コンバージェンス#1

コンバージェンス#1
(作:ジェフ・キング&スコット・ロブデル、画:カルロ・パグラヤン)

【インジャスティス】
スーパーマン:私の警告を無視するこういうことになる。で、私の助けを乞う気になったかな?
バットマン:力を取り戻すなりいきなりそれか!貴様、この事態を楽しんでいるな!
スーパーマン:まさか。ただ、人民が私ではなくキミを選んだ時から、彼らはこうなる運命だったのだ…

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焦土と化したゴッサムシティで、争うスーパーマンとバットマン達。
そんな彼らに、火を噴く大地が意志を持ったかのように襲いかかる。

生ける大地の攻撃は、正義の心を失ったヒーロー達を呑み込み、あたりに静寂が訪れる。

謎の声:実験は失敗だ。彼らをここに連れてきたのは、我が主人の過ちだった。またいちから始めなければ…
という謎の呟きを残して、格闘ゲーム『インジャスティス』の世界は終わりを遂げたのだ。
(というのが、本作の導入。なかなか衝撃的だったので、本筋と関係ないのに思わず紹介してしまいました)

【ワールズエンド】
一方、週刊タイトル『ワールズエンド』のラストで、人々が地球を脱出する時間を稼ぐために、ダークサイド率いるアポコリプス軍に最後の突撃を掛けたヒーロー達は、見知らぬ荒野に立っていた。

アース2からやってきたヒーローは以下の通り。

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フラッシュ(ジェイ・ギャリック)
若干マザコン気味の"世界最速の男"。

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グリーン・ランタン(アラン・スコット)
惑星に住む全ての生命の源である"グリーン"の化身。

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ヨランダ・モンテス
同じく惑星の動物の力"レッド"の化身。
九死に一生を得た反動ですっかり人生観が変わり、刹那主義者に。
ちなみにリブート前はワイルドキャットと呼ばれるヒーロー

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バットマン(トーマス・ウェイン)
バットマンとして死んだ息子ブルース・ウェインの後をついだお爺ちゃん。
ブルースよりも疑り深く個人主義。服用者に1時間だけスーパーパワーを与える秘薬ミラクロの常用者で、かなりのジャンキー。

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ディック・グレイソン
柔弱な作家。
妻バーバラ・グレイソン(旧姓ゴードン)との間に1児をもうけ幸せな生活を送っていたが、アポコリプスの襲来の混乱で妻は死亡、息子は1人移民船に乗り込むも生死不明。
正史世界のディックと異なり、肉体・精神ともごく普通の一般男性だが、トーマスは息子のブルースを重ね合わせているのか、妙に眼を掛けている様子。

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ヴァル・ゾッド
アース2のクリプトンの生き残りの1人。
クリプトンで極刑に処された両親と事なり、平和主義の温和な性格。

突然、死闘の現場から見知らぬ荒野に移動し、全く事情が掴めずにいる彼らの前に、謎の存在テーロスが現れる。

【テーロスとは】
アース2のヒーロー達を出迎えた存在テーロス。
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彼は、今までDC世界に登場した全てのブレイニアックを統合する"真のブレイニアック"が作り出した一種の人工知能で、アース2のヒーロー達が立っている惑星の意志そのものであった。

時間と空間を超越し、あらゆる次元のあらゆるタイムラインにアクセス可能な真ブレイニアックは、70年以上の歴史を誇るDCの"滅びたユニバース"に侵入。滅亡前の都市をドームに封じ込めたうえで密かに惑星テーロス上で保管していたのだ。

いつの日か蒐集した世界を分析&研究するはずであったブレイニアックだが、ある日突然その消息を絶つ。
(真ブレイニアックに何が起ったかは、週刊タイトル『フューチャーズエンド』で語られています)

無数のドームと共に主人に置き去りにされたテーロス。彼は主人である真ブレイニアックになり代わり、「蒐集した世界を比較調査し、その長所を分析する」という主人の計画を、自らの手で次の段階に進めることを決心する。
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そして各都市を覆っていたドームを取り除き、中の超人たちの能力を元に戻したテーロスは、全てのドームの住人に宣言する。

全ての都市を戦わせ、最後に残った都市のみを元の世界に戻すと!


**************************
というわけで、4月から5月の間に行われるイベント『コンバージェンス』本誌の紹介でした。

本イベントの特徴はずばり「DCの過去ヒーロー達の復活!」。
イベントの期間中は全てのレギュラータイトルが刊行を中断し、代わりに

-フラッシュポイント(00年代)
-ゼロアワー(90年代)
-クライシス・オン・インファナイト・アースず(80年代)
-プレ・クライシス(70年代以前)

の4つの時代のヒーロー達が現代に復活。キングダム・カムや、レッド・サン、イメージユニバースなど様々な異世界のヒーロー達と戦う物語を刊行されることになります。

DC社は今回のイベントについて
「通常のそれに比べると、キャラクター主導のイベントとなっている。本誌を読まずとも、自分のお気に入りの時代の作品を気軽に手に取って欲しい」
と語っており、実際にヒーローのみならず、当時の人気ライターや人気アーティストが再びペンを握り、当時やり残した物語を描く、ファンにはたまらないイベントとなっています。

【宣伝】
今回のイベント『コンバージェンス』を読む上でお勧めしたいのが「DCユニバース:レガシーズ」。DCの75周年記念コミックとして刊行され、同社の全歴史を1人の一般人の視線で再構成した本作は、コンバージェンスの副読本にぴったりとなっています。
また『スーパーマン:レッドサン』、『キングダム・カム』の2誌は各正史世界の対戦相手として登場しており、こちらもお勧めです。(元々、名作との呼び声も高い作品ですしね)



今月、発売のアメコミで気になる作品と言えば、『クライシス・オン・インフィニット・アース』。DCのみならずアメコミ業界全体の流れを決定づけた金字塔ともいえる作品で、装丁や解説など細部のこだわりに長年日本のアメコミ翻訳を引っ張ってきた石川裕人氏の執念を感じさせる逸品です。
またアース2とNew52世界のスーパーマンとバットマンの出会いを描いた『バットマン/スーパーマン:クロスワールド』や、マーク・ミラーの『キック・アス3』、『ネメシス』なども見逃せません。

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DCの大型イベント『コンバージェンス』について

今回はDCの来年4-5月のイベント『コンバージェンス』について、今までわかっている内容を整理します。

【どんなイベントなのか?】
2011年のリブートと共に消滅したとされていたリブート前のDCユニバース。
『コンバージェンス』ではそのリブート前の世界が、『キングダムカム』などの別次元も含んだ形で表舞台に帰ってきます。
そして全てのカギを握るのが、過去に登場した全ブレイニアックの上位存在である“真の”ブレイニアックと、その継承者テロスとなるとのこと。(こちらの記事を参照)

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以下は#0の予告の抄訳
消滅したユニバースはどこに行くのか?
全マルチバースに激震が走り、『Doomed』事件後のスーパーマン不在の日々、『ワールズエンド』、DCの全歴史が狂える神とその息子によって一つに織り合わされる。
キングダムカム、レッドサン、ワイルドウエスト・ジャスティスリーグ、キャプテン・キャロット&ズー・クルー…
貴方の思い出深い全ての世界に、テロス(ブレイニアックの後継者)の手が伸びる!


【出版形式は?】
『コンバージェンス』の出版形式は下記の通り
(1)本イベントのメインストーリーとなる週刊タイトル『コンバージェンス』
(2)イベント期間中に刊行される2話完結のミニシリーズが40タイトル

まず重要なことはイベント期間にあたる2015年4月~5月の間はDCは通常のレギュラーの刊行を中断し、上記の2種類のコミックのみを刊行します。(ヴァーティゴレーベルの作品や、『バットマン'66』などの所謂"New52以外"の作品がどのように扱われるかは不明)

ちなみにこの間、現実世界ではDC本社のニューヨークからロサンゼルスへの引っ越しという大事業が行われています。
このためコンバージェンスという正式タイトルが発表される前は、「引っ越しによる混乱を最小限に抑えるための応急処置のようなイベント」と揶揄する意味で"バンドエイド"とネット上で呼ばれていた経緯があります。

各タイトルの具体的な刊行の流れは以下の通りとなる模様。

【2015/4/1】
・DCで現在進行中の全週刊タイトル、『New52:フューチャーズエンド』、『Earth2:ワールズエンド』、『バットマン:エターナル』の最終話と、『マルチバーシティ』の最終話が刊行される。
・『コンバージェンス#0』が刊行される。

【2015/4/8】
・『コンバージェンス#1』とタイイン誌の第一群の1話目が発売される。

【2015/4/15】
・『コンバージェンス#2』とタイイン誌の第二群の1話目が発売される。

【2015/4/22】
・『コンバージェンス#3』とタイイン誌の第三群の1話目が発売される。

【2015/4/29】
・『コンバージェンス#4』とタイイン誌の第四群の1話目が発売される。

【2015/5/6】
・『コンバージェンス#5』とタイイン誌の第一群の2話目(完結編)が発売される。
  (中略)
【2015/5/27】
・『コンバージェンス#8』(最終話)とタイイン誌の第四群の2話目(完結編)が発売される。

ここで押さえておきたい点は「各週刊タイトルとコンバージェンスの関係」と「1群、2群と分けられたタイイン誌」の2点。

まず前者についていえば、真ブレイニアックが初登場しメインの物語に深く絡んできそうな『フューチャーズエンド』はもちろんですが、その『フューチャーズエンド』の前日譚にあたる『ワールズエンド』も『コンバージェンス』の導入となることが発表されています。
またそれぞれ独立した物語として進んできた両誌ですが、終了の1週前にあたる話でクロスオーバーすることが予告されており、この2誌の最終話はそのまま同日発売の『コンバージェンス#0』にダイレクトにつながることが予想されます。
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個人的に驚きだったのが、DCの多次元世界を扱ったミニシリーズ『マルチバーシティ』の扱い。
こちらについては"モリソン時空"といっても過言ではない独自の世界観を築いていたのですが、先日DCの編集長によって『コンバージェンス』への導入の一翼を担っていることが明かされています。

さすがに『バットマン:エターナル』までもがこの宇宙的叙事詩に組込まれることはないとは思いますが、実は『バットマン:エターナル』には異次元世界からゴッサムに潜入してきた謎の生命体が登場している上に、その存在が物語上ほぼ放置されているので油断はできませんね(笑)

次に「1群、2群と分けられたタイイン誌」についてですが、実はこれらのタイイン誌は適当な順番で刊行されるわけではなく週ごとにはっきりとしたテーマがあります。

全ての週で共通で言えることは
 ①DCの歴史上で人気のある時代/キャラクターを主人公にした物語
 ②主人公たちは全て"ドーム"と呼ばれる隔離施設に街ごと閉じ込められている
 ③各"ドーム"は、別世界による攻撃にさらされている

の3点なのですが、週毎に「どの時代のDC世界が舞台なのか?」が異なっています。
(またライターやアーティストに往年の名手を起用するなど、"わかってる"人選が多いのも特徴です)

それでは具体的なタイトルを週毎に見ていきましょう。


[第一群](参考記事)
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・SUPERMAN
・THE ATOM
・BATGIRL
・NIGHTWING/ORACLE
・SPEED FORCE
・TITANS
・JUSTICE LEAGUE
・QUESTION
・BATMAN & ROBIN
・HARLEY QUINN

リブート直前、2010年ごろのDC世界が舞台(厳密には世界が保存されたドーム内が舞台)。この世界はフラッシュポイントの世界による攻撃を受けています。

[第二群](参考記事)
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・BATMAN: SHADOW OF THE BAT
・SUICIDE SQUAD
・GREEN ARROW
・CATWOMAN
・SUPERBOY
・SUPERMAN: MAN OF STEEL
・JUSTICE LEAGUE INTERNATIONAL
・SUPERGIRL: MATRIX
・AQUAMAN
・GREEN LANTERN/PARALLAX

90年代、具体的にはスーパーマンが死に、バットマンが代替わりし、ハルがパララックスへの変貌を遂げた時代といえば、イメージがわくでしょうか?
この世界は名作『キングダムカム』の世界のヒーローたちが侵攻してきています。

[第三群](参考記事)
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・BATMAN AND THE OUTSIDERS
・ADVENTURES OF SUPERMAN
・WONDER WOMAN
・THE FLASH
・SUPERBOY AND THE LEGION OF SUPER-HEROES
・GREEN LANTERN CORPS
・SWAMP THING
・JUSTICE LEAGUE AMERICA
・HAWKMAN
・NEW TEEN TITANS

テーマとなる世界は80年代。『クライシス・オン・インフィニティ・アース』事件によって再構成されたばかりのDC世界が舞台となります。
敵役となる世界は『タンジェントコミックス』! 「既存キャラの名前の響きだけをベースに全く新しいキャラクターを創造する」という、かなり野心的な企画によって作られた世界です。
名前に聞き覚えがない方でも、この世界のパワーガールをみれば「あ!これか…」と思い出す人も多いのではないでしょうか?
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[第四群](参考記事)
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・JUSTICE SOCIETY OF AMERICA
・INFINITY INC.
・DETECTIVE COMICS
・ACTION COMICS
・WORLD’S FINEST COMICS
・CRIME SYNDICATE
・BLUE BEETLE
・SHAZAM
・PLASTIC MAN AND THE FREEDOM FIGHTERS
・BOOSTER GOLD

こちらは第三群よりもさらに昔、クライシスによる統合前のDCの各ユニバースが舞台となります。
ゴールデンエイジのヒーローたちが住むアース2、善悪逆転世界アース3(言っておきますけれど『フォーエバーイービル』や『JLA:逆転世界』のようなスタイリッシュな世界じゃないですよ!)、DCが買収したチャールトンコミックスの世界、キャプテンマーベルたちがいるアース5などが舞台となり、そこを襲う世界も『レッドサン』、『ワンミリオン』、『フューチャーズエンドの未来世界(#0で配られた"あの"世界です)』、『ジョナ・ヘックスのいた世紀末世界』などバラエティ豊かです。
また先日のフューチャーズエンド月間に突如刊行され、『コンバージェンス』につながる大きなヒントを読者に提示した『フューチャーズエンド:ブースターゴールド』の直接の続きが刊行されるのも、この週となります。
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【DC世界に何が起こるのか?】
このイベント『コンバージェンス』によってNew52のDC世界に何が起こるのか?
この疑問に答える信頼に足る情報は今のところ出ていません。

ただこれだけの大型イベントを開催し、鳴り物入りでリブート前世界の復帰を喧伝したのであれば、New52の世界にまったく影響を与えないことは考えづらいでしょう。

おりしも先日発表された3月の新刊リスト上で、DCは13タイトルものコミックの打切りを発表しました。もともと終了が予定されていた週刊タイトルまで含めれば、実に16タイトル、25冊分もの空白がDCの刊行リストに生まれるのです。
(逆に言えばこれらのタイトル以外は『コンバージェンス』後も発刊されることとなります)

この大量打切りは『コンバージェンス』後の体制を見据えた前準備と目されており、『コンバージェンス』が終了の翌月に当たる6月には多数の新タイトルが創刊されることはまず間違いないと思われます。
また毎年5月に開催されるコミック業界全体のイベント「フリーコミックブックデイ」において、DCは自社で配布する無料コミックの内容を"トップシークレット"として発表しておらず、ここからもDCが『コンバージェンス』後に大きな隠し玉を準備している事が伺えます。

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実はDCのライバルであるマーベルも「ユニバースの過去の歴史がパッチワークのように一つの世界とし融合する」というイベント『シークレットウォーズ』を1年掛かりで行うことを発表しており、来年のコミック業界を語る上で"ノスタルジー"という切り口がひとつのキーワードになって行くことは間違いないでしょう。

【宣伝】
コンバージェンスがDCの80年間の歴史を俯瞰するイベントとなるのであれば、事前に是非読んでおきたいのがヴィレッジブックスから翻訳されている『DCユニバース:レガシーズ』。
こちらはDCの設立75周年記念として出版されたコミックで、DCユニバースを揺るがした事件とヒーロー達の活躍の歴史を1人の一般人の視線を通して凝縮した、まさにコンバージェンスの副読本としてぴったりの作品となっております。
(というか、管理人はこの記事を書いてるうち読みたくなってきました)
また、来月発売予定の『DC:ニューフロンティア 上』もシルバーエイジのDC世界を扱ったという意味で、日本語の情報が乏しいコンバージェンス第4群の時代の理解の一助になるのではないかと期待しています(管理人未読)


先日、小学館プロダクションより2-3月の翻訳予定が発表されました。
その中で管理人的に是非お勧めしたいのが、「シャザム! :魔法の守護者」。
こちら当ブログでも何回か触れているのですが、DCのトップライター、ジェフ・ジョーンズによるNew52でのシャザムの活躍を描いた作品で、もう本当に名作です。
ドキドキハラハラと始まって、中盤で少ししんみりして、最後にジェットコースターのような爽快感が爆発して、最高に幸せな気分になって終わる、ディズニー映画を観てるような気持ちにさせるコミックですので未読の方はこの機会にぜひ!
また幾多の賞を総なめにし、現在米国で最も売れているコミックといっても過言ではないスペースオペラ「サーガ vol.1」や、ヒーローコメディの決定版として評価の非常に高い「クァンタム&ウッディ:世界最悪のスーパーヒーロー」など話題作が目白押しで、管理人的に嬉しい悲鳴の連続です。

プロフィール

NOB-BON

Author:NOB-BON
X-men生まれSpawn育ちを地でいく、90年代アメコミバブルの残党。
しばらくの間、アメコミは翻訳本を買う程度だったのが、最近のデジタルコミックの手軽さにひかれ、本格的に復活しました。

基本的にMarvelメインですが、DCのリランチを機に自分の中でDCブームが来てるので、しばらくはDCの話題続くかも。
しばらくどころか完全にDC派に転びました。

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