キャプテン・アメリカ #5-9
キャプテン・アメリカ #5-9
(作:タナハシ・コーツ、画:アダム・キューバート)
【キャプテン・ナッシング】
『シークレット・エンパイア』事件で復活し、ヒドラによる支配から米国を救ったスティーブ・ロジャース。
しかしそんな救国の英雄に対して、世間の態度はどこかよそよそしいものがあった。
それもそのはず、ヒドラの首領として米国を踏みにじった男もまたスティーブ・ロジャースと同じ顔をした男、ヒドラキャップであったのだから。

「ヒドラ・キャップとキャプテン・アメリカが別人という公式見解はキャップをかばう為の陰謀」という説すら流れるなか、それでもアメリカの理想の体現者として活動を続けるキャップに、更なる疑惑が降りかかる。
兼ねてからスティーブとの不仲が話題となっていたサンダーボルト・ロス将軍が何者かに殺害され、その容疑者としてスティーブの名が挙がったのだ。
公正な司法プロセスを信じ大人しく当局に出頭したスティーブを待っていたのは、海底に建設された秘密超人収容所、通称ミュルミドンであった…

一方、スティーブが監獄に送られるのと対照的に監獄から解放された人物もいた。S.H.I.E.L.D.長官、アメリカ合衆国軍の最高司令官、アメリカ大統領代行を兼任することで、実質的なアメリカ征服を正当なプロセスでもって成し遂げた男。ヒドラ・キャップその人である。

キャプテン・アメリカがミュルミドンに収監される直前に、ヒドラ・キャップは密かに監獄から解放され、移送されていたのだ…
【ミュルミドンの主】
米国政府によって密かに運営されるミュルミドン収容所の所長、それはスティーブも良く知る人物であった。

その男の名前はバロン・ストラッカー。"本当のヒドラ"のリーダーとしてキャプテン・アメリカと何度も戦った彼は、ヒドラ・キャップ(とレッドスカル)が築いた"偽りのヒドラ"がアメリカに君臨した際にその支配に抵抗した功績を認められ、政府からミュルミドンの管理を任されたのである。
(補足すると、実はマーベルの歴史上、レッドスカルがヒドラのリーダーとなったのは、ヒドラキャップ編が初めてであり、通常はヒドラのリーダーと言えばバロン・ストラッカーであることの方が一般的。)
米国の領地外に位置し、米国の法ではなくストラッカーの法によって支配されるミュルミドンは、まさにこの世の地獄であった。
日常的に虐待される元ヴィランたちの姿を目の当たりにしながらも、裁判の日まで身を低く保つように自分に言い聞かすスティーブ。

しかし、スティーブの持ち前の高潔さは、それを許さなかった。
B級ヴィラン、サンダーボールに与えられる看守たちの苛烈な暴行を見かねたスティーブは、力ずくでそれを阻止。
ところがスティーブの行動に勇気づけられた囚人たちは、彼に続き蜂起し、いつしか大規模な暴動へと発展してしまう。
そして、これこそが"敵"の狙いであった。
彼らはこの暴動の様子を映像に収め、都合よく切り貼りしたうえで、世界中のヴァイラルメディアでこれを公開したのだ。

「キャプテン・アメリカとヒドラ・キャップが同一人物であることを関係者が認めた」というフェイクニュースと共に…
【黒幕の正体】
そのころ、一連の陰謀の全てを仕組んだ黒幕は、祝杯を挙げていた。
彼女の名前はアレクサ・ルーキン。
ウィンターソルジャーを復活させたロシアの大富豪アレクサンダー・ルーキンの妻である。

愛する夫の悲願である"偉大な祖国の復権"を願う彼女は、怪僧ラスプーチンの助けを借りて夫を復活させ、陰謀を巡らせていたのだ。
しかし、彼女すら気が付いていない事実があった。
彼女がアレクサンダー・ルーキンを蘇らせた時、彼の脳内に潜むもう一人の男もまた復活していたのだ…

***************************
というわけで、今回はキャプテン・アメリカ誌の紹介でした。
本誌のライターを務めるのは、タイム100(タイム誌の選ぶ世界で最も影響力のある100人)選出、全米図書賞受賞、ピュリッツァー賞ノミネートなど、華々しい経歴を持つ現代アメリカを代表する著作家であるタナハシ・コーツ。
アメリカの"現在"を鋭く切り取るその筆致は、コミック分野でもいかんなく発揮され……なんていうありがちな紹介を抜きにして、とにかくポリティカルな娯楽活劇として抜群に面白いですね。
キャプテン・アメリカの過去作から読者に人気の要素をさらっとひっぱってくるなど、コミックマニアへの目配せも完璧で、まさに管理人が読みたかったキャプテン・アメリカの物語がそこにあります。
意外にも英語も簡単ですので、興味を持った方は是非!
【宣伝】(使いまわし)
現在、一番管理人が楽しみにしている作品がこちらの『アベンジャーズ:タイム・ランズ・アウト I』。
超大型イベント『シークレットウォーズ』に続く物語として、マーベルのオールスターたちが様々な陣営に分かれて入り乱れる作品で、とにかくいろんなキャラクターの活躍が読みたい方にはぴったりの作品。
そういう意味で、こちらは"DCのオールスターたち"が総登場するのが『ジャスティス・リーグ:ノー・ジャスティス』。
こちらは、現在も毎号がクライマックスかというようなテンションでDCの中心を爆走中のスナイダーのジャスティスリーグ誌につながっていく物語。
また同じくスナイダーの『オールスター・バットマン:ファースト・アライ』は5月に発売予定。
そのタイトルの通りバットマンの"最初の仲間"であるアルフレッドに焦点が当たる話…のはず(管理人未読)。
『X-MEN:ダークフェニックス・サーガ』も5月に発売。X-MENの…というよりはマーベルの歴史を語る上では外せない金字塔的作品。例の"下水道のウルヴァリン"のシーンを読みたいがためだけに買ってしまうかも。
『X-MEN VS. アベンジャーズ』こちらは管理人は名前しか知らないイベントですが、アメコミ翻訳の雄ヴィレッジブックスの新レーベル"プレミア・クラシック"の第一弾ということで期待。
すみません、この作品の出版元はアメコミ翻訳のもう一つの雄、小学館プロダクションの作品でした。
しかも"プレミア・クラシック"は、単に底本のタイトルとのこと。
(BBEGさんご指摘ありがとうございます)
(作:タナハシ・コーツ、画:アダム・キューバート)
【キャプテン・ナッシング】
『シークレット・エンパイア』事件で復活し、ヒドラによる支配から米国を救ったスティーブ・ロジャース。
しかしそんな救国の英雄に対して、世間の態度はどこかよそよそしいものがあった。
それもそのはず、ヒドラの首領として米国を踏みにじった男もまたスティーブ・ロジャースと同じ顔をした男、ヒドラキャップであったのだから。

「ヒドラ・キャップとキャプテン・アメリカが別人という公式見解はキャップをかばう為の陰謀」という説すら流れるなか、それでもアメリカの理想の体現者として活動を続けるキャップに、更なる疑惑が降りかかる。
兼ねてからスティーブとの不仲が話題となっていたサンダーボルト・ロス将軍が何者かに殺害され、その容疑者としてスティーブの名が挙がったのだ。
公正な司法プロセスを信じ大人しく当局に出頭したスティーブを待っていたのは、海底に建設された秘密超人収容所、通称ミュルミドンであった…

一方、スティーブが監獄に送られるのと対照的に監獄から解放された人物もいた。S.H.I.E.L.D.長官、アメリカ合衆国軍の最高司令官、アメリカ大統領代行を兼任することで、実質的なアメリカ征服を正当なプロセスでもって成し遂げた男。ヒドラ・キャップその人である。

キャプテン・アメリカがミュルミドンに収監される直前に、ヒドラ・キャップは密かに監獄から解放され、移送されていたのだ…
【ミュルミドンの主】
米国政府によって密かに運営されるミュルミドン収容所の所長、それはスティーブも良く知る人物であった。

その男の名前はバロン・ストラッカー。"本当のヒドラ"のリーダーとしてキャプテン・アメリカと何度も戦った彼は、ヒドラ・キャップ(とレッドスカル)が築いた"偽りのヒドラ"がアメリカに君臨した際にその支配に抵抗した功績を認められ、政府からミュルミドンの管理を任されたのである。
(補足すると、実はマーベルの歴史上、レッドスカルがヒドラのリーダーとなったのは、ヒドラキャップ編が初めてであり、通常はヒドラのリーダーと言えばバロン・ストラッカーであることの方が一般的。)
米国の領地外に位置し、米国の法ではなくストラッカーの法によって支配されるミュルミドンは、まさにこの世の地獄であった。
日常的に虐待される元ヴィランたちの姿を目の当たりにしながらも、裁判の日まで身を低く保つように自分に言い聞かすスティーブ。

しかし、スティーブの持ち前の高潔さは、それを許さなかった。
B級ヴィラン、サンダーボールに与えられる看守たちの苛烈な暴行を見かねたスティーブは、力ずくでそれを阻止。
ところがスティーブの行動に勇気づけられた囚人たちは、彼に続き蜂起し、いつしか大規模な暴動へと発展してしまう。
そして、これこそが"敵"の狙いであった。
彼らはこの暴動の様子を映像に収め、都合よく切り貼りしたうえで、世界中のヴァイラルメディアでこれを公開したのだ。

「キャプテン・アメリカとヒドラ・キャップが同一人物であることを関係者が認めた」というフェイクニュースと共に…
【黒幕の正体】
そのころ、一連の陰謀の全てを仕組んだ黒幕は、祝杯を挙げていた。
彼女の名前はアレクサ・ルーキン。
ウィンターソルジャーを復活させたロシアの大富豪アレクサンダー・ルーキンの妻である。

愛する夫の悲願である"偉大な祖国の復権"を願う彼女は、怪僧ラスプーチンの助けを借りて夫を復活させ、陰謀を巡らせていたのだ。
しかし、彼女すら気が付いていない事実があった。
彼女がアレクサンダー・ルーキンを蘇らせた時、彼の脳内に潜むもう一人の男もまた復活していたのだ…

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というわけで、今回はキャプテン・アメリカ誌の紹介でした。
本誌のライターを務めるのは、タイム100(タイム誌の選ぶ世界で最も影響力のある100人)選出、全米図書賞受賞、ピュリッツァー賞ノミネートなど、華々しい経歴を持つ現代アメリカを代表する著作家であるタナハシ・コーツ。
アメリカの"現在"を鋭く切り取るその筆致は、コミック分野でもいかんなく発揮され……なんていうありがちな紹介を抜きにして、とにかくポリティカルな娯楽活劇として抜群に面白いですね。
キャプテン・アメリカの過去作から読者に人気の要素をさらっとひっぱってくるなど、コミックマニアへの目配せも完璧で、まさに管理人が読みたかったキャプテン・アメリカの物語がそこにあります。
意外にも英語も簡単ですので、興味を持った方は是非!
【宣伝】(使いまわし)
現在、一番管理人が楽しみにしている作品がこちらの『アベンジャーズ:タイム・ランズ・アウト I』。
超大型イベント『シークレットウォーズ』に続く物語として、マーベルのオールスターたちが様々な陣営に分かれて入り乱れる作品で、とにかくいろんなキャラクターの活躍が読みたい方にはぴったりの作品。
そういう意味で、こちらは"DCのオールスターたち"が総登場するのが『ジャスティス・リーグ:ノー・ジャスティス』。
こちらは、現在も毎号がクライマックスかというようなテンションでDCの中心を爆走中のスナイダーのジャスティスリーグ誌につながっていく物語。
また同じくスナイダーの『オールスター・バットマン:ファースト・アライ』は5月に発売予定。
そのタイトルの通りバットマンの"最初の仲間"であるアルフレッドに焦点が当たる話…のはず(管理人未読)。
『X-MEN:ダークフェニックス・サーガ』も5月に発売。X-MENの…というよりはマーベルの歴史を語る上では外せない金字塔的作品。例の"下水道のウルヴァリン"のシーンを読みたいがためだけに買ってしまうかも。
『X-MEN VS. アベンジャーズ』こちらは管理人は名前しか知らないイベントですが、
すみません、この作品の出版元はアメコミ翻訳のもう一つの雄、小学館プロダクションの作品でした。
しかも"プレミア・クラシック"は、単に底本のタイトルとのこと。
(BBEGさんご指摘ありがとうございます)
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