スーパーマン:ファイナルデイズ・オブ・スーパーマン(そしてリバース後について)
スーパーマン:ファイナルデイズ・オブ・スーパーマン
(作:ピーター・J・トマシ、画:マイケル・ジャニン他)
ヴァンダル・サヴェッジとの戦いの中で、ついに能力を取り戻したスーパーマン。
しかし、この数か月におこった事件、
すなわち「ダークサイド・ウォー」でのファイアピットへのダイブ、

「サヴェッジ・ドーン」でのクリプトナイト風呂、

そしてJLA誌で繰り広げたクリプトン星の神であるラオとの激闘を戦い抜いた彼の体は限界に達していた。

沈黙の要塞に備えられたクリプトン星の超技術を用いたメディカルチェックの結果、自身の死が不可避であることを悟ったクラークは、自らの人生の幕を引くために隣人たちに最後の別れを告げることを決意する…

というわけで、「DC:リバース」直前に行われるスーパーマン系列のクロスオーバー『ファイナルデイズ・オブ・スーパーマン』が始まりました。本クロスオーバーですが、実は予告時点では『スーパーリーグ』という名前で発表されており、その時は「能力の減退を経験したスーパーマンが、自身の不在でもこの地球を守ることができるよう新たなリーグを結成する」という粗筋が紹介されていました。
しかし本編が始まってみれば先ほどの粗筋も決してウソではないのですが、どちらかといえばスーパーマンの行動は余命を宣告された者にふさわしいウェットで感傷的な自身の人生の再訪問であり、そういう意味でもこの改題は必然であったかなと思っています。
ロイス・レーンとラナ・ラング、スーパーガールやバットマンなど様々なキャラクターが登場する本イベントですが、何といっても注目したいのは本イベントの中で、New52世界のクラークがリブート前のクラークと遂に顔を合わせること!
(リブート前のスーパーマンがこちらの世界にいる理由については、こちらの記事を参照)

幾多の試練を乗り越え、時には”自らの死”すら経験した歴戦の勇士であるリブート前のスーパーマンが、死を覚悟したこの世界のスーパーマンに何を語るのか、今から興味が尽きません。
そしてリブート前とリブート後の2人のスーパーマンの出会いは、6月以降の新展開『DC:リバース』後のスーパーマンを語る上でも重要な要素となっています。
他の多くのタイトルがそうであるように、スーパーマン系列も『DC:リバース』以後に新しい状況のもと物語が開始するのですが、スーパーマン系列における"新しい状況"、それこそが「New52スーパーマンの不在と、それに替わる複数人のスーパーマンの登場」です。

まず重要な変化として、アクションコミックス誌とスーパーマン誌、そしてJLA誌に登場するスーパーマンは全てリブート前のスーパーマンとなることが明言されており、今後しばらくはスーパーマンといえば、彼のことを指すことになりそうです。
しかし胸に"S"の文字をつけて戦うヒーローは彼だけではありません。リブート前のスーパーマンの登場に呼応するかのように、リバース後の地球には様々なスーパーマンが登場することになるのです。
それではその"スーパーマン"達を順を追って紹介していきましょう。
一人目はスーパーマンの積年のライバルであるレックス・ルーサー。

彼はメトロポリスの新たな守護者として、自前のスーツに"S"の字を刻印。アイアンマンのようなメカスーツ系ヒーローとして活躍することになります。
そして次なるスーパーマンは、"スーパー・マン"コン・ケナン君。スーパーマンの力をもった中国人の少年です。

今回紹介した『ファイナルデイズ・オブ・スーパーマン』の流れを組む作品として開始する新シリーズ『ニュー・スーパー・マン』(SupermanではなくSuper-manであることに注意!)の主人公である彼は、中国政府によって作られた人造ヒーローとして中国版ジャスティスリーグを率いることとなります。
人造人間として培養槽で産まれたその生い立ちと、"コン(孔)"という名前…、どことなく"スーパーボーイ"コン・エルとダブらせようとする編集者の意図を感じるのは管理人の考えすぎでしょうか?
"スーパーボーイ"といえば、リブート前のクラークとロイスの息子であるジョン・ケントも、スーパーボーイの名を継いでダミアンと共にヒーローとして活躍することとなります。

また「彼の正体をいかに世間から隠すか?」ということが、『スーパーマン』誌の最初のストーリーの主題となることが予告されています。
そしてNew52世界のロイス・レーンもまたコスチュームを身にまとい『スーパーウーマン』として、個人誌を獲得します。

元来、スーパーウーマンといえばフォーエバーイービルにも登場した"悪のワンダーウーマン"の名前。『スーパーウーマン』誌の最初の物語では、彼女を思わせる名の"ウルトラウーマン"が敵となる模様ですが、果たしてどうなるか?
最後のスーパーマンは、クラークから孤独の要塞の所有権を譲られたスーパーガール。

彼女は政府機関D.E.O.のエージェントとなる模様。
うがった言い方をしてしまえば、人気ドラマ『スーパーガール』の設定に寄せていくわけですね。
というわけで、最初に紹介したリブート前のスーパーマンも含めれば、実に6人ものスーパーマンが新たにNew52世界の表舞台に現れることになるのですが、それでは肝心のNew52世界のスーパーマンはどこへ消えてしまうのでしょうか?
『ファイナルデイズ・オブ・スーパーマン』の内容や、「重要な人物が『DCユニバース:リバース』にて一人死亡する」というジェフ・ジョーンズの予告を考えれば、死亡すると考えるのが順当でしょう。
しかし、その予想に待ったをかけたくなる登場人物がもう一人。それがアクションコミックスの予告文に現れる謎の人物(?)新クラーク・ケントです。
このクラーク・ケント氏がいったい何者なのかは、今のところは一切明かされていません。しかし多くのファンやニュースサイトが、このクラークこそがNew52のスーパーマンのリバース後の姿だと予想しているのは確かです。
ところで、この「スーパーマンの不在と、それに替わる複数のスーパーマンの登場」という状況に、どこか聞き覚えはないでしょうか?
そう、実はこの状況は90年代初頭に一世を風靡し、その後のアメコミのストーリーテリングに多大なる影響を与えた『Death of Superman』と、その顛末を扱った『Reign of Supermen』とそっくりなのです。

『Reign of Supermen』ではドゥームズデイとの戦いで死亡したスーパーマンの後継者として、スーパーボーイ、スティール、サイボーグスーパーマン、エラデュケーターという4人のヒーローが登場しましたが、リバースの状況はこれを踏まえていると指摘するファンは多く、その指摘を裏付けるかのように、今までNew52では未登場であったエラデュケーターもスーパーマン誌にて復活することが予告されています。

さらにはアクションコミックスで開始するストーリー「パス・トゥ・ドゥーム」ではドゥームズデイのメトロポリス襲来が予告されており、さらには『Death of Superman』を思わせるこんな表紙も公開されており、「もしや『Death of~』と『Reign of ~』を同時にやってしまうの?」と思わせるものがあります。
リバース後のスーパーマン系列のストーリーがこの先どこまでこれらの名作エピソードを踏襲するのかはわかりませんが、制作陣がこれらを念頭に入れながら物語を書いていることはまず間違いないでしょう。
そして、個人的にはここがキモだと思っているのですが、今回この状況に直面するスーパーマンはリブート前のスーパーマンであり、読者同様『Death of Superman』事件も『Reign of Supermen』事件も経験しているのです!
【宣伝】
めぼしい翻訳はこちら。
まずは映画公開も控え飛ぶ鳥を落とす勢いのデッドプールからは、
レギュラータイトルである『デッドプール VS. シールド』と『ウェディング・オブ・デッドプール』。後者はデッドプールの関係者が制作陣まで含めて参加する結婚式で話題になった号を収録。
またミニシリーズである『デッドプール:ドラキュラズ・ガントレット』も6月に発売予定。
そしてなんといっても重要なのは、ファンから翻訳が熱望されていたタイトル『ケーブル&デッドプール:青の洗礼』が遂に翻訳!
ケーブルとデッドプールの絆を描いた話題作です。
そして管理人がぜひともお勧めしたいのが『グレイソン』!コスチュームを高級スーツに着替えジェームス・ボンド張りの活躍をスルディック・グレイソンのスパイアクションで、その凝った物語構成は一読の価値があるはずです!
また他にもマーベル屈指の人気兄弟として上り詰めたソーとロキの確執を描いた「ソー&ロキ:ブラッド・ブラザーズ」や、
過去様々なコミックやメディアに登場したあらゆる世界のスパイダーマンが一同に会した話題作『スパイダーバース』など、相変わらず話題作が目白押しです!
(作:ピーター・J・トマシ、画:マイケル・ジャニン他)
ヴァンダル・サヴェッジとの戦いの中で、ついに能力を取り戻したスーパーマン。
しかし、この数か月におこった事件、
すなわち「ダークサイド・ウォー」でのファイアピットへのダイブ、

「サヴェッジ・ドーン」でのクリプトナイト風呂、

そしてJLA誌で繰り広げたクリプトン星の神であるラオとの激闘を戦い抜いた彼の体は限界に達していた。

沈黙の要塞に備えられたクリプトン星の超技術を用いたメディカルチェックの結果、自身の死が不可避であることを悟ったクラークは、自らの人生の幕を引くために隣人たちに最後の別れを告げることを決意する…

というわけで、「DC:リバース」直前に行われるスーパーマン系列のクロスオーバー『ファイナルデイズ・オブ・スーパーマン』が始まりました。本クロスオーバーですが、実は予告時点では『スーパーリーグ』という名前で発表されており、その時は「能力の減退を経験したスーパーマンが、自身の不在でもこの地球を守ることができるよう新たなリーグを結成する」という粗筋が紹介されていました。
しかし本編が始まってみれば先ほどの粗筋も決してウソではないのですが、どちらかといえばスーパーマンの行動は余命を宣告された者にふさわしいウェットで感傷的な自身の人生の再訪問であり、そういう意味でもこの改題は必然であったかなと思っています。
ロイス・レーンとラナ・ラング、スーパーガールやバットマンなど様々なキャラクターが登場する本イベントですが、何といっても注目したいのは本イベントの中で、New52世界のクラークがリブート前のクラークと遂に顔を合わせること!
(リブート前のスーパーマンがこちらの世界にいる理由については、こちらの記事を参照)

幾多の試練を乗り越え、時には”自らの死”すら経験した歴戦の勇士であるリブート前のスーパーマンが、死を覚悟したこの世界のスーパーマンに何を語るのか、今から興味が尽きません。
そしてリブート前とリブート後の2人のスーパーマンの出会いは、6月以降の新展開『DC:リバース』後のスーパーマンを語る上でも重要な要素となっています。
他の多くのタイトルがそうであるように、スーパーマン系列も『DC:リバース』以後に新しい状況のもと物語が開始するのですが、スーパーマン系列における"新しい状況"、それこそが「New52スーパーマンの不在と、それに替わる複数人のスーパーマンの登場」です。

まず重要な変化として、アクションコミックス誌とスーパーマン誌、そしてJLA誌に登場するスーパーマンは全てリブート前のスーパーマンとなることが明言されており、今後しばらくはスーパーマンといえば、彼のことを指すことになりそうです。
しかし胸に"S"の文字をつけて戦うヒーローは彼だけではありません。リブート前のスーパーマンの登場に呼応するかのように、リバース後の地球には様々なスーパーマンが登場することになるのです。
それではその"スーパーマン"達を順を追って紹介していきましょう。
一人目はスーパーマンの積年のライバルであるレックス・ルーサー。

彼はメトロポリスの新たな守護者として、自前のスーツに"S"の字を刻印。アイアンマンのようなメカスーツ系ヒーローとして活躍することになります。
そして次なるスーパーマンは、"スーパー・マン"コン・ケナン君。スーパーマンの力をもった中国人の少年です。

今回紹介した『ファイナルデイズ・オブ・スーパーマン』の流れを組む作品として開始する新シリーズ『ニュー・スーパー・マン』(SupermanではなくSuper-manであることに注意!)の主人公である彼は、中国政府によって作られた人造ヒーローとして中国版ジャスティスリーグを率いることとなります。
人造人間として培養槽で産まれたその生い立ちと、"コン(孔)"という名前…、どことなく"スーパーボーイ"コン・エルとダブらせようとする編集者の意図を感じるのは管理人の考えすぎでしょうか?
"スーパーボーイ"といえば、リブート前のクラークとロイスの息子であるジョン・ケントも、スーパーボーイの名を継いでダミアンと共にヒーローとして活躍することとなります。

また「彼の正体をいかに世間から隠すか?」ということが、『スーパーマン』誌の最初のストーリーの主題となることが予告されています。
そしてNew52世界のロイス・レーンもまたコスチュームを身にまとい『スーパーウーマン』として、個人誌を獲得します。

元来、スーパーウーマンといえばフォーエバーイービルにも登場した"悪のワンダーウーマン"の名前。『スーパーウーマン』誌の最初の物語では、彼女を思わせる名の"ウルトラウーマン"が敵となる模様ですが、果たしてどうなるか?
最後のスーパーマンは、クラークから孤独の要塞の所有権を譲られたスーパーガール。

彼女は政府機関D.E.O.のエージェントとなる模様。
うがった言い方をしてしまえば、人気ドラマ『スーパーガール』の設定に寄せていくわけですね。
というわけで、最初に紹介したリブート前のスーパーマンも含めれば、実に6人ものスーパーマンが新たにNew52世界の表舞台に現れることになるのですが、それでは肝心のNew52世界のスーパーマンはどこへ消えてしまうのでしょうか?
『ファイナルデイズ・オブ・スーパーマン』の内容や、「重要な人物が『DCユニバース:リバース』にて一人死亡する」というジェフ・ジョーンズの予告を考えれば、死亡すると考えるのが順当でしょう。
しかし、その予想に待ったをかけたくなる登場人物がもう一人。それがアクションコミックスの予告文に現れる謎の人物(?)新クラーク・ケントです。
このクラーク・ケント氏がいったい何者なのかは、今のところは一切明かされていません。しかし多くのファンやニュースサイトが、このクラークこそがNew52のスーパーマンのリバース後の姿だと予想しているのは確かです。
ところで、この「スーパーマンの不在と、それに替わる複数のスーパーマンの登場」という状況に、どこか聞き覚えはないでしょうか?
そう、実はこの状況は90年代初頭に一世を風靡し、その後のアメコミのストーリーテリングに多大なる影響を与えた『Death of Superman』と、その顛末を扱った『Reign of Supermen』とそっくりなのです。

『Reign of Supermen』ではドゥームズデイとの戦いで死亡したスーパーマンの後継者として、スーパーボーイ、スティール、サイボーグスーパーマン、エラデュケーターという4人のヒーローが登場しましたが、リバースの状況はこれを踏まえていると指摘するファンは多く、その指摘を裏付けるかのように、今までNew52では未登場であったエラデュケーターもスーパーマン誌にて復活することが予告されています。

さらにはアクションコミックスで開始するストーリー「パス・トゥ・ドゥーム」ではドゥームズデイのメトロポリス襲来が予告されており、さらには『Death of Superman』を思わせるこんな表紙も公開されており、「もしや『Death of~』と『Reign of ~』を同時にやってしまうの?」と思わせるものがあります。
リバース後のスーパーマン系列のストーリーがこの先どこまでこれらの名作エピソードを踏襲するのかはわかりませんが、制作陣がこれらを念頭に入れながら物語を書いていることはまず間違いないでしょう。
そして、個人的にはここがキモだと思っているのですが、今回この状況に直面するスーパーマンはリブート前のスーパーマンであり、読者同様『Death of Superman』事件も『Reign of Supermen』事件も経験しているのです!
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めぼしい翻訳はこちら。
まずは映画公開も控え飛ぶ鳥を落とす勢いのデッドプールからは、
レギュラータイトルである『デッドプール VS. シールド』と『ウェディング・オブ・デッドプール』。後者はデッドプールの関係者が制作陣まで含めて参加する結婚式で話題になった号を収録。
またミニシリーズである『デッドプール:ドラキュラズ・ガントレット』も6月に発売予定。
そしてなんといっても重要なのは、ファンから翻訳が熱望されていたタイトル『ケーブル&デッドプール:青の洗礼』が遂に翻訳!
ケーブルとデッドプールの絆を描いた話題作です。
そして管理人がぜひともお勧めしたいのが『グレイソン』!コスチュームを高級スーツに着替えジェームス・ボンド張りの活躍をスルディック・グレイソンのスパイアクションで、その凝った物語構成は一読の価値があるはずです!
また他にもマーベル屈指の人気兄弟として上り詰めたソーとロキの確執を描いた「ソー&ロキ:ブラッド・ブラザーズ」や、
過去様々なコミックやメディアに登場したあらゆる世界のスパイダーマンが一同に会した話題作『スパイダーバース』など、相変わらず話題作が目白押しです!
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