アース2:ソサエティ #18

アース2:ソサエティ#18
(作:ダン・アブネット、画:ブルーノ・レドンド)

前回の紹介からずいぶん間があいた「アース2:ソサエティ」。
地球を追われ、新天地惑星テロスへとついた入植船団。まったく新しい世界で、1から文明を復興することとなった彼らには、その後様々な苦難が襲いました。

アナーキー率いる民衆たちの暴動や、
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新世界の神を標榜するジミー・オルセンによるカルトの流行。
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その出自から化石燃料が一切存在しない新世界でおこったエネルギーを奪い合う都市国家同士の争いと、
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貧民に汚染エネルギーを売りつけるエネルギーシンジケートの台頭。
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平和の維持ではなく、"社会基盤自体の構築"という難題に伴うこれらの苦難を潜り抜けたワンダーたち(この世界ではヒーローではなくそう呼ばれています)は、レッドトルネードことロイス・レーンによる新憲法の下、安定した社会への道を歩みだすかのように見えた。
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しかしそんな彼らの前に突如として現れたのは、他の移民船と共にこの惑星に到着しながらも、現在までその行方が知られていなかったアクアウーマンとアトランティスの眷属。
そしてアトランティス人たちの船に密航し、密かにこの世界にやってきていた、ワンダーウーマンとステッペンウルフの娘フューリーであった。
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思いもよらぬ勢力の登場に身構えるワンダーたち。
しかしフューリーの口から出たのは、アマゾン族の神器パンドラの箱を用いた人類救済の申し出であった。
有史以来の全歴史を、地球上に存在したすべての人物の魂と共に保存している神器パンドラの箱。
その箱が秘めた力を開放すれば、世界の再創造はもちろん、ダークサイド軍との戦いで失ったすべての人々を取り戻すことも夢ではないのだ。

予想もしないところから差し伸べられた救いの手に、動揺を隠しきれないワンダーたち。
しかし、パンドラの箱を必要としていたのは、ワンダーたちだけではなかった。

アース2の征服を狙う超知性ゴリラ、ウルトラヒューマナイトもまたパンドラの箱を狙っていたのだ。
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地球破滅のどさくさで産まれた孤児たちを急激に成長させ、自らの私兵としたウルトラヒューマナイトの攻撃に防戦を強いられるワンダーたち。
アース2の命運をかけた戦いが侵攻する中、フューリーは「ウルトラヒューマナイトに奪われるくらいなら」と、準備が整わない状況で、パンドラの箱を起動してしまう。

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光に包まれるアース2.。
そしてワンダーたちの前に広がっていたのは、

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ゴールドエイジ版サンドマンの姿をした謎の軍団と…

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1940年代と現代が奇妙に混ざり合ったメトロポリスであった!

*******************
というわけで、週刊タイトル『ワールズエンド』のエンディング以来、2度目のカタストロフを迎えたアース2。
主人公たちの前に現れた世界とは一体何なのか、現在のところ直接的な情報は何一つわかりませんが、周辺事情をおっていくとなかなか興味深い状況が浮かんできます。

まずポイントとなるのはそのゴールデンエイジへの回帰傾向。
上記の通り、主人公たちの前に現れた謎の男たちはゴールデンエイジのサンドマン――ウェスリー・ドッズの姿をしていますし、彼らの前に現れた世界は、男性が中折れ帽をかぶり、独特の丸みを帯びた自動車が走る40年代の雰囲気。
『アース2』→『ワールズエンド』→『アース2:ソサエティ』とタイトルを変えてきた本作品も、もとを正せば40年代にデビューしたヒーローチームJSAのNew52版として始まった企画であったことを思えば、作品舞台が40年代へと回帰していくのは自然の流れと言えるでしょう。
 (そもそも"アース2"とは、もともとはゴールドエイジのヒーローたちが住む世界の呼称でしたしね)

そして別タイトルである『フラッシュ』誌でも、アース2の今後を匂わせる展開がありました。

フラッシュ#9にて、一時的にスピードフォースに捕らわれたバリー。
バリーはその中で、今後彼に降りかかるであろう様々な苦難を幻視します。
しかし幻視の最後に"ある物"をみたバリーは、なぜだか心が落ち着き、希望に満ちていくのを感じます。
そんな彼が見たものとは…
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(ゴールデンエイジのフラッシュ――ジェイ・ギャリックの持つヘルメスの兜)

そして、現在『タイタンズ』誌のアートを担当するブレット・ブースは、ツイッター上に書きかけのアートをアップロードしました。


(ジェイ・ギャリックの姿。ちなみに左はリバース・フラッシュ、右はサヴィター。両者ともフラッシュのヴィランであるスピードスターです。)

もろもろを考えると、近々DCのメイン世界にジェイ・ギャリックが帰還することは間違いないでしょう。
それではそのジェイは、アース2のジェイと同じ人物なのか、別人なのか?
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確実なことは何一つ言えませんが、何かが起こることははっきりとしながら、何が起こるか見当もつかない現在の『アース2:ソサエティ』誌は、現在のDCの中でもっとも目が離せないタイトルの一つであることは、まぎれもない事実でしょう。

【宣伝】
久しぶりの更新となると、書くのが大変なのがこのコーナー。
特にこの一か月は、とんでもないタイトルが数多く発表されました。

まずは『バットマン:エターナル<上>』! バットマンに訪れた最大の危機をかつてないスケールで描いた超大作がまさかの翻訳!
通常のTPBで8冊ほどの分量となる内容の前半部分を1冊にまとめての刊行になります。
個人的にも初めて完走した週刊タイトルで、毎週その展開に悶絶しながら読んだ思い入れたっぷりの作品なので、翻訳は嬉しいところです。

続いての驚きは『Y:THE LAST MAN 1』。「謎の伝染病により世界中の男性が死滅。この地球に残された最後の雄となった主人公は…」という、比較的ベタな設定を"今世紀最高のコミック"の1つへと引き上げた作品。
普段はヒーローコミック以外は読まない管理人ですが、アメコミの情報を仕入れていると常に大絶賛と共に耳に入ってくるこの作品が日本語で読める日が来るとは思いませんでした。

そして、こちらも驚きの『BATMAN LOBO / LOBO AUTHORITY:HOLIDAY HELL』!
英国コミックの雄、サイモン・ビズレーの描くバットマンとロボの大騒動が翻訳!

最後に管理人がお勧めしたいのが『アクアマン:王の遺産』と『アクアマン:王の最期』の2冊。
不人気キャラの代名詞であったアクアマンを、一気にDCのトップタイトルへと帰りづかせたジェフ・ジョーンズのアクアマン。
第一巻が発売された時にもちろん期待していましたが、完結編まで一気に刊行されることになりました!




またマーベルで楽しみなのは、『ドクター・ストレンジ:ウェイ・オブ・ウィアード』。昨年より始まったオールニュー・オールディファレント・マーベル路線の初翻訳は、映画の公開が待たれるDr.ストレンジ!
本国でも映画化を控えた時期に始まった企画ということもあり、マーベルのトップクリエーターの共演となっています。
またDr.ストレンジでいえばその誕生譚を再構成した『ドクター・ストレンジ:シーズンワン』も、映画の予習にはぴったりの作品となっております。
また、翻訳作品の続刊となる『ジャスティス Vol.2』『ジャスティス・リーグ:ダークサイド・ウォー 1』も近日発売となっています。

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アース2:ソサエティ #1-2

アース2:ソサエティ #1-2
(作:ダニエル・H・ウィルソン、画:ジョージ・ヒメネス)

【着陸の瞬間】
2014年の週刊タイトル『アース2:ワールズエンド』のラストにて、ダークサイド率いるアポコリプス軍の侵攻から逃れ、移民船団で辛くも地球を脱出した一握りの地球人達。
向かう当てもなく外宇宙に放り出され、緩やかな死を半ば覚悟した彼らの前に突如現れたのは、呼吸可能な大気を持つ地球そっくりの惑星テロスと、DCの2015年春の大型イベント『コンバージェンス』を生き抜き惑星テロスを新たな故郷として勝ち取った、グリーンランタンやフラッシュなどアース2のヒーローたちであった。
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テリー・スローン:全ての移民船の"降下プログラム"をアクティブにする。
移民船団の建造者である謎の次元旅行者テリー・スローンが、着陸に備えて移民船に指示を送る。

しかし、喜びもつかの間、テリー・スローンの命令と共に、移民船は地表に向けて自由落下を始める。

各船に同乗したヒーロー達の奮闘もむなしく幾千もの人命が失われ、墜落を生き延び移民船の破片から這い出た人々は憎しみの感情をあらわに空の一点を仰ぎ見る。
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惑星軌道上に留まったまま惨劇を見下ろす、テリー・スローンと地球軍の宇宙船を!


【着陸から1年】
雨のニューゴッサム―墜落を生き延びた人々が、移民艦の残骸を利用して作り上げたこの街を駆ける、黒い影。
ゴッサムの守護者バットマンことディック・グレイソンである。
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(この世界の)2代目バットマン、トーマス・ウェインよりその遺志を継いだ彼は、麻痺した下半身をMr.テリフィックの作成した高機能義足で補い、ニューゴッサムの守り手として活動しているのだ。

バットマンが今夜追いかける男は、惑星軌道に浮かぶ移民船から密かにニューゴッサムへと侵入したテリー・スローン。
そしてスローンを追いかける人物は、バットマン1人ではなかった。
悲しみの面を被ったテロリスト、ジョニー・ソローもまた、"人類の敵"テリー・スローンを暗殺するために彼を追っていたのだ。
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テリー・スローン、バットマン、ジョニー・ソロー、対峙する3人の怪人。
しかし一瞬の隙をつきその場を逃げ出したのは、またしてもテリー・スローンであった。

バットマンは、いまやこの惑星の未来のカギを握る男となったテリー・スローンの確保のために、他の街の守護者たちを呼びよせる…
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【再び着陸の瞬間】
テリー・スローンの母艦からの命令を受け、次々と墜落してく移民艦。
しかし、その時テリー・スローン達も謎の存在から攻撃を受けていた。
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母艦のメインコンピューターが何者かの力によって暴走。他の移民艦への墜落命令を出したあげく、艦内の防御システムを用いて自らの乗組員の排除を開始したのだ。

すかさずメインコンピューターを再ハックしコントロールを取り戻す、テリー・スローン。
墜落していく同胞たちの船を前に、彼は冷徹に状況を分析する。
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どれだけの人命が失われようが、人類復興のために今この場で優先するべき物はソース・ヴォルト―地球上のすべての生物の遺伝子情報を記録したブルース・ウェインの遺産、であること。
そして侵入者の正体がわからない現状では、超人ですら手出しができない惑星軌道に留まり情報収集につとめるのが、人類にとって最善の選択であることを!

**********
・・・ということで、今回は、いま管理人がもっとも楽しみにしているタイトルのひとつ、『アース2:ソサエティ』の紹介でした。

上述のとおり、本作は「惑星テロスへの入植直後」と「入植から1年後」の2つの時制を交互に行き来する形式である上、5月に発表された予告編ではそのさらに未来の様子が予告されており、「それぞれの時制の間にいったい何が起こったのか?」、「入植者たちの間に潜む"真の脅威"とは何者なのか?」という謎で読者を引っ張っていく形式となります。

「アース2:ワールズエンド」と「コンバージェンス」という2つの週刊タイトルから始まった本作ですが、前提となる知識はそれほど多くなく、本記事に記載した内容程度で、さらっと読み始められるのではないかと思います。

先ほども書きましたが、個人的には現在刊行中のタイトルで1、2を争う面白さだと思いますので、未読の方はぜひどうぞ!


【宣伝】(使いまわし)
いい加減、すべてリストアップするだけでも一苦労となってきた、昨今の翻訳ラッシュ。
今月発売タイトルで管理人が気になっているタイトルは何といっても「アントマン:セカンド・チャンスマン」。
中年に差し掛かったヒーローが、娘の親権のために一念発起しまっとうな職探しを行うという、オフビートなユーモアと悲哀に満ちた物語に期待。
また"オフビートなユーモア"といえば「ホークアイ:リトル・ヒッツ」も今月発売。こちらには2014年のアイズナー賞ベストシングルイシューを獲得した作品も収録予定。
また「アイデンティティ・ウォー:デッドプール/スパイダーマン/ハルク」と「デッドプールVS.カーネイジ」も今月発売予定です。



日本におけるデッドプールの人気は止まることを知らず来月には「デッドプールの兵法入門」「デッドプール:モンキー・ビジネス」の2冊も刊行予定!
さらには米国での快進撃がとまらない「サーガ」の3巻や、長年の「翻訳がでない」という不満はどこえやら3カ月連続刊行となった「ミュータントタートルズ」の予約も開始されました。

Earth 2 #2

アース2 #2
(作:ジェームス・ロビンソン、画:ニコラ・スコット)

オバマの同性愛者結婚支持を受けてのことなのか、先月突如DCの行った「来月DCの象徴的キャラがカミングアウトする。」のアナウンス。

大方の下馬評は「リランチ後にあまり登場していない大物キャラなんて、Earth2が始まったばかりのJSAメンバーしかいないだろ?」って感じでしたが、ふたを開けてみても特にひねりはなく、ゲイであることが判明したのは初代グリーンランタンことアラン・スコットでした。
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ちなみにお相手は、香港在住の実業家サムさん。

ただ、今回の一連の騒動ですが、正直、管理人は少し否定的です。
なんというか、コミックにおける同性愛の解放って、ごく普通の恋愛の一形態としてゲイカップルが登場することだと思うんですよね。
少なくとも「来月、有名キャラがカミングアウトするよ!」なんてキャンペーンをうって世間の耳目を集めるのは、そんな思想から最も遠いところにあるのでは?と思ってしまいます。

しかも、さらに気になるのは今月の"引き"。


お互い多忙なため滅多にない2人きりの週末を充実したものにしようと、電車で山間部の別荘に向かう、アランとサム。
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その車内で、アランはサムに結婚を申し込む。
その瞬間、乗っている電車が・・・
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・・・。
おそらく、この事故をきっかけに、アランはグリーンランタンとして覚醒するのでしょうが、恋人のサムはどうなってしまうのでしょうか?
このまま、「サム死亡」→「その後、アランには特に色恋沙汰は発生せず」→「アランのゲイ設定はしだいにうやむやになっていく」
という流れにはならないですよね?
もし、そうなるとしたら、同性愛というデリケートな問題を正面から扱う覚悟もないのに世間の流行にのって売り上げを伸ばそうとするDC編集部の良識を疑います。


・・・ちょっと脱線しました。
ちなみに今回個人的に気に入ったのが、Earth2に次元転移をしてきたMr.テリフィック(マイケル・ホルト)とそれを迎え撃つ謎の男テリー・スローン(初代Mr.テリフィック)との、"Third Smartest Man in the World"の名をかけた対決。
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なんとなくテリー・スローンの方が悪役っぽい雰囲気なのですが、わざわざ名乗ってから戦いを挑むところに"フェアプレイ精神"を感じさせるあたりはさすがです。

プロフィール

NOB-BON

Author:NOB-BON
X-men生まれSpawn育ちを地でいく、90年代アメコミバブルの残党。
しばらくの間、アメコミは翻訳本を買う程度だったのが、最近のデジタルコミックの手軽さにひかれ、本格的に復活しました。

基本的にMarvelメインですが、DCのリランチを機に自分の中でDCブームが来てるので、しばらくはDCの話題続くかも。
しばらくどころか完全にDC派に転びました。

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