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フラッシュ・ウォー (フラッシュ・アニュアル#1)

フラッシュ・ウォー (フラッシュ・アニュアル#1)
(作:ジョシュア・ウィリアムソン、画:ハワード・ポーター)

捜査官:お前はフラッシュのファンなのか?私は一度バリー・アレンに会ったことがあるが、正直あの時は失望させられたよ…
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ここは、25世紀セントラルシティにあるフラッシュ博物館。
何者かによって大規模な破壊に見舞われた博物館では、現地の捜査官による鑑識捜査が行われていた。

捜査官:空気中にイオバード・ソーン、通称リバースフラッシュの遺体と思われる粒子を発見。
・・・こりゃ殺しだな。

部下:まさか!?ソーンの死亡事例は、全て記録されているはず。再スキャンをしてみては?

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(ちなみに彼らの捜査しているのは、既にフラッシュ誌で語られた事件の痕跡です。
この事件の中でアイリスとバリーを未来世界に連れてきたソーンは、アイリスの手で殺害されました。)

捜査官:おっと、大きな反応を発見。発生源はウォーリー・ウエストのコーナーだな…って何だこりゃ?
ベテラン捜査官が発見したもの、それは歴史が彼らの知るそれとは異なる姿へと変貌を遂げた事を物語る、博物館の収蔵品の変化であった。
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"何者かが歴史を歪曲している"その確固たる証拠をつかんだ捜査官たちは、状況を法務官へと報告する。

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法務官:…それは君たちの仕事ではない。以前に違法な時空間捜査を行った彼の事を忘れたわけではないだろう?
君たちの仕事は、フラッシュ博物館の損壊並びにイオバード・ソーンの殺人事件の調査だ。

捜査官:それに関しては抜かり在りません、凶器の銃を特定しました。
指紋から特定した犯人はアイリス・ウエスト。
法務官:アイリス・ウエスト…フラッシュを名乗った複数の男女を救った功労者だ。
だが、だからといってそれが殺人の免罪符となるわけではない、相手がソーンのような男だとしてもだ。
今すぐ21世紀へ向かい、アイリス・ウエストを勾留するのだ。
おそらく何らかの抵抗があると思われるが…

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捜査官たち:問題ありません。

法務官が言葉を終える前に、装備を整え始める捜査官たち。

変身を終えた彼らは…
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コマンダー・コールド:レネゲーツ、直ちに任務に入る。
25世紀の科学力と生んだ対リバースフラッシュ特殊部隊レネゲーツであった。
(レネゲーツがローグスにそっくりなのは、彼らが歴史上もっともスピードスターとの戦闘に長けた集団の戦術を参考にして組織されたから。)

我先にとタイムゲートへと飛び込み、任務へと向かうレネゲーツ。
1人残された法務官は、誰もいなくなったフラッシュ博物館で独白を漏らす。

法務官:淘汰こそが強者を生む…
それが真のフラッシュを生み出すためとあれば、わたしはどんなことでもしよう。
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このズームがフラッシュ達の間に戦争を起こすのだ!


**********************
というわけで、春から始まるフラッシュ誌の新ストーリー『フラッシュ・ウォー』のプロローグの紹介でした。
本誌のほうでは、まだ翻訳されたばかりの『フラッシュ:ライトニング・ストライクス・トゥワイス』からつながるストーリーがクライマックスに差し掛かったところなので、先行チラ見せ的な位置づけのプロローグでした。

というわけで、見事リバースを果たしたレネゲーツとハンター・ゾロモン(ズーム)。
実は、管理人はハンター・ゾロモンの事をよく知らないのですが、どうやらレネゲーツもゾロモンも、フラッシュポイント前の登場時の展開をそのまま引きずっている模様。
レネゲーツが初登場を果たしたジェフ・ジョーンズによるバリー・フラッシュの物語は、個人的に思い入れのある作品なので、今回の復活は嬉しいところ。

また、気になるのがゾロモンの言っていた"フラッシュ達"に誰が含まれるのかという点。
現在のDC世界にはフラッシュを名乗る人物が、バリー、大ウォ-リー、中華フラッシュの3名いますし。
彼らにキッド・フラッシュである小ウォーリーが絡んでくることは間違いないでしょう。

ただ、今回未来世界のフラッシュ博物館のシーンで、
こんなものや、
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こんなものを見せられてしまうと、
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どうしても更なるサプライズをどうしても期待してしまいます。

【宣伝】(使いまわし)
先日、翻訳が発表されて個人的にうれしかったのが『インビンシブル・アイアンマン:リブート』。
人気の割りになかなか翻訳本が発売されないアイアンマンですが、その最新シリーズが遂に発売です。
また本国で快進撃を続けるマーベルのスターウォーズからは『スター・ウォーズ:ハン・ソロ』が登場。マーベルのスターウォーズはその豪華な制作陣で有名なのですが、今回は『モンストレス』の翻訳版が発売されたばかりのマージョリー・リュウがライター!
他にも『ウィッチャー 1: HOUSE OF GLASS』や『ウォーキング・デッド8』など、コミックファンの外にも知名度の高い作品の翻訳も進んでいるのが、非常にここ強いですね。



今月発売のアメコミで注目なのは何といっても『デッドプール:トゥー・スーン?』。マーベルを代表するギャグキャラ、フォーブッシュマンの死を発端に起こる"ギャグキャラ狩り"。果たしてデッドプールは、ロケット・ラクーンやハワード・ザ・ダックといったギャグキャラたちを護ることはできるのか!?
といった趣向の作品でとにかく面白そう。(ギャグキャラの中にパニッシャーも入っているのはご愛敬)
またスパイダーグウェンの続刊『スパイダーグウェン:グレイター・パワー』と、密かな人気者タスクマスターの個人誌『タスクマスター:失われた過去』も今月に発売予定。



また、大人気アーティスト、マイク・ミニョーラが久々に担当したことで話題をさらった『ヘルボーイ・イン・ヘル:死出三途』は早くも翻訳。
DCからは、人気者ハーレイクインが、New52以降あまり絡みのなかった"プリンちゃん"ことジョーカーと対決する『ハーレイ・クイン:ジョーカー・ラヴス・ハーレイ』に、スーパーマンの新たなマスターピースと呼び声の高い『スーパーマン:アメリカン・エイリアン』が刊行。
(アメリカン・エイリアン、本気で大好きな作品だったので作者の不祥事がとにかく残念です)
また、スーパーマンといえばスーパーマンとバットマンが子連れで出会い、親バカっぷりを炸裂させる『スーパーマン:トライアル・オブ・スーパーサン』もお勧めですので、ぜひ!


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バットマン翻訳本ガイド(アメコミ放浪記私見版)

(2018年2月13日に更新)
今日はちょっと趣向を変えて、「バットマン翻訳本ガイド(アメコミ放浪記私見版)」をお送りします。
今回の企画を思いついた理由はただ一つ
「バットマン関連の翻訳本ですぎで、これから読み始めようという人が混乱しない?」
という思いからです。

とりあえず、今回の記事では
 ・続き物⇔読み切り
 ・正統派⇔変化球
という2つの軸で、翻訳本を分類していこうと思います。
まずは各軸の紹介から。

【続き物⇔読み切り 】
「連載物の一部を切り取った作品なのか、単体で完結している作品なのか」という軸です。

"続き物"にカテゴライズされる作品は、本国で連載物としてい続いている作品の一部を切り取ったものになっています。
このため翻訳分では回収されない伏線や、前のお話に関する言及が含まれています。
(とはいえ基本的に日本で出版された翻訳本は、それ自体である程度商品として完結するように解説などで配慮がされているため、そこまで困ることはありません(多分))

一方"読み切り"のカテゴライズは、元々単体で成り立つ作品として作られているため、上記のような心配はありません。


【正統派⇔変化球】
「バットマンの基本的な設定や面白さを踏襲したものか、それとも基本をあえて外した変化球なのか?」という軸。
"基本的な設定"はともかく、"基本的な面白さ"ということでひどく主観的な評価軸なのですが、そこは今回は「管理人の考えるバットマンの魅力」ということで、勘弁してください。

それでは、上記2つの軸に沿う形で、各翻訳本を紹介させてください。
ちなみに、今回は「何から読むか?」「どういう順番で読み進めるか?」という部分に焦点をあてているため、あえて内容には深入りしません。
(○マークは"管理人おすすめ"、★マークは"読み始めの方に特にお勧め"を意味します)

正統派-続き物
Detective Comics誌やBATMAN誌など、本国で続き物として出ている作品から番外編を抜いたもの。"普段の"バットマンがきになるかたはこのカテゴリがお勧めです。

★バットマン:梟の法廷
★バットマン:梟の街
★バットマン:喪われた絆
★バットマン:ゼロイヤー 陰謀の街
★バットマン:ゼロイヤー 暗黒の街
★バットマン:真夜中の事件簿
★:バットマン:エンドゲーム
★:バットマン:スーパーヘヴィ
★:バットマン:ブルーム
★:バットマン:エピローグ
ダークナイト:姿なき恐怖





2010年にDCで行われた「新規読者獲得のためにいったん全てのコミックをリセットして、1から始めよう。」という企画(リブートと呼んだりします。)によって始まった新しいバットマンの連載作品群。
なので続き物とはいえ初めて読むのにぴったりな内容となっています。("1から始める"といっても細かい伏線を引きずっていないだけで、いわゆる"第一話"とは趣が違います。)
「梟の法廷」→「梟の街」→「喪われた絆」→・・・と言う順番での続き物になっています。
(一応「梟の街」でひと段落つくので、ジョーカーとバットマンの対決だけ読みたければ、「喪われた絆」から読んでも問題ありません。)
米国ではこのシリーズが大ヒットし、事実上、"バットマンの本流"となっていました。
アート&ストーリーともに素晴らしいので、今、読み始めるならばこの作品(もしくは後述する『アイ・アム・ゴッサム』)からがお勧めです。

2017年5月時点で『バットマン:エピローグ』の発売が決定。
これによってリブートによって始まったNew52期のバットマン誌の全話の翻訳がされることになりました。
基本的にアメコミは「1人のライターが担当した最初から最後まで」が日本の漫画における"1作品"に当たるため、New52期のバットマン誌を担当したスコット・スナイダーのバットマンがこれにて完結したわけです。

スナイダーはこのバットマン誌と後述のバットマン:エターナルを通して、バットマンという存在について1つの問いを読者に対して投げかけ、それついて作品内ではっきりとした答えを出しています。
果たしてスナイダーが彼の物語に盛り込んだテーマとは何なのか?
以前の単発作品中心の翻訳体制では味わうことができなかった、こういった大河ドラマとしてアメコミの魅力が日本語で味わうことができる素晴らしさをみなさんもぜひ噛みしめてみてください!

また「ダークナイト」には他とは前後関係はなく独力した話になっています。

バットマン:梟の夜
ジョーカー:失われた絆


こちらは、「『梟の法廷』と『喪われた絆』事件の最中、ナイトウィングやキャットウーマンなど、ゴッサムをホームとする他のヒーロー達は何をしていたか?」を描く番外編となります。
バットマンの影に隠れて、なかなか翻訳の機会の恵まれないヒーロー達メインとなりますので、興味のある方はどうぞ。

バットマン:エターナル(上)
バットマン:エターナル(下)

"バットマン誕生75周年記念"として、1年間にわたって週刊で刊行され続けた記念碑的作品。
そのお祭り的コンセプトにふさわしく、バットマンの75年間を彩ったキャラクターたちが総登場する賑やかな物語。
そのうえで、全体のディレクションを現在のバットマンの立役者であるスコット・スナイダーが担当しているため、先の読めなく豊かなテーマ性を持った非常に手堅い作りになっています。




NEW52:バットマン


上でも記載したとおり、2010年に行われたDC世界の設定リセットであるリブート。
このイベントを境に、DCは自らが発行するコミックの号数を全て#1にリセットし、文字通り1からの再スタートを切りました。
そんなアメコミ史に残る大イベントを記念し、この時発売された各タイトルの1号だけを集めた百科事典のような分厚さの本が米国では発売されました。
この「NEW52:バットマン」は、その分厚い本からバットマン関連のタイトルを切り取ったものとなっています。
もちろん1話目だけを集めた本なので、全ての話が途中で終わっていますが、どの作品も「これからもこのタイトルを読み続けろ!」という熱い気持ちに溢れた内容となっております。

★バットマン:アイ・アム・ゴッサム
★バットマン:アイ・アム・スーサイド



今までは、2010年に行われた世界観のリセットを伴う新規コミックの立ち上げ、いわゆる"New52"期のコミックを紹介してきましたが、2016年に再びDCは新規読者獲得のために今度は"DCリバース"と銘打って、全てのコミックを再立ち上げします(今回は世界観のリセットはなし。あくまで同じ世界の中で新しいスタートを切る形)。
そして、好評のうちに終了したスコット・スダイダーによるバットマンの後を引き継いだのが、その才能をマーベルとDCが奪い合った新進気鋭のライター、トム・キングです。
『アイ・アム・ゴッサム』から始まる彼の一連のストーリーは、スナイダーの『梟の法廷』がそうであったように、新規読者の獲得を強く意識しており、細かい伏線などは引き継いでいないので、こちらも読み初めにはぴったりです。

「『梟の法廷』と『アイ・アム・ゴッサム』のどちらがお勧めか?」
という質問に対しては答えるのは難しいのですが、強いて違いを上げるとするならば、「既存のキャラの登場を極力絞りより新規読者に配慮した『梟の法廷』」と、「キャットウーマンやスーサイドスクワッドなどのゲストキャラが多数登場し"DC世界の一部としてのバットマン"にこだわった『アイ・アム・ゴッサム』」といったところでしょうか。


★HUSH


人気アーティスト、ジム・リーが担当し大ヒットとなったストーリー。
バットマンの敵や味方が次々登場する幕の内弁当みたいな構成で非常にお勧めです。
現在は絶版でプレ値がついているため、本稿の趣旨からは外れるのですが、小プロから復刊の予定がでてますので紹介
遂に発売が正式に決まりました。ジョーカー、キラークロック、ポイズン・アイヴィ、スーパーマン、ナイトウィング、ハントレスなど、ヴィラン勢もヒーロー勢も共に出演キャラが豪勢ですので、バットマンを取り巻くキャラ達を1人でも多く楽しみたいのであれば、この本が最適です。

○バットマン:アンダー・ザ・レッドフード

突如ゴッサムにあらわれ、バットマン以上に過激なやり口でゴッサムの裏社会を掌握している謎の男レッドフードにまつわる物語。
HUSHを読んでるとにやりとできるシーンがあるので、HUSHの後で読むことを推奨。

バットマン・アンド・サン
バットマン:ラーズ・アル・グールの復活
バットマン:ブラックグローブ
バットマン:R.I.P.


「バットマンに子供がいた?」という衝撃の事実の暴露から始まるストーリー。グラント・モリソンという人気ライターが話を担当し、非常に評価の高い作品。上記の順番の続き物。
「70年代にバットマンがやっていた荒唐無稽な冒険を”全て事実”と見なした上で、現代的な解釈をこじつける」というマニアックな事をしており、かつそのマニアックさが面白さの源泉なので、はじめに読むのはお勧めしません。
ちなみにBlack GroveとRIPを読むときの注意として、
「絶対に先に巻末の"黒の事件簿"から読むこと」
を挙げさせてもらいます。

バットマン:バトル・フォー・ザ・カウル
○バットマン&ロビン
バットマン:ブルース・ウェインの帰還
バットマン:ブルース・ウェインの選択


上記のRIPの直後に、ゴッサムから姿を消したブルース・ウェイン。
バットマン無きゴッサムにおける後継者争いとを扱ったのが「バトル・フォー・ザ・カウル」、
その結果として新たにバットマンの名を襲名した"2代目"とロビンの活躍を描いた作品が「バットマン&ロビン」、
その間に繰り広げられていた、ブルース・ウェインの時空を超えた冒険を扱ったのが「ブルース・ウェインの帰還」となっています。
「ブルース・ウェインの選択」は、現代に復活したブルースによるバットファミリーの実力試験という体で、当時のバットファミリーを紹介していく連作集となっています。

○バットマン:インコーポレイテッド
○バットマン・インコーポレイテッド:デーモンスターの曙光
○バットマン・インコーポレイテッド:ゴッサムの黄昏



"死"を体験したブルース・ウェインが復活後にぶち上げた「バットマンをフランチャイズ化し世界中の都市にバットマンを配備する」という驚天動地のプロジェクトを描いた作品。
「80年の歴史を持つバットマンの物語が、現在の"闇の騎士"像とは異なる別の方向に進化していたら?」という事をテーマにし喝采を浴びた非常に評価の高い作品で、管理人もお勧め。
流れとしては、上記の「バットマン・アンド・サン」~「R.I.P.」と「バットマン&ロビン」の流れを継承しており、この順番で読むのが吉。
バットマンと仮面ライダーを足して2で割ったような"日本のバットマン"オサム・ジローが登場するのもこの作品

○バットマン:ブラックミラー
○バットマン:ゲート・オブ・ゴッサム


こちらも、ディック・グレイソンがバットマンを務めていた時期の作品。
『梟の法廷』などと同じライターが話を書いており、かつ話も比較的独立しているためお勧めです。
特にブラックミラーは、ゴードン署長の息子、ゴードンJrが登場するサイコスリラーで、お勧めです。

バットマン:ノーマンズ・ランド

度重なる災害により、連邦政府から切り離された無法地帯となったゴッサム。
ヴィラン達が独自の法の下で"国"を管理し、食糧やエネルギーを巡って互いに争う戦国時代のような街に、ヒーロー達は秩序を取り戻せるのか!?

90年代末期に大ヒットした記念碑的イベントの翻訳版。(全4巻)
バットマンの関係者がヒーロー/ヴィラン問わず総登場する作品。
大作ですのでいきなり読むのはお勧めできませんが、これを読めば一通りの主要キャラの活躍をみる事が出来るのが魅力。

バットマン/スーパーマン:クロスワールド

リブート後の世界を舞台にしたバットマンとスーパーマンのチームアップ誌。
話が『ジャスティスリーグ:誕生』や『EARTH2(未邦訳)』の内容を踏まえたものなので、少しお勧めしがたいところもありますが、ストーリーもアートも折り紙つきの内容。

○スーパーマン/バットマン:パブリック・エネミー
スーパーマン/バットマン:スーパーガール


一方こちらはリブート前の作品ですが、バットマンファミリーとスーパンマンファミリーが入り乱れる活劇主体の物語。
DC社の2大ヒーローの魅力が余すことなく盛り込まれた作品ですので、「映画に合わせて2人の活躍が楽しみたい」ということであれば、こちらがお勧め。

バットマン VS. スーパーマン:ベストバウト(仮)

様々な時代のバットマンとスーパーマンの対決回を集めたオムニバス。
『バットマン:ハッシュ』や『ジャスティスリーグ:誕生』に収録された話の再収録もありますが、この価格は魅力的。


バットマン:デス・イン・ザ・ファミリー

「二代目ロビンの死亡」というバットマンにおいて非常に重要な事件の翻訳。
バットマンを語る上で外せない事件ですが、話も画も少し古めなので、初めから無理に読む必要はありません。

バットマンvs.ベイン

映画「ダークナイト ライジング」の悪役ベインに焦点を当てたオムニバス作品。
これも少し古めですし尻切れトンボで終わってるので、強くはお勧めしません。

【正統派:読み切り】
バットマンの基本設定に忠実ながら、それ単体で独立している作品。はじめはこれら作品から入るのがお勧めです。

〇オールスター・バットマン:ワースト・エネミー


New52期のバットマン人気の立役者となったスコット・スナイダー。
未だに根強い人気を誇る彼の功績を称えると同時に、"スナイダーによるバットマン"を熱望する読者の期待に応えるために立ち上げられた番外編。
「New52期には見られなかったスナイダーのバットマンを!」というテーマの下、1冊ごとに異なるヴィラン、異なるアーティストをスナイダーが料理する趣向となっています。
その第一弾となる『ワースト・エネミー』の悪役はツーフェイス。バットマン屈指の人気悪役とバットマンの憎しみと友情に満ちた旅を、"Mr.マーベル"として名をはせながらもDCへの電撃移籍を果たしファンの度肝を抜いたジョン・ロミータJr.が描きます


バットマン イヤーワン/イヤーツー

タイトルの通り活動を始めたばかりのバットマンの活躍とその誕生秘話を描いた作品。
このため世間的には「最初にバットマンを読むならこれ!」という声が支配的ですが、"第一話"というよりは"前日譚"という位置付けですし、とにかく地味で渋い雰囲気なので、管理人的にはそれほどお勧めしません。
(とはいえ、超ド級の名作なのでいつかは読んで欲しい、というか読みたくなる筈です。)
本当は"変化球"のカテゴリーに入れたかったのですが、訳あってこちらに入れました。その訳とは…

★バットマン : ロング・ハロウィーン

…こちらの作品に直接続いているから。
バットマンの活躍開始の2年目を扱った作品で、映画「ダークナイト」の原作のひとつといわれる作品です。と言ってもストーリーが似ているわけではなく、「バットマン、ゴードン、デントの友情とその崩壊」という大枠のみですが。
ダークナイトでトゥーフェイスが気に入った人はこの作品から読むのがお勧め。
いちおう上記のとおりイヤーワンの続きとなっていますが、いきなりここから読み始めても大丈夫のはずです。(むしろ管理人はそういう読み方を押したい。)
こちらも、有名ヴィランが続々登場するので、そういう意味でもお勧めです。
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ちなみにアートはティム・セールで、いわゆるアメコミ風の画から離れた"おしゃれ感"のある画風が魅力となっています。

バットマン:ダークビクトリー

ロングハロウィーンの続編。
こちらもロングハロウィーンと同様、「ミステリー仕立てのストーリーを続々登場する有名ヴィラン達が彩る」という形式ですので、ロングハロウィーンが気に入った人には素直にお勧めできます。
(ストーリー&アートともロングハロウィーンと同じ人)

キャットウーマン:ホエン・イン・ローマ

キャットウーマンを主人公にしたロングハロウィーンとダークビクトリーの番外編。
こちらは、本編に比べてコメディ色とセクシーさが強く出ています。

★バットマン:キリングジョーク 完全版

ジョーカーの誕生秘話をテーマに、彼が引き起こした"DC史上最悪の犯行"をあつかった作品。
各種企画で"アメコミのオールタイムベスト"を選ぶと高確率で1位をさらう超傑作です。ジョーカー好きなら絶対に読んでほしい作品ですね。
少し古めの作品なのですが、ストーリー&アートともにまったく古びていないのに驚き。
まさに不朽の名作です。「単行本1冊でバットマンの真髄を味わいたな。」という方に、激お勧め!

バットマン:ラバーズ&マッドメン

ジョーカーの"もう一つの誕生秘話"を扱った作品。
上で紹介した「キリングジョーク」が傑作すぎて、ジョーカーのオリジンといえばキリングジョークのものを指すようになっていたのですが、その名作にあえて立ち向かいまったく別のオリジンをぶち上げた作品。
悪くはないですが、相手が悪かった。。。

◎笑う男

バットマンとジョーカーの初めての対決を描いた作品。ジョーカーの魅力を堪能する意味では悪くない内容。
これまた、後腐れないので、「とりあえず1冊だけ読もう」という方にお勧め。

【変化球:読み切り】
ちょっと変わり種の作品群。もちろん翻訳がでるだけあって名作揃いですので、普通のバットマンに飽きたらどうぞ。

◎ダークナイトリターンズ
イヤーワンのフランク・ミラーの描く"バットマンの最終回"。
これまたアメコミ自体の歴史を変えた超名作。
これもバットマンを読んでるといつか読みたくなる作品です。


オールスター:バットマン&ロビン ザ・ボーイ・ワンダー

フランク・ミラーによるバットマンのオリジン「イヤーワン」と最終回「ダークナイトリターンズ」の間をつなぐ作品。
かなり暴力的でエキセントリックなバットマンが楽しめますが、正直オススメはしません。
ちなみに、アートは大物ジム・リーで非常にかっこいいです。(投げやりな説明すみません。)


◎バットマン:マッドラブ/ハーレイ&アイビー

アニメ版バットマンのコミカライズ。
アニメ版の産んだ人気キャラ、ハーレクインが主役を張る話が多いです。
気楽に楽しめる冒険譚が多いので、アニメ版のノリが嫌いじゃなければ、お勧めです。

ジョーカー

ジョーカーがゴッサムの裏社会を掌握していく様子を手下のチンピラの目線で書いたピカレスクロマン。クリエイターは否定していますが、映画「ダークナイト」の影響を強く受けた作品です。
「ダークナイト」のジョーカーが気に入った方には良いかも。

バットマン:ザ・ラスト・エピソード

バットマンが死んだ!
彼の葬儀に集まった長年の友人と悪役たち、彼らは次々とバットマンの遺体の前で弔文として、彼との思い出と、その最期の瞬間をかたる。。。
アメコミライター出身で、今では売れっ子ファンタジー小説家となったニール・ゲイマンによる短編。
「物語としてのバットマン」をかたった幻想的な作品。

フラッシュポイント:バットマン

人類がワンダーウーマン率いるアマゾン軍とアクアマン率いるアトランティス軍の戦いの間で、ぼろぼろになった世界を舞台にしたイベント「フラッシュポイント」におけるバットマンの活躍。
かなり面白い作品なのですが、あくまで「フラッシュポイント」の番外編なので、先にそちらをよんでから。

バットマン:ノエル

「バットマンでクリスマスキャロルをやる」この一文で全てを語れてしまう作品。
画もセリフ回しもなかなかいいので、上記の説明にぐっと来た人はどうぞ。

BATMANオリジナル・コミック日本語版

80年近い歴史を持つバットマンの(かなり)昔の作品を集めた短編集。
原題&背表紙の「The Greatest Batman Stories Ever Told」から勝手に「傑作選か!」と思って手を出すと痛い目を見ること間違いなし。
なんせ発表年が古いので今の目で見るとかなり厳しいです。
当時の雰囲気そのものを楽しむ気持ちで読むのが吉。

○バットマン アンソロジー
ジョーカー アンソロジー

こちらはバットマン生誕75周年を記念して作成されたアンソロジー。
上記の書籍に比べると、75年前から現在までの各時代の作品をバランスよく収録しているのが特徴。
「バットマンの歴史を楽しむ」という観点では、現状、これが一番かも。


バットマン:アーカム・アサイラム 完全版

"バットマンの精神鑑定"をテーマに、ジョーカーによるアーカム立てこもり事件を描いた作品。
特筆すべきはそのアート。一枚一枚が絵画のような作品です。
バットマンのマイナーヴィランたちが美麗な絵で登場するので、管理人はかなり好き。

○バットマン:アースワン


「極限までに現実的な世界でのヒーローのありようを考える」というコンセプトの"アースワン"シリーズからの一品。なのでバットマンは”冷静沈着な闇の騎士”じゃないし、ゴードン警部だって”悪徳の街に生きる最後の正義”とは言い難い。
ただ、だからこそ「そう言う自分でありたい」と覚悟を決める彼らが非常にかっこいい作品。
お勧めです。

○バットマン:リル・ゴッサム


表紙のとおり、水彩画の優しいタッチで描かれたチビキャラたちが、ほんわかした物語を紡ぐ連作集。
表紙にビビっときた方は是非どうぞ。
コマの端にマニアックなキャラクターが隠れてたりするので、そういう意味でもあなどれません。



変化球:続き物
残念ながら(?)翻訳ものではでていません。
きっと未来世界のバットマンを描いたバットマンビヨンドの翻訳がでたらここにカテゴライズするのでしょう?

アベンジャーズ #675-676 (アベンジャーズ:ノーサレンダー)

アベンジャーズ #675-676 (アベンジャーズ:ノーサレンダー)
(作:マーク・ウェイド他、画:ペペ・ララス)

【盗まれた地球】
ある日、地球は何度目かの危機を迎えようとしていた。

突然空は赤く染まり、地軸は乱れ、暴風雨に大洪水とあらゆる天災が世界規模で発生、それと同時に全ての人工衛星が地球との交信を止め、通信インフラはダウンしたのだ。
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突然の事態に訳も分からぬまま、懸命に人命救助を続ける地球のヒーロー達であったが、皮肉にも事態の重要性にいち早く気がついたのは、地球のヒーローではなく地球外のヒーロー、衛星上に拠点を構えるアルファフライトであった。

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キャプテン・マーベル:地球が消えた。何者かに盗まれたんだわ…

【ヴィランvsヴィラン】
一方、混乱を極める地球ではあらたな脅威が密かに迫っていた。
エジプトに飛来した2つの飛行体、その中から現れたのは

狂えるタイタン人サノスの私兵集団ブラックオーダーと、
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銀河中から集められた最凶の戦闘隊リーサル・リージョンであった。
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目を合わせた瞬間に、自分たちがいる場所がどこであるかも確かめずに闘いを始める2組のヴィラン軍団。
圧倒的な力と多彩な特殊能力を駆使して激しく戦う彼らであったが、どこからともなく響く声が彼らを制止する。
謎の声1:戦闘を止めよ。ルールは絶対だ。
謎の声2:我が対戦相手の言うとおりだ。始まりの合図まで両者ともバトルフィールドの調査に務めるのだ。

謎の声の叱責を受け入れ、その場を離れる両チーム。

[リーサル・リージョン陣営]
フェレーン・ジ・アザー:なかなか手強い相手のようだ。
キャプテン・グローリー:ああ流石だった。両サイドとも"最良"を集める術は心得ているという事か。


[ブラックオーダー陣営]
エボニー・モー:で、作戦は?
コーヴァス:この星がバトルフィールドに選ばれたのは、この星には独特の"障害物"が存在するからだ。
ゲームを盛り上げるための趣向だが、まずはそれを盤上から取り除くとしよう…


【復活!!】
前代未聞の自然災害を前に、懸命な救助活動を続けるヒーローたち。
そんな彼らに、態勢を立て直すためにアベンジャーズマンションに集結するよう緊急連絡が入る。
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アベンジャーズ、アンキャニー・アベンジャーズ(ユニティ・スクワッド)、U.S.アベンジャーズ、オキュファイ・アベンジャーズ、"アベンジャーズ"の名を冠する全チームに加え、アベンジャーズの在籍経験を持つすべてのヒーローが集められたアベンジャーズマンション。
そして彼らを呼び集めたのは…
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長らくマーベルの表舞台から姿を消し、ファンからは「マーベル編集部が決して復活させないキャラ」と思われていたアベンジャーズの創設メンバー、ヴォイジャーであった!

ヴォイジャー:何故復活できたのか私にもわかりませんが、長い間居なかった私の事を知らない方もいるでしょう…
ファルコン:本気で言ってるんですか!
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シチズンV(サンスポット):そうですよ、俺なんかよりもずっと有名ですよ。なんたって全てはあなたが始めたんですから。

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(アベンジャーズ#1より)

クイックシルバー:それだけじゃない。他の創立者がいなくなった時だって、あなたは残ってくれた。
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(アベンジャーズ#16より)

スカーレットウィッチ:そうよ。あなたは私たちの良心だった。ヴィジョンがこの場にいたら何て言ったことか
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(「アンドロイドにも泣くことはできる(Even an android can cry)」の名台詞でお馴染みのアベンジャーズ#58より)

アベンジャーズの名シーンを背景に、次々とヴォイジャーの偉大さを口にするヒーローたち。

伝説的ヒーローを仲間に加え士気を上げたアベンジャーズは、現在地球が直面している状況に対応するべくチームの垣根を超えた脱出作戦を練り始める。
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しかし、そんな彼らの上空に突如現れたのがブラックオーダー。彼らは"障害物"を取り除くため、アベンジャーズマンションに攻撃を開始する!

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というわけで今回は先日始まった『アベンジャーズ:ノーサレンダー』の紹介でした。
「現在のアベンジャーズ系列の集大成」、「現代における『アベンジャーズ・ディスアセンブル』」として始まった週刊タイトルですが、何といっても管理人が気になるのは"アベンジャーズの創設者"ヴォイジャーの復活!

…勿論ですが、本当のアベンジャーズの創設者はアイアンマン、ソー、ハルク、アントマン、ワスプの5人(キャップはその直後に復活)であり、ヴォイジャーというキャラクターは今回が初登場になります。
しかし、その存在は”マーベル版DCユニバース:リバース”ともいえる短編『マーベル・レガシー』の時点で既に匂わされており、同作に描かれた創立メンバーの石像に、しっかりとヴォイジャーが混じっています。

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それどころか、"アベンジャーズの歴代チームを図案にしアベンジャーズの歴史を称える"として各誌で展開したヴァリアントカバーにもその姿が紛れ込んでおり、マーベルとしてはあくまで「皆さんご存知、アベンジャーズの創立メンバーのヴォイジャー」という姿勢を貫こうとしています。

ヴァレリア・ヴェクターという名前から、現在のマーベル世界の創造主であるDr.ドゥーム(ヴィクター・フォン・ドゥーム)やヴァレリア・リチャーズとの関連もうかがえるヴァレリアの正体は果たして誰なのか?
こういう謎をはらんだ展開が週刊でサクサクと読めるのはいいですね。

【宣伝】

先日、翻訳が発表されて個人的にうれしかったのが『インビンシブル・アイアンマン:リブート』。
人気の割りになかなか翻訳本が発売されないアイアンマンですが、その最新シリーズが遂に発売です。
また本国で快進撃を続けるマーベルのスターウォーズからは『スター・ウォーズ:ハン・ソロ』が登場。マーベルのスターウォーズはその豪華な制作陣で有名なのですが、今回は『モンストレス』の翻訳版が発売されたばかりのマージョリー・リュウがライター!
他にも『ウィッチャー 1: HOUSE OF GLASS』や『ウォーキング・デッド8』など、コミックファンの外にも知名度の高い作品の翻訳も進んでいるのが、非常にここ強いですね。



(以下は使いまわし)
今月発売のアメコミで注目なのは何といっても『デッドプール:トゥー・スーン?』。マーベルを代表するギャグキャラ、フォーブッシュマンの死を発端に起こる"ギャグキャラ狩り"。果たしてデッドプールは、ロケット・ラクーンやハワード・ザ・ダックといったギャグキャラたちを護ることはできるのか!?
といった趣向の作品でとにかく面白そう。(ギャグキャラの中にパニッシャーも入っているのはご愛敬)
またスパイダーグウェンの続刊『スパイダーグウェン:グレイター・パワー』と、密かな人気者タスクマスターの個人誌『タスクマスター:失われた過去』も今月に発売予定。



また、大人気アーティスト、マイク・ミニョーラが久々に担当したことで話題をさらった『ヘルボーイ・イン・ヘル:死出三途』は早くも翻訳。
DCからは、人気者ハーレイクインが、New52以降あまり絡みのなかった"プリンちゃん"ことジョーカーと対決する『ハーレイ・クイン:ジョーカー・ラヴス・ハーレイ』に、スーパーマンの新たなマスターピースと呼び声の高い『スーパーマン:アメリカン・エイリアン』が刊行。
(アメリカン・エイリアン、本気で大好きな作品だったので作者の不祥事がとにかく残念です)
また、スーパーマンといえばスーパーマンとバットマンが子連れで出会い、親バカっぷりを炸裂させる『スーパーマン:トライアル・オブ・スーパーサン』もお勧めですので、ぜひ!



プロフィール

NOB-BON

Author:NOB-BON
X-men生まれSpawn育ちを地でいく、90年代アメコミバブルの残党。
しばらくの間、アメコミは翻訳本を買う程度だったのが、最近のデジタルコミックの手軽さにひかれ、本格的に復活しました。

基本的にMarvelメインですが、DCのリランチを機に自分の中でDCブームが来てるので、しばらくはDCの話題続くかも。
しばらくどころか完全にDC派に転びました。

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