ドゥームパトロール #1-3

ドゥームパトロール #1-3
(作:ジェラルド・ウェイ、画:ニック・ダーリントン)

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老人:教えてくれ、わしは死ぬのか?
ケーシー:そのうちね。でも今日じゃないわよ。
老人:なぜそんなことが言える。
ケーシー:このケーシーが運転しているからよ。わたしってなかなかの凄腕なのよ!


どんな事故現場にも誰よりも早く駆け付け、怪我人・病人をささっと搬送。
緊急病院のエースドライバー、ケーシー・ブリンクは今日もひと仕事を終え、相棒の救命士サムと小休止をしていた。

古いSFシューティングゲームに没頭するケーシーと、その横でピタパンをぱくつくサム。
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しかしサムが食べ残し、ゴミ箱へと投げ入れたピタパンの中に存在する小宇宙では、今まさにユニバースの運命を賭けた善と悪の戦いが最終局面を迎えていた。
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兵士に紛れ込み、敵陣営の奥深くへと忍び込むロボットマン。
ロボットマン:お前らまとめて地獄へ道連れだ。

ロボットマンは死を覚悟し、敵の秘密基地に設置された爆弾の自爆スイッチを起動する…
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いっぽうそのころ、あるホテルの貸会議室では、怪しげな一団が秘密の会合を開いていた。

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「肉こそが私たちのメッセージ」
「柔らかく、そして味わい深い」

彼らの正体は汎銀河ハンバーガーフランチャイズの経営陣。ヘルシー路線を強く打ち出したライバル企業のキャンペーンに対抗する手段を検討するために集まったのだ。

彼らの起死回生の一手とは、地球に存在する「無限に生命を生み出す街路」を捕獲し、そこから無限に生み出される肉を使ったハンバーガーで市場に打って出ることであった。
社運を賭けた一大キャンペーンを前に彼らは、既に広告も作成。

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ストレスフリーで生育された上質な肉(しかも原価ゼロ!)で作られたそのハンバーガーは、その源泉となる"街路"の名前をとり"ダニー・バーガー"と名付けられたのであった…


…すみません。人気ロックバンド"マイ・ケミカル・ロマンス"のボーカルであったジェラルド・ウェイの『ドゥームパトロール』は、大傑作ながら管理人の拙い表現力ではその素晴らしさをお伝えすることができません。
細かな展開を紹介することは諦め、以下は管理人がお気に入りのシーンを紹介させてください。

【副操縦士】
新型機のテストパイロット、ラリー・トレイナーはパニックを起こしていた。

ラリー:管制塔!当機は現在、制御不能。今にもバラバラになりそうだ!
管制塔:こちら管制塔。大丈夫だ。今すぐ副操縦士に任せるんだ
ラリー:副操縦士?パイロットは俺だけの…
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副操縦士:どうした!何があった!?


【ダニー・ランドにようこそ!】
ケーシーは、"ビーチのヒーロー"、"筋肉の奇跡"などの異名を持つヒーロー、フレックス・メンタロにいざなわれ、自分の救急車の中に広がる遊園地ダニー・ランドに向かう。
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ダニー・ランドの一角にあるコミックショップに入ったケーシーはそこで、彼女のために書かれたコミック"ダニーコミックス"を手に取り、自身の出征の秘密を知る…
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(こちらがコミックショップ"ダニー・ブックス&ゲームズ"の中。コミック「アンキャニー・ダニー」のポスターや、カードゲーム「ダニー・ザ・ギャザリング」、サイバーパンクRPG「ダニー・ラン」、ミニチュアゲーム「ダンハンマー80k」の姿も)

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(ダニーコミックスの表紙。コミックファンにおなじみの、Detective Comics誌#1のパロディ)

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(ダニーコミックスの中身。よく読むと、全ての文字がケーシーへの呼びかけに)

【宣伝】
今回はマーベルから。
人気キャラ、デッドプールは引き続き翻訳予定がてんこ盛り。
一つ目はウルヴァリンと並んで90年代のX-MENの顔であったガンビットとのチームアップ誌『デッドプール VS. ガンビット』、つい最近の作品が早くも翻訳です。
またガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシーのチームアップ誌『ガーディアンズ:チームアップ 2』にもデッドプールが登場。
先日ケーブルとのチームアップ誌『デッドプール&ケーブル:スプリット・セカンド』も翻訳され、図らずもデッドプールのコンビものが一挙に翻訳です。


また、『ゴーストライダー:破滅への道』『イモータル・アイアンフィスト』『ムーンナイト/影』『スパイダーグウェン:モスト・ウォンテッド?』と、比較的マイナーキャラの翻訳が増えてきたこともうれしい限り。
特にアイアンフィストは非常に評価の高い作品なので、個人的に楽しみにしています。


DCについてもNew52の締めくくりとなる『ジャスティス・リーグ:ダークサイド・ウォー 2』や、鬼才グラント・モリソンによるワンダーウーマンの誕生譚『ワンダーウーマン:アースワン』といった定番作品から、トニー・S・ダニエルの美麗アートが魅力の『デスストローク:ゴッド・キラー 』や、コメディタッチの『ハーレイ・クイン:キス・キス・バン・スタブ』といった変化球まで取り揃えており、特定の作品の翻訳にとどまっていた90年代のブームを知る身としては隔世の感が在ります。


そして今回のブームの凄いところは、その範囲がヒーロー物にとどまらないこと。
ジェフ・ダロウによるアイズナー賞受賞のゾンビコミック『少林カウボーイ SHEMP BUFFET』や、料理番組やエッセイなどでお馴染みの料理人アンソニー・ボーデンによるスシコミック『GET JIRO!』といった作家性が強い作品から、映画の脚本家本人によるコミック『バック・トゥ・ザ・フューチャー アントールド・テイルズ』や『スター・ウォーズ:ポー・ダメロン ブラックスコードロン』といった映画関連まで、ジャンルにとらわれない広範なジャンルの翻訳がコンスタントに出ており、"翻訳アメコミ"という世界そのものの円熟を感じます。

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開始から8か月。『DC:リバース』の現在

2016年5月末より始まったDCの新時代『DC:リバース』。
当ブログでも開始前の情報整理にはじまり、開始の号砲ともいえる作品『DCユニバース:リバース』の紹介や、開始後4か月時点での状況整理など、おりにつけその紹介を行っておりました。

そして今回はその流れを踏襲し、再び各タイトルにばらまかれた伏線を整理させていただきます。
(あらかじめお断りしておきますが、あくまでも私が読んでいる範囲での内容ですので、取りこぼしなどはご了承ください。)

【捕らわれのティム】
前回の記事でもお伝えした通り、『ディテクティブコミックス』において死の直前にさらわれ、リバースのカギを握る謎の男Mr.オズに捕まったティム。
実はこのティムの誘拐に関して、もう一つ大きな事件が起こっていました。
その事件の舞台となったのは『バットマン・ビヨンド#16』。『ディテクティブコミックス』にてティムが誘拐されたのと同じ月に発行された号です。

ご存知の方も多いと思うのですが、この時の『バットマン・ビヨンド』誌はアニメ版などでお馴染みのテリー・マクギネスではなく、週刊タイトル『フューチャーズエンド』のラストで未来へと飛ばされた青年ティムが主人公のタイトルでした。
シリーズ開始当初は、死亡したテリーの後継者として未来世界の平和のために戦っていたティムですが、最終話間際のストーリーにてそのテリーがまさかの復活。
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最終話である#16にてティムは、テリーから借り受けていたスーツを本来の持ち主に返し、ゆく当てもなくネオゴッサムを去っていきます。

未来世界を独り旅するティム。そんな彼を突如現れた怪しげな光が包み込む、そして光が収まった後には…
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というわけで、『ディテクティブコミックス』にてティムがMr.オズと攫われたのと同じ月に、未来世界においてもティムは消失を遂げていたのです。
この2人のティムの消失について、『バットマン・ビヨンド』誌のライターをつとめるジャーゲンスは、「関係がある」とニュースサイトのインタビューで認めています。

そして2人のティムの失踪からしばらくたった『ディテクティブコミックス#947』にて、Mr.オズにとらえられた若きティムは、牢獄内で密かに進めていた脱獄計画を実行に移します。
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身の回りの乏しい材料を活用し、ついに牢屋を抜け出したティムはしかし、牢屋のそとにある"何か"をみて立ち尽くします。
その一瞬の後、何事もなかったかのように無情にも牢屋の中にテレポートされてしまうティム。
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果たして彼がみたのは、Mr.オズの計画の一端であったのか、
それとも未来世界から連れてこられたもう一人の自分であったのか…

【未来世界からの来訪者】
現在のDCで一番活発な動きを見せている"謎"。それは何といっても未来世界からやってきた1人の少女に関するものでしょう。
少女の名前はサターンガール。30世紀のスーパーヒーローチーム――リージョン・オブ・スーパーヒーローズの中核メンバーです。
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彼女がDCリバースで初めて登場したのは『DCユニバース:リバース』。お金も持たずにゴッサムを歩いていたところを、ゴッサム市警のマギー・ソウヤー警部に保護されています。
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(押収されたリージョン・オブ・スーパーヒーローズの証であるフライトリング)

ゴッサム市警はその後、「死んだ(New52世界の)スーパーマンは私の友人」、「もうじき彼が死からよみがえることはわかってる」などと主張する彼女を狂人とみなしたらしく、『バットマン』誌において患者として収容された彼女の姿を見ることができます。
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(リージョンのマークを描いて、バットマンにアピールするサターンガール)

また未来からやってきたのは、彼女だけではありません。
彼女を追い、リージョンの宿敵であるエメラルドエンプレスもやってきているのです。

ジャスティスリーグvsスーサイドスクワッド』にてマクスウェル・ロード率いるオリジナルのスーサイドスクワッドの一人として登場したエメラルドエンプレス。
しかし彼女の目的は、あくまでもこの時代にやってきたサターンガールの追跡であることはそのセリフの節々から窺うことができました。
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そして、『ジャスティスリーグvsスーサイドスクワッド』のラストでどさくさに紛れて自由の身となった彼女は、
「1人でサターンガールを見つけることができなくとも、5人でならば・・・」
と呟きます。

この場合の”5人”が、エメラルドエンプレスが率いるフェイタルファイブの復活を意味することは間違いないでしょう。
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エメラルドエンプレスがそこまでしてサターンガールを追う理由はなぜなのか?
そして、なぜサターンガールは単身この世界にやってきたのか?

現在のところ、これらの疑問に答えるヒントは多くはありません。
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しかし、今後の刊行予定をみると、3月発売の『バットガール・アニュアル』にて、「バットガールとスーパーガールが"アーカムで1番の狂人"と会うためにアーカムへ侵入」し、
4月発売の『スーパーガール・アニュアル』の表紙が「エメラルドエンプレスと戦うスーパーガール&スーパーマン、そしてそれを見上げるバットガール」という構図であることを考えると、これらのタイトルにて更なる展開が待っているのは間違いないでしょう。

[余談]
先ほどは"なぜサターンガールは単身この世界にやってきたのか?"と書きましたが、実はこの時代にやってきたリージョンのメンバーは彼女だけではありません。
『タイタンズ#5』では、ウォリーの活躍を見上げる市民の中にリージョンの証であるフライトリングをつけて人物の姿が…
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【客船か?路上か?】
『バットマン#15』にて、一夜を共にしたバットマンとキャットウーマン。
キャットウーマンの愛する宝石を散りばめたような満天の星空の下で、2人は多くの恋人たちがそうするように互いの出会いについて語らいます。

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バットマン:あれは確か豪華客船だった。君は老婆の変装をし、ダイヤモンドを盗もうとしていた。
キャットウーマン:違うわ。出会ったのは路上よ。あなたの方こそ顔に大きな傷痕をつけて変装をしてた。私はホリーを助けるためにあなたに飛びかかったの。

微妙に噛み合わない2人の会話。しかしそんなすれ違いすら楽しみながら、2人の時間はゆっくりと過ぎていく…

だが待ってください!
よくよく聞いていると、実はこの2人の会話には重大な秘密が隠されています。

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バットマンが話すキャットウーマンとの出会いは1940年に刊行された『バットマン#1』の思い出、そしてキャットウーマンの話すそれは1987年に刊行された『バットマン#404-407』いわゆる『バットマン:イヤーワン』の内容です。

つまり二人の会話がかみ合わないのは、バットマンがクライシス以前の、キャットウーマンがクライシス以後の異なるタイムラインの記憶を持っているからなのです。

果たしてこの食い違いは、DCリバースで判明した時間軸の乱れのせいなのか?
ライターのトム・キングはこの手のコンテュニティニティに根差したネタを持ってくるのが好きなライターなので、単なるライターのお遊びととらえることも勿論可能ですが、『DCユニバース:リバース』にて、"3人のジョーカー"という謎が提示された今、簡単に見過ごすわけにはいきません。
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【その名は…】
そして最後に『タイタンズ』。
ウォーリーをこの世界から追放しその記憶を世界中の人々から消し去った張本人であるアブラ・カダブラを、タイタンズはやっとの思いで撃退します。
ウォーリーの時と同様に、時空の裂け目へと消えていくアブラ・カダブラ。
しかしタイタンズのメンバーであるリリスは、そのテレパシー能力をつかいアブラ・カダブラの記憶を読むことに成功します。
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彼が、"科学実験"のように、はたまた"時計仕掛け"のように冷たく管理された未来世界に嫌気がさし、この世界にやってきたこと。
彼がこの世界を支配し終わりなき称賛を得ようとするのは、全て彼がやってきた未来の実現を阻止するためであったこと。

そしてアブラ・カダブラは次元の裂け目へと消える前に、リリスの心にある単語を残します。

それはアブラ・カダブラの心に何よりも強く刻まれていた単語、
アメリカの、そして世界の中心である街の名前、
つまりは"マンハッタン"


・・・というわけで、今回の整理は以上ですが、実は管理人がこの時期にこの記事をまとめたのは「DCリバースの展開が急加速するであろう3月を前に、今までの状況を纏めておきたかったから」というものがあります。

前回の記事でも記載しましたが、3月からはスーパーマン系列のクロスオーバー『スーパーマン:リボーン』が始まり、
謎の男Mr.オズの目的や、フラッシュポイント前スーパーマンの正体、"人間"クラーク・ケントなど、多くの謎に展開がみえそうです。
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そして4月より、DCはバットマン誌とフラッシュ誌のクロスオーバー『ザ・ボタン』を開始。
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このカバーアートが示す通り、DCを代表する"世界一の探偵"と"世界最速の鑑識官"が手を組み、バットケイブに残された血付きのスマイルマークの正体に迫っていくこととなります。

他にも「今後DCユニバースの中心となっていく」というふれこみとともに始まる『JLA』や、New52バットマンの名コンビであるスナイダーとカプロが再びタッグを組むことが明かされた夏のイベントなど、これからも楽しみが盛りだくさんのDC:リバース。
当ブログでもできる限り、追っていけたらと思います。

【宣伝】
近刊で管理人が一番楽しみにしている作品は、何といっても『ワンダーウーマン:アースワン』。
ワンダーウーマンのオリジンを扱った作品ですし、何といってもライターが管理人の大好きなグラント・モリソン!発売当初かなり話題になったのですが、読まずに待っていたかいがありました。
そしてDCでは遂にNew52のジャスティスリーグが『ジャスティス・リーグ:ダークサイド・ウォー 2』にて完結!
これで夏より開始するとの発表のあったDC:リバースへの準備はばっちりです。
また、DC:リバースにて重要タイトルへとなりあがったスーサイドスクワッドですが、その主要メンバーの活躍を描く2作品、『スーサイド・スクワッド:デッドショット』と『スーサイド・スクワッド:カタナ』も刊行。
特定のキャラに翻訳が集中していた前回のブームの事を思うと、隔世の感があります。


そんなマイナーなキャラクターの中で管理人が楽しみにしているのは『ハワード・ザ・ダック:アヒルの探偵物語』です。
ルーカスによる映画化で私の世代には比較的有名なのですが、最近マーベルユニバースに復活。
オフビートな探偵コメディとして非常に評価の高い作品です。
また『スパイダーバース』にてすい星のように登場し、瞬く間に人気者の地位を築いた『スパイダーグウェン:モスト・ウォンテッド?』も個人的には気になるところ。
またマーベルからは『ゴーストライダー:ロード・トゥ・ダムネーション』の翻訳が決定。(ゴーストライダーの翻訳は何十年ぶりだ?)こちらも、『ヒットマン』や『パニッシャー』、『プリーチャー』などバイオレンスなながらどこか笑えて、どこか泣ける特異な作風で人気のガース・エニスがライターということで期待。(ちなみに同じくガース・エニスの大問題コミック『ザ・ボーイズ 1』も翻訳。どうなってるんだいったい…)


近年アレコレ出ている"変化球"気味の作品ですがどうやら売り上げも順調らしく、『ゴッサム・アカデミー:カラミティ』に、『デスストローク:ゴッド・キラー』、『ムーンナイト/影』など、続巻も次々刊行。
管理人も何から買えばいいのか困る始末。でも、自分が原書を読み始めた最初期に始まった『バットマン:ノーマンズランド』は、非常に思い入れのあるタイトルなので、優先的に買う予定です。


開始から4か月。『DC:リバース』の現在

5月末に発売され、DCファンのみならずアメコミ界全体の話題をさらった『DCユニバース:リバース』から4か月。

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本作を皮切りに始まったNew52世界の新フェイズ『DC:リバース』にてDCが行った施策を改めて整理すると。
 1.全誌一斉に物語のキリをよくし、新規読者が参入しやすくする
 2.出版タイトル数を減らす代わりに刊行間隔を早め、人気作を切れ目なく提供する
 3.New52世界の状況をフラッシュポイント前の設定に寄せていく
 4.“New52世界を作ったのは何者か?”という、ユニバース共通の謎を提供する
の4点となるのですが、これらの施策が大当たり。

『DC:リバース』は大好評を持って迎えられ、開始から4か月たった現在も、売り上げ/評価の両面でとどまることを知らない勢いを見せています。

そして今回の記事では、上記の施策の4番目に述べられた“New52世界を作ったのは何者か?”という謎、こちらに注目していきたいと思います。

【そもそも"リバースの謎"とは?】
まずは『DCユニバース:リバース』にて明かされた、New52創世の謎をおさらいしておきましょう。

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もともとは長い歴史を経て、様々な世代のヒーローたちが深い絆で結ばれた世界であったDC世界。
しかし『フラッシュポイント』において、世界はアマゾンとアトランティス、そして人類が互いに争うこの世の地獄へと変貌を遂げてしまう。

幸いにもヒーローたちの活躍で、世界は再び元の姿を取り戻すかにみえたが、その瞬間にDC世界は"奴ら"の介入をうける。
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以前から様々な方法でDC世界に影響を与えてきた"奴ら"は、世界の歴史が織りなおされるその瞬間を狙い、DC世界から10年間の歴史とそこで培われたヒーロー同士の絆を、ジェンガのピースを抜き取るかのように奪い取ったのだ。

かくしてDCユニバースはかつての姿を失い、まだ互いのことをよく知らない経験の浅いヒーローたちによる若く未熟な世界――New52世界が始まったのだ。

果たしてNew52世界をこのような姿に変えたのは何者で、その目的は何なのか?

この謎につながる数少ない鍵、それは世界の外側に存在するスピードフォースの中から一部始終を観測し、おぼろげながらも以前の世界の記憶をもって帰還したウォーリー・ウエストと、彼と共にこの世界にやってきた謎のバッチのみであった。
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…というわけで、ドデカい謎を読者に投げかけたうえで始まった『DC:リバース』ですが、実は今のところこの謎に直接つながる展開を行っているタイトルはありません。
一見、"リバースの謎"など存在しないかのように、独自の物語を進めている各誌なのですが、本筋の合間にわずかではありますが、この謎にかかわる予兆を見せているシーンもちらほら。

そこで今回は、管理人が読んでいる範囲の中で気が付いたこれらのシーンを集めてみることにします。

【タイタンズとアブラカダブラ】
現在"リバースの謎"に一番正面から向かっているのは、大ウォーリーをメンバーに加え、この世界のタイムラインの乱れを身をもって体験したタイタンズでしょう。

彼らは、この世界に帰還してから急速に失われつつある大ウォーリーの記憶を、(DC世界には珍しい)テレパシー能力者であるリリスの力を使って読み取ろうとし、その過程で、全ての記憶を失い売れない奇術師として暮らしていたウォーリーの宿敵アブラ・カダブラを復活させてしまいます。

アブラ・カダブラは64世紀の未来世界から、現在の人々には魔法としか思えない科学技術とともにやってきた誇大妄想狂。
そんなアブラ・カダブラは、ウォーリーが彼の未来の妻であるリンダ・パークの事を心配する様子をみて驚きます。
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「おや面妖な。ウォーリーがリンダと出会うのはも少し先だと、歴史書に書かれていたはず。
どうやら歴史に歪みが発生しているようですが、これは"彼"の仕業に違いありませんな。どうやらショーの幕引きを、少し急がなければならないようです。」



【スピードスターの死にざま】
続いてはフラッシュ誌。
街を襲ったスピードフォース嵐により多数のスピードスターを抱えることとなったセントラルシティを舞台に、スピードスターを狩る謎の敵"ゴッドスピード"との戦いが進行中のフラッシュ誌ですが、ゴッドスピードとの戦いの中で、バリーとの恋の予感を感じさせた女性ミーナもゴッドスピードの手にかかります。

彼女を守れなかったことに打ちひしがれるバリー。
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しかし、亡骸も残さずにコスチュームのみを残して消え去った彼女の最後に、バリーは不思議な既視感を覚えます。

そうミーナと同じことが、ずっと昔、自分にも起こったような既視感が…
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【サイコパイレート登場】
バットマン誌においても動きがありました。

ゴッサムで繰り返される大規模犯罪にしびれを切らせたアメリカ政府は、ゴッサムの治安維持のために密かに政府お抱えの異能集団タスクフォースX、またの名をスーサイドスカッドを派遣する。
今回の任務にあたってアマンダ・ウォーラーが選んだ人選、それは人の心を知り尽くした悪の天才心理学者Dr.ヒューゴ・ストレンジと、自身の感情を相手に投射する共感能力により神の正気すら奪う男サイコパイレートであった…
という始まりであったバットマン誌。

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その後いろいろあり、ヒューゴ・ストレンジとサイコパイレートはアマンダの手から逃れ自由の身に。
バットマンはサイコパイレートの後を追うために、自らのスーサイドスカッドを引き連れて、彼が身を寄せる南米の小国サンタ・プリスクの刑務所、つまりバットマンの最強の敵の一人ベインの根城へと向かうこととなります。

現在のところ、その共感能力しか取りざたされていないサイコパイレートですが、ライターを務めるトム・キングより、彼が今回の物語に起用されたのは、フラッシュポイント前の彼が持っていたもう一つの特異な能力によるところが大きいことが明かされています。
サイコパイレートの特異な能力、それは“改変前のDCユニバースの記憶を失わない”ということ。

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80年代にDCが行った世界改変イベント『クライシス・オン・インフィニット・アースズ』にて重要な役割を演じたサイコパイレートですが、彼はその後、グラント・モリソンの『アニマルマン』にて再登場。
クライシスによって改変された世界においてただ一人改変前の記憶を持ち続ける“狂人”としてアーカムアサイラムに収監されています。

果たして、バットマンが再びサイコパイレートと出会ったとき、彼は何を語るのか?

【謎の男Mr.オズ】
そして現在のDCユニバースにおいて、もっとも怪しい男、それはスーパーマンを見守り続ける謎の男Mr.オズをおいて他にいないでしょう。
New52のスーパーマンを密かに見張り続けてきたMr.オズですが、彼の死後は監視の対象を新しいスーパーマン、つまりフラッシュポイント前の世界のスーパーマンへと移しています。
スーパーマンのことを"こっちのスーパーマン"と呼びながら、まるで何かの実験をしているかのように、スーパーマンとその隣人たちを見守るMr.オズ。
『DCユニバース:リバース』において、スーパーマンと対面し
「君たち家族は君たちが思っているような存在ではない、死んだスーパーマン同様な・・・」
と謎めいた言葉を残したMr.オズとは何者なのか?

多くの読者は、無数のモニターを前に作戦を練るその風貌、
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そして部下に刻まれた紋章、
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(こちらは、ウォッチメンに登場したオジマンディアスの会社の香水"ノスタルジア")
そしてその名前より、彼こそが『ウォッチメン』の黒幕オジマンディアスだと予想しています。

管理人は実は、リバースが開始するずっと前より登場していたMr.オズがオジマンディアスであることに懐疑的だったのですが、先日起きた後述の衝撃的な事件によって、その考えを改めました。

【死んだスーパーマンの謎】
New52の終了間際、全ての力を使い果たし、灰の塊となってこの世を去った、New52世界のスーパーマン。
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彼の死にも謎が残っています。
その謎が顕著になったのは、スーパーマンの死亡に立ち会った2人の女性、ロイス・レーンとラナ・ラングが何故かスーパーマンの能力を得てしまうところから始まる『スーパーウーマン』誌。
その第一話の最後で、スーパーマンの力を受け継いだはずのロイスは謎の敵と戦い、死を迎えます。
そして死の間際、ロイスはあるセリフをつぶやくのです。

「クラーク!何てこと、ようやく理解できたわ。これは全て…」
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そしてあとに残されたのは白い灰となったロイスの姿。

果たしてロイスが誌の間際に見たクラークは単なる走馬燈であったのか?
そして、不自然なまでに完全な灰となったロイスとクラークの亡骸は何を意味するのか?

そしもう一人、灰となって死亡した人物が現れたところで事態は急展開を見せます。
その舞台となったタイトルは『ディテクティブコミックス』誌。

バットマンとバットウーマンが、ティムやステファニーなどゴッサムの根城にする若手ヒーローたちを集めてチームを結成し、大好評の同誌ですが、最初のアークの最後に悲劇がおこります。

ドローン軍団からゴッサムを救うために、自らの身を捧げるティム。
そして…
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痕跡すら残さず灰燼と化したティム。
しかし、その直後ティムは見知らぬ牢屋にとらわれている自分に気が付きます。
そして、ティムの前に現れたのは…
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Mr.オズ:君は結んではいけない絆を再び結びかけていた。ドレイクくん、キミは皆から愛されすぎたのだよ。
これ以上キミを見過ごすわけにはいかなくなった我々は、キミを舞台から退場させることにした。

ティム:ボクは世界一の探偵から直々に教えを受けた。こんな牢屋にいつまでもつないでおけると思ったら大間違いだ。
仲間たちも必ず助けにやってくる・・・必ずな!

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というわけで、遂に本格的な活動を始めたMr.オズ。
彼がティムをさらった理由として挙げた"絆を結んだから"という理由は、DCユニバースから歴史を奪った存在が、歴史を奪うことでこの世界からヒーロー達の絆を奪ったことの延長戦にあるように思えます。
さらにMr.オズが"我々"という言葉を使っているのも重要です。

やはり、彼は皆の予想通りオジマンティアスその人で、"我々"とは自分とDr.マンハッタンの事を意味するのか?
そしてティムの独房の両隣には、ティム同様、灰となって消えたクラークとロイスがいるのか?
彼の語る"舞台"とは何を意味するのか?

2年がかりで行われるといわれる『DC:リバース』の、まだ折り返し地点すら見えていない現状ですが、これからどのようにこの物語が展開していくのか、管理人は楽しみで仕方ありません。


【宣伝】
邦訳ラッシュはまだまだ続きます。
管理人のお勧めは何といっても、リーグ一の不人気ヒーローであったアクアマンを一躍トップスターにのし上げた、ジェフ・ジョーンズの『アクアマン:アトランティスの王』
そして同じくジェフ・ジョーンズがルーサーの加入にてんてこ舞いさせられるリーグの姿を描いたジャスティスリーグの新刊『ジャスティス・リーグ:インジャスティス・リーグ』の2冊。
また、超人気アーティスト、マイク・ミニョーラがオライオンやダークサイド達をはじめとするDCの宇宙絵巻を描いた『コズミック・オデッセイ』や、
フランシス・マナプルの美麗なアートでフラッシュやローグ達が鮮やかに動き回る『フラッシュ:グロッドの脅威』も外せません。




そしてマーベル関連では、昨年のコミックシーンの話題をさらった『シークレットウォーズ』へとつながる物語となる『ニューアベンジャーズ:エブリシング・ダイ』、
映画などで大物風の姿は見せているものの、いまいち日本での露出の少ないサノスのオリジンを描いた『サノス・ライジング』
映画関係の出版物でお馴染みの洋泉社のアメコミ翻訳参入第一弾『ベスト・オブ・デッドプール』など話題作が目白押しです。



プロフィール

Author:NOB-BON
X-men生まれSpawn育ちを地でいく、90年代アメコミバブルの残党。
しばらくの間、アメコミは翻訳本を買う程度だったのが、最近のデジタルコミックの手軽さにひかれ、本格的に復活しました。

基本的にMarvelメインですが、DCのリランチを機に自分の中でDCブームが来てるので、しばらくはDCの話題続くかも。
しばらくどころか完全にDC派に転びました。

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