サノス#13-15
サノス#13-15
(作:ドニー・ケイツ、画:ジェフ・ショウ)
数多の驚異と力に彩られたこの世界において、最強と目される指折りの強者たち。
彼らの心の奥のさらに奥を覗くことが出来たとしたら、そこには共通の思いが秘められているのを知ることが出来る。

彼らが胸に秘めた秘密。それは、彼らがいかに強く、勇気に溢れていようともいつか全てが終わる日が訪れるという事。
そして彼ら(それが神々であれ、破壊神であれ、アベンジャーズであれ)に「全てが終わる日が来るとして、それはどのように訪れるのか?」と聞くことが出来たとしたら、帰ってくる答えは一つであろう。

「サノスが勝つ」と…
というわけで今回紹介するのは、現在本国でリプリントにリプリントを重ねる大ヒット作品『サノス』です。
いきなり大仰なモノローグで紹介を初めて見たのですが、実は本編はずっとこんな塩梅。
大仰すぎて笑ってしまうようなモノローグと、かつ丼の上にカレーをかけていくような盛り過ぎな展開を照れるそぶりもなく推し進めていく本作の魅力を言葉で説明するのは非常に難しいのですが、「最近の『刃牙』のような作風」といえば、伝わる人には伝わるのではと思います。
(なんてことを書いてたのですが、先日、サノス誌の最終話が刊行。予想に反するセンチメンタルで抒情的でしかも壮大なラストに管理人は度肝を抜かれ、あまりの高低差に感情のジェットコースターに乗せられたような読書体験でした)
今回はそんな壮大なホラ話『サノス』誌から、とあるサブキャラクターの紹介をしていきます。
【初めに】
愛する女性へのプレゼントとして、自分以外の銀河中の全ての生命を捧げることを決意した未来世界のサノス。

マーベル世界の最強存在である彼が"決意した"という事は、宇宙的時間感覚でみればそれは"実現した"という事と同義。
数人の例外を除き、あっさりと世界の生命を死滅させたサノスは、彼に立ち向かうただ1人の敵を倒すために、過去へと使いを送る。
使いの名はゴーストライダー。
宇宙と時を駆けるバイクに跨った彼は、群体宇宙人チタウリ達が見守る中,、彼らの王である過去世界のサノスの前に降り立ち、その用向きを伝える。

ゴーストライダー:よぉ相棒。ちっとばかし用があるんで、一緒に来てくんない?
【未来世界にて】
ゴーストライダーの贖罪の眼、ある者はそれを"悪魔的なまでの平等"と呼ぶ。
彼の双眸を見つめた者は、その罪がいかほどであろうが、その力がいかほどであろうが、等しく"絶望"と"後悔"の意味を知るのだ。

サノス:すると、貴様はこれを毎朝の日課としておるのか?
老サノス:そうだ。
サノス:なるほどこりゃ良い。お前がこいつを侍らしてるのも納得だ。
ゴーストライダー:傷つくわ…
無事、過去世界から連れてきたサノスを、主人である未来世界の老サノスに引き合わせたゴーストライダーは、主人の命を受け、彼の居城を案内することに。
サノス:わからん。貴様たちゴーストライダーはみな、罪なき者の復讐などと言っていたはず。お前はやらんのか?
ゴーストライダー:そりゃ俺だって昔は「処刑!」とかやってたよ?
でも、お前さんみたいな奴と長年付き合ってみ? ちゃちな罪とかどうでも良くなるってもんよ。
昔の俺に会ったとしても、お前さんはきっと俺だって気が付かないんじゃないかな?
サノス:…? もしや私は貴様と会ったことがあるのか?
ゴーストライダー:おっと、これは失礼。そういえば自己紹介をするのを忘れてた。

ゴーストライダー:フランク・キャッスルだ。
サノス:…知らん名だ。
********************
というわけで、意外過ぎる正体が発覚したコズミックゴーストライダー。
彼がこのような姿とそして性格になってしまった深い事情(ごめんなさい。本当は深くないです)については別の機会に譲るとして、この異様に軽薄でノリの軽いフランク・キャッスルがまさかの大うけ。
なんと彼を主人公にしたミニシリーズが発表されるまでになりました!

ライターは本作を担当したドニー・ケイツ。
管理人はもちろん読みますよ!
ところで今回紹介した異形のコミック『サノス』ですが、実は#13からライターが変わっています。
ですので号数は#13となっていますが、#1-12は別のライターが担当した別の話であり、今回紹介した話は#13-18の全6話で完結しています。
この1年で一躍トップライターへと躍り出たドニー・ケイツの語り口を堪能するには最適の1冊となっていますので、興味のある方は是非!
【宣伝】
前も書きましたが、更新が滞ると書くのが一番おっくうになるのがこの欄。
これだけ次から次に翻訳本がでるなんて、本当にいい時代になったもんです。
個人的に今一番気になる作品は『スパイダーメン』。正史世界のピーター・パーカーと、アルティメット世界のマイルズ・モラレスとという2人のスパイダーマンの次元を超えたチームアップを描き非常に評判が高い作品です。
また"コミック界のアカデミー賞"ともいえるアイズナー賞で、今年5部門もノミネートされている『モンストレス』の第二巻が早くも翻訳され、こちらも気になるところです。
また、5月6月はデッドプールの翻訳が目地押し。
スパイダーマンとデッドプールの"娘"が登場する『スパイダーマン/デッドプール:イッツィ・ビッツィ』に、デッドプールがハワード・ザ・ダックと融合してしまう『デッドプール・ザ・ダック』。
比較的単行本が売れない傾向のあるマーベルにおいて異例のヒットを跳ばした作品の続編企画『デッドプール・キルズ・マーベルユニバース・アゲイン』。
デッドプールの最近の個人誌である『デッドプール:エンド・オブ・エラー』から、彼のキャラクターの礎を築いたともいえる往年の名作『ケーブル&デッドプール:こんにちは赤ちゃん』とその数なんと5作品。
近年のマーベルの人気者の面目躍如ですね。
(作:ドニー・ケイツ、画:ジェフ・ショウ)
数多の驚異と力に彩られたこの世界において、最強と目される指折りの強者たち。
彼らの心の奥のさらに奥を覗くことが出来たとしたら、そこには共通の思いが秘められているのを知ることが出来る。

彼らが胸に秘めた秘密。それは、彼らがいかに強く、勇気に溢れていようともいつか全てが終わる日が訪れるという事。
そして彼ら(それが神々であれ、破壊神であれ、アベンジャーズであれ)に「全てが終わる日が来るとして、それはどのように訪れるのか?」と聞くことが出来たとしたら、帰ってくる答えは一つであろう。

「サノスが勝つ」と…
というわけで今回紹介するのは、現在本国でリプリントにリプリントを重ねる大ヒット作品『サノス』です。
いきなり大仰なモノローグで紹介を初めて見たのですが、実は本編はずっとこんな塩梅。
大仰すぎて笑ってしまうようなモノローグと、かつ丼の上にカレーをかけていくような盛り過ぎな展開を照れるそぶりもなく推し進めていく本作の魅力を言葉で説明するのは非常に難しいのですが、「最近の『刃牙』のような作風」といえば、伝わる人には伝わるのではと思います。
(なんてことを書いてたのですが、先日、サノス誌の最終話が刊行。予想に反するセンチメンタルで抒情的でしかも壮大なラストに管理人は度肝を抜かれ、あまりの高低差に感情のジェットコースターに乗せられたような読書体験でした)
今回はそんな壮大なホラ話『サノス』誌から、とあるサブキャラクターの紹介をしていきます。
【初めに】
愛する女性へのプレゼントとして、自分以外の銀河中の全ての生命を捧げることを決意した未来世界のサノス。

マーベル世界の最強存在である彼が"決意した"という事は、宇宙的時間感覚でみればそれは"実現した"という事と同義。
数人の例外を除き、あっさりと世界の生命を死滅させたサノスは、彼に立ち向かうただ1人の敵を倒すために、過去へと使いを送る。
使いの名はゴーストライダー。
宇宙と時を駆けるバイクに跨った彼は、群体宇宙人チタウリ達が見守る中,、彼らの王である過去世界のサノスの前に降り立ち、その用向きを伝える。

ゴーストライダー:よぉ相棒。ちっとばかし用があるんで、一緒に来てくんない?
【未来世界にて】
ゴーストライダーの贖罪の眼、ある者はそれを"悪魔的なまでの平等"と呼ぶ。
彼の双眸を見つめた者は、その罪がいかほどであろうが、その力がいかほどであろうが、等しく"絶望"と"後悔"の意味を知るのだ。

サノス:すると、貴様はこれを毎朝の日課としておるのか?
老サノス:そうだ。
サノス:なるほどこりゃ良い。お前がこいつを侍らしてるのも納得だ。
ゴーストライダー:傷つくわ…
無事、過去世界から連れてきたサノスを、主人である未来世界の老サノスに引き合わせたゴーストライダーは、主人の命を受け、彼の居城を案内することに。
サノス:わからん。貴様たちゴーストライダーはみな、罪なき者の復讐などと言っていたはず。お前はやらんのか?
ゴーストライダー:そりゃ俺だって昔は「処刑!」とかやってたよ?
でも、お前さんみたいな奴と長年付き合ってみ? ちゃちな罪とかどうでも良くなるってもんよ。
昔の俺に会ったとしても、お前さんはきっと俺だって気が付かないんじゃないかな?
サノス:…? もしや私は貴様と会ったことがあるのか?
ゴーストライダー:おっと、これは失礼。そういえば自己紹介をするのを忘れてた。

ゴーストライダー:フランク・キャッスルだ。
サノス:…知らん名だ。
********************
というわけで、意外過ぎる正体が発覚したコズミックゴーストライダー。
彼がこのような姿とそして性格になってしまった深い事情(ごめんなさい。本当は深くないです)については別の機会に譲るとして、この異様に軽薄でノリの軽いフランク・キャッスルがまさかの大うけ。
なんと彼を主人公にしたミニシリーズが発表されるまでになりました!

ライターは本作を担当したドニー・ケイツ。
管理人はもちろん読みますよ!
ところで今回紹介した異形のコミック『サノス』ですが、実は#13からライターが変わっています。
ですので号数は#13となっていますが、#1-12は別のライターが担当した別の話であり、今回紹介した話は#13-18の全6話で完結しています。
この1年で一躍トップライターへと躍り出たドニー・ケイツの語り口を堪能するには最適の1冊となっていますので、興味のある方は是非!
【宣伝】
前も書きましたが、更新が滞ると書くのが一番おっくうになるのがこの欄。
これだけ次から次に翻訳本がでるなんて、本当にいい時代になったもんです。
個人的に今一番気になる作品は『スパイダーメン』。正史世界のピーター・パーカーと、アルティメット世界のマイルズ・モラレスとという2人のスパイダーマンの次元を超えたチームアップを描き非常に評判が高い作品です。
また"コミック界のアカデミー賞"ともいえるアイズナー賞で、今年5部門もノミネートされている『モンストレス』の第二巻が早くも翻訳され、こちらも気になるところです。
また、5月6月はデッドプールの翻訳が目地押し。
スパイダーマンとデッドプールの"娘"が登場する『スパイダーマン/デッドプール:イッツィ・ビッツィ』に、デッドプールがハワード・ザ・ダックと融合してしまう『デッドプール・ザ・ダック』。
比較的単行本が売れない傾向のあるマーベルにおいて異例のヒットを跳ばした作品の続編企画『デッドプール・キルズ・マーベルユニバース・アゲイン』。
デッドプールの最近の個人誌である『デッドプール:エンド・オブ・エラー』から、彼のキャラクターの礎を築いたともいえる往年の名作『ケーブル&デッドプール:こんにちは赤ちゃん』とその数なんと5作品。
近年のマーベルの人気者の面目躍如ですね。
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