ジャスティスリーグ#5
ジャスティスリーグ#5
(作:ジェイムス・タイノン4世、画:ダグ・マーンキ)
※(2019/2/25)ライター名をスナイダーから訂正。今のジャスティスリーグ誌は通常はスコット・スナイダーが担当し、
数号に1度挟まれるヴィラン側の物語をタイノン4世が担当する共作形式となっています。
レックス・ルーサーは、生まれて初めて自分が誤っていたことを認めた。
『ジャスティスリーグ:ノージャスティス』事件にて、オメガタイタン――生命を司る4元素の巨人、から地球を救ったルーサーが学んだこと。
それは、4元素の内、地球の生命を支配する元素は"エントロピー(崩壊)"であり、近年彼が行ってきたヒーローとしての活動には何の意味もなかったことだけであった。

自分の貴重な時間と才能を無為な行為に捧げさせた全ての者たちを呪いながら、タイムマシンを完成させ、"最終解答"を得るためにはるか未来へと跳んだルーサー。
そこで彼が見た光景は、彼が予想だにしないものであった。

彼の前に広がったのは、全ての宗教も信念も消え、ただルーサーの思想を奉じる未来世界。
あまりのことに呆然と立ち尽くすルーサーに、彼の到来を予知していた未来世界の住人たちが彼を出迎える。

ルーサー:ここはいったい?
住人:ここはレクソールシティ。俺たちの本拠地だぜ!
ルーサー:これは夢か?なぜこんなことが起こりえる?
住人:俺たちは自分に嘘をつくことをやめたのさ。俺たちの文明は、ずっと「よりよい自分になれる。理想の英雄のようになれる。」と思い続けては、自分たちに失望することを繰り返してきた。
そりゃそうさ。そんなのただのたわ言だからな。
で、そんな失敗を何千年も続けてるうちに、考古学者があるものを見つけたのさ。
お前の記録だ。
俺たちはそこに記されたお前の生きざまに感化され、自分たちの本当の姿を受け入れる事を恐れなくなった。それがどんなに醜いものであったとしてもだ。
そうやってようやく俺たちはスーパーヒーローを気取ることを止めることが出来たのさ。
そうしたら、こうして世界を征することが出来たってわけだ。お前の名の下でな。
それでも、言葉を発することができないルーサーに住人は続ける。
住人:お前の事を、俺たちは"偉大な悲劇"って呼んでるんだぜ、ルーサーさん。
「真実を知りながら、その実現の鍵を鼻先で見過ごした男」ってな?
ルーサー:見過ごした? どういう意味だ?! 私はいったい何を見過ごしている?
住人:それを言っちまうと人類の歴史が変わっちまうからな。
俺らができることはこの印章をみせることだけ。俺たちはこれを"ドゥーム"と呼んでるぜ!

"世界で最も偉大な男"であると認められたいという虚栄心、
ヒーローとしての活動でくすぐられる自尊心、
スーパーマンへの対抗意識…
それまでルーサーを突き動かしていた全ての物は、自分の死後数千年も忘れ去られるちっぽけなものであると知ったルーサーは、現代の社会・文明に対する全ての執着を捨て、"ドゥーム"へといたる道を探ることにまい進する。

やがて、ルーサーは、彼が最も軽蔑する男、田舎町の集会場で壁の染みを見つめながら酒を飲むことを楽しみに生きた彼の父ライオネル・ルーサーこそが、"鼻先にぶら下げられた鍵"であったことを突き止める。

そして、この世界の真の歴史を知ったルーサーは、ドゥーム――英語の原義では"避けられぬ運命"を意味する言葉、を手にするための軍団リージョン・オブ・ドゥームを結成したのだ。
・・・その瞬間、ルーサーを奉じる未来世界は光に包まれる。
歓声を浴びながらその光を迎え入れ、消滅していく人々。

彼らは何がおこったか理解していた。
ルーサーが自分の手で真実の扉を開けることに成功し、人類の歴史を変えたのだと…
****************
というわけで、今回はジャスティスリーグ誌の影の主人公、つまりは現在のDCユニバースの台風の目ともいえるルーサーの紹介でした。
本国ではこのあと様々な展開をへて、2019年の夏の大型イベント『イヤー・オブ・ザ・ヴィラン』へとなだれ込んでいくことが確定しているジャスティスリーグ誌ですが、その中心はあくまでもルーサー。
再び冷酷な悪役としての凄みを取り戻しただけにとどまらない、センチメンタルでエモーショナルな展開が彼を中心に動いていってますので、未読の方は是非!

(『イヤー・オブ・ザ・ヴィラン』のプロモーションアート)
【宣伝】
偶然にも、今回紹介したスコット・スナイダーのジャスティスリーグの物語の導入となるイベント『ジャスティス・リーグ:ノー・ジャスティス』が早くも翻訳決定!
マルチバースの外からの脅威に対して、宇宙から飛来したブレイニアックが、善と悪の垣根を取っ払った4つの特務部隊を組織するという燃える展開です。
またDCでは他にも、バットマン生誕80周年に刊行された記念タイトル『バットマン:イヤー100』の翻訳も決定。アイズナー賞2部門を制覇した名作ということで、未読の管理人も楽しみにしています。
名作『ダークナイトリターンズ』の続編、『バットマン/ダークナイト:マスター・レイス』は先日発売。
アートもストーリーテリングも円熟の域に達したフランク・ミラーの最新作ということで、管理人も早速買いました。解説書もむやみに充実しているのも嬉しいところ。
マーベルでは『ユー・アー・デッドプール』がまさかの翻訳。
自分の選択によって読み進むコマを選んでいく懐かしのゲームブック形式の作品ながら、ライターを務めるのは現在のマーベルを代表するアル・ユーイングという豪華すぎるキワモノです!
映画公開を控えた『キャプテン・マーベル』は、現在の彼女の人気の出発点となったケリー・スー・デコニック期のタイトルが3月に発売。こちらも管理人は購入予定です。
(作:ジェイムス・タイノン4世、画:ダグ・マーンキ)
※(2019/2/25)ライター名をスナイダーから訂正。今のジャスティスリーグ誌は通常はスコット・スナイダーが担当し、
数号に1度挟まれるヴィラン側の物語をタイノン4世が担当する共作形式となっています。
レックス・ルーサーは、生まれて初めて自分が誤っていたことを認めた。
『ジャスティスリーグ:ノージャスティス』事件にて、オメガタイタン――生命を司る4元素の巨人、から地球を救ったルーサーが学んだこと。
それは、4元素の内、地球の生命を支配する元素は"エントロピー(崩壊)"であり、近年彼が行ってきたヒーローとしての活動には何の意味もなかったことだけであった。

自分の貴重な時間と才能を無為な行為に捧げさせた全ての者たちを呪いながら、タイムマシンを完成させ、"最終解答"を得るためにはるか未来へと跳んだルーサー。
そこで彼が見た光景は、彼が予想だにしないものであった。

彼の前に広がったのは、全ての宗教も信念も消え、ただルーサーの思想を奉じる未来世界。
あまりのことに呆然と立ち尽くすルーサーに、彼の到来を予知していた未来世界の住人たちが彼を出迎える。

ルーサー:ここはいったい?
住人:ここはレクソールシティ。俺たちの本拠地だぜ!
ルーサー:これは夢か?なぜこんなことが起こりえる?
住人:俺たちは自分に嘘をつくことをやめたのさ。俺たちの文明は、ずっと「よりよい自分になれる。理想の英雄のようになれる。」と思い続けては、自分たちに失望することを繰り返してきた。
そりゃそうさ。そんなのただのたわ言だからな。
で、そんな失敗を何千年も続けてるうちに、考古学者があるものを見つけたのさ。
お前の記録だ。
俺たちはそこに記されたお前の生きざまに感化され、自分たちの本当の姿を受け入れる事を恐れなくなった。それがどんなに醜いものであったとしてもだ。
そうやってようやく俺たちはスーパーヒーローを気取ることを止めることが出来たのさ。
そうしたら、こうして世界を征することが出来たってわけだ。お前の名の下でな。
それでも、言葉を発することができないルーサーに住人は続ける。
住人:お前の事を、俺たちは"偉大な悲劇"って呼んでるんだぜ、ルーサーさん。
「真実を知りながら、その実現の鍵を鼻先で見過ごした男」ってな?
ルーサー:見過ごした? どういう意味だ?! 私はいったい何を見過ごしている?
住人:それを言っちまうと人類の歴史が変わっちまうからな。
俺らができることはこの印章をみせることだけ。俺たちはこれを"ドゥーム"と呼んでるぜ!

"世界で最も偉大な男"であると認められたいという虚栄心、
ヒーローとしての活動でくすぐられる自尊心、
スーパーマンへの対抗意識…
それまでルーサーを突き動かしていた全ての物は、自分の死後数千年も忘れ去られるちっぽけなものであると知ったルーサーは、現代の社会・文明に対する全ての執着を捨て、"ドゥーム"へといたる道を探ることにまい進する。

やがて、ルーサーは、彼が最も軽蔑する男、田舎町の集会場で壁の染みを見つめながら酒を飲むことを楽しみに生きた彼の父ライオネル・ルーサーこそが、"鼻先にぶら下げられた鍵"であったことを突き止める。

そして、この世界の真の歴史を知ったルーサーは、ドゥーム――英語の原義では"避けられぬ運命"を意味する言葉、を手にするための軍団リージョン・オブ・ドゥームを結成したのだ。
・・・その瞬間、ルーサーを奉じる未来世界は光に包まれる。
歓声を浴びながらその光を迎え入れ、消滅していく人々。

彼らは何がおこったか理解していた。
ルーサーが自分の手で真実の扉を開けることに成功し、人類の歴史を変えたのだと…
****************
というわけで、今回はジャスティスリーグ誌の影の主人公、つまりは現在のDCユニバースの台風の目ともいえるルーサーの紹介でした。
本国ではこのあと様々な展開をへて、2019年の夏の大型イベント『イヤー・オブ・ザ・ヴィラン』へとなだれ込んでいくことが確定しているジャスティスリーグ誌ですが、その中心はあくまでもルーサー。
再び冷酷な悪役としての凄みを取り戻しただけにとどまらない、センチメンタルでエモーショナルな展開が彼を中心に動いていってますので、未読の方は是非!

(『イヤー・オブ・ザ・ヴィラン』のプロモーションアート)
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偶然にも、今回紹介したスコット・スナイダーのジャスティスリーグの物語の導入となるイベント『ジャスティス・リーグ:ノー・ジャスティス』が早くも翻訳決定!
マルチバースの外からの脅威に対して、宇宙から飛来したブレイニアックが、善と悪の垣根を取っ払った4つの特務部隊を組織するという燃える展開です。
またDCでは他にも、バットマン生誕80周年に刊行された記念タイトル『バットマン:イヤー100』の翻訳も決定。アイズナー賞2部門を制覇した名作ということで、未読の管理人も楽しみにしています。
名作『ダークナイトリターンズ』の続編、『バットマン/ダークナイト:マスター・レイス』は先日発売。
アートもストーリーテリングも円熟の域に達したフランク・ミラーの最新作ということで、管理人も早速買いました。解説書もむやみに充実しているのも嬉しいところ。
マーベルでは『ユー・アー・デッドプール』がまさかの翻訳。
自分の選択によって読み進むコマを選んでいく懐かしのゲームブック形式の作品ながら、ライターを務めるのは現在のマーベルを代表するアル・ユーイングという豪華すぎるキワモノです!
映画公開を控えた『キャプテン・マーベル』は、現在の彼女の人気の出発点となったケリー・スー・デコニック期のタイトルが3月に発売。こちらも管理人は購入予定です。
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