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ポッドキャストを始めました。初回は『シンズ・オブ・シニスター』

シンズ・オブ・シニスター
(作:キーロン・ギレン、画:ルーカス・ヴェルネック他)

最近、更新が滞りすみません。

このままではいかんなと思い、モチベーションアップのためにポッドキャストを始めてみました。
しばらくは音声配信という新しい挑戦を楽しみながら、それを梃子にする形で、ブログの方も更新していけたらなと思います。

というわけで、初回は『シンズ・オブ・シニスター』は歴史改変物の大発明だったと題しまして、X-MEN系列のイベント『シンズ・オブ・シニスター』について語っています。



ポッドキャスト内では、
 ①イベント『シンズ・オブ・シニスター』に至るまでの経緯
 ②シニスターの秘密兵器"モイラ・エンジン"とは?
 ③このイベントの刊行形態
 ④歴史改変系イベントの魅力と、『シンズ・オブ・シニスター』の発明
といった内容を話しているので、ブログ内では、紹介しそびれたことを書かせてください。

【4人のシニスター】
X-MEN系列のみならず、昨年のマーベルの大型イベント『ジャッジメントデイ』でも大活躍したMr.シニスター。
一見、今回のイベントがその活躍の終着点のように見えますが、実はそうではなさそうです。
彼にはまだ、クラコアの物語の中で大きな役目が残っているのです。

その証拠が、現在のX-MEN系列各誌で暗躍する4人のシニスターです。
そう実は、今回のイベントを待つまでもなく、今のマーベルの正史世界にはすでにシニスターが4人もいるんです。

事の発端は19世紀後半。
ヴィクトリア時代のイギリスを生きた科学者ナサニエル・エセックスは、日進月歩の勢いで進化する科学技術の発展から、次の世紀は人類と機械が争う戦争の世紀となることを予見。
その戦争を生き抜く進化を遂げた人類、"エセックスメン"を構想し、その進化の方向を模索し始める。

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ナサニエル:我輩の見立てによれば、ゆくゆくはチャールズの怪物が我々を支配するに違いない。
デスティニー:(チャールズ)ダーウィンのこと?
ナサニエル:いやバベッジの方だ。
(チャールズ・バベッジは"コンピューターの父"とも呼ばれる数学者)
まったく、いつになったら"チャールズ"と呼ばれる男の問題から我々は解放されることやら
デスティニー:そんな日はけして来ませんわ
 ※おそらく予知能力者であるデスティニーはチャールズ・エグゼビアのことを思い浮かべています

やがて自らの死期を悟ったナサニエルは、自らのクローンを4体作り、それぞれのクローンに異なる進化の方向性をさだめる・・・

というわけで、それぞれのクローン体の現在の状況がこちら。

[Mr.シニスター]
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額のマークはダイヤ。進化の方向性は"ミュータント遺伝子"。
みなさんご存じのシニスターのこと。

[Dr.ステイシス]
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額のマークはクラブ。進化の方向性は"超人化"。
現在は、反ミュータントのために結成された人類最高機関オーキスの幹部として、主に『X-MEN』誌で活躍中。

[オービス・ステラリス]
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額のマークはスペード。進化の方向性は"コズミックパワー"。
現在は、太陽系レベルの巨大生産施設ワールズファームの主として、主に『X-MENレッド』誌に登場。

[マザー・ライチャス]
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額のマークはハート。進化の方向性は"魔法"。
現在は『リージョン・オブ・X』で、ミュータントの独自宗教"スパーク"の開祖となったナイトクロウラーの謎の協力者として、
リージョンの精神世界に存在するスパークの総本山を出入りしている。

この4人のシニスターの主導権争いも『シンズ・オブ・シニスター』誌の重要な縦糸の一つであったのですが、イベントが終わったからといって、その確執が終わったわけではありません。
今後の刊行予定を読む限り、むしろこの4人が本領を発揮するのはこれからと思われるので、彼らの戦いの前哨戦を見守る意味でも、『シンズ・オブ・シニスター』をぜひどうぞ!

【宣伝】
今回紹介した『シンズ・オブ・シニスター』がこちら。
それぞれ、プロローグとエピローグであるワンショットの間に3タイトルが挟む形式ですが、
読み方的にはそれぞれのタイトルを個別に読むのではなく、「全ての#1を刊行順によんでから、今度は#2に取り掛かる」とした方がいいように思います。(その理由はポッドキャスト参照)



続いて翻訳本の紹介です。
マーベルからは映画『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』の公開に合わせて別アースのスパイダーマンたちのコミックが多数邦訳。
個人的には未読の『スパイダーマン・ノアール』が気になったりしています。


またマーベルについては、X-men系列の特大イベント『X・オブ・ソーズ』が発売になります。異世界からやってきたアポカリプスの血族とミュータントが、マーベル世界の20本の名剣/妖刀を携えて団体戦を行うという燃えるイベントです。
特大イベントといえばスパイダーマンの歴史を語るうえで外すことのできない『スパイダーマン:クローン・サーガ』が美味しいところをピックアップした日本独自編集で発売。
『インビンシブル・アイアンマン:ザ・サーチ・フォー・トニー・スターク』は、シヴィルウォー2の展開を受けたアイアンマン誌でリリが主人公。


続いてDCからは映画に合わせてバリー・アレンの現在のオリジンを描く『フラッシュ:イヤーワン』が邦訳。
そしてなんといってもここ数年のコミック業界でトップクラスの話題作『スーパーマン:サン・オブ・カル゠エル/ザ・トゥルース』も日本上陸!


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ジャッジメントデイ直前講習:エターナルズについて

ジャッジメントデイ直前講習:エターナルズについて

【まずは歴史のおさらい】
遥かな昔、まだ我々の祖先が原始の海を漂う細胞質であったころ、後に地球と呼ばれることとなる銀河の土くれに、瀕死のセレスチャルが降り立った。
神をも侵す病魔に蝕まれたセレスチャルは、大洋に両膝を沈め、嘔吐に苦しみ、やがて息を引き取る。
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そして、これはこの先何十億年も続く地球の歴史における、もっとも重大な事件であった。
地球の生命を育む原始スープに聖なる吐しゃ物が巻き散らかされたのだ。

それから数万年の時が流れ、行方不明となった仲間の遺体を探しに地球に飛来したセレスチャルズの一団は、興味深い事象を発見する。
この星の生命の進化が、激しく活性化されていたのだ。
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「伝染病により死亡した仲間の吐しゃ物に塗れたこの世界からは、伝染病の抗体が誕生するかもしれない」
そんな可能性に気が付いたセレスチャルズは、この星を彼らの進化の実験場の1つに加えることを決定する。

そしてセレスチャルズは、100人のエターナルズと100人のデヴィアンツを作り上げ、地球を去った。
彼らが再び地球に降臨するのは、実験の成否を判断する裁きの時。
もしも、地球の進化が失敗と判断された場合、創生神は無感情に実験場を廃棄し、新たな実験に向けて宇宙に旅立つのだ。

実験場の管理人として残されたエターナルズには、セレスチャルズによって3つの信条が刻まれていた。
 ・セレスチャルズを守れ
 ・"装置"(地球)を守れ
 ・過度の"逸脱(デヴィエーション)"を正せ

これらの3つの信条は、エターナルズにとっては本能よりも強い根源的な衝動として刻まれており、われわれ人間が自分の心臓の動きを止めることができないように、彼らもまた信条に反することができない。

【紀元前100万年アベンジャーズ】
今から100万年前、時のエターナルズたちのリーダーであったウラノスは"紀元前100万年のアベンジャーズ"と呼ばれることとなる集団のリーダーであるオーディンを、とある森に呼び出す。
そこでオーディンが見たものは、突然変異――ミューテーションの結果様々な超能力を持つに至った奇妙な猿の群れであった。
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自分を呼び出したエターナルズの真意を測れず、いぶかしむオーディン。
そんなオーディンにウラノスは、このサルたちを地球から消滅させることを宣言する。
ウラノスは、テレキネシスやサイコキネシスといった他愛もない能力を問題視したのではない、サルたちが獲得しつつある初期の群体知性を問題視したのだ。

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オーディン:このサルがお利口だから根絶やしにする? それはちょっとやり過ぎじゃなかろうか?
ウラノス:我々は君たちに許可を求めているわけではない。我々の表敬を、同盟と取り違えないことだ。
過度の"逸脱(デヴィエーション)"は正されねばらならない。もしもそれを妨げるつもりならば、戦争あるのみだ。

オーディン:わかったわかった。約束の酒をワシに渡した後は好きにせい。おサルさんのために戦争するのは割に合わん。

人類の産まれる前の存在したアベンジャーズのリーダーは、あっさりとエターナルズの行動を承諾する。
この瞬間、この地球から1つの種が消え去ることが確定したのだ。

【そして現代】
それから100万年の月日がたった現代。
新たにエターナルズのリーダーとなったドルイグは、太平洋上に新たに生まれた島クラコアに向かわせた諜報員から報告を受ける。
新興種族ミュータントが死を克服したというのだ。
まだ不滅(Eternal)には程遠い、不死(Immortal)の段階だが、死を克服することは生命にとって許されざる"逸脱"。
しかし、ドルイグは動じることはなかった。

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過度に"逸脱"した進化の道を正すことは、エターナルズにとってけして目新しいことではないのだから。

****************
というわけで、今回は、今週から始まる夏の大型イベント『A.X.E.:ジャッジメントデイ』の、事前状況の紹介でした。
(とかいっていたら、記事を書いているうちに始まっちゃいました。期待通りめちゃくちゃ面白いです。)

以降は、今回のイベントの鍵となりそうな人物たちを、主にエターナルズたちから紹介していきます。

【レムリアのエターナルズ】
イカリス、セルシ、キンゴ、スプライト、ファストス、セナら、『エターナルズ』誌のいわゆる“主人公”たち。

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エターナルズが死から復活する度に不作為に選ばれた人間の命が一つ失われるという事実を知り、エターナルズ社会を去っており。
現在は“変わること”を知るために、デヴィアンツたちの都市、レムリアに身を寄せている。

【デヴィアンツ】
エターナルズたちと共にセレスチャルズによって造られた古代種族。
永遠の生を受け、変わることができないエターナルズたちとは対称的に、常に変化を続ける存在として創られた。

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稀にそれらの変化が暴走し理性を持たぬ怪物へと変貌を遂げる事があるが、それらは“過度な逸脱”としてエターナルズによって粛正される事が宿命となっている。
「自分自身がいつ怪物になってもおかしくない」、「自分が怪物となった瞬間に命を奪いにくる超人たちが存在する」という奇妙な状況は、彼らに独特の死生観を与えており、その影響か怪物じみた見た目に反して、芸術や思想など各方面において非常に成熟した文化を築き上げている。

また、長い地球の歴史の中でデヴィアンツは地球の種と様々な形で交配しており、ミュータント誕生の原因となる"X遺伝子"とはじつはデヴィアンツの遺伝子のことを指すことが最近判明した。

【ザ・マシーン】
セレスチャルズが作り上げた巨大な実験場の制御システム、言わば地球の意思。
最近調子が悪いらしく、妙に軽い口調で話すのもその影響らしい。
『エターナルズ』誌全般のナレーションを担当し、おそらく今回のイベントのナレーションも担当するので面食らわないこと。


【ドルイグ】
エターナルズの一人。
本心を語らず、陰謀を巡らせ、強い者にへつらい、そして背後から刺す、“蛇”のような性格。
しかしそれは全てセレスチャルズが彼をそのような性質の存在として造ったためで、彼の責任ではない。

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エターナルズのリーダーである“エターナル・プライム”にサノスが就任してしまうという地球にとって最悪の事態を前に、その弁舌と狡猾さで独力でサノスを駆逐する事に成功。
その功績によって、自らがエターナル・プライムとなる。
自分がその座に能わぬ小者であることを自覚しているドルイグは、功績作りのためにミュータントをエターナルズが正すべきつぎなる“逸脱”であると宣言し、その殲滅を狙っている。

【ウラノス】
エターナルズ社会を形作る3氏族の1つの家父長。イカリスやドルイグの祖父にあたる、エターナルズ最強の戦士。
エターナルズの武器庫にアクセスできる上に、自らの心臓と地球破壊爆弾の起爆装置を連動させているエターナルズで最も危険な人物の1人。

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3つの信条に縛られ、同じことを未来永劫繰り返す宿命に疑問を抱き、3つの信条の隙をつくことで、地球の生命をすべて消去し、ゆくゆくはセレスチャルズに挑戦するという覇道にエターナルズを導いた。

ちなみに、3つの信条の隙とは以下の通り。
・"装置"(地球)を守れ
 →"装置"とは惑星それ自体のことで、その表面を這いずる生命は含まれない
・過度の"逸脱(デヴィエーション)"を正せ
 →あらゆる逸脱は"過度"である。
・セレスチャルズを守れ
 →守るのは生命のみで、幽閉は可能。

幸いなことに、ドルイグの裏切りによってウラノスの野望は潰え、現在は地下牢に幽閉されている。

【エイジャック】
セレスチャルズに使えるエターナルズの司祭。

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同族たちの中で唯一セレスチャルズと意志疎通をする事が許された彼女だが、『マーベル・レガシー』にて描かれた事件以降、神は彼女の声に応えることをやめてしまった。
しかし彼女は「これもまた神が与えた試練」と、自らの信仰心を示すために、北極に埋まったセレスチャルズの聖骸への徒歩での巡礼を行う。

しかし、彼女が北極で見た物は、秘密基地として改築された神の遺体と、その中で暮らすアベンジャーズの姿であった!
あまりの冒涜にアベンジャーズへの憎しみを募らせたエイジャックは、友人のエターナルズたちと共にアベンジャーズマウンテンへの潜入し、セレスチャルズの聖骸との交信を果たしたエイジャック。
しかし、そこで得られた知識は彼女にとって残酷な物であった。
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セレスチャルズはエターナルズの事など気にかけていなかった。
セレスチャルズにとって進化実験の対象である人類は重要。そして人類の進化を促す触媒であるデヴィアンツも重要。
しかし、セレスチャルズにとってエターナルズは、大事な人類たちを育むペトリ皿のフタ程度の認識であったのだ。

神はエターナルズを愛していない。
エターナルズが庇護する人類も、エターナルズの宿敵であるデヴィアンツも愛されているのに、エターナルズだけは愛されていない。
何百万年にもわたる信仰が全て無駄であった事を知り、打ちひしがれたエイジャック。

しかし彼女は、直ぐに彼女と同じエターナルズの司祭であるマッカリと共に、新たな信仰の道を歩み始める。
古い神が、彼女の信仰に能わないのであれば、新しい神を造ればいい。
そのために必要な存在。それは人類に潜むデヴィアンツの欠片、X遺伝子の専門家であった。
そして彼女の手にかかれば、当世一のミュータント遺伝子の専門家、Mr.シニスターを攫う事など造作もないことであった……
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【宣伝】(使いまわし)
マーベルからはトニー・スターク亡き後にその後継者として現れた天才少女リリが主人公の『インビンシブル・アイアンマン:アイアンハート』と、マーベル世界のオカルト系ヒーローが教師となった魔法学園を舞台に、マーベル世界のあらゆる場所から集められた少年少女たちが活躍する『ストレンジ・アカデミー2:ブライト・サイド』が翻訳決定。


続いてDCからは長らく入手困難だったマイク・ミニョーラの『バットマン:ゴッサム・バイ・ガスライト』が再邦訳。
こちらはヴィクトリア朝時代のゴッサムを舞台にバットマンが切り裂きジャックと戦う表題作の新訳版に加え、その続編も初邦訳!
また正史のバットマンからは最新作となる『バットマン:ゴースト・ストーリーズ』の翻訳も決定。現在DC各誌で活躍中であるバットマンのライバル、ゴーストメイカーの初登場話となります。

最近のX-MEN

最近のX-MEN

今回はこの数か月で大きく変貌を遂げたX-MEN関連の状況を、要注意人物たちの紹介を通して整理していきたいと思います。

【サイクロプス】
ご存じX-MENのリーダー。
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実はX-MENという名前のヒーローチームはクラコア建国からしばらくの間存在せず、サイクロプスもクラコアの軍人の最高位"グレートキャプテン"としての役目を果たしていました。しかし、とある事件をきっかけに「軍隊、警察、諜報といった国家の方法論ではなく、"ヒーローの方法論"でミュータントを守る存在が必要だ」という事に気が付いたサイクロプスは、プロフェッサーXの慰留を振り切って公職を辞し、X-MENを設立。そのリーダーの座に収まりました。
しかし、その後サイクロプスはX-MENとしての活動中に落命し、ニューヨークを救った英雄として盛大な式典の末に埋葬されることに。

もちろんその後サイクロプスは問題なく復活したのですが、ミュータントが死を克服したという事実は、その恩恵を与えられることのない人類には知られてはならないクラコアの最重要機密。このため、復活後は謎のヒーロー"キャプテン・クラコア"として正体を隠して活動している。
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【ストーム】
サイクロプス同様、読者にはおなじみのX-MENサーガの中心人物。現在はクラコアの植民地である火星の総督として活動中。
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新興国家クラコアの国威発揚と、その国力を国際社会に見せつける目的で開催された"ヘルファイア・ガラ"。
このミュータントたちの祝祭における余興として、クラコアは、火星を赤い砂嵐の吹き荒ぶ荒野から緑あふれる世界へと変貌させた。

クラコア政府はミュータントの力を持って開拓された火星をクラコアの植民地とすることを宣言。『X・オブ・ソーズ』の物語の中で異世界より救出したミュータントの一団をそこに移住させ、星の名前も彼らの故郷の名前である"アラッコ"へと改名することを発表する。

異世界に於いて地球を守るために何千年も戦争を続けてきたアラッコの住人は、その終わりのない戦いの歴史の中で「力こそが全てにおいて優先される資質である」という文化を築いており、自分たちより弱い存在をけしてリーダーとは認めない。
そんな荒っぽいアラッコの住民を統治するために、ストームはアラッコの流儀で外敵と戦うミュータント集団"ブラザーフッド"を組織するとともに、ストームの座るリーダーの座を奪わんとする挑戦者たちを決闘で破り続けている。

【アビゲイル・ブランド】
地球を外宇宙から守る国際機関S.W.O.R.D.の元長官。
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星間文明の外交と諜報に明るく、S.W.O.R.D.がクラコアの宇宙開発部局となった後は、その手腕を持って星間社会に太陽系の母星が火星(アラッコ)であることを認めさせた。
しかし、ミュータントと異星人のハイブリッドである彼女の帰属意識はミュータントにはなく、その目的はあくまで宇宙のパワーバランスの安定。
このためミュータントが力を持ちすぎないように、クラコアの敵対者である人類代表機関オーキスに密かに情報を流している。


【オメガセンチネル】
90年代のイベント『ゼロトレランス』にて登場した生体ロボット。
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インド人警察官カリーマが半機械化された存在として、ヒーローとしての役割が多かった彼女だが、『ハウス・オブ・X』と『パワーズ・オブ・X』以降は、ミュータントによる人類支配に対抗すべく集まった人類代表機関オーキスに参加している。

実は彼女の意識は今までのカリーマのそれではなく、ミュータントが人類およびロボットとの戦いに勝利した未来世界の自分自身によって上書きされている。
(こう書くとややこしいですが、要するに未来からやってきたタイムトラベラーと思ってください)

未来世界の知識をもとに、ミュータントでも人類でもなく、ロボットが勝利する未来にこの時間軸を導こうとしており、究極のセンチネルであるニムロッドが想定よりも早く起動されたのも彼女の計画によるもの。

【Mr.シニスター】
長年のX-MENの宿敵だが、現在はクラコアの代表機関"沈黙の議会"の1人。

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ただひたすら自身の邪悪な研究の推進だけを考えており、ミュータントの繁栄などこれっぽちも興味がないのは相変わらず。

転生能力者であるモイラ・マクタガートのクローン体をタイムカプセルのように使うことで未来を予知し、密かに沈黙の議会の決定、ひいてはクラコアの未来を自分の望む方向に操っている。

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このモイラのクローン体を使った未来予知は、手順がちょっと複雑なので軽く整理。

①シニスターは定期的に脳内を空っぽにしたモイラのクローン体を作成。作ったばかりのその脳内に何もメッセージがないことを確認する。
②過去に戻ってやり直したい事態が発生した場合、シニスターは、戻りたい日に作成したクローン体の脳内に自分へのメッセージをアップロードしたうえで、そのクローン体を破壊する。
③モイラのクローンが死を迎えたことにより、彼女のミュータント能力が発動。クローン体が生まれた瞬間(①のタイミング)まで時間が巻き戻される。しかしモイラだけは前の人生の記憶を保持できるため、破壊の直前に脳にアップロードされたメッセージはそのまま。
①'いつものようにモイラのクローンを作成したシニスターは、その脳内に未来の自分からのメッセージを発見する。

このような手順を踏むことで、モイラのクローン体はシニスターにとってある種の"セーブポイント"のように機能している。


【ミスティーク&デスティニー】
かつてテロリストとして活動していたミュータントの夫妻。ミスティークは変身能力、デスティニーは未来予知の力を持つ。
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長らくX-MENと敵対していたミスティークだが、死亡した妻デスティニーを復活してもらうために、プロフェッサーXとマグニートの手先となり、クラコアの敵を相手にした危険なテロ活動に従事している。
しかし、クラコア建国時にモイラが決めた「予知能力者の復活は許さない」という裏ルールにより、教授とマグニートはミスティークの願いを叶えるつもりなど毛頭ない。
やがて"デスティニーの復活"が自分の前にぶら下げられた人参に過ぎないことを悟ったミスティークは、その変身能力を用いて暗躍。
教授とマグニートの許可なしで、最愛の妻を復活させることに成功する。
再開を喜ぶミスティークとデスティニー。
やがて2人は、復活したデスティニーが予知した未来から、ミュータントの理想郷クラコアの影に潜む女、モイラ・マクタガートの存在を察知する。

【モイラ・マクタガート】
自らの死によって発動し人生をやり直すことができる転生能力を持つミュータント。
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ミュータントが皆殺しに合う運命を回避するため戦い続けた過去9回の人生での知識を元に、10回目(今回)の人生では"今までにないやり方"を試すことを決意。プロフェッサーXとマグニートと共に、ミュータントの楽園であるクラコアを建国するに至った。

しかし、デスティニーの復活によって、モイラの真の計画が明かされる。
実はモイラの真の目的は、ミュータントの繁栄ではなかった。ミュータントを護るために戦いを繰り返す長い人生の中で、やがてミュータントという存在そのものを憎むようになったモイラは、この世界からミュータント遺伝子を消去し、完全に人類と同化させる方法を開発しようとしていたのだった。

しかし、その計画を知ったデスティニーとミスティークはこれを阻止するために動き、モイラの誘拐に成功する。
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ただ、このままモイラを殺害してしまうと、その瞬間にモイラの能力が発動し、彼女を過去に逃がしてしまうことになってしまう。そこで2人は、モイラにミュータント治療薬を投与し人間に戻したうえで、彼女を解放。
モイラに死の恐怖に怯える逃亡者としての人生を与え、復讐としたのであった。

しかし、おめおめと逃亡者としての境遇に甘んじているモイラではなかった。
その後、モイラは未来に有望な技術を開発中の科学者兼実業家を強襲し、自分の身体を機械化。
「自分の記憶を外部ストレージにバックアップし、死亡するたびに新たな機械の身体にアップロードする」という、ある意味ミュータントたちと同じ方法で死を克服したのだ。
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かくしてミュータント、人類、機械と地球の覇権を競う3つの種族全てを経験し、いまやミュータントの最強の敵となったモイラは、新たな未来のタイムラインを築くため、独自の活動を開始する。
その活動の第一歩とはメリジェーン・ワトソン。

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クラコア製薬の広告塔となった彼女の皮を被り、ミュータントたちの祝祭ヘルファイア・ガラへと潜入することであった……

【宣伝】
今回の紹介した内容は大体ここら辺のタイトルから。


デスティニーの復活とモイラ/マグニート/教授の三頭体制の崩壊を描いたのが『インフェルノ』。
逃亡するモイラとそれを追って未来からやってきた謎のウルヴァリンの逃走劇を描いたのが『X Lives & Deaths Of Wolverine』となります。
そしてそれを受けたX-MENの本筋が『X-MEN』と『イモータルX-MEN』となります。


続いて翻訳本ですが、マーベルからはトニー・スターク亡き後にその後継者として現れた天才少女リリが主人公の『インビンシブル・アイアンマン:アイアンハート』と、マーベル世界のオカルト系ヒーローが教師となった魔法学園を舞台に、マーベル世界のあらゆる場所から集められた少年少女たちが活躍する『ストレンジ・アカデミー2:ブライト・サイド』が翻訳決定。


続いてDCからは長らく入手困難だったマイク・ミニョーラの『バットマン:ゴッサム・バイ・ガスライト』が再邦訳。
こちらはヴィクトリア朝時代のゴッサムを舞台にバットマンが切り裂きジャックと戦う表題作の新訳版に加え、その続編も初邦訳!
また正史のバットマンからは最新作となる『バットマン:ゴースト・ストーリーズ』の翻訳も決定。現在DC各誌で活躍中であるバットマンのライバル、ゴーストメイカーの初登場話となります。

プロフィール

NOB-BON

Author:NOB-BON
X-men生まれSpawn育ちを地でいく、90年代アメコミバブルの残党。
しばらくの間、アメコミは翻訳本を買う程度だったのが、最近のデジタルコミックの手軽さにひかれ、本格的に復活しました。

基本的にMarvelメインですが、DCのリランチを機に自分の中でDCブームが来てるので、しばらくはDCの話題続くかも。
しばらくどころか完全にDC派に転びました。

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