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スペリアー・アイアンマン #1

スペリアー・アイアンマン #1
(作:トム・テイラー、画:イルダイリー・シナー)

【はじめに】
現在進行中のイベント『AXIS』に描かれた、レッドスカル・オンスロートとヒーロー達(とヴィラン達)との戦い。
この戦いの中でヒーローとヴィラン達は、自身の中の様々な気質が"反転"する通称「AXIS効果」の影響を受ける。

これにより、キャプテンアメリカは「民主主義は失敗だった。馬鹿たちに権利を持たせてもろくな事をしない。」などとと言い出す極右愛国者に、デッドプールは禅の心に目覚めゼン・プールに、Dr.ドゥームは民主主義者に、などそれぞれ今までの彼らでは考えられないキャラクターに変貌を遂げる。
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(ちなみにこいつがゼンプール。うーん"侘び寂び"の世界・・・)

AXIS事件の解決後大部分のキャラクターは元の自分自身に戻るなか、トニー・スタークは元に戻ることを避け"反転"した自分のまま、世界を救う新たな計画を立ち上げることを決意する。
(というのが、このお話の背景。ということはAXIS後の話ってことでよいのかな?AXIS本誌を読んでないので分からず。)

【エクストリミス3.0】
トニーの計画の最初のステップ。それはサンフランシスコの街に、テクノウィルス「エクストリミス3.0」を散布することであった。
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スターク社によって提供されるスマホアプリによって活性化され、使用者の美貌、体型、健康を自身の望む最高の状態に改善するエクストリミス3.0の効果によって、美男美女の溢れる理想郷と化したサンフランシスコ。
トニーはその理想郷の立役者として熱狂をもって市民に受け入れられ、スターク社の屋上に構えたペントハウスで美女を侍らせ連日連夜の乱痴気騒ぎを繰り広げる。
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あれだけ忌避していた飲酒も再開・・・

【荒れるストリート】
しかしスマホアプリによって終わらぬパーティ会場に変貌を遂げたサンフランシスコでは、深刻なデジタルデバイド(情報格差)が進行していた。
スマホを購入できなずエクストリミス3.0の恩恵を享受できない生活困窮者は、「街の景観を乱す輩」として、猛烈な迫害に晒されるようになったのだ。
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煌びやかな熱狂に包まれる表舞台の陰で荒れ始めるストリート、そんな状況をひとりのヒーローが憂いていた。
・・・サンフランシスコに活動を移した"ストリートの守り手"デアデビルである。

【エクストリミスの正体】
街中の人々に美貌と健康をもたらしたエクストリミス3.0。しかし実はこの無料アプリには、人々の生活とスターク社のありようを根底から覆す大きな仕掛けが隠されていたのだ!
ある瞬間を境に、突如苦しみ始めるサンフランシスコ市民たち。そんな彼らの目に映った物、それは・・・
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スマホにうつる「無料お試し期間終了 起動費用$99.99/日」の文字であった!
トニーの狙いは、初回無料で釣った市民を廃課金ユーザーに仕立て上げ、莫大な収入をスターク社にもたらすことであった!

【ペッパーの決断】
トニー・スタークは、責任感が強く、科学技術が人類にもたらす功罪に人一倍敏感だったかつての姿を失い、いまや傲慢で享楽的な資本主義の狗になり下がった!
そんな彼の変貌に気がついた、トニーの長年の友人ペッパーは、謎の影と密談を交わす。

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ペッパー:トニーはいつも「自分が恐怖する最悪のシナリオとは、家族や近しい友人が悪人の手に渡ることでもなければ、私のテクノロジーが悪人に渡ることでもない。」といっていたわ。
初めてこの話を聞いたときは、わたしは彼の自意識過剰だと思い込んでいたのよ。
でも"最悪のシナリオ"が実現してしまったいまならば、彼が正しかったことがわかる。
彼が最も恐れていた状況、それは「彼自身が悪人になってしまうこと」だったのよ!
直ぐに例の緊急対策を実行に移す必要があるわ・・・

謎の影:心配ないペッパー。我々の対策プランにぬかりはない・・・


というわけで、開始直後から飛ばしに飛ばしてくれる『スペリアー・アイアンマン』。
ちなみにペッパーと話している謎の陰の正体ですが、デアデビルではありません。
つーか、誰なんだこいつは?

Dr.オクトパスがスパイダーマンとなる『スペリアー・スパイダーマン』と合わせて考えると、どうやらマーベルでは"スペリアー"とは「行き過ぎた」を意味する言葉のようです(笑)

ここでトニーを単純な悪人にしてしまうのはつまらないので、法には触れず「“あこぎ”だけど“あくどく”はない」っていう絶妙なラインを引き続き守って欲しいですね。
以下は気になったシーン。

【新アーマー!!】
エクストリミス3.0のビジネスモデルを見直すようにトニーに詰め寄るペッパー。
しかしトニーはそんな訴えはどこ吹く風。彼女の訴えを無視して新型アーマーを見せびらかす。
その新型アーマーがこちら。
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トニー曰く「シンビオートをベースとすることで、所有者との精神リンクを可能にした」とのこと。
シンビオートがベースって、悪い予感しかしませんね・・・

【宣伝】
マーベル関連の翻訳本の新刊でめぼしいところはここらへんでしょうか?

「ダークアベンジャーズ:モレキュールマン」、「ニューアベンジャーズ:パワーロス」はどちらも「シビルウォー」から続くマーベルユニバースの流れのクライマックス「シージ」に向けて盛り上がりに盛り上がっています。
同様に「キャプテン・アメリカ:リボーン」もまた、「ウィンターソルジャー」から出発したエド・ブルベーカーによるキャプテンアメリカ・サーガのクライマックスですので、こちらもまた必見ですね!


そしてブルベーカーといえば、なんといっても彼のオリジナルコミック「ファタール」!
アマゾンへの初回納入分は激しい争奪戦の結果、瞬殺だった模様ですが、出版社のアナウンスでは随時納入されるとのこと。
こちらの作品や、ミニョーラの「驚異の螺子頭と興味深き物事の数々」など、キャラ人気に頼らないオリジナルコミックが続々と翻訳されていくのをみていると、日本のアメコミ翻訳が新たなステージに入った感もありますね。

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海外マンガフェスタ2014 参加レポート

11月24日にコミティアの一角で開催された海外マンガフェスタに今年も参加してきました!

今回も手に入れた戦利品の自慢と共に、会場の様子を報告。

【ジム・リーサイン会】
今回会場について真っ先に向かったのは、ヴィレッジ・ブックスさんのブース。
もちろんお目当ては60人限定のジム・リーサイン会に参加するために、先日発売された彼の画集『ICONS』を買うこと!

わき目もふらず、知り合いを見かけても気がつかなかったふりをしてして、真っ直ぐヴィレッジ・ブックスに向かったのが効を奏し、ギリギリ60人中の56に滑り込み!

そして通常であれば宛名とサインしかいただけないジム・リーに、なんとキャラクタースケッチをいただくことができました!
そのスケッチがこちら!
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・・・わかります?なんと私の世代のアメコミ原体験となったX-MENのリーダー、サイクロップスのバイザーです!
(と思って私は今後の人生を歩んでいきます!)

【フィリップ・タン氏】
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海外マンガフェスタに毎回参加し、サイン会を開催してくださるフィリップ・タン氏。
今回もイラスト集の販売と無料スケッチを実施してくださりました。
そんな彼にお願いしたのは、ホークマン!
…シビれる。そして相変わらず笑顔がすてき。

【サミ・バスリ氏】
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今回が初参加のサミ・バスリ氏からは事前にお願いしていたコミッションを受け取り。
想像以上の出来に感激です!
それにしても、はたしてバスリ氏は今回の来日で何人のパワーガールとスーパーウーマンを描いたのかが気になりますね(笑)

【ギャリー・ガストニー氏】
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同じく今回が初参加のギャリー・ガストニー氏。本当はイラスト集も手に入れたかったのですが、開始1時間程度で即完売。
ほぞを噛みながら、お願いしていたコミッション「コンスタンティンvsジェイソン・トッド」を受け取りました。
うーん、ドラマチック!

【ビリー・タン氏】
急遽、来日が決定した大物アーティスト、ビリー・タン氏。
アーティスト・アレーの運営と共にヴィレッジ・ブックス主催のトークライブに参加するなど、精力的に活動されていました。

実は密かにコミッションをお願いしており、前日のイベントで受け取らせていただきました。
モチーフは散々悩んだ末、「ビリー・タンといえば筋肉だろ!」ということで、ベインをお願いしました。
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(右は管理人。恥ずかしいのでグレイソン誌の悪役風に加工させてもらいました(笑))

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【Table Taffy Japan】
前回来日したライアン・ベンジャミン氏、ショーン・ギャロウェイ氏主催のスタジオの日本支部。
会場では、ショーン・ギャロウェイ氏のオリジナルコミック『Gumshoes 4 Hire』2巻を担当する日本人アーティストSEN氏がスケッチを実施していました。

また、こちらのテーブルでは各種原画を販売していたのですが、普段は「キリがないから絶対に原画には手を出さない」と心に誓っている管理人なのですが、一目ぼれして1枚だけ買ってしまいました。
その1枚がこちら。
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パトリック・グリーソンの『グリーンランタン・コァ』の一枚。
ガイがいてキロヴォクがいて、サラークがいて、カイルまでいるのに驚きの安値だったんだもので・・・

【Sparklight Comics】
日本のアメコミ翻訳業界に突如現れた、クリエーターオリジナル専門の出版社Sparklight Comicsさんのブース。
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こちらでは同社の翻訳タイトル第一弾である『ファタール』を販売していました。

『ファタール』は『ウィンターソルジャー』のブルベーカーがライターということで以前から気になっていた作品。
ヒーロー物を読んでると楽しげな情報は横目から入ってくるのに、なかなか手を出す余裕が無いクリエーターオリジナルを専門にするSPARKLIGHT Comicsさんの出現は嬉しいですね。

【ウェイワード】
今やそのクリエーターオリジナルの拠点となりつつあるイメージコミックス社で刊行中の、日本を舞台にした妖怪コミック『ウェイワード』のブース。
こちらでは日本在住のアーティスト、スティーブン・カミングス氏がアートを務める本作の同人版(翻訳済み、彩色なし)を販売していました。
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この翻訳版のおかげで、主人公の相棒となる猫娘アヤネが"綾音"と表記することが判明!

【Schleich】
精巧な作りの動物フィギュアで有名なSchleichのブース。まさか子連れファミリー御用達のこのメーカーのロゴマークをこんなところで観るとは・・・
年明けをメドにバットマンなどDCキャラをモチーフにしたフィギュアの販売をするため、今回出展の運びとなった模様。
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一般的なアメコミのフィギュアよりも2回りほど小さいサイズながら非常に出来がよく、お値段は1300円前後とのこと。

【コトブキヤ】
そしてそれを迎え撃つ(?)アメコミフィギュアの雄コトブキヤさんのブース。
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相変わらず物欲をそそるブースです・・・
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ちなみに前日のイベントでジム・リー氏が描いたフラッシュも鎮座しておりました。

【Wonder World Studio】
多国籍で活躍するアートスタジオ
ブラジルの新鋭アーティスト、モクタン氏のアートにひかれて思わず購入。
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【ビクター・エジソン】
日本在住のビクター・エジソン氏の日本での生活をつづったコミックエッセイ「Life in Japan」を購入。
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エジソン氏とその奥様、そして産まれたばかりの子供の3人での生活の中の何気ないやりとりを淡々と綴るそのスタイルは、なんというか"人の営み"という物を感じさせて、少しグッと来てしまった。

以上、簡単ですが今年の海外マンガフェスタのレポートでした。

年を追うごとに目に見えて盛況となっていくこのイベントですが、参加アーティスト、運営スタッフの方々のお陰で本当に夢のような時間を過ごすことができました。本当にありがとうございます。

【最後の自慢】
また海外マンガフェスタとは直接関係ないのですが、実は日ごろツイッター上でお世話になっている河合さんに無理をいって受けていただいたコミッションを、会場で受け取ることができました!

モチーフは「オーシャンマスターvsブラックマンタ」!!
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どうですか、このカッコよさ!
「マンタに倒され足元に横たわるアーサーを護るためにオームが対峙するシーン」とは河合さんの言葉。
そう聞くと、枠外からアクアマンの気配がビンビンとしてきませんか(笑)
河合さん、私のわがままを聞いてもらって本当にありがとうございました!

[海外マンガフェスタ2014]アメコミ系情報整理

2014年11月23日に開催される海外マンガフェスタ
このイベント内に設置されるアーティスト・アレーに参加予定のアメコミアーティストは下記の通りです。
詳細は以下のリンク先を参照ください。

【アーティストアレイ参加アーティスト(アメコミ系)】
ギャリー・ガストニー(Garrie Gastonny)
[代表作]
「スタートレック」、「スーパーゴッド」
[出展内容]
イラスト集、ピンナップ、プリントなどの販売。イラスト集をお買い上げの方にスケッチサービスを予定。
有料の当日コミッションは応相談。
[参考URL]
当サイトの紹介記事deviantARTのサイト

ビリー・タン(Billy Tan)
[代表作]
グリーンランタン、Uncanny X-men
[出展内容]
スケッチブック、原画、プリントの販売。
[参考URL]
本人ページ

サミ・バスリ(Sami Basri)
[代表作]
ウィッチブレイド、パワーガール
[出展内容]
ピンナップ、プリントなどの販売。
有料で当日コミッションを受付(ヘッドスケッチで5、000~6、000円を予定)
[参考URL]
当サイトの紹介記事

アンドリュー・グリフィス(Andrew Griffith)
[代表作]
トランスフォーマー
[出展内容]
スケッチ受付、イラスト集販売
[参考URL]
本人サイト

マット・フランク(Matt Frank)
[代表作]
ゴジラ、マーズアタック、トランスフォーマー
[参考URL]
本人サイト

※マット・フランク氏は諸事情(パスポート更新の問題)により来日できなくなったとのことです。
 (残念です)


Table Taffy Japan
[説明]
前回来日したライアン・ベンジャミン氏、ショーン・ギャロウェイ氏主催のスタジオの日本支部。
[出展内容]
ライアン氏、ショーン氏他の原画販売。ギャロウェイ氏の新作コミック「Bastion7」の販売。(Bastion7の販売は中止となりました)
お買い上げいただいた方に、同じくギャロウェイ氏のコミック「Gumshoes 4 Hire#2」のアーティストSEN氏によるスケッチサービスを予定。
[参考URL]
公式Face BookSEN氏のブログの関連記事

スパークライト・コミックス(Sparklight Comics)
 [説明]
クリエイターオウンド専門の翻訳コミック出版社
[出展内容]
エド・ブルベイカー(ウィンターソルジャー他)のオリジナルコミック『ファタール』の翻訳版販売
[参考URL]
会社ホームページ「ファタール」プレビュー

フィリップ・タン(Philip Tan)
[代表作]
グリーンランタン、バットマン&ロビン、アイアンマン
[出展内容]
イラスト集、各種プリント、原画の販売
[参考URL]
dvianART本人ページ

Wayward
 [説明]
イメージコミックスから発売中の日本を舞台にした妖怪コミック。
アーティストは、前回の海外マンガフェスタにも参加した日本在住のアーティスト、スティーブ・カミングス氏。
(当日、カミングス氏がいらっしゃるかは不明)
[出展内容]
『Wayward』同人版(日本語翻訳済み)の販売
[参考URL]
Comic Vineの紹介ページ

[アーティストアレー配置図]
※11月12日最新版に更新
(クリックすると大きな画像が表示されます)
20141111_2.jpg


【アメコミ系イベント紹介】
メインステージその他で行われるイベントは以下の通りです。
[メインステージでのイベント]
12:20~13:20:ジム・リー先生×村田雄介先生
13:40~14:30:ペネロープ・バジュー先生×ヤマザキマリ先生
15:00~16:00:ロマン・ユゴー先生×松本零士先生

[その他のイベント]
11:30~12:15:ビリー・タン氏×石川裕人氏対談 (ヴィレッジブックスブースにて)
14:00~15:00:タケダサナ氏サイン会 (フィリップ・タン氏テーブルにて)
15:00~16:00(整理券配布):グリヒル氏(フィリップ・タン氏テーブルにて)

ジョー・ベニテズ(Joe Benitez)
 ※ジョー・ベニテズ氏の参加は中止となりました
 代表作:ダークネス、レディ・メカニカ、JLA
プロフィール

NOB-BON

Author:NOB-BON
X-men生まれSpawn育ちを地でいく、90年代アメコミバブルの残党。
しばらくの間、アメコミは翻訳本を買う程度だったのが、最近のデジタルコミックの手軽さにひかれ、本格的に復活しました。

基本的にMarvelメインですが、DCのリランチを機に自分の中でDCブームが来てるので、しばらくはDCの話題続くかも。
しばらくどころか完全にDC派に転びました。

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