーたちの些細な言動を咎め、AIを人間と同じように扱うように求めるシーンがありましたが、その様子は"やたらとポリコレを叫ぶ面倒くさい人"のカリカチュアとして、あくまでジョークのように描かれてきました。
そういったジョークで読者と共犯関係を結んだ挙句、「それこそが現実における差別の構図である」と手のひら返しをし、読者に冷や水を浴びせるその手法は見事としか言いようがありません。

そしてひとたび、"人工知能の人権"がジョークのネタではない、現実の人権問題のメタファーであることがわかると、全ての見え方が180度変わります。

スターク社の一員として人間社会になじみ人間同様の生活を送るジョカスタは、まるで"名誉人類"の座を守ろうと必死にロボットとして自分を押し殺そうとしており、"名誉人類"になれない同胞たちを一段下に見ているように感じられますし、
面倒くさいロボット活動家に見えるマシンマンは、その逆で実は機械生命だけでなく、人類にも何だかんだで救いの手を差し伸べることを厭わない融和的な人物に見えてきます。

また、AIを人権を持つ存在とし捉えることは、主人公であるトニー・スタークの行動の意味すら変えてしまいます。
もし、AIが人類であるならば、今回の事件でAIを大量に消去してしまったトニーは大量殺人者ですし、さらには親殺しの大罪すら侵しているのです!

【宣伝】
DCでは、遂に現在のDC世界の中心ともいえるスコット・スナイダーの『ジャスティス・リーグ』誌の翻訳が開始!
しかも、第一巻に当たる『ジャスティス・リーグ:トータリティ』とその続刊となる『ジャスティス・リーグ:グレイブヤード・オブ・ゴッズ』が連続刊行。

またバットマン誌の結婚直前号となる『バットマン:ブライド・オア・バーグラー』も発売決定。前号に引き続き、キャットウーマンとバットマンが結婚する上での"禊ぎ"をこなす話となります。



続いてマーベルからは、現在アニメが絶好調の『マーベル・ライジング』のコミック版が発売。表紙は日本でも大人気のアーティスト、グリヒルです!


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プロフィール

NOB-BON

Author:NOB-BON
X-men生まれSpawn育ちを地でいく、90年代アメコミバブルの残党。
しばらくの間、アメコミは翻訳本を買う程度だったのが、最近のデジタルコミックの手軽さにひかれ、本格的に復活しました。

基本的にMarvelメインですが、DCのリランチを機に自分の中でDCブームが来てるので、しばらくはDCの話題続くかも。
しばらくどころか完全にDC派に転びました。

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