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スーパーマン #10

スーパーマン #10
(作:ピーター・J・トマシ、画:パトリック・グリーソン)

メトロポリスにほど近い町ハミルトン・シティにて、健やかに学校生活を楽しむスーパーボーイことジョン・ケント。
しかし彼はクリスマスツリーに使うモミの木を探し入った近所の森で、謎の敵に襲われ意識を失ってしまう。

見知らぬ研究施設で目を覚ましたジョンの前に現れた少年。
それは"バットマンの息子"にして地球最強の悪ガキ、ダミアン・ウェインであった。
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ダミアン:お前はこの星の生きとし生けるものにとって危険な男だ、ジョン。
親父の月面基地に入り込んだだけではなく、ハミルトンシティで猛禽類とネコ科生物を殺害した!

ジョン:ちょっと僕の話を聞いてよ。

(ジョンはその能力が発現した際、誤って自分の飼い猫とトンビを殺してしまいました。本人にとってはかなりのトラウマです)

ダミアン:お前の親父は、この世界で表舞台に姿を現す前の数年間、俺たちを見張っていた。
その間に、奴が企んでいた陰謀を想像するだけで…
ジョン:お父さんはそんなことはしないよ!
ダミアン:しないのか? 俺の親父ならするぞ?


バットマン:・・・ダミアン、いい加減にするんだ。
スーパーマン:ジョン!助けに来たぞ!


そこに現れたのは、ダミアンの(いつもの)暴走を止めるために現れたバットマンと、誘拐された息子を救うために現れたスーパーマンであった。

一堂に会する新旧の"ワールドファイネスト"。
その後、いろいろあって(笑)、彼らはバットケイブの最新設備を用いてジョンの健康診断を、行うこととなる。
健康診断も一息つき、アルフレッドの入れるお茶で和やかに歓談を楽しむ両家族。
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しかし、バットマンとスーパーマンが目を離している間にダミアンがジョンを挑発し、取っ組み合いのケンカが勃発。
無茶苦茶になるバットケイブ。

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二人のやんちゃっぷりに堪忍袋の緒が切れたバットマンとスーパーマンは、息子たちに"尊敬と協力"を叩き込むために、試練を与えることを決意する!
****************************

とうわけでついに実現した、ロビンとスーパーボーイという2大次世代ヒーローの初顔合わせ。
今後二人は2017年開始の新シリーズ『スーパーサンズ』誌にて再びコンビを組むこととなりますが、アメリカの片田舎で伸び伸びと育った品行方正な腕白少年ジョンと、いかめしい顔を保っているつもりが本質的な育ちの良さを隠せない悪ガキ・ダミアンでこぼこコンビの活躍が今から楽しみです。

以下は気に入ったシーン。

【ジョンくんはリア充】
実はジョンくんの一番の友達は、同じ学校に通うお隣さんの女の子です。
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ジョン:エッグノッグ美味しかったよ。いつもありがとう。
キャシー:科学の授業を手伝ってもらったお礼だから、何回でも作ってあげるわ。
ジョン:そういえば転校生が来たらしいね。見にいってみる?
キャシー:あなたが行くのなら…

と、完全にカップル。
いじめっ子からの冷やかしに対しても堂々とした態度で、まさにリア充の佇まい。

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ちなみに噂の転校生の正体はダミアンのお目付け役の少女"ノーバディ"でした。
彼女を前にしたキャシーの複雑な表情…
こういう時に「爆発しろ」っていうんでしたっけ?


【2人の親バカ】
ダミアンをいさめに来たバットマンと、誘拐されたジョンを救うために飛び込んできたスーパーマンは、一瞬だけ険悪な雰囲気に。

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スーパーマン:誰かがあの少年に、礼儀を教えた方がいいんじゃないかな?
バットマン:そういう君の方も、能力制御の教育が必要なのでは?


2人とも意外に親バカだぞ!

【宣伝】
新作の発表が多すぎて、何を紹介したんだかしてないんだか分からなくなってしまった翻訳アメコミ。
今回は目についた作品を片っ端から紹介。

まずはイベント『ジャスティスリーグvsスーサイドスクワッド』も始まり、いまDCが最も力を入れているタイトルであるスーサイドスクワッドから、その主要メンバーに焦点を当てた2作品『スーサイド・スクワッド モスト・ウォンテッド:デッドショット』と『スーサイド・スクワッド モスト・ウォンテッド:カタナ』が発売。
またゴッサムシティのはずれにある名門校を舞台にした学園探偵もの『ゴッサム・アカデミー:カラミティ』が発売。
Twitter上で話題になった"イケメン・ダミアン"が遂に登場。マップス、ダミアン、グラップル銃の三角関係に発展!
そして『アクアマン:王の最期』にてジェフ・ジョーンズ期のアクアマンが遂に完結。オーシャンマスターを倒しアトランティス王位を改めて継ぐこととなったアーサーの前に、古代の王が甦る!


お次は月刊が通常のアメコミ界において、週刊作品を1年間続けるというクレイジーな企画『バットマン:エターナル』の上巻がまさかの刊行。
ジム・ゴードン逮捕の衝撃と共に、ゴッサムで最も危険な"人"――カーマイン・ファルコーネが帰ってくる!
次も大作『バットマン:ノーマンズランド』の3巻が刊行。90年代後半のバットマンの金字塔となったクロスオーバーのいよいよ後半戦。
そして「LOBO ポートレイト・オブ・ア・バスティッチ」で驚異の翻訳デビューを果たしたジュリアンパブリッシングから、『BATMAN LOBO / LOBO AUTHORITY:HOLIDAY HELL』が発売!
容赦のない筋肉描写で一世を風靡したサイモン・ビズレーのアートで、ロボとバットマンが読めるよろこび!



翻訳デビューといえば、誠文堂新光社も翻訳アメコミに参戦。そしてそのチョイスが凄い!
まずはヴァイオレンスグルメコミック界の金字塔(そんな"界"があるならばですが)『GET JIRO!』!
"スシ"の名をかたるまがい物が幅を利かせる悪徳の街ロサンセルスに、硬派な寿司職人ジローが帰ってくる。
色物と侮ることなかれ、著作の映画化も控えた有名グルメライター、アンソニー・ボーデインがライターなだけあって、その寿司描写だけは確か。ほかの設定は頭のネジがかなり飛んでいますが…
続いてはガース・エニスの『ザ・ボーイズ』。ヒットマン、パニッシャーなど、問題作を数多く世に送り出したガース・エニスの作品の中でも一番の問題作である本作。
大手出版社の自主規制の頸木を逃れたエニスが、本当に下世話で下品でハートフルなヒーロー界を描く!
続いては『ウォーキングデッド』で飛ぶ鳥を落とす勢いのライター、ロバート・カークマンの『アウトキャスト』が翻訳。
こちらは管理人は未読なのですが、悪魔祓いをテーマにした話題作の翻訳ということで非常に楽しみです。
最後にエンターブレインから『ヒットマン』の続巻が刊行されることが発表。
てっきりラインが止まったと思っていたヒットマンの復活が大変うれしいです。New52世界にも帰ってこないかなモナハン。


"最後に"と思ったら、まだ重要な作品『ハワード・ザ・ダック』の紹介が漏れていました。
私世代だと、ルーカスによる映画でお馴染みの彼ですが、実は近年マーべス世界で復活を果たし、大人気となっています。
地球と宇宙を股にかけるやや脱力系のコメディですが、その面白さお墨付き。

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IvX(インヒューマンズ vs X-MEN) #0

IvX #0
(作:チャールズ・ソール、画:ケネス・ロカフォード)

【ニューアティランにて】
ビースト:さて!取り掛かるとしようじゃないか。
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インヒューマンズの王都ニューアティランの研究室にて、ビーストは声をあげた。
そのどこか楽し気な姿に、ビーストの助手であるインヒューマンの科学者アイソは思わず質問した。

アイソ:ずいぶん上機嫌ですね。ミュータントが絶滅の危機にあるというのに。
ビースト:しかり。ただ、今回の敵は殺人ロボットでも、不安定な魔女でも、時空の特異点でもない。
ただの化学反応、つまりは科学の領域じゃないか。こと科学に関して言えば、我々人類はどんなことだって可能にしてきた。
アイソ:もう何かアイデアがあるんですね。
ビースト:いや、なにも。ただほら!
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ビースト:洞窟の壁に自分たちの姿を刻んだ3万年前の人々にとっては不可能に思えたことも、今ではこの通り、子供の遊びだ。
それもこれもみな、不可能を可能にする科学の力だよ。


インヒューマンズ誕生の引き金であると同時に、ミュータントを殺す疫病M-ポックスの原因となる雲――テリジェンミストを無毒化するために、インヒューマンズのもとで研究する道を選んだミュータントの科学者ビースト。
彼は自分の研究の先に、インヒューマンズとミュータントが手を取りある明るい未来があることを確信していた。


【両種族の現状】
しかしビーストの思い描く理想に反し、インヒューマンズとミュータントの関係は停戦協定の上になりたった不安定なものであった。

今をさかのぼること8か月前、全ミュータントの前でミュータントの平和的団結を説いたサイクロプス。
そんな彼ですが、テリジェンミストのミュータントへの害を知ったとたんに態度を硬化。
テリジェンミストとインヒューマンズの危険性についての憶測まじりの糾弾を、全世界に向けて発信した上に、インヒューマンズたちがミュータントの緊急避難に手を取られているすきに、地球を巡回する2つの巨大なテリジェンミストの1つを破壊したのだ。
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自分たちの同胞を増やすテリジェンミストはインヒューマンズにとって、神聖とすらいえる存在。
そんなテリジェンミストが破壊され、怒り心頭のインヒューマンズの前に現れたサイクロプスは、同胞たちを守るために残り一つとなったテリジェンミストも破壊することを宣言。
インヒューマンズの王ブラックボルトの怒りに触れたサイクロプスは、王の力により同胞たちの面前で塵となったのだ、
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「理念は死なぬ」という言葉を残して。

この一件により一種即発となったミュータントとインヒューマンズ。しかし両種族のリーダーである2人の女性ストームとメデューサは、争いを由とせず両種族の間で停戦協定を結ぶこととなる。

この協定により、インヒューマンズは残されたテリジェンミストを常に追跡し、その進路にミュータントの反応があれば避難を最優先とすることを約束、事態はひとまずの収束を迎えたかにみえた…


【暗躍するホワイトクイーン】
エマ:理念は死なない…
ビーストが科学の力で、ミュータントたちを救おうとする中、表舞台から姿を消していたホワイトクイーン、エマ・フロストもまたミュータントを救うための、密かな活動を行っていた。

もちろんエマが頼るのは科学の力ではない。
マグニート率いるアンキャニーX-MEN、
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過去からやってきたAll-New X-MEN
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地獄に作られた避難所に居を構えるエクストラオーディナリーX-MEN
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ミュータントの各種勢力に密かにコンタクトをとり、ビーストが失敗した時の"プランB"に向けた協力要請を行っていたのだ。

【一方インヒューマンズも…】
メデューサ:ビーストは信頼に足る人物だわ。でも、全てのミュータントがそうだとは限らない。
いつか、必ずしびれを切らすものが現れる。
我々から戦争の口火を切ることはけしてない。しかし、戦争に勝つ準備は常にしておくように。

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ミュータントとインヒューマンズの戦争に向けた準備を進めていたのは、エマだけではなかった。
インヒューマンズ王家もまた、"ミュータントの保護"を理由にテリジェンミストの警護にあたり、ミュータントの戦争に備えていた。

【ビーストの発見】
ビースト:なんということだ!
アイソ:どうかされましたか?
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ビースト:・・・いや、なんでもない。そろそろ昼食でも取ろうか?ワシは腹が減って仕方がないよ。


サヴェッジランドに設置した計測器の測定結果を見たビーストは、ミュータントの同胞たちに連絡を取ることを決意する。
それもインヒューマンズには決して知られるように、ひっそりと・・・

************
というわけで、今回はマーベルの冬のクロスオーバー『IvX(インヒューマンズvsX-MEN)』のプレリュードの紹介でした。
ただ実はこの物語には#0とは別にもう一つのプレリュードが存在します。
そのタイトルは『デス・オブ・X』。
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昨年のイベント『シークレットウォーズ』終了から、『オールニュー・オールディファレント・マーベル』によるリランチ開始までの間、作中時間で流れた8か月間の空白期間を埋める物語として、人々の口を通してしか語られなかったサイクロプスの最後とインヒューマンズとの確執を描く物語です。
オールニュー・オールディファレント・マーベル開始以降、意図的にその詳細がぼやかされてきたサイクロプスの最後とは、いったいどのようなものであったのか?
実は、物語は事前に明かされていた内容通りに進んでいき、正直管理人は読みながら「わざわざもったいぶってこの内容?」と若干不満でした。
…最後の数ページを読むまでは。
「ブラックボルトとメデューサを襲撃して返り討ちに合う」という物語をなぞっていく『デス・オブ・X』は、最後の数ページに明かされた事実でその意味合いをがらりと変えます。
そして、その影響は本作『IvX』にも色濃く出ており、同じセリフを読んでいても、『デス・オブ・X』を読んだ読者と未読の読者では、そのニュアンスが大きく違って感じることでしょう。

果たして、マーベル世界の2大種族の対立はどこに着地するのか?
この世界に残されたサイクロプスの理念はどうなるのか?

ここ数年のX-MEN系列の大団円としての本作をみなさんもぜひ読んでみてください。

【宣伝(使いまわし)】
久しぶりの更新となると、書くのが大変なのがこのコーナー。
特にこの一か月は、とんでもないタイトルが数多く発表されました。

まずは『バットマン:エターナル<上>』! バットマンに訪れた最大の危機をかつてないスケールで描いた超大作がまさかの翻訳!
通常のTPBで8冊ほどの分量となる内容の前半部分を1冊にまとめての刊行になります。
個人的にも初めて完走した週刊タイトルで、毎週その展開に悶絶しながら読んだ思い入れたっぷりの作品なので、翻訳は嬉しいところです。

続いての驚きは『Y:THE LAST MAN 1』。「謎の伝染病により世界中の男性が死滅。この地球に残された最後の雄となった主人公は…」という、比較的ベタな設定を"今世紀最高のコミック"の1つへと引き上げた作品。
普段はヒーローコミック以外は読まない管理人ですが、アメコミの情報を仕入れていると常に大絶賛と共に耳に入ってくるこの作品が日本語で読める日が来るとは思いませんでした。

そして、こちらも驚きの『BATMAN LOBO / LOBO AUTHORITY:HOLIDAY HELL』!
英国コミックの雄、サイモン・ビズレーの描くバットマンとロボの大騒動が翻訳!

最後に管理人がお勧めしたいのが『アクアマン:王の遺産』と『アクアマン:王の最期』の2冊。
不人気キャラの代名詞であったアクアマンを、一気にDCのトップタイトルへと帰りづかせたジェフ・ジョーンズのアクアマン。
第一巻が発売された時にもちろん期待していましたが、完結編まで一気に刊行されることになりました!




またマーベルで楽しみなのは、『ドクター・ストレンジ:ウェイ・オブ・ウィアード』。昨年より始まったオールニュー・オールディファレント・マーベル路線の初翻訳は、映画の公開が待たれるDr.ストレンジ!
本国でも映画化を控えた時期に始まった企画ということもあり、マーベルのトップクリエーターの共演となっています。
またDr.ストレンジでいえばその誕生譚を再構成した『ドクター・ストレンジ:シーズンワン』も、映画の予習にはぴったりの作品となっております。
また、翻訳作品の続刊となる『ジャスティス Vol.2』『ジャスティス・リーグ:ダークサイド・ウォー 1』も近日発売となっています。

アース2:ソサエティ #18

アース2:ソサエティ#18
(作:ダン・アブネット、画:ブルーノ・レドンド)

前回の紹介からずいぶん間があいた「アース2:ソサエティ」。
地球を追われ、新天地惑星テロスへとついた入植船団。まったく新しい世界で、1から文明を復興することとなった彼らには、その後様々な苦難が襲いました。

アナーキー率いる民衆たちの暴動や、
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新世界の神を標榜するジミー・オルセンによるカルトの流行。
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その出自から化石燃料が一切存在しない新世界でおこったエネルギーを奪い合う都市国家同士の争いと、
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貧民に汚染エネルギーを売りつけるエネルギーシンジケートの台頭。
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平和の維持ではなく、"社会基盤自体の構築"という難題に伴うこれらの苦難を潜り抜けたワンダーたち(この世界ではヒーローではなくそう呼ばれています)は、レッドトルネードことロイス・レーンによる新憲法の下、安定した社会への道を歩みだすかのように見えた。
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しかしそんな彼らの前に突如として現れたのは、他の移民船と共にこの惑星に到着しながらも、現在までその行方が知られていなかったアクアウーマンとアトランティスの眷属。
そしてアトランティス人たちの船に密航し、密かにこの世界にやってきていた、ワンダーウーマンとステッペンウルフの娘フューリーであった。
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思いもよらぬ勢力の登場に身構えるワンダーたち。
しかしフューリーの口から出たのは、アマゾン族の神器パンドラの箱を用いた人類救済の申し出であった。
有史以来の全歴史を、地球上に存在したすべての人物の魂と共に保存している神器パンドラの箱。
その箱が秘めた力を開放すれば、世界の再創造はもちろん、ダークサイド軍との戦いで失ったすべての人々を取り戻すことも夢ではないのだ。

予想もしないところから差し伸べられた救いの手に、動揺を隠しきれないワンダーたち。
しかし、パンドラの箱を必要としていたのは、ワンダーたちだけではなかった。

アース2の征服を狙う超知性ゴリラ、ウルトラヒューマナイトもまたパンドラの箱を狙っていたのだ。
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地球破滅のどさくさで産まれた孤児たちを急激に成長させ、自らの私兵としたウルトラヒューマナイトの攻撃に防戦を強いられるワンダーたち。
アース2の命運をかけた戦いが侵攻する中、フューリーは「ウルトラヒューマナイトに奪われるくらいなら」と、準備が整わない状況で、パンドラの箱を起動してしまう。

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光に包まれるアース2.。
そしてワンダーたちの前に広がっていたのは、

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ゴールドエイジ版サンドマンの姿をした謎の軍団と…

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1940年代と現代が奇妙に混ざり合ったメトロポリスであった!

*******************
というわけで、週刊タイトル『ワールズエンド』のエンディング以来、2度目のカタストロフを迎えたアース2。
主人公たちの前に現れた世界とは一体何なのか、現在のところ直接的な情報は何一つわかりませんが、周辺事情をおっていくとなかなか興味深い状況が浮かんできます。

まずポイントとなるのはそのゴールデンエイジへの回帰傾向。
上記の通り、主人公たちの前に現れた謎の男たちはゴールデンエイジのサンドマン――ウェスリー・ドッズの姿をしていますし、彼らの前に現れた世界は、男性が中折れ帽をかぶり、独特の丸みを帯びた自動車が走る40年代の雰囲気。
『アース2』→『ワールズエンド』→『アース2:ソサエティ』とタイトルを変えてきた本作品も、もとを正せば40年代にデビューしたヒーローチームJSAのNew52版として始まった企画であったことを思えば、作品舞台が40年代へと回帰していくのは自然の流れと言えるでしょう。
 (そもそも"アース2"とは、もともとはゴールドエイジのヒーローたちが住む世界の呼称でしたしね)

そして別タイトルである『フラッシュ』誌でも、アース2の今後を匂わせる展開がありました。

フラッシュ#9にて、一時的にスピードフォースに捕らわれたバリー。
バリーはその中で、今後彼に降りかかるであろう様々な苦難を幻視します。
しかし幻視の最後に"ある物"をみたバリーは、なぜだか心が落ち着き、希望に満ちていくのを感じます。
そんな彼が見たものとは…
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(ゴールデンエイジのフラッシュ――ジェイ・ギャリックの持つヘルメスの兜)

そして、現在『タイタンズ』誌のアートを担当するブレット・ブースは、ツイッター上に書きかけのアートをアップロードしました。


(ジェイ・ギャリックの姿。ちなみに左はリバース・フラッシュ、右はサヴィター。両者ともフラッシュのヴィランであるスピードスターです。)

もろもろを考えると、近々DCのメイン世界にジェイ・ギャリックが帰還することは間違いないでしょう。
それではそのジェイは、アース2のジェイと同じ人物なのか、別人なのか?
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確実なことは何一つ言えませんが、何かが起こることははっきりとしながら、何が起こるか見当もつかない現在の『アース2:ソサエティ』誌は、現在のDCの中でもっとも目が離せないタイトルの一つであることは、まぎれもない事実でしょう。

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久しぶりの更新となると、書くのが大変なのがこのコーナー。
特にこの一か月は、とんでもないタイトルが数多く発表されました。

まずは『バットマン:エターナル<上>』! バットマンに訪れた最大の危機をかつてないスケールで描いた超大作がまさかの翻訳!
通常のTPBで8冊ほどの分量となる内容の前半部分を1冊にまとめての刊行になります。
個人的にも初めて完走した週刊タイトルで、毎週その展開に悶絶しながら読んだ思い入れたっぷりの作品なので、翻訳は嬉しいところです。

続いての驚きは『Y:THE LAST MAN 1』。「謎の伝染病により世界中の男性が死滅。この地球に残された最後の雄となった主人公は…」という、比較的ベタな設定を"今世紀最高のコミック"の1つへと引き上げた作品。
普段はヒーローコミック以外は読まない管理人ですが、アメコミの情報を仕入れていると常に大絶賛と共に耳に入ってくるこの作品が日本語で読める日が来るとは思いませんでした。

そして、こちらも驚きの『BATMAN LOBO / LOBO AUTHORITY:HOLIDAY HELL』!
英国コミックの雄、サイモン・ビズレーの描くバットマンとロボの大騒動が翻訳!

最後に管理人がお勧めしたいのが『アクアマン:王の遺産』と『アクアマン:王の最期』の2冊。
不人気キャラの代名詞であったアクアマンを、一気にDCのトップタイトルへと帰りづかせたジェフ・ジョーンズのアクアマン。
第一巻が発売された時にもちろん期待していましたが、完結編まで一気に刊行されることになりました!




またマーベルで楽しみなのは、『ドクター・ストレンジ:ウェイ・オブ・ウィアード』。昨年より始まったオールニュー・オールディファレント・マーベル路線の初翻訳は、映画の公開が待たれるDr.ストレンジ!
本国でも映画化を控えた時期に始まった企画ということもあり、マーベルのトップクリエーターの共演となっています。
またDr.ストレンジでいえばその誕生譚を再構成した『ドクター・ストレンジ:シーズンワン』も、映画の予習にはぴったりの作品となっております。
また、翻訳作品の続刊となる『ジャスティス Vol.2』『ジャスティス・リーグ:ダークサイド・ウォー 1』も近日発売となっています。

プロフィール

NOB-BON

Author:NOB-BON
X-men生まれSpawn育ちを地でいく、90年代アメコミバブルの残党。
しばらくの間、アメコミは翻訳本を買う程度だったのが、最近のデジタルコミックの手軽さにひかれ、本格的に復活しました。

基本的にMarvelメインですが、DCのリランチを機に自分の中でDCブームが来てるので、しばらくはDCの話題続くかも。
しばらくどころか完全にDC派に転びました。

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