キャプテン・アメリカ:スティーブ・ロジャース #14-15

キャプテン・アメリカ:スティーブ・ロジャース #14-15
(作:ニック・スペンサー、画:ヘスース・サイズ)

当ブログで何回か紹介してきたヒドラキャップを主人公としたキャプテン・アメリカ:スティーブ・ロジャース誌。
コズミックキューブによって歴史を改変されたスティーブの物語は、夏のイベント『シークレットエンパイア』に向けて1つの転機を迎えます。
(過去の記事は、こちらこちらを参照)
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【真ヒドラの復活】
卓越した人心掌握術と、プロフェッサーXから奪い取ったテレパシー能力でレッドスカルが築き上げた新たなヒドラ。
その勢いは留まることを知らず、SHIELDの長官へと上り詰めたキャプテン・アメリカによる密かな後方支援に下支えされ、いまや東欧の小国を乗っ取り、核武装した主権国家として国際社会に堂々と自らの要求を主張するまでになっていた。

しかし"ヒドラ"の名を自らの私兵集団につかうレッドスカルの陰で、"真のヒドラ"が復活しつつあった。
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その立役者は幼いスティーブがヒドラとなるきっかけを作った人物であるエリサ・シンクレア。
スティーブの脳内歴史にしか存在しないはずの彼女はマダム・ヒドラを名乗り、世界中をまわり真ヒドラの評議会を結成する。

そのメンバーは

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忍者集団ザ・ハンドの首領ゴーゴン

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ヒドラの理念を体現した群体生物ハイヴ

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洗脳と催眠術で人々を自在に操る心理学者Dr.ファウスタス

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かつてはヒドラの指導者も務めたテロリスト、ヴァイパー

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その精神を機械に移し、異次元世界ディメンジョンZで歪んだ実験を繰り返すマッドサイエンティスト、アーニム・ゾラ

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そして、ヒドラキャップの恩人のアーマーを継いだ謎の人物クラーケン
(どうもその正体はキャップの知り合いで、キャップは彼の事を死んだと思っているらしい)

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ちなみにタスクマスターとブラックアント("度し難い"3代目アントマン)は、色々あって現在はエリサの付き人。

【レッドスカルの末路】
東欧の小国を核兵器と共に乗っ取ったレッドスカル。
しかし彼の野望は、ローグやデッドプール、ヒューマントーチなどで構成されたアベンジャーズ・ユニティ・スクワッド、通称"アンキャニーアベンジャーズ"の活躍によって潰えた。
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レッドスカルを捕まえたローグは友人ビーストに依頼し、レッドスカルの体からチャールズ・エグゼビアの脳を切除。
レッドスカルはその力を失い、SHIELDの収容施設に収容されることになる。

ところが現在のSHIELDのトップはレッドスカルの部下であるキャプテン・アメリカ。
彼はその権力を使って、レッドスカルの部下であるクロスボーンとシンの脱出計画を支援。レッドスカルはまんまと収容施設を脱走し、隠れ家へ向かう。

隠れ家でレッドスカルを待っていたのは、今回の脱走劇の立役者であるキャプテン・アメリカであった。
しかしレッドスカルは、自分の脱獄を成功に導いた部下を激しく叱責する。
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レッドスカル:ユニティ・スクワッドはお前のチームの筈、なぜ今回のような失態が起きる!
スティーブ:今の状況は全て私が招いたこと。私は長い間、私のすべてを捧げて…
レッドスカル:そうだお前は私に仕えてきた。
スティーブ:どうも勘違いがあるようだ。私がすべてを捧げたのはヒドラであって、お前はそれを盗み取っただけだ。
私の知るヒドラは、誇り高くそして強くかった。
お前はヒドラのためにいったい何を犠牲に捧げたというのだ?
お前がヒドラを捻じ曲げ、堕落させたのだ!


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キャップはかねてよりレッドスカルがプロフェッサーXの脳を失う瞬間を狙っていたのだ。

レッドスカル:馬鹿め。私がお前を作ったのだ。お前の信念は全てまやかしだ。ただの夢(Dream)にすぎないのだ!

自分を裏切ったキャップに、全ての事実を話そうとするレッドスカル。
しかしスティーブは聞く耳を持たずに、レッドスカルを殺害する。

スティーブ:その通り、私が忠誠を誓うのは"理想(Dream)"だけだ。

全てを終えたスティーブ。
そんな彼を迎えに来たのは・・・
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【宣伝】
近刊予定で気になっているのは映画『ローガン』に合せて刊行される『ウルヴァリン:オールドマン・ローガン』と『ウルヴァリン:バック・イン・ジャパン』。特に前者は、荒廃した近未来のアメリカを舞台にし傑作の名をほしいままにした作品で、今回の映画に強く影響を与えた作品です。
またマーベルではDr.オクトパスに乗っ取られたスパイダーマンの続編『スーペリア・スパイダーマン:トラブル・マインド』とデッドプールがスパイダーマンの歴史的瞬間にひょっこり現れて暴れまわるの『デッドプール:バック・イン・ブラック』あたりも気になるところ。



またDCでは、「ゴードン警部が官製バットマンとなる」というダイナミックな展開を、独自の"バットマン論"へと昇華させた傑作『バットマン:スーパーヘヴィ』とその完結編『バットマン:ブルーム』が連続刊行。
また人気者ハーレークインの新刊『ハーレイ・クイン:ジョーカーズ・ラスト・ラフ』と、彼女が同じく人気者のデスストロークと地獄の鬼ごっこを繰り広げる『デスストローク:スーサイド・ラン』も発売決定です。

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ヒドラキャップの少年時代(キャプテン・アメリカ:スティーブ・ロジャース)

キャプテン・アメリカ:スティーブ・ロジャース
(作:ニック・スペンサー、画:ヘスース・サイズ)

"キャップの正体はヒドラの工作員であった"という衝撃のカミングアウトで始まった本作。
単なる客寄せの路線変更に留まらない本作のセッティングの妙は、以前当ブログでお伝えしたとおりです。

本作では、ヒーロー/ヒドラいずれにも背を向け密かに自身の理想を追求するスティーブの姿が描かれているわけですが、実はそんなスティーブの陰謀劇と同量のページを割きながら展開されているもうひとつの物語があります。
それは新たなスティーブの少年時代。

無邪気で危険な生けるコズミックキューブの少女コビックによって、書き換えられたスティーブの過去。
スティーブの脳内にしかないその歴史において、彼に何があったのか?

今回の記事ではその歴史を追っていくことにします。

【狂騒の20年代】
1926年アメリカ、第一次世界大戦を終え"狂騒の20年代"と呼ばれる黄金期を迎えたアメリカはブルックリンにて、スティーブ少年は働き者の母親と身を寄せ合って暮らしていた。
毎日を慎ましく、勤勉に暮らす親子の一番の悩みは、父親であるジョセフ。職を失いアメリカ経済の発展から乗り残されたジョセフは酒に逃避し、度々スティーブと母サラを殴るのだ。

重労働を終えくたくたになって帰路につく母子を、今日も路上で殴るジョセフ。
しかし、そんな蛮行を見かねた1人の女性が、2人の間に割って入り、スティーブとサラを助ける。

彼女の名前はエリサ・シンクレア。上品な衣装を身にまとい洗練された立ち振る舞いを見せる彼女は、サラと話すうちにサラの真面目で勤勉な性根を気に入り、彼女に自らの所属する市民団体に誘う。

その市民団体とは…
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【友愛団体ヒドラ婦人部】
恩人エリサの強い勧めを断れずヒドラの婦人部に入ったスティーブの母サラ。
彼女はそこでも持ち前の勤勉さを発揮し、地域のボランティア活動に精を出していた。
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(婦人部の会合の締め)

暴力を振るう夫の待つ家庭とつらい職場以外に自身の居場所を見つけ、心の安寧を得ていくサラとスティーブ。
しかし、そんな生き生きとした妻を面白く思わないジョセフは、その暴力をエスカレート。
夫からのDVを黙って耐えるサラだが、その様子を見かねたエリサは、ヒドラの"青年部"に問題の解決を命じる。
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しかし、ジョセフの死亡をエリサと結びつけたサラは、エリサの期待とは裏腹に、エリサとヒドラの行いに恐怖を覚える。
深夜のスティーブ宅で繰り広げられた押し問答の末、ヒドラ青年部のゴロツキは、勢いあまってサラを殺害してしまう。
ベッドの下で一部始終を目撃したスティーブ少年も口封じのために手をかけようとするヒドラ青年部だが、エリサはそれを制止。
一夜にして身寄りを失ったスティーブ少年を、自身の庇護の下、ヒドラの養成施設に引き取ることを宣言する。
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【ヒドラ養成所】
ヒドラの養成施設で待っていたのは、病弱なスティーブ少年にとっては厳しい"兵士候補生"としての生活であった。
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問題解決/戦略立案の面では卓越した才能を見せたスティーブ少年だが、肉体面では散々な評価。

養成施設に連れてこられて8年。スティーブは遂に施設からの脱走を決意する。
警備員の監視の目をかいくぐり何とか施設の外にある森へと逃げ込んだスティーブ。しかしそこで彼の前にヒドラ最高のスパイ、クラーケンが立ちふさがる。
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スティーブ:すみません、僕はただ…その…
クラーケン:「ただ、脱走しようとしていた」そうだろ?


思わぬ大物の登場に言葉を失うスティーブ少年に対しクラーケンは優しく声をかける。

クラーケン:逃げたくなるその気持ち、私にもわかるよ。
自由への憧れ、それは人間ならだれでも持つ本能みたいなものだ。
だが君には覚えておいてほしい。それは本当の本能じゃない、私たちが子供のころからそう吹き込まれてきただけだ。

君の祖国では、それを"自由"や"自立"と呼んで貴ぶが、それは違う。そんなものはただの"孤立"だ。
私たち人間は1つに団結することで初めて強くなれる。
"団結"それこそが人間の目指す道なんだ。

いつか我々人類に真の脅威が現れた時のため、私たちは強くあらねばならない。
そのためには、我々人類を率いる強いリーダーが必要だ。
スティーブ、私は君こそがそのリーダーなんじゃないかと思っている。

…さぁ私の話はここまで。後は君次第だ。こののまま逃げ出すのも君の自由だ。
しかしこれだけは知っておいてほしい。私は君となら世界を救えるんじゃないかと思っているんだ。


【スティーブの親友】
クラーケンの語るヒドラの理想に共鳴し、再び養成施設に戻ったスティーブは、軍事戦略の分野でメキメキと頭角を現し、教授陣も一目置く存在となっていく。
(余談ですが、この前後でクラーケンを含むヒドラの幹部たちは「近年ドイツで台頭してきたナチスと活動を共にするべきか?」を議論しています。つまり、ヒドラの思想とナチスの思想はこの時点では別物なのです。)

そんな彼をやっかむ生徒は多く、時には直接的な暴力沙汰になることも増えたが、スティーブにもそんな時に一緒に戦ってくれる親友が生まれていた。
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スティーブに負けない優等生ながら腕っぷしも強く、ヒドラの大幹部として働く父親を何よりも尊敬するスティーブの親友。
彼の名はヘルムート・ジーモ。後にバロン・ジーモと呼ばれる男です。

スティーブとジーモ、深い友情で結ばれた二人にも別れの時が訪れます。
他の同級生同様ナチスと組んだヒドラの戦闘員として戦場へ向かったジーモと異なり、スティーブには個別の任務が与えられます。
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それは故国アメリカに戻り、アメリカが密かに進める超人兵士計画の情報を得ることでした。


【そして現代】
時間はとんで、現在。
今までの回想を、キャプテン・アメリカ――スティーブ・ロジャースはとうとうと目の前の人物に語ります。
語る相手はバロン・ジーモ。#1にてキャップが殺害したかに見えたジーモですが、セルヴィク博士同様に、キャップは密かにその命を救い隠れ家に監禁していたのです。
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キャップは"親友"であるジーモに、如何にジーモが信頼できる友人であったか、如何に二人の友情が素晴らしいものであったのかを滔々と語る。
(思い出してください。コビックによる歴史改変はあくまでキャップ個人の中で完結したもの。ジーモにはとってはちんぷんかんぷんなのです)

キャップ:キミは、きっと私が狂ったか、洗脳でもされたか、はたまたコズミックキューブに何かされたのではないかと疑ってるに違いない。
私自身、キミに真実をみせることが出来ないことがもどかしいが、私の言ったことは事実なんだ。
誰かがキミに何かをしたに違いない。

一番許せないのは、そいつがキミにキミの父上がひどい人物であると思い込ませたことだ。
キミの父上は立派な人物だった、そして何より大事なことにキミのことを深く愛していた…

私はこの世界を転覆させようとしている。しかし私一人では到底そんなことはできない。
キミだ! キミの力が必要なんだ。


真摯にそして情熱的にジーモを説得するキャップ。
そしてジーモは…
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ジーモ:まず何から始める?


【バッキーの死?】
我々の知るマーベル世界の歴史とは、わずかに異なる歴史をたどるキャップの脳内歴史。
しかし、それはある瞬間において、決定的な差を見せます。

大戦の真っ最中。大戦の英雄として各地を転戦しながら、その立場を利用して得た軍事機密をヒドラに流していたキャップの下に、バロン・ジーモ(初代)の秘密基地をつかんだ米国が、相棒のバッキーを含むヒーローチーム"インベーダーズ"を現地に派遣したとの報がはいります。
親友の父親を救うため、矢も楯もたまらず、駆け付けるキャップ。
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キャップた到着したジーモの秘密基地では、米国に狙いを定めた新型無人飛行機を前に、インベーダーズとヒドラ軍が激戦を繰り広げていた。
発射準備にかかった無人飛行機の上で、ジーモと格闘するバッキー。
(我々の知る)本来の歴史では、ミサイルの矛先を変更し米国を救うために、ここでバッキーはその命を散らすはずであった。

しかし、その瞬間、とんでもないことが起こる。
格闘の最中に、バッキーではなくジーモの服が飛行機に引っかかり、ジーモごと離陸したのだ。
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バッキー:これで悲劇を回避することができる!
遠隔操作でミサイルの目的地を大西洋のど真ん中に変更するバッキー。

かくして"バッキーの死"というマーベル史に残る悲劇は、(キャップの脳内歴史において)未然に防がれたのだ。


【再び現代に】
バッキーの死の回避で決定的に分かれた、キャップの脳内歴史と実際の歴史。
しかし、同時期に発売されたサンダーボルツ誌にて、これに関係するやもしれない興味深い事件が展開されていました。

現在のサンダーボルツ誌は、"壁上の男"ウインターソルジャーと彼に懐いて付きまとうコビック、そして『スタンドオフ』
事件でコビックに因縁ができたヴィラン達によるチームなのですが、サンダーボルツ刊行開始20周年記念号となる#10では、オリジナルのサンダーボルツを率いたバロン・ジーモが、新生マスター・オブ・イービルと共に、サンダーボルツの秘密基地を襲う展開となります。

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(こちらが20周年記念号の表紙。いままで"サンダーボルツ"と名のついたチームに在籍した全キャラクターが集合)

物語の最後、バロン・ジーモの手により重傷を負ったバッキーは、コビックに自身の不手際を詫びます。

バッキー:ごめんな、コビック。俺は良いリーダーじゃなかった。すべて良かれと思ってやったことなのに、結局は君を守れなかった。
コビック:大丈夫。私なら元通りにできる。私に"全て"を直させて。

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その所有権をめぐり様々な陣営が争い会ったコズミックキューブの力をバッキーにそそぐコビック。
気を失ったバッキーが次に見た光景は…
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というわけで、コビックの力で過去へと戻ったバッキー。
しかし、バッキーが戻った過去とは果たしてどの過去なのでしょうか?
キャップの脳内歴史ももとはと言えば、コビックが作り上げたもの。
もしもバッキーが戻った先が、この歴史であるならば、キャップの記憶の中でのバッキーの行動は、また違った意味を持ってきます。
しかし、キャップの脳内歴史はあくまでキャップの脳内のみの現実の筈、そこに戻るという事は可能なのでしょうか?

また自身が経験していないはずの過去を信じ、キャップとの友情を選んだジーモ。
果たして彼の真意は?

何が真実で何が偽りなのか、非常に混沌とした状況の中、マーベルユニバースは夏のイベント『シークレットエンパイア』へと突入します。
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『シークレットエンパイア』では、キャップの作戦が遂に実行に移され、世界にヒドラによる新たな世界秩序がもたらされることが明かされています。
"人類を一つに団結させる"という、ヒドラのそしてキャップの理想は果たしてどこに行きつくのか?

実はこの問いには、すでにマーベルから一つのメッセージが出ています。
今回、クラーケンによって語られた「人類はより強固な存在となるために、1つに団結しなければならない」という思想はつまり、米国において様々な大統領が引用した警句"United we stand, divided we fall(団結すれば我らは立ち、分裂すれば我らは倒れる)"であるといえます。

これに対して、マーベルのリランチプロジェクト、『Marvel Now!』のテーザーイメージには…
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つまりは"多様性こそが人類の力"という、今のマーベルの状況を見事に言い表した方向に展開するのではないかと管理人は予想しています。

【宣伝】
今回は、先日、予約が開始されたタイトルを中心に巻きで。
まず、一番の注目は今や飛ぶ鳥を落とす勢いのケーブル&デッドプールの新刊『ケーブル&デッドプール:銀の衝撃』です。
また映画『ローガン』に合せて、ウルヴァリンの紹介を兼ねたタイトル『ウルヴァリン:シーズンワン』が刊行されます。
お次は、マーベルが誇る最強の魔術系ヒーローと、最凶の魔術系ヴィランのチームアップ『ドクターストレンジ & ドクタードゥーム』。
最後はコミックではキャラクター辞典である『マーベル・アベンジャーズ事典[増補改訂版] 』。今回は増補版ということで、前回発売された内容を最新の状況にリファインしての登場という、移り変わりが激しいアメコミの世界においては嬉しい変更が加えられています。



続いてDC関係で発表されたのは、スナイダーバットマンの新刊『バットマン:スーパーヘヴィ』です。
こちらは「ゴッサム市警による社会インフラとしてバットマン」というかなりトリッキーな設定を、その筆力で正面から描き切った快作となっていますので、興味のある方はぜひ!



IvX(インヒューマンズ vs X-MEN) #0

IvX #0
(作:チャールズ・ソール、画:ケネス・ロカフォード)

【ニューアティランにて】
ビースト:さて!取り掛かるとしようじゃないか。
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インヒューマンズの王都ニューアティランの研究室にて、ビーストは声をあげた。
そのどこか楽し気な姿に、ビーストの助手であるインヒューマンの科学者アイソは思わず質問した。

アイソ:ずいぶん上機嫌ですね。ミュータントが絶滅の危機にあるというのに。
ビースト:しかり。ただ、今回の敵は殺人ロボットでも、不安定な魔女でも、時空の特異点でもない。
ただの化学反応、つまりは科学の領域じゃないか。こと科学に関して言えば、我々人類はどんなことだって可能にしてきた。
アイソ:もう何かアイデアがあるんですね。
ビースト:いや、なにも。ただほら!
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ビースト:洞窟の壁に自分たちの姿を刻んだ3万年前の人々にとっては不可能に思えたことも、今ではこの通り、子供の遊びだ。
それもこれもみな、不可能を可能にする科学の力だよ。


インヒューマンズ誕生の引き金であると同時に、ミュータントを殺す疫病M-ポックスの原因となる雲――テリジェンミストを無毒化するために、インヒューマンズのもとで研究する道を選んだミュータントの科学者ビースト。
彼は自分の研究の先に、インヒューマンズとミュータントが手を取りある明るい未来があることを確信していた。


【両種族の現状】
しかしビーストの思い描く理想に反し、インヒューマンズとミュータントの関係は停戦協定の上になりたった不安定なものであった。

今をさかのぼること8か月前、全ミュータントの前でミュータントの平和的団結を説いたサイクロプス。
そんな彼ですが、テリジェンミストのミュータントへの害を知ったとたんに態度を硬化。
テリジェンミストとインヒューマンズの危険性についての憶測まじりの糾弾を、全世界に向けて発信した上に、インヒューマンズたちがミュータントの緊急避難に手を取られているすきに、地球を巡回する2つの巨大なテリジェンミストの1つを破壊したのだ。
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自分たちの同胞を増やすテリジェンミストはインヒューマンズにとって、神聖とすらいえる存在。
そんなテリジェンミストが破壊され、怒り心頭のインヒューマンズの前に現れたサイクロプスは、同胞たちを守るために残り一つとなったテリジェンミストも破壊することを宣言。
インヒューマンズの王ブラックボルトの怒りに触れたサイクロプスは、王の力により同胞たちの面前で塵となったのだ、
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「理念は死なぬ」という言葉を残して。

この一件により一種即発となったミュータントとインヒューマンズ。しかし両種族のリーダーである2人の女性ストームとメデューサは、争いを由とせず両種族の間で停戦協定を結ぶこととなる。

この協定により、インヒューマンズは残されたテリジェンミストを常に追跡し、その進路にミュータントの反応があれば避難を最優先とすることを約束、事態はひとまずの収束を迎えたかにみえた…


【暗躍するホワイトクイーン】
エマ:理念は死なない…
ビーストが科学の力で、ミュータントたちを救おうとする中、表舞台から姿を消していたホワイトクイーン、エマ・フロストもまたミュータントを救うための、密かな活動を行っていた。

もちろんエマが頼るのは科学の力ではない。
マグニート率いるアンキャニーX-MEN、
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過去からやってきたAll-New X-MEN
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地獄に作られた避難所に居を構えるエクストラオーディナリーX-MEN
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ミュータントの各種勢力に密かにコンタクトをとり、ビーストが失敗した時の"プランB"に向けた協力要請を行っていたのだ。

【一方インヒューマンズも…】
メデューサ:ビーストは信頼に足る人物だわ。でも、全てのミュータントがそうだとは限らない。
いつか、必ずしびれを切らすものが現れる。
我々から戦争の口火を切ることはけしてない。しかし、戦争に勝つ準備は常にしておくように。

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ミュータントとインヒューマンズの戦争に向けた準備を進めていたのは、エマだけではなかった。
インヒューマンズ王家もまた、"ミュータントの保護"を理由にテリジェンミストの警護にあたり、ミュータントの戦争に備えていた。

【ビーストの発見】
ビースト:なんということだ!
アイソ:どうかされましたか?
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ビースト:・・・いや、なんでもない。そろそろ昼食でも取ろうか?ワシは腹が減って仕方がないよ。


サヴェッジランドに設置した計測器の測定結果を見たビーストは、ミュータントの同胞たちに連絡を取ることを決意する。
それもインヒューマンズには決して知られるように、ひっそりと・・・

************
というわけで、今回はマーベルの冬のクロスオーバー『IvX(インヒューマンズvsX-MEN)』のプレリュードの紹介でした。
ただ実はこの物語には#0とは別にもう一つのプレリュードが存在します。
そのタイトルは『デス・オブ・X』。
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昨年のイベント『シークレットウォーズ』終了から、『オールニュー・オールディファレント・マーベル』によるリランチ開始までの間、作中時間で流れた8か月間の空白期間を埋める物語として、人々の口を通してしか語られなかったサイクロプスの最後とインヒューマンズとの確執を描く物語です。
オールニュー・オールディファレント・マーベル開始以降、意図的にその詳細がぼやかされてきたサイクロプスの最後とは、いったいどのようなものであったのか?
実は、物語は事前に明かされていた内容通りに進んでいき、正直管理人は読みながら「わざわざもったいぶってこの内容?」と若干不満でした。
…最後の数ページを読むまでは。
「ブラックボルトとメデューサを襲撃して返り討ちに合う」という物語をなぞっていく『デス・オブ・X』は、最後の数ページに明かされた事実でその意味合いをがらりと変えます。
そして、その影響は本作『IvX』にも色濃く出ており、同じセリフを読んでいても、『デス・オブ・X』を読んだ読者と未読の読者では、そのニュアンスが大きく違って感じることでしょう。

果たして、マーベル世界の2大種族の対立はどこに着地するのか?
この世界に残されたサイクロプスの理念はどうなるのか?

ここ数年のX-MEN系列の大団円としての本作をみなさんもぜひ読んでみてください。

【宣伝(使いまわし)】
久しぶりの更新となると、書くのが大変なのがこのコーナー。
特にこの一か月は、とんでもないタイトルが数多く発表されました。

まずは『バットマン:エターナル<上>』! バットマンに訪れた最大の危機をかつてないスケールで描いた超大作がまさかの翻訳!
通常のTPBで8冊ほどの分量となる内容の前半部分を1冊にまとめての刊行になります。
個人的にも初めて完走した週刊タイトルで、毎週その展開に悶絶しながら読んだ思い入れたっぷりの作品なので、翻訳は嬉しいところです。

続いての驚きは『Y:THE LAST MAN 1』。「謎の伝染病により世界中の男性が死滅。この地球に残された最後の雄となった主人公は…」という、比較的ベタな設定を"今世紀最高のコミック"の1つへと引き上げた作品。
普段はヒーローコミック以外は読まない管理人ですが、アメコミの情報を仕入れていると常に大絶賛と共に耳に入ってくるこの作品が日本語で読める日が来るとは思いませんでした。

そして、こちらも驚きの『BATMAN LOBO / LOBO AUTHORITY:HOLIDAY HELL』!
英国コミックの雄、サイモン・ビズレーの描くバットマンとロボの大騒動が翻訳!

最後に管理人がお勧めしたいのが『アクアマン:王の遺産』と『アクアマン:王の最期』の2冊。
不人気キャラの代名詞であったアクアマンを、一気にDCのトップタイトルへと帰りづかせたジェフ・ジョーンズのアクアマン。
第一巻が発売された時にもちろん期待していましたが、完結編まで一気に刊行されることになりました!




またマーベルで楽しみなのは、『ドクター・ストレンジ:ウェイ・オブ・ウィアード』。昨年より始まったオールニュー・オールディファレント・マーベル路線の初翻訳は、映画の公開が待たれるDr.ストレンジ!
本国でも映画化を控えた時期に始まった企画ということもあり、マーベルのトップクリエーターの共演となっています。
またDr.ストレンジでいえばその誕生譚を再構成した『ドクター・ストレンジ:シーズンワン』も、映画の予習にはぴったりの作品となっております。
また、翻訳作品の続刊となる『ジャスティス Vol.2』『ジャスティス・リーグ:ダークサイド・ウォー 1』も近日発売となっています。

プロフィール

NOB-BON

Author:NOB-BON
X-men生まれSpawn育ちを地でいく、90年代アメコミバブルの残党。
しばらくの間、アメコミは翻訳本を買う程度だったのが、最近のデジタルコミックの手軽さにひかれ、本格的に復活しました。

基本的にMarvelメインですが、DCのリランチを機に自分の中でDCブームが来てるので、しばらくはDCの話題続くかも。
しばらくどころか完全にDC派に転びました。

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