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ジャスティスリーグ・ダーク #1

ジャスティスリーグ・ダーク #1
(作:ジェイムス・タイノン4世、画:アルヴァロ・マルチネス)

【ザターナのマジックショー】
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人気手品師ザターナのマジックショーは今日も大盛況。
観客は本物の魔法としか思えない彼女のマジックに酔いしれる。

そんな観客の反応を自らも楽しみながら、ザターナはクラッシクな定番マジックとして、シルクハットからウサギを登場させようとする。
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しかし、彼女のシルクハットから現れたのは血まみれのウサギの死骸、それと名状しがたい怪異であった。

突然の事態に大混乱に陥る劇場。
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「これだから、マジシャンは助手を使うのね!」
このような事態を見越していたかのように突如舞台に降り立ったのはワンダーウーマンであった。

最初は使い慣れた筈の魔法の暴走に呆気に取られていたザターナであったが、ワンダーウーマンの叱咤で冷静さを取り戻し、シルクハットから飛び出した怪異は無事掃討される。

誰もいなくなったステージで、対峙するワンダーウーマンとザターナ。
ザターナにはワンダーウーマンの来訪の理由がわかっていた。

『ダークナイツ:メタル』事件でマルチバースの果てに空いた風穴によってこの世界の在りようは歪められ、その影響は物理法則のみならず、魔法の世界にも影響が出ていた。
事態を重く見たジャスティスリーグは、リーグの分隊として、魔法関連の脅威に立ち向かうチーム"ジャスティスリーグ・ダーク"の結成を決定し、
ソースウォールの向こう側からやってきた原初の巨人オメガタイタンとの戦い(『ノージャスティス』誌)で、魔法を司る元素"ワンダー"の代理人として戦ったワンダーウーマンに、その組織を任せた。

しかし、そうは言ってもワンダーウーマンは戦士であり、魔法は門外漢。
そこで『ノージャスティス』事件で、自分と同じくチーム"ワンダー"で戦った、ザターナにチームの参加を要請していたのだ。
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しかし、ザターナは「魔法界の事件は、魔法界で解決するべき問題」と、この要請を断る。
かくしてワンダーウーマンによる"ジャスティスリーグ・ダーク"は、そのメンバー集めの段階から、苦難の時を迎えようとしていた。

【酒場にて】
次元の狭間に存在する"忘却の酒場"。
普段なら魔法を嗜む者たちが集うこの酒場で、ワンダーウーマンはおサル探偵ディテクティブ・チンプを相手にくだを巻いていた。
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ワンダーウーマン:なぜなの!? 心当たりのある魔法使いたちに、片っ端から声をかけたのに答えは全て"No"。
皆、私が信頼を寄せていた人ばかりだったのに…
チンプ:みんな単純にキミが嫌いとか?
ワンダーウーマン:きっとそうね。
チンプ:いや、冗談だって…


ワンダーウーマンのあまりの消沈ぶりに、哀れに思ったディテクティブ・チンプは、彼女への協力を買って出る。
そして、彼女が扱う事件の証拠を調査するために、ジャスティスリーグ・ダークの本拠地へと向かったチンプは、ワンダーウーマンのもう一つの頭痛のタネを知る。

【ジャスティスリーグ・ダークの秘密基地】
ホール・オブ・ジャスティスの地下に造られた、ジャスティスリーグダークの基地で、2人を迎えた人物、それは蝙蝠の身体を白衣と蝶ネクタイに押し込んだ、躁うつ病気味の科学者Dr.ラングストームであった。
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チンプ:マンバット!? あいつはバットマンの敵だろ。
ワンダーウーマン:最近はARGUSに協力しているの。 友達のエッタが、きっと役に立つと紹介してくれたんだけど、それ以来居ついちゃって…
きっとエッタも私をいじめてるんだわ…


ここでも頭を抱えるワンダーウーマン。しかし、背に腹は代えられない。
かくして、アマゾンの戦士、サルの探偵、蝙蝠の科学者という、魔法にはかすりもしないメンバーで再出発することとなったジャスティスリーグダーク。

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一方、ヒーローたちの世界に背を向けた魔法界では、魔法界の鼻つまみ者コンスタンチンが、リーグの密かな支援者として暗躍していた。

******************
といわけで、今回は『ダークナイツ:メタル』後の世界を描く『ニュージャスティス』傘下のタイトル、『ジャスティスリーグ・ダーク』の紹介でした。
ジャスティスリーグ・ダークの名は、元々New52の開幕タイトルとして刊行されたザターナ/コンスタンティン/デッドマンを中心としたチームの物だったのですが、今回はメンバーを大幅に変えて復活。
デッドマンの姿が見えないのは寂しいですが、管理人が大好きなコンスタンティンはチームのメンバーではないものの、かなり重要な役割を担いそうなので楽しみです。


【宣伝】(使いまわし)
DCでは、早くも『バットマン:ウォー・オブ・ジョーク&リドル』の予約が決定。
「ジョーカー派とリドラー派、ゴッサムヴィラン達を真っ二つに分けた上でのシビルウォー」という設定はそれだけでも燃えるものがありますが、本作の陰の主役はなんとってもカイトマン。
この作品を読んだ人は、この誰からも見向きのされなかった3流ヴィランを愛さずにはいられないはずです。
また、DCリバースの重要タイトル『バットマン/フラッシュ:ザ・ボタン』は9月に発売。
こちらは「ウォッチメン世界とDC世界との衝突」というDCリバースの本筋のみならず、『バットマン:アイ・アム・ゴッサム』から続く一連のバットマン誌の物語とも強く結びついている作品のため、バットマン誌を読んでる方もぜひ!




またマーベルは人気者グウェンプールの3巻4巻が同時刊行。特に4巻に当たる『グウェンプール:第四の壁、破っちゃいました』は、マーベル世界に来てコミックを追えなくなったせいで、知識が古くなってしまったグウェンプールが、最新のマーベル世界を学ぶために現実へ戻るという粗筋にガツンとやられたので、購入決定です



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インフィニティ・ウォーズ

インフィニティ・ウォーズ
(作:ジェリー・ダガン、画:マイク・デオダ-トJr.)

【神々の書庫にて】
ここは、銀河中の全ての文明の神々が集まり、その知識を蓄える"全能の都市"の図書館。
そこに収められた書物をひっくり返しながら、ロキはマルチバースのものも含んだ自分自身について調査をしていた。
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ロキ:何故だ! どれも結末は違うが、結局は私は王座に着けぬ物語ばかり。何故私がヒーローとなる物語がない!

どの書物を見てみても、でてくるのは自分が敗北する物語ばかり。
しかし、そこに描かれた物語に自分の記憶と異なる内容が多数含まれていることに気が付いたロキは、その背後に自分とそして世界を欺く存在の影を見つける。

その存在の正体を探るためにロキは、神々とあらゆる世界が生まれる場所"創世の石切り場"へと向かう…

【創世の石切り場】
宇宙を渡る船を漕ぎ出し、世界の果てにある創世の石切り場へたどり着いたロキ。
謎の答えを探るべく、石切り場の番人である3人怪女と対峙した彼であったが、本題を切り出す前に、彼の前に突如次元の裂け目が切り開かれる。
その裂け目から飛び出してきたのは、全てのインフィニティストーンを身にまとい、ムジョルニアで武装した、別世界のロキ・オーディンソンであった。

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まさに兼ねてから想像していた"英雄としての自分"の登場に、目を奪われるロキ。
そんなロキに"英雄ロキ"が声をかける。

英雄ロキ:私は次元の彼方まで吹き飛ばされたのか?であれば、お前はこの世界の私に違いないな?
それにしても面妖な…おぬしのインフィニティストーンはどうした?ムジョルニアは?
そんな姿では、原点世界(Original Universe)には行けんぞ?
どのようにレクイエムとデヴァンドラに立ち向かうつもりだ?
ロキ:いいから、どんなトリックを使ってハンマーを持ち上げたか教えろよ。察するに、インフィニティストーンの力でムジョルニアの魔法を歪めたな?
英雄ロキ:はっ!この世界の私は、ムジョルニアも持てない詐術家か!シフへのいい土産話ができたな。


そんな2つの世界のロキの会話のさなか、突如、英雄ロキの背中に触手が襲い掛かる。
英雄ロキをこの世界へと弾き飛ばした敵が、追撃を行ってきたのだ。

しかし英雄ロキは独りで戦っていたのではない、
アイアンマン:おい、ロキ!ちょっとその角を貸してくれ。
彼と共に触手の主である怪物と戦っていた異世界のアベンジャーズが、英雄ロキに声をかける。
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英雄ロキ:オーディンとアスガルドの名に懸けて!

ムジョルニアを掲げ、颯爽と仲間の待つ戦場へと戻っていく英雄ロキ。
英雄ロキ:汝を地獄の門へと送って、ぎゃあーーー

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ロキ:…あいつ、原点世界とか言ってたっけ?とりあえず、インフィニティストーンを集めるか。

【地球】
この世界に再び現れたインフィニティストーンを巡り銀河のあちこちでおこった争奪戦。その勝者たちは、Dr.ストレンジの声に導かれ、ニューヨーク市セントラルパークに集められていた。

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タイムストーンの所有者Dr.ストレンジ、
リアリティストーンの所有者キャプテンマーベル、
マインドストーンの所有者タークと彼が金にあかせて集めたヴィラン達、
ピーター・クイル、ロケット、グルートはパワーストーンを保持、
アダム・ウォーロック、ドラックス、アイアンラッドはソウルジェム、
そして姿を見せず物陰から様子を窺うスペースジェムの保持者ブラックウィドウ。

一堂に会した所有者に、全てのストーンが1人の人物の手に収まることの危険性を説くDr.ストレンジは、
インフィニティストーンを保持する者が最も気にしなければならない危険、"狂えるタイタン人"サノスの現在の動向を皆に見せる事で、彼らに所有者の重責を伝えようとする。

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しかし、Dr.ストレンジの魔法が映したものは、何者かに首を切られたサノスの遺体。

色めき立つ所有者たちの隙を狙うかのように、現れた人影。
それはサノスの首を小脇に抱え、自らをレクイエムと名乗る仮面の女性であった…
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**********************
というわけで、マーベルの夏のイベント、インフィニティ・ウォーズが遂に開始。
本作は、以前当ブログで紹介したインフィニティ・カウントダウンの続編(というか本編?)となります。

カウントダウン誌でその存在が匂わされ満を持して登場したレクイエムと、トリックスターの本領を発揮し他のキャラクターのあずかり知らぬところで暗躍するロキ。
これらのプロットがどのように融合していくのかはまだわかりませんが、所有者とレクイエムとの戦いを描いた第一部である#1-2を経て、#3にて事態は急転。
Infinity Warsならぬ、Infinity Warps(無限の歪み)なる事象が発生。

この世界のヒーローたちの魂と歴史が、融合される事となります。
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(これがインフィニティワープスのヒーローたち。左からソルジャー・シュプリーム、アイアンハンマー、ウエポンヘックス、ゴーストパンサー)

その名前に恥じない、とてつもないスケールの物語になりそうな本作。続きが楽しみです。

【宣伝】
DCでは、早くも『バットマン:ウォー・オブ・ジョーク&リドル』の予約が決定。
「ジョーカー派とリドラー派、ゴッサムヴィラン達を真っ二つに分けた上でのシビルウォー」という設定はそれだけでも燃えるものがありますが、本作の陰の主役はなんとってもカイトマン。
この作品を読んだ人は、この誰からも見向きのされなかった3流ヴィランを愛さずにはいられないはずです。
また、DCリバースの重要タイトル『バットマン/フラッシュ:ザ・ボタン』は9月に発売。
こちらは「ウォッチメン世界とDC世界との衝突」というDCリバースの本筋のみならず、『バットマン:アイ・アム・ゴッサム』から続く一連のバットマン誌の物語とも強く結びついている作品のため、バットマン誌を読んでる方もぜひ!




またマーベルは人気者グウェンプールの3巻4巻が同時刊行。特に4巻に当たる『グウェンプール:第四の壁、破っちゃいました』は、マーベル世界に来てコミックを追えなくなったせいで、知識が古くなってしまったグウェンプールが、最新のマーベル世界を学ぶために現実へ戻るという粗筋にガツンとやられたので、購入決定です



バットマン#51 (コールドデイズ)

バットマン#51 (コールドデイズ)
(作:トム・キング、画:リー・ウィークス)

【裁判所にて】
ゴッサム市南裁判所に到着した一台のリムジン。
お抱えの執事に付き添われリムジンから降り立った男に、待ち構えた報道陣が殺到する。
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リポーター:ウェインさん!こっちを向いてください。
リポーター:コメントを!
ブルース・ウェイン:単なる市民としての義務さ。私だってゴッサムの市民だからね。

ブルースの語った"義務"とは、陪審員としての務めのこと。
ブルースは、ゴッサムで起こった連続殺人事件の罪を問われている被告人を裁くために、陪審員として招集されたのだ。

【事件のあらまし】
ブルースが参加することとなった事件は、非常に単純なケースであった。
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被告人は幾度となく街を脅かしてきたスーパーヴィラン――Mr.フリーズであり、本人も一度は犯行を自供済み。
そしてなにより、自ら検視を行いMr.フリーズにつながる証拠を見つけ出したのも、保釈中のMr.フリーズを捕まえ自白を引き出したのも、街の守護者にして"世界最高の探偵"バットマンその人であるのだから、Mr.フリーズが犯人であることはもはや自明のことに思えた。

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裁判所の証言台で、陪審員たちが見守る中、Mr.フリーズは自供の経緯をこう語る。
Mr.フリーズ:確かに私は今まで、何度となくバットマンと戦ってきた。
しかし、あの夜は違った。あの時の彼は、私が殺ったかどうかなんて気にしてはいなかった。
彼は、私が犯行を認めるまで、ただただ私を殴り続けた。あの時認めなければ、私はバットマンに殺されていただろう…


【一方そのころ】
裁判所にて数日にわたって裁判が続く中、警察署の屋上でバットシグナルを灯すゴードン署長。

いつものようにゴードンの前に現れるバットマン。
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しかし、ゴードンは一目見る前に、目の前の男がいつものバットマンではないことに気が付く。
(陪審員は、外部との接触を避けるために、裁判中は裁判所が用意した施設で缶詰になる必要があります)

ゴードン:君はいつもの君じゃないな?
ディック:何か問題でも?
ゴードン:別に……で彼は大丈夫なのか?
ディック:……いいや


【評決のとき?】
Mr.フリーズの裁判は大詰めを迎えていた。
別室に集まり、Mr.フリーズが事件の犯人であることが"合理的な疑いを超えて証明"されたかを投票する陪審員たち。
結果を見るまでもなく陪審員たちの心は既に決まっていた、なにせ被告人はMr.フリーズで、捕まえたのはバットマンなのだから。

しかし、バットマンの調査を疑い、反対票を投じた人物がただ1人だけいた。
その人物の名はブルース・ウェイン!
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*******************
というわけで、#51から始まったバットマンの新ストーリーは、ズバリ"ゴッサム版12人の怒れる男"。
その圧倒的筆力から会話劇を得意とするトム・キングにとって、今回の題材はまさにうってつけで、本家に勝るとも劣らない法廷劇を繰り広げてくれています。

また、このアークを単品で読んだ場合でももちろん楽しいのですが、トム・キングのバットマンのテーマである「バットマンとは、ブルース少年の子供じみた逃避行動なのではないか?」という問いかけであったり、トム・キング自体のテーマである「"暴力の経験"が人と社会に与える影響」であったりを踏まえて読むと、また面白い展開もあったりで引き続き目が離せないタイトルです。


……
…で、このブログを読んでくださっている方の中には「それはいいから、バットマンとキャットウーマンの結婚はどうなったの?」と思われる方も当然いると思います。
私も結婚記念号の衝撃の展開はぜひとも紹介したいのですが、あまりにもネタバレが過ぎる内容であるため、翻訳版「バットマン/フラッシュ:ザ・ボタン」が発売するまで、ちょっと紹介を見送らせてもらうことにしました。
何がどう衝撃の展開であったのかはもちろん伏せますが、とりあえず言えることは、結婚記念号の発売当日、管理人のツイッターのタイムラインにはバットマン誌の感想であふれかえりましたが、バットマンとキャットウーマンが結婚したかどうかなんてことを問題にしている人は殆どいなかったという事です。

【宣伝】(使いまわし)
マーベルからは、『デス・オブ・ウルヴァリン』の翻訳が決定。
現在本国で進行中の『ハント・フォー・ウルヴァリン』と、10月から開始する『リターン・オブ・ウリヴァリン』を合わせた3部作の第一弾となる作品です。
またマーベルではキャラクター紹介をメインとした事典『アベンジャーズ大全』の刊行が決定。
こちらの方は、ワスプ(ナディア・ピム)やシビルウォーⅡのあたりの比較的最近の展開まで反映した内容になっているとのことですので、こういう図鑑系が好きな方は是非!




またDCでの一押しはなんといっても『バットマン:アイ・アム・ベイン』と『バットマン/フラッシュ:ザ・ボタン』の2作品。
ただでさえトム・キングのライティングが冴える最高の作品なのですが、先日は発売されたバットマンの結婚記念号で、これらの2作品が非常に重要な意味をもっていたことが判明しました。
管理人も今後のバットマン誌の展開の予習のために、もう一度翻訳版で読んでおこうかと思っています。


プロフィール

NOB-BON

Author:NOB-BON
X-men生まれSpawn育ちを地でいく、90年代アメコミバブルの残党。
しばらくの間、アメコミは翻訳本を買う程度だったのが、最近のデジタルコミックの手軽さにひかれ、本格的に復活しました。

基本的にMarvelメインですが、DCのリランチを機に自分の中でDCブームが来てるので、しばらくはDCの話題続くかも。
しばらくどころか完全にDC派に転びました。

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