アベンジャーズ:Time Runs Out

今回はアベンジャーズ誌とニューアベンジャーズ誌で、進行中のストーリー『Time Runs Out』の紹介、…というか整理、…というか備忘メモです。
なぜ、こんなに歯切れが悪いのか?
実は管理人はこのストーリーで久々にアベンジャーズ誌とニューアベンジャーズ誌を読み始めました。
そのため、今までの流れに本当に疎いんですよね。
その上『Time Runs Out』自体が「少し先の未来から物語を始め、語られなかった空白を徐々に明らかにしていく」という作劇手法をとっているため、管理人には読者に既に明かされていることと、明かされていないことの区別がついていないところがあります。

なので、今回の記事は多少見当はずれの事が混じっている可能性大なので、皆さんもそれを念頭に入れていただければ助かります。

【そもそもどんな話なのか?】
"Time Runs Out(時間切れ)"と題されたこのストーリーがそもそもどういう趣向なのかを簡単に説明しますと、前述の通りそれまで両誌で進行していた物語から、時間軸が一気に進んだ状態からスタートします。
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このため物語開始時点で既にオリジナル・シンやAXISなどの事件は終了しており、リアルタイムで読んでいた読者は"ミョルニールを失ったソー"、"ファルコン・キャップ"、"反転したままのトニー・スターク"などと突然遭遇することになります。
その他にもアベンジャーズを始めとするヒーローコミュニティには大きな変化が訪れており、読者は話を読み進めながらその空白を埋めていくことになります。

また各号の表紙には"In x month... Time Runs Out(残りxヶ月で...時間切れ)"と不気味なカウントダウンが躍っており、このカウントダウンが終了する4月に両タイトルは終了を迎え、翌5月よりマーベルユニバース全体を揺るがす超特大イベント『シークレットウォーズ』がスタートする事が既に明かされています。

余談ですが掲載誌は「ニューアベンジャーズ」と「アベンジャーズ」の2誌に別れておりますが、実質は全てつながった物語となっており、この2誌を刊行順に読んでいく形式となっております。

【インカージョン現象について】
次に紹介が必要なのが、Time Runs Outの焦点となるマルチバースを揺るがす物理現象"インカージョン現象"です。
「ユニバース同士の衝突」とも表現されるこのインカージョン現象は、各ユニバース内に存在する収束点が互いに引かれ合うことで発生します。
引かれあう両ユニバースは徐々に接近し、やがて互いの収束点が同じ座標軸で重なり合います。
その瞬間、2つのユニバースは大衝突を起こし両ユニバースに存在する全ての存在が破滅を遂げることになるのです。
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この世界の破滅を防ぐ方法はただ一つ、衝突する前に相手の世界の収束点を破壊すること。
そしてのこの収束点こそが各ユニバースに存在する辺境惑星、地球なのです。

また恐ろしいことに、このインカージョン現象は2つのユニバースだけにとどまった話ではありません。
いまや、マーベルに存在する無数のユニバース全てが衝突を繰り返しながら1点に収束しようとしているのです!
(ここら辺、無数のピンポン玉を浮かべた状態でプールの栓を抜く事を考えるとイメージしやすいでしょうか?
この比喩が示す通り、ユニバース(ピンポン玉)の衝突は、自体が進行するにつれその頻度を増していきます)

つまりインカージョン現象を切り抜ける方法とは、接近してくるユニバースの特異点―地球を次々と破壊していくこと。そしてもちろん相手のユニバースの住人達もそのことに気が付いているのです。


【各陣営の状況】
続いては、宇宙人でも悪神でもなくインカージョンという物理現象そのものと戦うこととなった各陣営の状況を整理させてください。

[イルミナティ]
リード・リチャーズを始めとする宇宙最高の知性派集団。
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現在のメンバーは、リード・リチャーズ、ビースト、ハルク(現在はバナー博士の知性とハルクの暴力が共存する通称"ドク・ハルク"状態)、キャプテン・ブリテン、ブラックパンサー、アマデウス・チョ。
ちなみにハンク・ピム、ブラックボルト、Dr.ストレンジの状況は不明。

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早くからインカージョン現象に気が付き、その発生を阻止するための作戦を多数計画するがいずれも失敗。
目前に迫った衝突を回避するために相手側地球の破壊を決意するも、最後の一線をどうしても越えられず、当時イルミナティのメンバーであったネイモアが、全ての泥をかぶる形で"王としての決断"を断行することに。

またこの過程で、自らの理想を捨てられず今後のイルミナティの行動に異を唱えることが予想された当時のメンバー、スティーブ・ロジャーズを記憶を奪ったうえでチームから放逐しています。
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現在はスティーブ・ロジャーズ率いるSHEILDアベンジャーズ(後述)から逃走しながら、インカージョンそのものを止める方法を模索中。
インカージョン現象の発生を加速させている存在を観測し、その存在に向けて探索者を派遣している模様。

[カバル]
イルミナティの柔弱さに見切りをつけたネイモアが組織した最強最悪のヴィラン集団。
メンバーはこちら。
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まさに悪のオールスターチーム。
彼らの目的は接近する地球を片っ端から破壊する事。
当初は「必要悪」と割り切ったネイモアであったが、異世界での虐殺をとことん楽しむ彼らの様子に心身の疲労を隠せない様子。
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(こちらはカバルに破壊された異世界のエグゼビア教授。目の前で自らの子供を含む教え子たちを虐殺され、自らの死を懇願させられた上で殺害された)

またヒーローコミュニティがひた隠しにしていたインカージョン現象の存在が暴露され、混乱状態に陥った国連総会に登場したテラックスは各国の首脳の前で
テラックス:我々は"ヒーローたち"のように隠し立てはしない。全ての事実を明かした上で貴様らに告げよう。
「何も心配することはない。私たちに全て任せておけば、明日も明後日もこれまでと変わらず太陽は昇り続ける」と!

と演説。
見事、世界全体を丸め込み、なし崩し的に自らが行ったアフリカの小国ワカンダの制圧と虐殺を黙認させることに成功する。
倫理的に許されない行動を繰り替えしていますが、世界がいまだに存続を続けているのは彼らのおかげであることもまた事実。

[Dr.ドゥーム]
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自らの統治するラトベリアにこもり、モレキュールマンの能力を用いて独自のインカージョン回避策を推進中。

[サイクロップス]
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ミュータントたちのリーダー。所有する"フェニックスの卵"を用いた、独自の回避策を推進中。

[SHIELDアベンジャーズ]
SHIELDの管理下に置かれたアベンジャーズ。
リーダーの老スティーブ・ロジャーズを筆頭にメンバーは以下の通り。
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今のところインカージョンについてアクションを起こしている様子は見られず、現在の行動指針は地下に潜った非合法組織イルミナティを捕まえる事。
ちなみに老スティーブはイルミナティにより奪われた記憶を取り戻しており、激怒しています。
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[マルチバーサルアベンジャーズ]
ニューアベンジャーズ(後述)のリーダー、サンスポットが組織した決死隊。
メンバーは、オーディンソン(ミョルニールを失ったソー)、ハイペリオン(幼いころに破滅寸前の母星からロケットで地球に送られた超人、要するにスーパーマンのパロディキャラ)など、屈指のパワーキャラのばかり。
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インカージョン現象発生の背後に潜む何者かの、元にたどりつき対処するためにマルチバースの彼方に出発する。

[ニューアベンジャーズ]
ミュータントの若者にして大富豪のサンスポットと、その相棒キャノンボールを中心としたヒーローチーム。
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サンスポットの莫大な財産、悪の科学者集団A.I.M.を買収して手に入れた科学力、SHIELDアベンジャーズとイルミナティに潜り込ませた内通者からの情報などを取りまとめ、マルチバーサル・アベンジャーズを組織した。

サンスポットがメンバーに告げたニューアベンジャーズの次なる計画。
それはバラバラになったヒーローコミュニティをもう一度1つにまとめ上げ、全員一丸となってインカージョンに立ち向かうこと。
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…カッコいい!はっきり言って今まで上げた各陣営の中で、メンバーは一番地味なのですが若々しく希望に燃えるその姿に真のヒーロー性をみました!
リーダーのサンスポットも、キャプテンアメリカのような"戦闘隊長"でも、トニー・スタークのような"戦う社長"でもない、ひたすらマネージメントと交渉で善をなす経営者型ヒーローという新機軸をうちだしています。

【注目人物】
以上で、今のところ物語にかかわっている全陣営を紹介しました。
これ以降は、そんな各陣営のなかでも要注意と思われる人物の紹介。

[スーザン・リチャーズ]
現在、SHIELDアベンジャーズの"守護天使"として活躍中。
イルミナティ捕獲のために全力をつくし、特に夫であるリード・リチャーズの事になると目の色が変わる。
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が、実はリードとは密かに通じており、SHIELDアベンジャーズの様々な情報を夫に流している。

[ハンク・マッコイ]
前述のとおりイルミナティのメンバー。
行動心理学を応用し老スティーブの行動を先読みすることで、SHIELDアベンジャーズを手玉に取り続ける。
実はサイクロップスを経由してサンスポットとコンタクトをとり、イルミナティの研究結果をニューアベンジャーズに流している。

[ブラックスワン]
インカージョンによって破滅した世界の生き残り。
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現在はカバルに参加し現世界の存続のために虐殺に加わっているが現世界とその住人に対して思い入れはなく、故郷世界と運命を共にした愛する人々の復活を目論んでいる。

[トニー・スターク]
イルミナティで一番危険な男。詳細は明かされていないがインカージョンへの対応のために大量の武器を設計し、危険な計画を実行に移そうとしたがその過程でカバルと一戦交えることとなり、現在はブラックスワンに拘留されている。
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自らの頭脳と計画こそが人類に残された最後の希望と確信しており、助けに現れたブラックウィドウ達に対して「お前らが助けてくださいと頭を垂れるまでここから出るつもりはない」と言い放つ様は傲慢その物。

[ヴァレリア・リチャーズ]
リードとスーの娘である天才児。名付け親となったDr.ドゥームも彼女のことを溺愛している。
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独学でインカージョン現象を分析し、リードとドゥームに対して
『パパ(叔父様)でも防ぐことはできないわ。次は失わない方法を考えないと…』
と謎めいた忠告を伝える。


【そして何が起こるのか?】
これに関しては、確かなことは何もいえません(って前もどこかで書いた気がしますね)
しかし今までに公開された情報を整理すると今後の展開がおぼろげに見えてきます。

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まずは4月に発売されるアベンジャーズ誌とニューアベンジャーズ誌の最終号の表紙。
衝突する2つの地球を背景に、2人のアイアンマンとキャプテンアメリカが激突しています。
右側にいるキャプテンアメリカは、かつてトニーがスティーブに送ったアーマーで武装しているところから見て、通常世界(アース616)のスティーブとみて間違いないでしょう。
※右側のスティーブが若返っているように見えることについては、マーベル側から正式に「画風の関係」と回答が出ています。

それでは左側のスティーブは何者なのか?これに関しては現段階ではわかりません。
しかし、それよりも今後の展開を占う上で重要になるのが「右側の(アース616の)スティーブが戦っているアイアンマンは何者なのか?」ではないでしょうか?

両方のアイアンマンとも、白が基調の所謂"スペリアーアイアンマン"であり、どちらがアース-616のトニーであるかはわかりません。
しかし右側の戦いが「アース616のスティーブvs別アースのトニー」だとしたら「ついに和解をした2人が別世界のアベンジャーズと戦っている」という絵になりますし、「アース616のスティーブvsアース616のトニー」だとすれば「ついに合いまみえることになった2人。そして別アースでも同じような抗争が繰り広げられていた」という図になります。


またTime Runs Outの後に控えているマーベルの超特大イベント『シークレットウォーズ』の詳細が先日発表されました。
これによると、アース616はあえなく終焉を迎えアルティメットユニバースを含めた複数のユニバースが混じりあった奇妙な世界"バトルワールド"が生まれ、このバトルワールドこそがシークレットウォーズの舞台となるということ。
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世界が混じりあう原因がインカージョンにあることは想像に難くありませんが、それではやはりヴァルの予言通りインカージョンを防ぐことは叶わず"失わない方法"こそがバトルワールドなのでしょうか?

いずれにせよ、今までにないスケールで物語が展開されることは必至ですので、管理人は今後の展開をかたずをのんで見守りたいと思っています。

【宣伝】
今月発売のアメコミはこちら。
マーベル好きの方にお勧めしたいのが「シージ」。Civil War以降、わりとマーベル界隈は鬱々とした話が続いたのですが、このシージはそんな鬱屈した思いを吹き飛ばすような爽快感のあるエンティングが待っています。
また、完結編と言えばモリソン・バットマンの完結編となる「バットマン・インコーポレイテッド:ゴッサムの黄昏」も今月発売です。


その他、気になるタイトルはこちら。
翻訳が一部の人気シリーズに集中していた時代が信じられないくらい、多種多様なシリーズ発売されており、本当に今が黄金期だなと心から思います。

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アクアマン #28-34

アクアマン #28-34
(作:ジェフ・パーカー、画:ポール・ペルティエ、他)

前回の紹介からずいぶんと期間が空いたので、アクアマンの現状を説明。

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"死せる王"として復活した古代アトランティスの賢王アトランを退け、あらためてアトランティスの玉座に着くこととなったアーサー。
アトランティスの進撃」事件の直後は、王国の追放者たちが築いた隠れ里ゼベルの出身であることがアーサーの治世の妨げにならないようにと、身を引くことを決意したメラも、アーサーの熱意にほだされて正式に王妃としてアトランティスで暮らすことに。

(と、ここまでがリブート後から続いたジェフ・ジョーンズ担当分となり、これ以降は『X-MEN:ファーストクラス』などを担当したライター、ジェフ・パーカーの担当となります。)

国王として新たなスタートをきったアーサーですが、

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…アトランティスの守護獣として語り継がれてきた伝説の怪獣と戦ったり、

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…時のアトランティス王の裏切りにより地獄に幽閉され錯乱したヘラクレスその人と戦ったり、

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…法律&倫理上、国内では許されない違法な研究を公海上で大手を振って行うために作られた海底研究所「トリトンベース」と対立したり、

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…そのトリトンベースが培養したあらゆる海洋生物の遺伝子をその身に保持するキメラ人間「モンスターキング」と戦ったり

と国内を留守にしがち。


そんな王の不在を補佐するのが王妃であるメラ。
「王が突如連れてきた何処の馬の骨とも知れない女」と批判的な声に囲まれながらも抜群の政治手腕を発揮して、アトランティスの近代化、地上との融和政策を推進していく。
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先王オームの復帰を望む過激派によって自身が襲撃された際も、暗殺計画を見抜けなかった評議会の不手際を襲撃の事実も含めてアーサーには秘密にしておくことで評議会を味方につけるなど、硬軟織り交ぜながら自らの(ひいてはアーサーの)影響力を高めるその手腕はさすがの一言。


そんなこんなで様々なトラブルを乗り越えながらも、王族としての平穏な日常を築きつつあるアーサー&メラ。
しか、そんな2人の幸せを、アトランティスを襲う新たな大災禍(メイルストローム)が待ちかまえていた…

というのが、昨年11月より始まったアクアマンのストーリーライン「メイルストローム」の導入となります。
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この「メイルストローム」は、アクアマンの担当となってから比較的小規模な物語を続けアーサーたちの日常描写に力を入れてきたジェフ・パーカーが放つ初めての大規模ストーリーとなり、この物語のなかでアクアマンの人生が大きな転換点を迎えることが示唆されています。

ジェフ・ジョーンズによる超弩級のクライマックス以降、種蒔きに徹してきた感のあるアクアマン誌がいよいよエンジンをかけてきたといったところでしょうか?
(『X-men:ファーストクラス』読めば分かるように、ジェフ・パーカーは何気ない事件を活き活きと描くのが非常に上手なので、種蒔き期間は種蒔き期間で面白いのですが。)

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敢えて引き合いに出させてもらえば、ジェフ・ジョーンズによる超絶クライマックス後の脱力感に苦しんだアクアマン誌とグリーンランタン誌のうち、グリーンランタン誌が前任者に負けないくらいのクライマックスを畳みかける事で読者をつなぎ止めようとしたのに対して、アクアマン誌は前述のように種蒔き期間を置いて読者のクールダウンを促しました。
どちらが正解であったのかなかなか判断が付けづらい面もありますが、少なくともアクアマン誌についていえばジェフ・パーカーの取り組みは成功しているように思えます。

ライターのジェフ・パーカーは「メイルストローム」に関するニュースサイトのインタビューの中で、記者から発せられた「あなたは(新任ライターがよく使う)“そして○○に大きな変化が訪れる!”カードを中々使いませんでしたね?」という質問に対して、「そうだね。大きな変革をもたらす前に、まずは読者に自分の事を信頼してもらう方が先だと思ってね」と回答しており、個人的には非常に高印象です。

【宣伝】
小プロからはジェフ・ジョーンズの『シャザム』や、米国の各賞を総なめにする"いまアメリカで最も売れているアメコミ"『サーガ』や、弱小出版社ながらその面白さが話題となっているヴァリアントコミックスの『クァンタム&ウッディ』など、比較的キャラ人気に重きを置いていた今までの翻訳作品とは一味ちがった"実力派"タイトルが販売されますので、この機会に是非どうぞ。
ちなみに『サーガ』については、アメコブログさんが詳しいのでどんなコミックか知りたい方はこちらを参照ください。


その他の翻訳で気になるところは以下の通り。
まずは、現在のバットマン系列誌の旗艦誌となっているスナイダーのNew52バットマンの最新作「バットマン:ゼロイヤー 陰謀の街」が早くも発売になります。
また、アベンジャーズ系列の一つの節目となる大イベント『シージ』や、飛ぶ鳥を落とす勢いのデッドプールの新刊『デッドプール:デッド・ヘッド・リデンプション』なども気になるところです。

スペリアーアイアンマン #2

あけましておめでとうございます!
といっても弊ブログは例年通り、年始だからと特別なことは何もせずに平常運航ですが・・・

今回はスペリアー・アイアンマンの紹介です。(あっさり目です)

スペリアー・アイアンマン#2
(作:トム・テイラー、画:イルダイリー・シナー)

【初めに#1のおさらいから】
トニー・スタークは、責任感が強く、科学技術が人類にもたらす功罪に人一倍敏感だったかつての姿を失い、いまや傲慢で享楽的な資本主義の狗になり下がった!
そんな彼の変貌に気がついた、トニーの長年の友人ペッパーは、謎の影と密談を交わす。

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ペッパー:トニーはいつも「自分が恐怖する最悪のシナリオとは、家族や近しい友人が悪人の手に渡ることでもなければ、私のテクノロジーが悪人に渡ることでもない。」といっていたわ。
初めてこの話を聞いたときは、わたしは彼の自意識過剰だと思い込んでいたのよ。
でも"最悪のシナリオ"が実現してしまったいまならば、彼が正しかったことがわかる。
彼が最も恐れていた状況、それは「彼自身が悪人になってしまうこと」だったのよ!
直ぐに例の緊急対策を実行に移す必要があるわ・・・


謎の影:心配ないペッパー。我々の対策プランにぬかりはない・・・

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というわけで、#1のラストで現れたデアデビルによく似たシルエットは、アイアンマンの古いアーマーでした。

・・・って誰だこれ?
アーマー自体は1960年代後半に使用されたマーク3でしょうか?
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しばらくはこの人物の正体が物語を牽引していく謎となる模様です。

【調子に乗るトニー】
美しく健康的な身体を提供する代わりに、1日$99.99もの費用を要求する"夢のアプリ"エクストリミス3.0を公開し、有頂天極まるトニー・スターク。
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人の弱みに付け込むエクストリミス商法に対するペッパーやデアデビルの忠告も聞かず、「トニー・スタークに15mまで近づいた人にはエクストリミス3.0の24時間無料権をプレゼント」などという自己顕示欲まるだしのキャンペーンを打ち出す彼は、まさに高慢そのもの。

【デアデビル立つ】
一方、エクストリミス3.0による熱狂は「起動資金欲しさによる窃盗・強盗の増加」、「エクストリミスを使用できない貧者に対する差別」など、サンフランシスコの路地裏に暗い影を落としていた。
この現状を憂いた"持たざる者たちのヒーロー"デアデビルは、遂に実力行使に出る。
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スタークタワーに忍び込んだデアデビルは、乱痴気騒ぎで酩酊したトニー・スタークを誘拐したのだ。

【デアデビルvsアイアンマン】
デアデビルがトニーを監禁した場所。それはあらゆる電波や無線から完全に遮断された地下室であった。
目を覚ましたトニーに対してデアデビルは、エクストリミスが効果を失いサンフランシスコ市民がエクストリミスに対する精神的依存から完全に脱却するまでの間、トニーを監禁すると告げる。

アーマーは元よりハイテク機器全般から切り離されトニーになす術はないと思われたその矢先、轟音とともに地下室にトニーの新アーマーが飛び込んでくる。
シンビオートをベースに制作した新アーマーは、電波や電気信号などではなく一種のテレパシーで持ち主であるトニーと結び付けられていたのだ。
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トニー:さて、良くもやってくれたな。お返しにいい物をくれてやろう!
形勢は一気に逆転し、デアデビルに強烈な一撃をくらわせるアイアンマン。

意識を失ったデアデビルが次に目にしたもの、それはトニーの寝室に寝かせられた自分自身と、それを見下ろすトニーの顔であった。

"意識を失ったデアデビルが次に目にしたもの"・・・そう、盲目のヒーローであるはずのデアデビルは、確かにトニーの顔を目にしていた。
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トニーはデアデビルが意識を失っている間に、エクストリミスで彼の眼を治療していたのだ!

*************
という訳で、スペリアー・アイアンマン#2の紹介でした。

いや、このトニーのやることの嫌らしいこと!
かといって単純に悪人の訳でもなく、とある事情で人前で自分を暗殺しようとした男を救済する代わりに男をエクストリミスの広告塔に仕立て上げるなど、やっている事はある意味で人道的ともいえるはずなのに何処となく卑しさを漂わせる絶妙なバランスです。
果たしてこのままデアデビルも、トニーの軍門に降ってしまうのか!
何とも先が楽しみです。

ところで感心したのは#3の表紙。
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実は#1が発行する前からこの表紙は公開されていたのですが、よく見るとトニーのサングラスに写り込んだデアデビルが普段の彼ならば絶対にやらないことをやってるんですよね。
こういう形で今号の衝撃の展開を予告したいたとは…

また表紙を描いたマイク・チョイが後に種明かしをしたのですが、上下に帯のように配置された"0"と"1"はマタイ伝9章27-29節のバイナリー表記になっているそうです。
そしてこのマタイ伝9章27-29節(とおまけに30節も)の内容を確認してみると・・・

そこから進んで行かれると、ふたりの盲人が、「ダビデの子よ、わたしたちをあわれんで下さい」と叫びながら、イエスについてきた。
そしてイエスが家にはいられると、盲人たちがみもとにきたので、彼らに「わたしにそれができると信じるか」と言われた。彼らは言った、「主よ、信じます」。
そこで、イエスは彼らの目にさわって言われた、「あなたがたの信仰どおり、あなたがたの身になるように」。
すると彼らの目が開かれた。イエスは彼らをきびしく戒めて言われた、「だれにも知れないように気をつけなさい」。


とこちらも今回の展開を暗示する内容。なかなか気のきいた演出ですね。

【宣伝】
最近の翻訳で気になるところは以下の通り。
『シージ』については、『シビルウォー』から続いたマーベル激動の時代の完結編として、非常に爽快感のある物語が展開されます。フッド好きの自分としては是非みなさんに読んでほしい作品です。
また、『DC:ニューフロンティア 上』はシルバーエイジのDC世界を舞台とした人気作で、多少英語がとっつきづらいと、敬遠する声もあったため今回の日本語訳は嬉しいところ。
また、現在、飛ぶ鳥を落とす勢いのデッドプールの新刊『デッドプール:デッド・ヘッド・リデンプション』も予約が開始しました。


(ここからは前回からの使い回し)
先日、小学館プロダクションより2-3月の翻訳予定が発表されました。
その中で管理人的に是非お勧めしたいのが、「シャザム! :魔法の守護者」。
こちら当ブログでも何回か触れているのですが、DCのトップライター、ジェフ・ジョーンズによるNew52でのシャザムの活躍を描いた作品で、もう本当に名作です。
ドキドキハラハラと始まって、中盤で少ししんみりして、最後にジェットコースターのような爽快感が爆発して、最高に幸せな気分になって終わる、ディズニー映画を観てるような気持ちにさせるコミックですので未読の方はこの機会にぜひ!
また幾多の賞を総なめにし、現在米国で最も売れているコミックといっても過言ではないスペースオペラ「サーガ vol.1」や、ヒーローコメディの決定版として評価の非常に高い「クァンタム&ウッディ:世界最悪のスーパーヒーロー」など話題作が目白押しで、管理人的に嬉しい悲鳴の連続です。

プロフィール

Author:NOB-BON
X-men生まれSpawn育ちを地でいく、90年代アメコミバブルの残党。
しばらくの間、アメコミは翻訳本を買う程度だったのが、最近のデジタルコミックの手軽さにひかれ、本格的に復活しました。

基本的にMarvelメインですが、DCのリランチを機に自分の中でDCブームが来てるので、しばらくはDCの話題続くかも。
しばらくどころか完全にDC派に転びました。

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