ドゥームズデイ・クロック #2

ドゥームズデイ・クロック #2
(作:ジェフ・ジョーンズ、画:ゲイリー・フランク)

【世界滅亡】
前号にて人類を救うために、この世界を離れたDr.マンハッタンを探す探索行をぶち上げたオジマンディアス。
しかし、そうこうしている間にもアメリカとロシアの全面核戦争を告げる大陸間弾道ミサイルはニューヨークの目前まで迫っていた。

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飛来する核弾頭と入れ替わるように浮かんでいく改造オウルシップの中で、オジマンディアスは自身が改造した装置を起動させる。
世界を終わらせる核の炎に飲み込まれていくオウルシップ。

次の瞬間、オウルシップがたどり着いたのは…
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【ゴッサムシティ】
彼らの世界とは似て非なるアメリカの、ゴッサムと呼ばれる街へたどり着いたオジマンディアスとロールシャッハは、この世界の状況を知るために密かに夜の図書館に忍び込む。
(マリオネットとマイムはオウルシップ内でお留守番)

オジマンディアス:我々の世界と異なる点は多々あるが、一番の違いはマスク付けたヴィジランテの人数。
しかも、その大多数は超人らしい。Dr.マンハッタン問題も100倍というわけだ。
中には我々の世界のフィクションに登場する者すらいる。
ロールシャッハ:フィクションの登場人物が?ならマンハッタンがそいつらを創ったんだろう。
オジマンディアス:もしくは、その中にマンハッタンが潜んでいるかも…
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ロールシャッハ:で、どうする?何から始める?
オジマンディアス:とりあえず協力者を見つけよう。この世界で最も頭のいい男にあたりをつけた。
ブルース・ウェインとレックス・ルーサー、手分けをしてこの2人にコンタクトをとり、協力を仰ぐとしよう。
ロールシャハ:お前はどっちに行く?
オジマンディアス:むろん、より頭のいい方だ。


【ウェイン邸にて】
ブルース・ウェインと会うために、ウェイン邸へと忍び込んだロールシャッハ。
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誰もいない大豪邸で執事が館の主人に作ったパンケーキを平らげた彼は、かつてコメディアンの部屋の隠し戸棚を見つけた時のように、目ざとく館の中に隠された秘密の扉を見つける。

扉の向こうへと進んでいくロールシャッハを待っていたもの、それは奇妙な戦利品で埋め尽くされた謎の部屋であった。
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【レックス・コープにて】
一方、そのころ"世界で最も賢い男"オジマンディアスはもう一人の"世界で最も賢い男"との対面を果たしていた。

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ルーサー:で、貴様は超能力者の頭を切開し、ハリウッドとコミック業界の変人どもを集め、"侵略者"を作り上げて300万人を殺した。
にもかかわらず、人類が結束しなかったことに驚いていると。
はっ!お前がそちらの世界で一番賢いならば、一番愚かな男に会ってみたいものだ。

オジマンディアス:なんといわれても結構。だが私に協力するならば、君の野望を何なりとかなえて差し上げよう。

世界で一番賢く、肥大したエゴの持ち主2人の同盟が成立しそうなその時、1発の銃弾が2人に放たれる。
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…:前にオマエが俺のところに来たときは、少しばかり混乱しちまった。おまけに酔ってたしな。
だが今回は準備万端だぜ!

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【再びウェイン邸にて】
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バットマン:私の朝食を食べたのはお前か?
ロールシャッハ:ああ、俺だ。

*****************
というわけで、ドゥームズデイ・クロック#2の紹介でした。
実は#1を読んだ段階では、「こりゃもしかしたらウォッチメン世界とDCメイン世界の実際の絡みは最小限で、2つの世界でテーマを同じくする別の話をやる構成もあり得るな」と思っていたのですが、#2でいきなり舞台はゴッサムに。
読者の見たいものを出し惜しみしない、ジェフ・ジョーンズのショーマンシップが光ります。

このブログでは、密かにあまり1つの作品を何度も頻繁に紹介することは避けていて、起承転結の"起"であったり、起承転転転転転…と続いていく長期作品の"転"の部分を紹介するだけのことが多いのですが、#2を読んだ直後に「こりゃここまで紹介しないと、自分にはこの作品の魅力を紹介できない」と思い、急きょ紹介させてもらうことにしました。

以下は、思ったことや紹介したいことを取り留めもなく書かせてもらいます。

【Dr.マンハッタンは誰なのか?】
上の方でも紹介しましたが、今回「Dr.マンハッタンが既存のDCヒーローの中に隠れているのでは?」という疑惑が提示され、その根拠は「ウォッチメン世界ではフィクションの中でしか存在しないキャラクターが、DC世界にはいるから」というものでした。
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「あるアースでは起こった事件は、別アース内のコミックとして出版されている」という、シルバーエイジから続くDCの基本設定を考えれば、オジマンディアスたちの勘違いである可能性も多々あるこの仮説ですが、事実だとすれば誰がDr.マンハッタンなのでしょうか?

この謎を検討するうえでまずポイントになるのは「果たしてウォッチメン世界でどのようなコミックが刊行されていたか?」です。
ウォッチメンをお読みになったこと方であれば、物語の中で海賊コミック『黒の船』が繰り返し引用されていたことを覚えていると思いますが、実はあの世界では海賊コミックが流行っており、ヒーローコミックの人気はすたれたジャンルです。
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なぜそのような状況になったのか?
あの世界におけるコミックの歴史はどのようなものなのか?
これらの質問に対する答えは、ウォッチメンの各話の巻末についている文書に断片的ながら書かれています。

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現実世界で1950年代中ごろに巻き起こり、ホラー/犯罪など特定のコミックジャンルを狙い撃ちにする形となったコミック排斥運動。この運動自体はウォッチメン世界でも起こったのですが、ウォッチメン世界のそれは現実世界とは異なり、あっさりと鎮静化。
そのためウォッチメン世界ではホラー/犯罪物のコミックが発展していき、現実世界のようにヒーロー物の人気が再燃することは無かったのです。
言い換えると、ウォッチメン世界とは「2代目フラッシュの登場とそれに触発されたヒーローコミックの勃興。つまりシルバーエイジが存在しない世界」と言えるでしょう。
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(シルバーエイジのコミック)

ここで大事なのはあくまでも"シルバーエイジが"存在しなかったという事。
それではそれ以前、スーパーマンの登場に端を発するヒーローコミックの黎明期――ゴールドエイジはどうだったのか?

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これがばっちりと存在するんですよね。ウォッチメン世界の初代覆面ヒーローであるフーデッドジャスティスは、その回顧録で警察時代に、スーパーマンの登場するアクションコミックスを読んでいたことをはっきりと述べていますし、路上でコミックを売るニューススタンドの店主も、ヒーローコミックのかつての人気を語るところでスーパーマンとフラッシュの名前をだしています。
(店主も詳しく覚えていないようで、実際はフラッシュではなくフラッシュマンと呼ばれていますが。)

そうであるならば、ウォッチメン世界でもゴールドエイジまでは我々の世界と同様のコミックが出版されており、オジマンディアスが"我々の世界のフィクションのキャラが実在する"といった対象もゴールドエイジのそれであると考えるのが自然ではないでしょうか?
(もっともウォッチメン世界でも、ヒーローコミックの刊行が完全に途絶えたはわけではないようなのですが、それを言い出してしまうと本項の趣旨が失われてしまうので目をつぶらせてください。)

この観点に立つと、Dr.マンハッタンの正体である"容疑者"は、かなり限定されています。
スーパーマン/バットマン/ワンダーウーマンのいわゆる"トリニティ"にアクアマンを加えたジャスティスリーグの面々、
『ダークナイツ:メタル』で重要な役割を与えられたホークマンとプラスチックマン、
そして初代グリーンランタンやフラッシュなど、現在のDC世界では存在しないこととなっているJSAのメンバー。

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この中でも最後のJSAメンバーは、特筆すべき存在です。

New52以降、世界の歴史から消えている彼らですが、
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『DCユニバース:リバース』での老いたジョニー・サンダーの登場や、
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『ザ・ボタン』で突如現れ去っていった初代フラッシュなどその存在は常に匂わされていますし、
彼らの存在自体がDC世界から奪われた"歴史"の象徴として、Dr.マンハッタン(と目される黒幕)と深く結びついています。

また、そんな推察を後押しするかのように、本作の巻末ではアワーマンの秘薬ミラクロの製造主であるバナーマン・ケミカル社の広告や、「オールアメリカン・スチール社の倉庫で緑色の不審火」というネット記事が踊ります。(緑の炎は初代グリーンランタンの代名詞。また彼の初登場はオールアメリカン・コミックス誌)

リバース以降、常に再登場が噂が囁かれているJSAのメンバーが今度こそ復活を果たすのか?また、彼らの中にDr.マンハッタンは潜んでいるのか?
疑問の種を尽きませんが、何といっても物語は始まったばかり。
管理人も皆さん同様12月の完結に向けて、一話一話を楽しみにしたいと思っています。

【宣伝】
今月発売のアメコミで注目なのは何といっても『デッドプール:トゥー・スーン?』。マーベルを代表するギャグキャラ、フォーブッシュマンの死を発端に起こる"ギャグキャラ狩り"。果たしてデッドプールは、ロケット・ラクーンやハワード・ザ・ダックといったギャグキャラたちを護ることはできるのか!?
といった趣向の作品でとにかく面白そう。(ギャグキャラの中にパニッシャーも入っているのはご愛敬)
またスパイダーグウェンの続刊『スパイダーグウェン:グレイター・パワー』と、密かな人気者タスクマスターの個人誌『タスクマスター:失われた過去』も今月に発売予定。



また、大人気アーティスト、マイク・ミニョーラが久々に担当したことで話題をさらった『ヘルボーイ・イン・ヘル:死出三途』は早くも翻訳。
DCからは、人気者ハーレイクインが、New52以降あまり絡みのなかった"プリンちゃん"ことジョーカーと対決する『ハーレイ・クイン:ジョーカー・ラヴス・ハーレイ』に、スーパーマンの新たなマスターピースと呼び声の高い『スーパーマン:アメリカン・エイリアン』が刊行。
(アメリカン・エイリアン、本気で大好きな作品だったので作者の不祥事がとにかく残念です)
また、スーパーマンといえばスーパーマンとバットマンが子連れで出会い、親バカっぷりを炸裂させる『スーパーマン:トライアル・オブ・スーパーサン』もお勧めですので、ぜひ!


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ドゥームズデイ・クロック #1

ドゥームズデイ・クロック #1
(作:ジェフ・ジョーンズ、画:ゲイリー・フランク)

空想の侵略者によって脳を沸騰させられた死体がストリートを満たしたとき、俺達にはまだチャンスがあった。
だが、奴らはそれを台無しにした。
神はこの世界を後にし、俺たちに楽園を残した。まるで5歳児に剃刀を手渡すかのように…


【7年後】
1992年、オジマンディアスの企みによるマンハッタン島の大量虐殺から7年。
当初はオジマンディアスの読み通り、存在しない敵を前に協調の道を歩み始めたかに見えた各国であったが、核兵器廃棄条約の締結の直前にロールシャッハの手記が流出。
オジマンディアスの陰謀は世界中の人々が知るところとなり、"核なき世界"は再び幻想のものとなった。
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ロシアによるポーランド侵攻、北朝鮮の核配備完了、国境に築かれた"壁"を超えメキシコに逃げ出す難民たち、米国大統領のホールインワン、世界には暗いニュースが渦巻き、世界は再び人類滅亡へのカウントダウンを始めていた。

【ロールシャッハ登場】
アメリカ東部、ロシアによる核攻撃で避難勧告がでたこの地域にある刑務所ではパニックが起こっていた。
我先にと逃げ出す看守と、暴動を起こす囚人たち。誰もが刑務所の外へと向かう中、ただ1人建物の奥へと進んでいく人影。
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人影の正体はロールシャッハ。Dr.マンハッタンによって塵と消えたはずの男が再び現れたのだ。

ロールシャッハの向かう先は、刑務所の最深部の独房に収監されたマリオネットと呼ばれる女性。
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「彼女をある場所に案内するように相棒に頼まれた」と主張するロールシャッハは、成り行き上マリオネットと彼女の夫マイムを刑務所より連れ出し、2人をロールシャッハの相棒の待つニューヨークへと向かう…

【世界一賢い男。そして…】
ニューヨークの地下にあるロールシャッハの目的地、そこはかつてダニエル・ドライバーグ――ナイトオウルと呼ばれた男の作った秘密基地であった。

ナイトオウルのファンらしく、彼の登場を期待するマリオネット。
しかし彼女の前に姿を現した男、それはかつて当世を代表する思想家として"世界一賢い男"称えられた男、オジマンディアスであった。
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今や"世界一のお尋ね者"となったオジマンディアスは、マリオネットに語り掛ける。
オジマンディアス:私の夢は潰えた。もう私には世界を救うことはできない。ただ、それが可能な人間が1人だけいる。Dr.マンハッタンだ。
マリオネット:Dr.マンハッタン?もう何年も誰も見ていないはずよ…
オジマンディアス:その通りだ。それこそが我々のミッションだ。Dr.マンハッタンを探し出す、たとえ彼がどこに行ったのであろうとも!


…舞台は変わり、メトロポリスのとあるマンションの一室。
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寝室で眠る夫婦に異変が起きる。
夫が悪夢にうなされ飛び起きたのだ。

男性:高校時代の夢を見てた…母さんの叫び声、父さんが歯を食いしばって…
あれは父さんと母さんが死んだ日だ。凄く…こわかった
女性:落ち着いて、クラーク。あなたが悪い夢を見るなんて珍しいわね
クラーク:ロイス。それが今まで一度たりとも見たことないんだよ…

********************
というわけでついにDCリバースの最終章、DC世界とウォッチメン世界の衝突を描いたミニシリーズ『ドゥームスデイ・クロック』が始まりました!
一コマ一コマ息がつまるような内容の素晴らしさは、実際に本誌を手に取ってもらうとして、今回は#1で気になる点を挙げていきましょう。

【ロールシャッハの正体】
いずれ登場することは誰もが予想していたものの、第一話から惜しげもなく登場を果たしたロールシャッハ。
しかし、知っての通りロールシャッハはウォッチメンのラストにおいてDr.マンハッタンに殺されたはず。

それでは今回登場したロールシャッハは誰なのか?
彼の正体については既に何個かヒントが明かされています。

まずはマリオネットに「初代のロールシャッハとは別人であることの証明」を問われて見せた彼の手。
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見ての通り黒人です。

『ウォッチメン』において黒人の登場人物は実はそれほど多くないのですが、1人うってつけの人物がいます。
それは初代ロールシャッハ、ウォルター・コバックの精神鑑定を行った精神科医Dr.マルコムです。
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ロールシャッハの心の闇を除くうちにその闇に取り込まれてしまったマルコム医師ほど、本作のロールシャッハにふさわしい人物はいません。
それを証明するかのように、本作でロールシャッハの車から零れ落ちた書類の中に、コバックのものと思われる精神鑑定のプロファイルが見て取れます。
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しかし待ってください。
ロールシャッハの正体としてここまでうってつけの人物であるマルコム医師ですが、実は彼は『ウォッチメン』の終盤、ニューヨークの大量虐殺に巻き込まれ死亡しているのです。

これに関してはファンの間で2つの説があります。
1つは「実はマルコム医師は実は死んでいない」というもの。
この立場をとる人たちが根拠として挙げるのは、『ウォッチメン』における彼の死にざま。

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よく見るとその死体の目は見開かれており、テレパシー爆弾で呆けているだけのようにも見えます。

もう1つの説は「彼はマルコム医師本人ではなく、彼の身内である」というもの。
マルコム医師の奥さんは彼と一緒にニューヨークの虐殺に巻き込まれていますので、残るのは彼の子供。

勿論、マルコム医師の息子/娘は作中には登場していません。
しかし実は『ウォッチメン』においてマルコム医師は"DAD"と書かれたマグカップを使っているのです!
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(こんなの良く見つけたな)

【マイム&マリオネット】
続いては本作で初登場したマイムとマリオネット。往年のジョーカーとハーレクインを思わせる"バカップル"っぷりをみせる2人のヴィランですが、実はこの2人にも面白い考察があります。
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ご存知の方も多いと思いますが『ウォッチメン』は元々オリジナル世界ではなく、DC社が買収したチャールトンコミックスの世界を舞台したコミックとして企画されていました。

このためウォッチメンの登場人物には、
ロールシャッハはクエスチョン、
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ナイトオウルはブルービートル、
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などそれぞれの元ネタとなったチャールトンコミックスのキャラクターがいます。

実は、本作においてもこの原則は守られている、つまりマイム&マリオネットにも元ネタとなるチャールトンコミックスのキャラクターがいるのではというのです。

その元ネタとして挙げられるのがパンチ&ジュエリー。
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そう!『バットマン:アイ・アム・スーサイド』にも登場したあの2人組なのです!
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【宣伝(使いまわし)】

前回の記事では、ドニー・ケイツの非ヒーロー系のタイトルを少し紹介しましたが、最近の米国での非ヒーロー系のコミックの盛り上がりは目を見張るものがあり、ヒーロー系で腕を磨いたクリエーターが非ヒーロー系の作品に移って大ヒットを飛ばすのが一つの潮流となっています。
ヒーロー系を追っているとそういった作品の情報も自然と耳に入ってくるのですが、なかなか手を出しづらく面白そうな作品を横目でにらんでいるような状態だったのですが、最近はそういった非ヒーロー系作品の翻訳もコンスタントに出版されるようになり、嬉しい限りです。
そんなわけで、今回はそんな非ヒーロー系で気になる新刊を紹介。

『モンストレス vol.1: AWAKENING』売れっ子作家マージョリー・リュウと日本人アーティスト、サナ・タケダによるホラーコミック。
サナ・タケダの美麗でどこか妖しい筆致によって描かれた獣人や伝説上の生物が闊歩するアルーデコ風のスチームパンク世界が人気を博し、SF作品の最高峰ヒューゴ賞を受賞した作品が、遂に翻訳開始!

美麗なアートといえば『サンストーン』も忘れてはいけません。
現在アクアマンも担当しているステファン・セジクによるレズビアンとボンデージセックスをテーマとした作品。
これはもう、ちょっと検索してアートと作風を確認してみてくださいとしか言えない作品です。

最後にお勧めしたいのが、『Y:THE LAST MAN』の最終話!
「全ての男が死滅し女だけの世界となった現代の地球で生き残った最後の男」というシチュエーションを、俗悪な方向に流されることなく描き切った傑作コミックが遂に完結。
アメコミ界の最高権威アイズナー賞を総なめにしたのも納得の作品ですの、未読の方はこれを機にぜひ!



続いてヒーローコミックですが、2017年初頭のDCのクロスオーバー『ジャスティス・リーグ VS.スーサイド・スクワッド』が早くも翻訳決定。
DCを代表する2大ヒーロー(?)チームの激突を描いた作品ですが、当ブログをご覧の方はご存知の通りそこに介入する"第三のチーム"がファンの話題をさらった作品でもあります。
そんなスーサイドスクワッドですがリバース後第二巻にあたる『スーサイド・スクワッド:ゴーイング・セイン』も同時に発売予定。
また『ワンダーウーマン:イヤーワン』も翻訳が発表。こちらも一応リバース後の第二巻に当たるのですが、ワンダーウーマン誌は奇数号の現代編と偶数号の過去編を交互にやるという特殊な出版形態をとっており、本作はその過去編にあたるワンダーウーマンの誕生譚を収録。
このためいきなりここから読み始めても何ら問題のない作品になっています。
また、MCU版ドラマの日本公開を控えた『インヒューマンズ』も翻訳予定。こちらはかつてマーベルの大人向けレーベル"マーベルナイツ"の目玉の一つとして発表され、その華美で退廃的な雰囲気で今日のインヒューマンズのイメージの礎を築いた記念碑的作品ですので、翻訳は嬉しいところ。





ワンダーウーマン #31

ワンダーウーマン #31
(作:ジェイムス・ロビンソン、画:カルロ・パグラヤン)

ここはオレゴンの山村。
大自然に囲まれた田舎町に、1人の木こりが数か月ぶりに山から下りて来る。

「よぉポール!元気か?」、「ポール!お前さんに会えるたぁ、ラッキーな日だ。」
町の住人たちは、ポールと呼ばれる男を見かけるたびに、親し気に声をかける。
住人たちの挨拶を受け流し、雑貨屋へと入っていく木こり。

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木こりの来店に気が付いた雑貨屋の女店主は、やはり親し気に彼に声をかける。
女店主:あら、山から下りてきたのね。欲しいものはいつも通り?
木こり:大体そんなところだ、細かいリストはこの紙に…
女店主:いま揃えるわね。あなたももう少し降りてきなさいよ。
この町のみんなもそれを望んでるわ。みんなであなたをポールと呼ぶことにしたの、気に障らなければよいけど…
木こり:別に俺もここが嫌いなわけじゃない。ただ独りでいるのが性に合ってるんだ。

ぶっきらぼうに返事をして町を去り、再び山へと帰っていく木こり。

その晩、巨大な大木の前で、大木とはあまりにも不似合いな小さな手斧を振りかぶる木こり。
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しかし予想に反して木こりは、圧倒的な膂力で木を切り倒す。

謎の声:さすがゼウスの子ね…
そんな木こりを密かに見張っていた女が、物陰から姿を現す。
姿を現したのは、『ダークサイドウォー』にて登場したダークサイドの娘グレイル。
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グレイル:古き神(オールドゴッズ)の息子よ。ニューゴッズの娘としてその命もらい受ける!

姿を見せるや否や、木こりに飛びかかるグレイル。
しかし、木こりは百戦錬磨の戦士の動きでその攻撃をいなし、その真の姿――ヘラクレス:アンバウンドとしての姿を見せる。
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(少しだけ突っ込みをしておくと、本当はヘラクレス:アンバウンドは第三次世界大戦後の崩壊した世界を舞台にしたコミックの主人公の名前。DC世界におけるギリシャ神話のヘラクレスは、通常アマゾンを迫害したマッチョイズムの権化としてヴィランとして描かれることが多く、New52ではアクアマンとワンダーウーマンの手でミノタウロスの迷宮に幽閉されています。)

激しく切り結ぶグレイルとヘラクレス。
しかしダークサイドの力とアマゾンの戦闘技術に裏打ちされたグレイルの体術がやがてヘラクレスを凌駕していく。

遂にはグレイルのオメガビームの餌食となるヘラクレス。
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グレイル:古き神よ、お前たちの時代は終わった。

ニューゴッズの象徴であるマザーボックスで、ヘラクレスのエネルギーを奪い取るグレイル。
そして、グレイルはその力を傍らの少年に注ぎ込む。

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グレイル:まだ足りません。あなたが元の年齢に戻り、力を取り戻すには…
ダークサイド:耐えるのだ、わが娘よ。ゼウスはこの地に多くの子を残した。それらを順に狩っていくのだ!


**********************
というわけで、新ライターを迎えて始まったワンダーウーマンの新ストーリー『チルドレン・オブ・ザ・ゴッズ』の紹介でした。
New52のダークサイドウォー、そしてDCユニバース:リバースの直接の続きとなる本編では、ゼウスの娘であるワンダーウーマンと彼女と同じくゼウスの血を引く存在である彼女の双子の兄弟に物語の焦点が当たっていくこととなります。

細かくは触れませんが、アクションコミックス誌とディテクティブコミックス誌において、スーパーマンとバットマンの物語が一つの山場を迎えている今、トリニティの一角であるワンダーウーマンの物語もまた今回のストーリーが一つのターニングポイントになりそうですね。

【余談】
本当に余談ですが今回登場したダークサイド、少し成長しすぎじゃないですか?
この号が発売した日の1週前に『ダークナイツ:メタル』に登場し、カワイイ好きの読者を魅了したばかりだったのに…
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【宣伝】(使いまわし)
一番気になるのはアイズナー賞も受賞した『絶対無敵スクイレルガール:けものがフレンド』と、日本人アーティストであるグリヒルさんのポップなアートが素敵な『グウェンプール:こっちの世界にオジャマしま~す』。
この2冊と先日発売した『Ms.マーベル:もうフツーじゃないの』の3冊を購入すると『ギャラクタ:パパは宇宙魔神』が貰えるといういう特典付き。商売がうまいんだから。
そして最近はマーベルの屋台骨となりつつあるスターウォーズレーベルからは『スター・ウォーズ:ダース・ベイダー シュー=トラン戦役』が発売。
じつはスターウォーズシリーズの中で管理人が一番楽しみにしてるのがこのシリーズ。皇帝の陰に隠れて自らの陰謀を進めるダース・ベイダーが最高にかっこいいピカレスクロマン!


そして毎月の恒例となりつつあるデッドプールについては早くもAll-New All-Different Marvelレーベルの作品『デッドプール ワールズ グレイテスト:ミリオネア・ウィズ・ア・マウス』が発売。
シークレットウォーズ後の"空白の8か月"の間に、デッドプールが世界一愛される世界一の金持ちに!?
続いて気になるのが『イヤー・オブ・マーベルズ』。こちらは「マーベル世界の祝日」をテーマに様々なタイトルから作品を持ってきた選集となっており、父を亡くしたノヴァを励ますトニー・スタークや、春の祝日にあくせく働かざるを得ないアントマンの悲哀など、コミックでは珍しいヒーローたちの日常が読めるのが魅力。
そして短編集と言えばこちらも楽しみなのが『ハーレイ・クイン:リトル・ブラック・ブック』。
DCの人気者ハーレイが、一話交代でDCの様々なキャラクターと絡むのが楽しい一冊。


プロフィール

NOB-BON

Author:NOB-BON
X-men生まれSpawn育ちを地でいく、90年代アメコミバブルの残党。
しばらくの間、アメコミは翻訳本を買う程度だったのが、最近のデジタルコミックの手軽さにひかれ、本格的に復活しました。

基本的にMarvelメインですが、DCのリランチを機に自分の中でDCブームが来てるので、しばらくはDCの話題続くかも。
しばらくどころか完全にDC派に転びました。

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