アベンジャーズ #675-676 (アベンジャーズ:ノーサレンダー)

アベンジャーズ #675-676 (アベンジャーズ:ノーサレンダー)
(作:マーク・ウェイド他、画:ペペ・ララス)

【盗まれた地球】
ある日、地球は何度目かの危機を迎えようとしていた。

突然空は赤く染まり、地軸は乱れ、暴風雨に大洪水とあらゆる天災が世界規模で発生、それと同時に全ての人工衛星が地球との交信を止め、通信インフラはダウンしたのだ。
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突然の事態に訳も分からぬまま、懸命に人命救助を続ける地球のヒーロー達であったが、皮肉にも事態の重要性にいち早く気がついたのは、地球のヒーローではなく地球外のヒーロー、衛星上に拠点を構えるアルファフライトであった。

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キャプテン・マーベル:地球が消えた。何者かに盗まれたんだわ…

【ヴィランvsヴィラン】
一方、混乱を極める地球ではあらたな脅威が密かに迫っていた。
エジプトに飛来した2つの飛行体、その中から現れたのは

狂えるタイタン人サノスの私兵集団ブラックオーダーと、
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銀河中から集められた最凶の戦闘隊リーサル・リージョンであった。
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目を合わせた瞬間に、自分たちがいる場所がどこであるかも確かめずに闘いを始める2組のヴィラン軍団。
圧倒的な力と多彩な特殊能力を駆使して激しく戦う彼らであったが、どこからともなく響く声が彼らを制止する。
謎の声1:戦闘を止めよ。ルールは絶対だ。
謎の声2:我が対戦相手の言うとおりだ。始まりの合図まで両者ともバトルフィールドの調査に務めるのだ。

謎の声の叱責を受け入れ、その場を離れる両チーム。

[リーサル・リージョン陣営]
フェレーン・ジ・アザー:なかなか手強い相手のようだ。
キャプテン・グローリー:ああ流石だった。両サイドとも"最良"を集める術は心得ているという事か。


[ブラックオーダー陣営]
エボニー・モー:で、作戦は?
コーヴァス:この星がバトルフィールドに選ばれたのは、この星には独特の"障害物"が存在するからだ。
ゲームを盛り上げるための趣向だが、まずはそれを盤上から取り除くとしよう…


【復活!!】
前代未聞の自然災害を前に、懸命な救助活動を続けるヒーローたち。
そんな彼らに、態勢を立て直すためにアベンジャーズマンションに集結するよう緊急連絡が入る。
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アベンジャーズ、アンキャニー・アベンジャーズ(ユニティ・スクワッド)、U.S.アベンジャーズ、オキュファイ・アベンジャーズ、"アベンジャーズ"の名を冠する全チームに加え、アベンジャーズの在籍経験を持つすべてのヒーローが集められたアベンジャーズマンション。
そして彼らを呼び集めたのは…
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長らくマーベルの表舞台から姿を消し、ファンからは「マーベル編集部が決して復活させないキャラ」と思われていたアベンジャーズの創設メンバー、ヴォイジャーであった!

ヴォイジャー:何故復活できたのか私にもわかりませんが、長い間居なかった私の事を知らない方もいるでしょう…
ファルコン:本気で言ってるんですか!
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シチズンV(サンスポット):そうですよ、俺なんかよりもずっと有名ですよ。なんたって全てはあなたが始めたんですから。

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(アベンジャーズ#1より)

クイックシルバー:それだけじゃない。他の創立者がいなくなった時だって、あなたは残ってくれた。
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(アベンジャーズ#16より)

スカーレットウィッチ:そうよ。あなたは私たちの良心だった。ヴィジョンがこの場にいたら何て言ったことか
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(「アンドロイドにも泣くことはできる(Even an android can cry)」の名台詞でお馴染みのアベンジャーズ#58より)

アベンジャーズの名シーンを背景に、次々とヴォイジャーの偉大さを口にするヒーローたち。

伝説的ヒーローを仲間に加え士気を上げたアベンジャーズは、現在地球が直面している状況に対応するべくチームの垣根を超えた脱出作戦を練り始める。
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しかし、そんな彼らの上空に突如現れたのがブラックオーダー。彼らは"障害物"を取り除くため、アベンジャーズマンションに攻撃を開始する!

*********************
というわけで今回は先日始まった『アベンジャーズ:ノーサレンダー』の紹介でした。
「現在のアベンジャーズ系列の集大成」、「現代における『アベンジャーズ・ディスアセンブル』」として始まった週刊タイトルですが、何といっても管理人が気になるのは"アベンジャーズの創設者"ヴォイジャーの復活!

…勿論ですが、本当のアベンジャーズの創設者はアイアンマン、ソー、ハルク、アントマン、ワスプの5人(キャップはその直後に復活)であり、ヴォイジャーというキャラクターは今回が初登場になります。
しかし、その存在は”マーベル版DCユニバース:リバース”ともいえる短編『マーベル・レガシー』の時点で既に匂わされており、同作に描かれた創立メンバーの石像に、しっかりとヴォイジャーが混じっています。

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それどころか、"アベンジャーズの歴代チームを図案にしアベンジャーズの歴史を称える"として各誌で展開したヴァリアントカバーにもその姿が紛れ込んでおり、マーベルとしてはあくまで「皆さんご存知、アベンジャーズの創立メンバーのヴォイジャー」という姿勢を貫こうとしています。

ヴァレリア・ヴェクターという名前から、現在のマーベル世界の創造主であるDr.ドゥーム(ヴィクター・フォン・ドゥーム)やヴァレリア・リチャーズとの関連もうかがえるヴァレリアの正体は果たして誰なのか?
こういう謎をはらんだ展開が週刊でサクサクと読めるのはいいですね。

【宣伝】

先日、翻訳が発表されて個人的にうれしかったのが『インビンシブル・アイアンマン:リブート』。
人気の割りになかなか翻訳本が発売されないアイアンマンですが、その最新シリーズが遂に発売です。
また本国で快進撃を続けるマーベルのスターウォーズからは『スター・ウォーズ:ハン・ソロ』が登場。マーベルのスターウォーズはその豪華な制作陣で有名なのですが、今回は『モンストレス』の翻訳版が発売されたばかりのマージョリー・リュウがライター!
他にも『ウィッチャー 1: HOUSE OF GLASS』や『ウォーキング・デッド8』など、コミックファンの外にも知名度の高い作品の翻訳も進んでいるのが、非常にここ強いですね。



(以下は使いまわし)
今月発売のアメコミで注目なのは何といっても『デッドプール:トゥー・スーン?』。マーベルを代表するギャグキャラ、フォーブッシュマンの死を発端に起こる"ギャグキャラ狩り"。果たしてデッドプールは、ロケット・ラクーンやハワード・ザ・ダックといったギャグキャラたちを護ることはできるのか!?
といった趣向の作品でとにかく面白そう。(ギャグキャラの中にパニッシャーも入っているのはご愛敬)
またスパイダーグウェンの続刊『スパイダーグウェン:グレイター・パワー』と、密かな人気者タスクマスターの個人誌『タスクマスター:失われた過去』も今月に発売予定。



また、大人気アーティスト、マイク・ミニョーラが久々に担当したことで話題をさらった『ヘルボーイ・イン・ヘル:死出三途』は早くも翻訳。
DCからは、人気者ハーレイクインが、New52以降あまり絡みのなかった"プリンちゃん"ことジョーカーと対決する『ハーレイ・クイン:ジョーカー・ラヴス・ハーレイ』に、スーパーマンの新たなマスターピースと呼び声の高い『スーパーマン:アメリカン・エイリアン』が刊行。
(アメリカン・エイリアン、本気で大好きな作品だったので作者の不祥事がとにかく残念です)
また、スーパーマンといえばスーパーマンとバットマンが子連れで出会い、親バカっぷりを炸裂させる『スーパーマン:トライアル・オブ・スーパーサン』もお勧めですので、ぜひ!



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マーベル ツー・イン・ワン #1

マーベル ツー・イン・ワン #1
(作:チップ・ザダスキー、画:ジム・チェウン)

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固い友情で結ばれた4人組は宇宙へのテスト飛行を敢行。
そこで起こった事故により能力を手に入れた彼らは、スーパーヒーローとなったのです。
しかし、ファンタスティック・フォーの事をただ"ヒーロー"と呼んでしまうのは誤りです。
彼らはヒーローである以前に、なによりも冒険家であり探索者であったのですから。

宇宙開発の現場で優れた功績を残した人物を表彰する目的で新設された科学賞。
偉大なる先人の名をとり"ファンタスティック賞"と名付けられたその賞の設立記念式典に、ファンタスティックフォーの生き残りのひとりベン・グリム(シング)は招待されていた。

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シング:本当はスピーチってやつぁ、ストレッチョ …リードの役目の筈なんだけどな。まぁいいが。
リードって野郎はあのドえらい頭でいつも星々の事を考えてた。
ジョニーは目標を見つけたら一直線につっぱしる根っからの冒険家。
でも、オレたちが目的や意義を見失いそうなとき、目を覚まさえてくれたのはいつもスーだった。
で、オレはただの運転手ってわけだ。


多次元世界の衝突現象から地球を救う止めるため家族もろともその身を犠牲にした(と本人は思っている)リードたちの事を思いだし、スピーチ中に涙を浮かべるベン。

なんとかスピーチをやりきり、華やかなパーティ会場を居場所なさげに後にするベンであったが、
彼の脳裏には、ファンタスティック・フォーとして活動中にスーと交わした約束が浮かんでいた。

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スー:今回の冒険はいつもと違う予感がする。もし私とリードに何かがあったら、残された家族の事をお願いね。
特にジョニー… あの子はあなたの思う以上に、あなたの事を頼りにしてる。
ジョニーにとってあなたは決して揺るがない岩山なの。


独り街をぶらつき友人たちとの思い出に浸る彼の前に突然現れた人影、それはファンタスティック・フォーの長年の宿敵Dr.ドゥームであった。

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Dr.ドゥームは『シークレットウォーズ』事件で、リードが自身よりに勝っていることを自分自身も認めていることに気が付き、改心。いまは"インファマス・アイアンマン"としてリード亡き世界を護るヒーローとして活動中の身。
そんな彼がシングの前に現れた理由、それはDr.ドゥームが(勝手に)引き継いだリードの遺産にあった。

「リードの天才性の価値もわからない凡人に渡すくらいなら」と(勝手に)引き継いだリードの発明品の中に、シング宛てのメッセージボックスを見つけたというのだ。

シングの遺伝子に反応して起動したメッセージボックスは世界中の人物をスキャンし、自動的にファンタスティック・フォーの中でシングとジョニーのみが生き残った場合を想定したリードからのメッセージを再生する。

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「立ち止まっていてはいけない。冒険をするんだ。君自身は気が付いていないかもしれないけれど、君にもジョニーにも冒険が必要なんだ。」
在りし日のように情熱的にベンを冒険の旅へといざなうリード。そしてリードはこの時のために密かに隠していた、次元跳躍機の隠し場所をベンに伝える…


一方そのころファンタスティックフォーのもう一人の生き残りジョナサン・ストームは、喪失感のために自暴自棄となっていた。
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自動車レースでの無茶な走行、大気圏外からのフリーフォール。
そんなジョニーの下に現れたベンは、何かを試すように自分の命を揺らしつづけるジョニーの目に再び希望の炎をともすため1つの嘘をつく。

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シング:ジョニー、リードはオレにメッセージを残した。…みんな生きてるかもしれない。

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というわけで、始まった"ファンタスティック・ツー"こと『マーベル ツー・イン・ワン』。
シングの嘘を切っ掛けに、シングとヒューマントーチはリード達を探す次元を超えた探索行へと乗り出す事になるわけですが、ベンを含め、マーベル世界の住人が信じ込んでいるように、リードとスーそして子供たちは世界を救うために死んだわけではありません。
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大型イベント『シークレットウォーズ』のラストで神皇帝ドゥームを倒し創世の力を手に入れた彼らは、インカージョンで壊滅した多次元宇宙を修復するために、自らユニバースを創りそこを探索した後で、また新たなユニバースを創るという冒険旅行へと旅立ったのです。

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かくして(実時間で)2年間ほど表舞台に登場することのなかった彼らですが、『マーベル・レガシー』において久しぶりに登場し、冒険旅行中にホームシックを感じているヴァレリアの姿が描かれました

というわけで、ベンとジョニーがリード達に再会し再びファンタスティック・フォーが結成されることはもはや秒読みのようにも見えますが、はたしてその再開がどのようなものになるのか?
管理人はその瞬間を本作の中で目撃することを楽しみにしています。

【宣伝(使いまわし)】

前回の記事では、ドニー・ケイツの非ヒーロー系のタイトルを少し紹介しましたが、最近の米国での非ヒーロー系のコミックの盛り上がりは目を見張るものがあり、ヒーロー系で腕を磨いたクリエーターが非ヒーロー系の作品に移って大ヒットを飛ばすのが一つの潮流となっています。
ヒーロー系を追っているとそういった作品の情報も自然と耳に入ってくるのですが、なかなか手を出しづらく面白そうな作品を横目でにらんでいるような状態だったのですが、最近はそういった非ヒーロー系作品の翻訳もコンスタントに出版されるようになり、嬉しい限りです。
そんなわけで、今回はそんな非ヒーロー系で気になる新刊を紹介。

『モンストレス vol.1: AWAKENING』売れっ子作家マージョリー・リュウと日本人アーティスト、サナ・タケダによるホラーコミック。
サナ・タケダの美麗でどこか妖しい筆致によって描かれた獣人や伝説上の生物が闊歩するアルーデコ風のスチームパンク世界が人気を博し、SF作品の最高峰ヒューゴ賞を受賞した作品が、遂に翻訳開始!

美麗なアートといえば『サンストーン』も忘れてはいけません。
現在アクアマンも担当しているステファン・セジクによるレズビアンとボンデージセックスをテーマとした作品。
これはもう、ちょっと検索してアートと作風を確認してみてくださいとしか言えない作品です。

最後にお勧めしたいのが、『Y:THE LAST MAN』の最終話!
「全ての男が死滅し女だけの世界となった現代の地球で生き残った最後の男」というシチュエーションを、俗悪な方向に流されることなく描き切った傑作コミックが遂に完結。
アメコミ界の最高権威アイズナー賞を総なめにしたのも納得の作品ですの、未読の方はこれを機にぜひ!



続いてヒーローコミックですが、2017年初頭のDCのクロスオーバー『ジャスティス・リーグ VS.スーサイド・スクワッド』が早くも翻訳決定。
DCを代表する2大ヒーロー(?)チームの激突を描いた作品ですが、当ブログをご覧の方はご存知の通りそこに介入する"第三のチーム"がファンの話題をさらった作品でもあります。
そんなスーサイドスクワッドですがリバース後第二巻にあたる『スーサイド・スクワッド:ゴーイング・セイン』も同時に発売予定。
また『ワンダーウーマン:イヤーワン』も翻訳が発表。こちらも一応リバース後の第二巻に当たるのですが、ワンダーウーマン誌は奇数号の現代編と偶数号の過去編を交互にやるという特殊な出版形態をとっており、本作はその過去編にあたるワンダーウーマンの誕生譚を収録。
このためいきなりここから読み始めても何ら問題のない作品になっています。
また、MCU版ドラマの日本公開を控えた『インヒューマンズ』も翻訳予定。こちらはかつてマーベルの大人向けレーベル"マーベルナイツ"の目玉の一つとして発表され、その華美で退廃的な雰囲気で今日のインヒューマンズのイメージの礎を築いた記念碑的作品ですので、翻訳は嬉しいところ。



Dr.ストレンジ #380-381

Dr.ストレンジ #380-381
(作:ドニー・ケイツ、画:ガブリエル・ヘルナンデス・マルタ)

【至高の魔術師】
ニューヨーク市ブリーカー街177Aに存在する古びた洋館サンクタム・サンクトラムは宙に浮いていた。
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館の主である至高の魔術師が、かつてのように来訪者を好まなくなったからだ。

主の名前はロキ。数十年に一度開かれる闘技会の結果、正式に"至高の魔術師"の座を獲得したのだ。
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あまりの出来事に呆気にとられるマーベル世界の魔術師達。
しかしロキはそんな同業者たちの冷たい視線を気にするそぶりも見せず、飄々と異界の脅威から現実世界の秩序を守るという至高の魔術師の使命を果たしていく…

一方で、今や"元"至高の魔術師となり下がったステファン・ストレンジは、かつての彼の希望通り、医術をもって人々を助ける役目に戻っていた。
獣医Dr.ストレンジとして!
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(ちなみに医師としてのライセンスは失効しちゃってました)

【ロキの狙い】
勿論、ロキが至高の魔術師の座を奪い取ったのは、世界を護るためではなかった。
彼の本当の狙いは魔法界に伝わる伝説の魔法"シンスーンの放逐"の習得。
存在すら疑われる究極の魔法を、Dr.ストレンジがサンクタム内の開かずの間に隠していると読んだのだ。

開かずの間の扉を開けるために、様々な手段を講じるロキだが、彼の力をもってしてもその扉を開けることはかなわない。
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(開かずの間を開けるために、アスガルドの処刑者スカージの伝説のアサルトライフルを持ち出すロキ。
映画をご覧になった方は"デス"と"トロイ"と言った方が通りがいいかもしれません。)

余談ですが、マーベル・レガシーではロキが"世界を救うため"と称してマーベル界に存在する様々なパワーソースをなりふり構わず求める姿が散見されます。

インフィニティ・ガントレットにはじまり…
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『マーベル・レガシー』誌にて存在が明かされた地球に封じられた"ザ・フォールン"と呼ばれる謎のセレスチャル、
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そして所有者を"世界の屠殺者"へと変える謎の黒剣ネクロソード。
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はたして今回のロキの活動もこれらの探索の一環なのでしょうか?


【復活!!】
"動物と話せる獣医"として気味悪がられながらも、何とか一般人としての生活に戻りつつあったDr.ストレンジであったが、
ロキの真の狙いを知った彼は、何としてでもロキを止めなければいけないと行動を開始する。

しかし、一介の獣医となったストレンジには至高の魔術師である神を倒すことなど到底不可能。
窮したストレンジは最後の手段として、ロッククライミングでしかたどり着けない雪深い絶壁の頂上に存在する、場違いなまでに普通の郊外型住宅を訪れる。

家の住人はこれまた、場違いなまでに普通の男性ロバート。
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ストレンジ:君の助けが必要なんだ、ロバート。
ロバート:だめだ、そんなことをしたらどんな風になるか、あなただってわかってるはずだ。はやく僕の頭から出て行ってくれ。
ストレンジ:大丈夫、君はもう完治した、もう正気なんだ。それに今回は多くの人々の命がかかっている。
ロバート:……わかった。私は何をすればいい。
ストレンジ:先ずは変身してくれ。すまないが私が必要なのは君ではない、セントリーなんだ!

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*********************
というわけで始まった、マーベル・レガシー期のDr.ストレンジ誌。
管理人は実は当初は手を出す気はなかったのですが、米国のコミックショップの店長たちがやたらとライターであるドニー・ケイツを信頼し、彼の手掛けるDr.ストレンジ誌とサノス誌を推しているのが気になったために読んでみることに。

ドニー・ケイツは2大出版社での仕事は多くはないものの、イメージやアフターショックなどの非ヒーロー系の出版社で近年頭角を現してきた若手ライターで、アメリカ南部の粗野な田舎町に潜む吸血鬼一族を描いた『レッドネック』や、地獄の門を開く反キリストとしての宿命をもった赤ん坊を育てる母親の奮闘を描いた育児漫画『ベイビートゥース』などが代表作。
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そんな新進気鋭のライターが、遂に『Dr.ストレンジ』と『サノス』の2タイトルで本格的にマーベルに参戦するのは一つの事件ですし、そんな彼に上記2誌だけではなく来年開始のイベント『ダムネーション』の本編を任せたことからも、マーベルが彼に寄せる期待が大きいことが窺えます。
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この『ダムネーション』は、『シークレットエンパイア』の影響で地獄に落とされ悪魔メフィストによって支配される"悪徳の街"となったラスベガスを舞台にしたイベントで、この『Dr.ストレンジ』誌もタイインとして参加する見込み。
管理人は成り行き上このイベントも追ってみる予定ですが、"次代の大物"と称される彼の評判が本物か、非常に楽しみです。
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【宣伝】

今回の記事では、ドニー・ケイツの非ヒーロー系のタイトルを少し紹介しましたが、最近の米国での非ヒーロー系のコミックの盛り上がりは目を見張るものがあり、ヒーロー系で腕を磨いたクリエーターが非ヒーロー系の作品に移って大ヒットを飛ばすのが一つの潮流となっています。
ヒーロー系を追っているとそういった作品の情報も自然と耳に入ってくるのですが、なかなか手を出しづらく面白そうな作品を横目でにらんでいるような状態だったのですが、最近はそういった非ヒーロー系作品の翻訳もコンスタントに出版されるようになり、嬉しい限りです。
そんなわけで、今回はそんな非ヒーロー系で気になる新刊を紹介。

『モンストレス vol.1: AWAKENING』売れっ子作家マージョリー・リュウと日本人アーティスト、サナ・タケダによるホラーコミック。
サナ・タケダの美麗でどこか妖しい筆致によって描かれた獣人や伝説上の生物が闊歩するアルーデコ風のスチームパンク世界が人気を博し、SF作品の最高峰ヒューゴ賞を受賞した作品が、遂に翻訳開始!

美麗なアートといえば『サンストーン』も忘れてはいけません。
現在アクアマンも担当しているステファン・セジクによるレズビアンとボンデージセックスをテーマとした作品。
これはもう、ちょっと検索してアートと作風を確認してみてくださいとしか言えない作品です。

最後にお勧めしたいのが、『Y:THE LAST MAN』の最終話!
「全ての男が死滅し女だけの世界となった現代の地球で生き残った最後の男」というシチュエーションを、俗悪な方向に流されることなく描き切った傑作コミックが遂に完結。
アメコミ界の最高権威アイズナー賞を総なめにしたのも納得の作品ですの、未読の方はこれを機にぜひ!



続いてヒーローコミックですが、2017年初頭のDCのクロスオーバー『ジャスティス・リーグ VS.スーサイド・スクワッド』が早くも翻訳決定。
DCを代表する2大ヒーロー(?)チームの激突を描いた作品ですが、当ブログをご覧の方はご存知の通りそこに介入する"第三のチーム"がファンの話題をさらった作品でもあります。
そんなスーサイドスクワッドですがリバース後第二巻にあたる『スーサイド・スクワッド:ゴーイング・セイン』も同時に発売予定。
また『ワンダーウーマン:イヤーワン』も翻訳が発表。こちらも一応リバース後の第二巻に当たるのですが、ワンダーウーマン誌は奇数号の現代編と偶数号の過去編を交互にやるという特殊な出版形態をとっており、本作はその過去編にあたるワンダーウーマンの誕生譚を収録。
このためいきなりここから読み始めても何ら問題のない作品になっています。
また、MCU版ドラマの日本公開を控えた『インヒューマンズ』も翻訳予定。こちらはかつてマーベルの大人向けレーベル"マーベルナイツ"の目玉の一つとして発表され、その華美で退廃的な雰囲気で今日のインヒューマンズのイメージの礎を築いた記念碑的作品ですので、翻訳は嬉しいところ。



プロフィール

NOB-BON

Author:NOB-BON
X-men生まれSpawn育ちを地でいく、90年代アメコミバブルの残党。
しばらくの間、アメコミは翻訳本を買う程度だったのが、最近のデジタルコミックの手軽さにひかれ、本格的に復活しました。

基本的にMarvelメインですが、DCのリランチを機に自分の中でDCブームが来てるので、しばらくはDCの話題続くかも。
しばらくどころか完全にDC派に転びました。

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