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アクアマン#27-30

アクアマン#27-30
(作:ダン・アブネット、画:ステファン・セジック)

王として推し進めた進歩的な政策を嫌われ、正式な手続きにのっとり王の座を追われたアクアマン。
前回の記事では、その追放までの流れを紹介しましたが、今回は新王コーラム・ラスの統治下で独自のアジェンダに沿って活動する各種陣営を紹介していきましょう。

【タワー・オブ・ウィドウフッド】
アトランティスの祭祀を取り仕切る尼僧の集団。
何よりも伝統を重んじるアトランティスでは、国王すらその意向を軽視できない時ほどの権力を握る。
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そのトップであるマザー・セタは、当初は保守的な立場を示す新王コーラム・ラスを歓迎していたが、己の欲望を何よりも優先させるやり口に彼を見限り始め、密かにコーラムを廃位に追いやり、新たな王を玉座の下に送り込もうとしている。
(ちなみに彼女たちが追うに担ぎ上げようとしているのは、かつて彼女たちの下で花嫁修業をしたこともあるアーサーの婚約者メラ。その理由は今のところ不明)


【ムーク】
アトランティスの近衛兵長。オーム(オーシャンマスター)、アーサー、コーラム・ラスと3代に渡り近衛兵を務める、王個人ではなく王位に忠誠を誓う人物。
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非常に保守的な気質であったがアーサーと行動をするうちに、地上世界との融和というアーサーの理想に共鳴するようになっていったはずが、コーラム戴冠時に新王の命に従い自らの手でアーサーを殺害した。

しかし、実際はアーサーが致命傷を負っていないことを知っており、アーサーの生存に気づいた人物を密かに口封じしている。


【クラッシュ】
アーサーが身を寄せる貧民街を裏から支配する犯罪王。
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新王コーラム・ラスと協定を結んでいるが、あくまで自身の野望のために活動をしている。
自身の縄張りで先王アーサーが生きていることを知っており、新王の弱みでもある先王の身柄を確保することで、コーラムとの関係を有利に進めたいと考えている。


【メラ&ガース】
古代の魔導装置によって築かれた茨の壁によって外部からの侵入が不可能となったアトランティス。
その外側に取り残されたメラは、内部に侵入しアーサーを救うため、陸地に取り残された数少ないアトランティス人であるテンペストことガースに協力を仰ぐ。

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こちらがガース。現在は旧友たちとタイタンズのメンバーとして活動中。
基本的に体術に優れた戦士として描かれることが多いガースですが、実は若いころは才能豊かな魔術学校の生徒として将来を嘱望されていた。
(リブート前の設定に対しての目くばせですね)
その後、とある事情で魔術師の道を捨てたガースであったが、メラの訴えを聞き、彼女と共にアトランティスを取り巻く魔法のイバラに立ち向かう術を探すこととなる。

【ヴァルコ&オンディーネ】
メラにアーサー生存の情報を伝えるために王宮に侵入したかどで、再び牢獄の住人となったヴァルコであったが、
タワー・オブ・ウィドウフッドの手引きで見事に脱獄。

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ウィドウフッドの諜報員であるオンディーネと共に、打倒新王のため、新王がアーサーから奪ったアトランティス最強の武具、初代王のトライデントを盗み出す計画に乗り出す。

宝物庫への侵入計画の立案したヴォルコは、兵士たちによって厳重に警備されている上層部からの侵入をあきらめ、下層部からの侵入を決行する。

オンディーヌ:下層部だって誰かに守られているんじゃ…
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ヴォルコ:左様。王城下層部は、死してなお王国を守護することを決意した忠臣たちの亡霊が、眠ることなく守っておる。
オンディーヌ:それじゃ・・・っ!!


2人の前に姿を現す亡霊。
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ヴォルコ:ご機嫌いかがかな?バルサス卿。
亡霊はヴォルコに名を呼ばれると踵を返し退散する。

ヴォルコ:忠臣たちは名前を呼ばれると、その者を通すことになっておる。
盗賊たちは歴史を学ばんからな。
…おっと、素晴らしき戦傷ですな、カルコ・ヴリーン殿。
オンディーヌ:あなた、彼らの名前を全部知ってるの!?
ヴォルコ:わしを誰だと思っておる。わしの頭には歴代の全ての国王、全ての延臣の顔が入っておる。
もうそのピストルは締まっても良いぞ。


【アーサー&ドルフィン】
王の身を追われたのみならず、民のために良かれと思って行った政策が彼らにとっては有難迷惑であった事実に打ちのめされ、
貧民街で行く当てのない浮浪者として過ごすアーサー。
やがて犯罪王クラッシュの部下たちに追われることとなったアーサーは、戦いの最中に貧民街に住むミュータントの少女ドルフィンと出会う。

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生まれつきしゃべることのできないドルフィンは、クラッシュと新王コーラムの手で激しい迫害を受ける同族を救うために、アーサーに助けを求める。

アーサー:すまないが私にはできない。私はアトランティスの民が望むような"強い"王にはなれないんだ。
ドルフィン:…
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アーサー:そうだな。わたしも時には彼らの一員だった…
ドルフィン:…
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アーサー:いや、スーパーマンは王ではない。
スーパーマンだけじゃない。彼らは皆ただ人々を救うだけで、彼らを統治しようとはしない。

……ドルフィン、キミは声は出せないが相当おしゃべりだな。
解った。確かに自分は民が望むような王にはなれない。
しかし、それでも君が必要としてくれるのならば、私は彼らのためのヒーローに…アクアマンになろう。

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*******************
というわけで、個人的にはDCリバース以降一番の盛り上がりを見せているアクアマン誌の紹介でした。
様々な陣営が群雄割拠する非常に自分好みの展開となっているアクアマン。
果たして"アトランティスの王"としてアイデンティティを自ら打ち捨てたアーサーが、今後どのような道を進んでいくのか?(そしてオーシャンマスターの登場はあるのか?)
非常に楽しみでなりません。

【宣伝】
今回は軽めに済ませるために、最近予約開始となった作品を中心に。
まずは『フラッシュ:ライトニング・ストライクス・トゥワイス』。DCリバースの中心タイトルの一つフラッシュが早くも翻訳開始。粗筋などはリンク先に譲りますが、先日翻訳が予告されたDC世界とウォッチメン世界の融合に関する謎に迫るイベント『ザ・ボタン』に直接続く作品ですので、気になる方はぜひ!
続いては『デッドプール:トゥー・スーン?』。管理人は未読なのですが、ロケトラクーンやスパイダーハム、スクイレルガールたちマーベル世界のギャグキャラを護るためにデッドプールが東奔西走する話と聞き、俄然興味がわいてきました。
他にも『スパイダーグウェン:グレイター・パワー』のような最新作や、『タスクマスター:アンシンカブル』といった少し昔の作品まで、幅広いラインナップの予約が始まっています。



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アクアマン#26

アクアマン#26
(作:ダン・アブネット、画:ステファン・セジック)

【ここまでのアクアマン】
(DC:リバースのアクアマンを紹介するのは今回が初めてという事で、今までの簡単な粗筋から。)

アトランティスの王としての地盤を確固たるものとしたアクアマンは、その国策としてアトランティスの開国と国際社会への融和を目指す。
しかしその行く手を阻んだのは、アクアマンの仇敵ブラックマンタであった。

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ブラックマンタは、冷徹な戦略家と冷酷な戦士を同居させたその能力をいかんなく発揮し、歴史の陰から世界の政治と経済を操ってきた海洋秘密結社N.E.M.O.の実権をあっさりと奪取。
その権力をもってして米国の潜水艦をアトランティスの仕業と見せかけて撃破することで、米国にアトランティスへの宣戦を布告させることに成功する。

かくして、戦争状態に陥ったアトランティスとアメリカ。
潜水艦による爆撃や、米国が密かに組織していた魚人特殊部隊ウルトラマリーンによ要人る暗殺など、攻撃を激化させるアメリカだが、アクアマンはアトランティス軍に反撃の許可をださず。
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焦れる国民を抑えながら、戦争の背後に潜むN.E.M.O.とブラックマンタの陰謀の証拠をつかみ米国との和平に成功する。

その後も、アクアマンは戦争によりぎくしゃくした米国関係を和らげるために、積極的に融和制作を推進。
自身も謎の殺人生物"デッドウォーター"の調査及び討伐をアメリカ海兵隊と共同で行うなど、アトランティスの未来に向けて忙しく活躍していた…

【国王失脚】
しかしアトランティスの多くは、そんなアーサーの努力を快く思ってはいなかった。
国民は戦争のエスカレートを避けるために米国への反撃を禁じた決断を"弱さ"ととらえ、国際社会との調整のために世界中を飛び回る行為を"国政を疎かにし地上にばかりおもねっている"と感じていた。

そして何よりも重要なこととして、国民の多くは"地上との融和"など望んではいなかったのだ。
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王の補佐としてアトランティスの権力を司る議会、長老院、祭儀院は王国の伝統に根ざす正式な手続きを踏んだうえで、オリン・アトラン王(アーサーの正式名)の廃位を決定。
アーサーとその弟オームに次ぐ王位継承権の持ち主であるラス家のコーラムを、アトランティスの新王としていただくこととしたのだ。

新王コーラム・ラスは血統的には申し分ないものの、元々は反政府テロ組織のリーダー。
かつてアーサーに捕まり投獄されていたところを、突如、王として担ぎ出されたのだ。
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その時の恨みを晴らすべく先王アーサーの捕縛を命じるコーラム・ラス。

逃げるアーサーと追う近衛兵たちの大立ち回りの舞台は、いつしかアトランティス上空(?)へ。
しかしあと少しというところで、近衛兵長の刃にその身を刺し貫かれ、アトランティスの最下層へと沈んでいくアーサー。
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かくして、コーラム・ラス王の治世は先王の死と共に幕を開けたのであった。

【Make Atrantis Great Again】
アーサーの死亡から数週間の月日がたち、新王を戴いたアトランティスの状況はすっかり様変わりしていた。
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「アトランティスを再び偉大な国に」を標榜する新王が、まず初めに行ったこと。
それは祭儀院の宝物庫に封印されていた魔法具を使い、アトランティスの周囲を"壁"で覆う事であった。
その成功に気をよくし、アトランティスの魔術の素晴らしさに味を占めたコーラム・ラスは、その危険さゆえに代々の国王が禁忌としてきた魔法具の封印を次々と解き、その力を振るうことでアトランティスを強権的に治めていく。


【貧民街の守護者】
一方アトランティスの最下層、貧民達や逃走中の犯罪者が流れ着くスラム街でアーサーは生きていた。
たくわえた髭で人相を隠し、他人に深入りしないスラムの住人達の中でひっそりと暮らすアーサー。
彼の心は、アトランティスの未来をかけた自身の夢がただの独りよがりに過ぎなかったショックに押しつぶされていた。
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しかし、未来への希望を失ったとしても彼の持ち前の正義感が失われたわけではなかった。
スラム街を脅かすギャングや新王の治安維持部隊から街の人々を守るため、アーサーがとった道。
それはかつての友人ブルース・ウェインの戦いを真似することであった。

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バットマン同様、暗闇(と魚群)に身をひそめ、敵に恐怖を植えつけることで街を守護するアーサー。
その活躍は、迷信深いアトランティスの住人によって"先王の亡霊"の噂に姿を変え、国中へ広まっていく…

【アーサーの継承者】
「アトランティスを開かれた国にし、国際社会の一員に加える」という先王アーサーの夢。
その意思を継いだのは、皮肉にもアーサーの一番の忠臣でありながら、アーサーを国王の座に座らせるためにアトランティスと地上世界の全面戦争を画策した男ヴォルコであった。

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新王即位の恩赦で監獄から出されたヴォルコは、心酔する先王の夢をかなえるための活動を開始する。
アトランティスを覆う魔術的な障壁を超え地上へと連絡をとるために、かつて知ったる王宮へ潜入するヴォルコ。

アトランティスの魔法具を駆使し、何とか地上世界のスマホを鳴らすことに成功したヴォルコ。
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彼が連絡を取った先は、最愛の夫が死ぬ様を目の前で目撃し失意のどん底に沈んでいたアーサーの妻、メラであった。

電話越しにアーサー生存の噂を聞き、その眼にみるみる生気を取り戻していくメラ。
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彼女が一路向かった先それは…

****************
…というわけで、今回はリバース後初のアクアマンの紹介でした。

月刊化とともにアトランティスを舞台にした物語へ移行したアクアマン誌ですが、特筆すべきはなんといってもステファン・セジックのアート!
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管理人は男ですが、髭アーサーの色気のあるアートに思わず赤面しそうでした。

ライターは引き続き安定のダン・アブネット印なので、面白さも折り紙付き。
アトランティスの王権に関する物語ということで、管理人的にはオーシャンマスターの再登場なんかも期待したい気持ちです。


【宣伝】
繰り返しになりますが、来月の個人的目玉はなんといっても「DCユニバース:リバース」!
このブログを読んでくださってる人は言わずもがなですが、DCの新章の幕開けですのでこれだけはぜひ!
そして、DCリバース傘下の各種タイトルも次々翻訳予定があがっています。
個人的には、管理人未読の『ジャスティス・リーグ:エクスティンクション・マシン』、『ハーレイ・クイン:ダイ・ラフィン -REBIRTH-』あたりが気になるところです。


そしてマーベル側は大型クロスオーバー『フィアー・イットセルフ』の翻訳が決定。
アスガルドの邪神の復活とその邪神によってつくられた8本のハンマーに選ばれた闘士が、ヒーローたちと戦う王道クロスオーバーとなっています。
また、見逃していたのですがスマホゲームのコミック化『マーベルツムツム:テイクオーバー!』の予約も開始!
地球に襲来した謎の生物TsumuTsumuが、ヒーローたちの真似をし始めて…と言った物語とのこと。

アクアマン#49

アクアマン#49
(作:ダン・アブネット、画:ヴィセンテ・シフェンテス)

はるか昔にアトランティスから分離した邪悪な魔導士たちの王国との戦いを終えたアーサー。
彼は激闘の疲れを癒すために、アムネスティベイの灯台で最愛の妻と共に夫婦水入らずの時間を過ごしていた。
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おりしもアムネスティベイでは年に一度のフェスティバルが到来。
地上とアトランティスの融和を目指すアーサーはこれを好機ととらえ、アトランティスから腹心の部下たちを呼び寄せ、自分たちと共にフェスティバルへの参加を命令する!

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初めは嫌々だったガース、テュラ、ムークの近衛兵3人組だが、初めて目にする地上の文化に興味津々。

ちなみに一番地上になじんだのがこの人
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ガース:陛下!次はバナナボートとやらを試したく存じます。なにとぞ更なる"お楽しみ券"をわたくしに!

そしてアーサーとメラも記念写真をパチり。
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存分にフェスティバルを楽しんだアーサーとメラ達。
その晩、アーサーはかねてより温めていた地上との融和策をメラに打ち明ける。

その政策とは地上の国々にアトランティスを知ってもらうために、地上世界に大使館を作るというもの。
そしてアーサーは、メラに全権大使として地上世界に赴いてくれないかと頼む。

散々迷った末、これを了承するメラ。
そして、自分に与えられた"アトランティスの顔"という新しい役割を察した彼女が選んだ道…

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それはアクアウーマンを名乗り、世間が自分に持っているステレオタイプなイメージを最大限に活用することであった!

…というわけで始まった、新ライターであるダン・アブネットによるアクアマン譚。
物語は親善大使として活躍するメラと、それを陰ながらサポートするアーサーの戦いを描くことになりそうですが、比較的ハードな雰囲気であった前任者と比べて、ユーモアに富んだ活劇が中心となりそうで、今のところかなり面白いです。
ダン・アブネットは「DC:リバース」後もアクアマン誌を担当することが確定してていますが、これはかなり期待できそうです。

【宣伝】(使いまわし)
めぼしい翻訳はこちら。
まずは映画公開も控え飛ぶ鳥を落とす勢いのデッドプールからは、
レギュラータイトルである『デッドプール VS. シールド』と『ウェディング・オブ・デッドプール』。後者はデッドプールの関係者が制作陣まで含めて参加する結婚式で話題になった号を収録。
またミニシリーズである『デッドプール:ドラキュラズ・ガントレット』も6月に発売予定。
そしてなんといっても重要なのは、ファンから翻訳が熱望されていたタイトル『ケーブル&デッドプール:青の洗礼』が遂に翻訳!
ケーブルとデッドプールの絆を描いた話題作です。


そして管理人がぜひともお勧めしたいのが『グレイソン』!コスチュームを高級スーツに着替えジェームス・ボンド張りの活躍をスルディック・グレイソンのスパイアクションで、その凝った物語構成は一読の価値があるはずです!
また他にもマーベル屈指の人気兄弟として上り詰めたソーとロキの確執を描いた「ソー&ロキ:ブラッド・ブラザーズ」や、
過去様々なコミックやメディアに登場したあらゆる世界のスパイダーマンが一同に会した話題作『スパイダーバース』など、相変わらず話題作が目白押しです!
プロフィール

NOB-BON

Author:NOB-BON
X-men生まれSpawn育ちを地でいく、90年代アメコミバブルの残党。
しばらくの間、アメコミは翻訳本を買う程度だったのが、最近のデジタルコミックの手軽さにひかれ、本格的に復活しました。

基本的にMarvelメインですが、DCのリランチを機に自分の中でDCブームが来てるので、しばらくはDCの話題続くかも。
しばらくどころか完全にDC派に転びました。

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