スーパーサンズ #1

スーパーサンズ #1
(作:ピーター・J・トマシ、画:ジョージ・ヒメネス)

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本作については「"スーパーマンの息子"ジョン・ケントと、"バットマンの息子"ダミアン・ウェインがコンビを組む」という粗筋だけで、もう他に言うことなし!
というわけで、今回は気に入ったシーンの紹介のみで。

【まずは顔見世】
どこかの森の中で謎の敵に追われる2人の少年。

ジョン:君のせいだぞ!
ダミアン:全部知ったうえで参加することを決めたのはオマエだ。
ジョン:君がウソをついて巻き込んだんだ!
ダミアン:ウソじゃない。全てを話さなかっただけだ。・・・もういい、逃げるのは止めだ。ここからは…

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ロビンとスーパーボーイの力を見せてやる!


ジョン:なんでキミの名前が先なんだよ。
ダミアン:年上だからな
ジョン:背は僕の方が高い
ダミアン:黙れ



【スーパーボーイ、ジョン・ケント】
メトロポリス郊外ののどかな田舎町、ハミルトンシティにて理想的な少年時代をおくるジョン・ケント。
小学校に向かうスクールバスで、いつも通り幼馴染のキャシーの隣に座るジョン。
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しかし、そんなジョンの目に入ったのは、クラスメイトをイジメる悪ガキの姿。

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キャシー:ジョン、座ってた方がいいんじゃ…
ジョン:ダメだよ、あんなの見て黙ってられないよ。

父親譲りの正義感の持ち主のジョンくん、いい子に育ってます。
(余談ですが、まるで少年漫画の正統派ヒロインのようなキャシーですが、最近の『スーパーマン』誌ではあんなことやこんなことに…)

【ダミアン先生】
学校内で自分を見張る怪しい男に気が付くジョン。
その男の正体はジョンの学校に赴任してきた先生…の皮をかぶったダミアンであった!

ジョン:なんてこった!君は13歳のくせに全校生徒に地球科学を教えるふりをしてたの?
ダミアン:"ふり"なんかじゃない、馬鹿にしてるのか。俺は7歳のころに地質学の博士号を取りかけてた。
ジョン:なんで取らなかったの?
ダミアン:お袋が途中で俺の教授を殺して、海に捨てたからな。

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ジョン:はは!先生を殺す、そいつはいいね。
(冗談だと思ってる)
ダミアン:…
ジョン:……う、運転は何歳から?


【チームアップ!】
何だかんだで、ダミアンの挑発に乗せられて、ダミアンの"ヒーロー活動"の調査を手伝わせる羽目になったジョン。
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その目的地は、メトロポリスのレックスコープ本社。
そしてレックスコープといえば当然現れるのは…
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というわけで、始まった『スーパー・サンズ』誌。
実はタイトルの発表からなかなか実際の発売日が決まらなかった本作ですが、『スーパーマン#10』にて本作に先んじてジョンとダミアンの活躍を描いたピーター・J・トマシが担当。

そのおかげもあってか、ご覧の通り、DCの未来を担う少年二人の掛け合いが非常に楽しい「DC世界に希望と楽観主義を復活させる」といDCリバースのコンセプトを体現するような娯楽作に仕上がっています。
個人的には、翻訳されたら人気が出ること間違いなしの作品だと思っていますので、皆さんも是非出版社に邦訳希望を!

【宣伝】
遂に2016年のアメコミシーンを話題をさらった"Game Changer"である『DCユニバース:リバース』の予約が開始!
当ブログではこの作品の素晴らしさについて何度も買ったてきましたので、いまさら紹介は良いでしょう。
未読の方はぜひ本作を読んで、自分同様、その素晴らしさに度肝を抜かれてください!
そしてここから始まるDCの新展開DCリバースのトップバッターとなるのが『スーパーマン:サン・オブ・スーパーマン』と『ワンダーウーマン:ザ・ライズ』。
前者は今回の記事でも紹介したフラッシュポイント以前のDC世界からやってきたスーパーマンとその息子の活躍を描き、
後者は過去編と現代編が交互に刊行されるという変則的な発刊スタイルをとったワンダーウーマン誌の現代編となります。



また映画の公開をまじかに控えたワンダーウーマンについては他にも翻訳本が発売予定。
『ワンダーウーマン アンソロジー』は往年の名作から最新作までワンダーウーマンの様々なストーリーを集めた傑作選で、75年を超えるその歴史の中で常に"業界を代表する女性ヒーロー"としての座を守り続けてきたワンダーウーマンの歴史そのものを楽しむことができる作品です。
続く『ワンダーウーマン:ベストバウト』、ワンダーウーマンと様々なヒーロー/ヴィランの戦いを集めたアンソロジー集。
こちらはお手頃な値段が魅力ですね。
そして映画が近いといえばスパイダーマン!
こちらの方も、映画に合わせてピーターの学生時代の活躍を描いた『スパイディ:ファースト・デイ』が早くも翻訳です。


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バットマン#21 (ザ・ボタン第一話)

バットマン#21
(作:トム・キング、画:ジェイソン・ファボック)


バットマンと彼の率いるバットマン版スーサイドスクワッドによるサンタ・プリスカ侵入作戦『アイ・アム・スーサイド』とそれに続くベインとの最終決戦『アイ・アム・ベイン』を終えたバットマンは、兼ねてからフラッシュと2人で取り組んでいた謎"ウォーリー復活と共に残された血塗りのスマイルマーク"の調査を行っていた。
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世界最高の探偵と世界最速の検視官の手にかかっても「この世界の外からやってきた」ということ以外ことはわからないスマイルバッジであったが、その日は違った。
たまたま検査台の上に出しておいたサイコパイレートの仮面が、血塗りのスマイルバッジに反応を示したのだ。

新たな手掛かりの発見を報告すべく、フラッシュを呼び出すバットマン。
しかし、その直後バットケイブに現れた閃光は、フラッシュではなく彼の宿敵リバース・フラッシュ(イオバード・ソーン)であった。
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その超スピードで反撃する隙も与えずにバットマンを圧倒するリバース・フラッシュ。
悠然とバットマンを見下ろす彼は、ふとバットケイブに飾られた一枚の手紙を見つける。

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リバース・フラッシュ:おや、トーマス。俺様を殺した後でこんな手紙を書いていたのか。さぞや誇らしい気持ちだったろうな!

New52終盤でのフラッシュとの対決に敗れ超人用収容所に収監されたリバース・フラッシュは、なぜかNew52世界が誕生する前の記憶を取り戻し、『フラッシュポイント』事件でトーマス・ウェインに殺された復讐を果たすためにトーマスの息子であるブルースの下に現れたのだ。

バットケイブに置かれた手紙は、フラッシュポイントのトーマスが最愛の息子に向けてしたためた、バットマンにとって何にも代えがたい宝物。それを無残に破り捨てたリバース・フラッシュは続いて血塗りのスマイルマークを手に取る。

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青い閃光を残しスマイルマークと共に消えるリバース・フラッシュ。
その数瞬後に再び現れたリバース・フラッシュは…

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リバース・フラッシュ:神だ。俺は神を見た・・・

*****************************
というわけで始まった『ザ・ボタン』。全4話(バットマン誌とフラッシュ誌の#21-22)で、タイインなども一切ないごく小規模のイベントながら、『DCユニバース:リバース』の直接の続編ということでその重要度は極大。
『DCユニバース:リバース』と翻訳の出ている『フラッシュポイント』以外、前提知識は一切いらない独立性の高い物語ですので、バットマン誌とフラッシュ誌を読んでいない方もぜひ!

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気になる邦訳作品、まずはDCですがなんといっても嬉しいのがスナイダーバットマンのつるべ打ち。
先日は発売されたばかりの『スーパーヘヴィ』とその続刊の『ブルーム』で、ゴードン本部長による"ロボバットバニー"版バットマン編は終了。
またバットマン75周年を記念したお祭り企画『バットマン:エターナル』の下巻も7月に発売され、その後の『エピローグ』でNew52を完走したスナイダーの物語の大団円と、スナイダーからバトンを受け渡されDCリバースでバットマンを描くこととなった2人の橋渡し的な物語が描かれます。
管理人的には、スコット・スナイダーのバットマンのテーマを理解するうえで重要な補助線となる『エターナル(下巻)』と『エピローグ』が特にお勧めです。


またマーベルでは今後のMCUの映画において重要な意味を持つことになるであろう作品「インフィニティ・ガントレット」、Dr.オクトパスが成りすましたピーターの物語『スーペリア・スパイダーマン:トラブル・マインド』、そして映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Remix』のスタッフロールにてはっきりと"原作"と明記された『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:レガシー』あたりが気になるところです。

ニュー・スーパー・マン #8

ニュー・スーパー・マン #8
(作:ジーン・ルン・ヤン、画:ビリー・タン)

今回は、ジーン・ルン・ヤンの"中華スーパーマン"ことニュー・スーパー・マンの紹介。
このタイトルを紹介するのは初めてですので、まずは簡単に登場人物たちの紹介を。

ちなみに本作は中国を舞台としているため、固有名詞に漢字の意味を逐語訳した英文がつけられています。
記事内ではこれらの名前に適当に漢字名をつけていますが、日本人である管理人による適当訳ですのでご容赦ください。

[スーパー・マン]
本名コン・キーナン(孔克南)。
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上海在住の青年。街で鉢合わせしたヴィランを偶然倒す様がSNS上でバズったところを、「官製ヒーローチームの設立による中国の威信高揚」を目的とする秘密組織"自立省(ミニストリー・オブ・セルフリライアンス)"に目をつけられる。
自立省の秘密施設にて"スーパーマンの気"を注入されたコンは、不安定ながらスーパーマンの能力を身に着け、官製ヒーロー"スーパー・マン・オブ・チャイナ"として活躍することに…

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本人はかなりお調子者で軽薄な性格。
美人レポーターの気を引きたいがために、全世界に自分の正体を発信してしまう。


[ジャスティスリーグ・オブ・チャイナ]
自立省が設立した官製ヒーローチーム。
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スーパー・マンの他には、太っちょな皮肉屋バット・マンと、融通の利かない女戦士ワンダー・ウーマンがいる。
(ちなみに彼らのコードネームは"Super-man"、"Bat-man"のようにハイフンが入っています。けして海賊版ではありませんよ!)

彼らの存在はしばらく秘密にしておくはずであったが、これもコンくんのせいで全世界に発信…

[Dr.オーメン]
自立省を率いる女マッドサイエンティスト。
ファイナルデイズ・オブ・スーパーマン』にて初登場した時からすでに、スーパーマンの体から発せられた気を別人に纏わせる実験を行っていた。


[フリーダム・ファイターズ・オブ・チャイナ]

「正義、真実、そして民主化」を合言葉に、中国の民主化を目論むテロ組織。
人造スタロを用いたマインドコントロールで人民を操ることで民主化を成し遂げようとするも、ジャスティスリーグ・オブ・チャイナに止められる。
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幹部の飛龍将(フライング・ドラゴン・ジェネラル)の正体は、車の整備工として働くコンの父親。

ちなみにリーダーのヒューマン・ファイアクラッカー(人間花火)は、本家フリーダム・ファイターズのヒューマン・ボムとは無関係。


突然ヒーローに仕立てあげられ、イデオロギー闘争に巻き込まれたコンとリーグの面々。
初めはDr.オーメンの命令にただ従っていたリーグだが、やがて彼らはイデオロギーや政治形態とは無関係に営まれる"人々の日常"の重要さを学んでいく…

そんなある日、自立省の海底牢獄に謎の人影が現れる。
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人影は、『ファイナルデイズ・オブ・スーパーマン』に登場した"最初のスーパー・マン"の独房で立ち止まり、彼を解き放つ。

我こそは全ての始まり。我なくしてスーパー・マンはなく、スーパーヒーローそのものも存在しえなかった。
"最初のスーパー・マン"の問いかけに、そう答える人影。
その姿はなんと…
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というわけで、現れたこの男。
コミックファンならば、おそらく1度は目にしたことがあるこの人物ですが、その名前を知る人は少ないでしょう。
彼の名前はチン・ラン。
1937年に発売されたディテクティブ・コミックス第一号の表紙を飾ったキャラクターです。
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同誌が、DC社の前身であるDetective Comics,Inc.が初めて発売したコミックであることを考えると、バットマンもスーパーマンも、ひいては"スーパーヒーロー"という存在そのものがこの男から始まったと言えるわけで、彼のセリフもあながち間違いとは言えないでしょう。

しかし、西側諸国がアジアに対して感じていた不安や蔑視をそのまま体現したようなその姿は"当時の差別主義の象徴"として度々槍玉に上げられる言わば"コミック業界の負の歴史"でした。
そんな彼の再登場について、ニュー・スーパー・マン誌のライターを務めるジーン・ルン・ヤンは、新聞社のインタビューについてこう語っています。

「DCリバースがDCの全歴史を受け入れる試みだとしたら、その醜い面にも光を当てるべきだ。」
「彼の再登場にあたり、その外見を現代的にリデザインする道もあった。しかし、彼をリデザインするとなれば必然的に現代における黄禍論を取り込む形になるだろう。
それは私の意図するところではない。
私がやりたいのは過去の悪しきステレオタイプをあげつらう事ではなく、コミックの過去を再確認することで、そこから現代のコミックがどれだけ遠くへと進んできたのかを知ることだ。」

"民主主義の拡大は本当に善なのか?"、"コミック界のおける人種差別の現在"と興味深い問題を扱いながらも、どこまでもコメディカルでヒロイックな視点で若者たちの成長を描く本作が、この悪役にどのような役割を割り振り、何を語らせるのか?
管理人は非常に楽しみです。

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今月発売のコミックで一番気になる作品といえばなんといっても『アイデンティティ・クライシス』!
"クライシス"の名を冠したDCの大型クロスオーバーながら、ヒーローコミックのタブーを破り大きく話題となったコミックです。
またワンダーウーマンのオリジンに鬼才グラント・モリソンが挑んだ『ワンダーウーマン:アースワン』や、New52のジャスティスリーグの完結編『ジャスティス・リーグ:ダークサイド・ウォー 2』も今月発売です。
さらには日本での人気をよそになかなか翻訳されなかったトランスフォーマーのオンゴーイング誌『トランスフォーマー:フォー・オール・マンカインド』もついに翻訳開始となりました。





プロフィール

NOB-BON

Author:NOB-BON
X-men生まれSpawn育ちを地でいく、90年代アメコミバブルの残党。
しばらくの間、アメコミは翻訳本を買う程度だったのが、最近のデジタルコミックの手軽さにひかれ、本格的に復活しました。

基本的にMarvelメインですが、DCのリランチを機に自分の中でDCブームが来てるので、しばらくはDCの話題続くかも。
しばらくどころか完全にDC派に転びました。

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