アクアマン#26

アクアマン#26
(作:ダン・アブネット、画:ステファン・セジック)

【ここまでのアクアマン】
(DC:リバースのアクアマンを紹介するのは今回が初めてという事で、今までの簡単な粗筋から。)

アトランティスの王としての地盤を確固たるものとしたアクアマンは、その国策としてアトランティスの開国と国際社会への融和を目指す。
しかしその行く手を阻んだのは、アクアマンの仇敵ブラックマンタであった。

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ブラックマンタは、冷徹な戦略家と冷酷な戦士を同居させたその能力をいかんなく発揮し、歴史の陰から世界の政治と経済を操ってきた海洋秘密結社N.E.M.O.の実権をあっさりと奪取。
その権力をもってして米国の潜水艦をアトランティスの仕業と見せかけて撃破することで、米国にアトランティスへの宣戦を布告させることに成功する。

かくして、戦争状態に陥ったアトランティスとアメリカ。
潜水艦による爆撃や、米国が密かに組織していた魚人特殊部隊ウルトラマリーンによ要人る暗殺など、攻撃を激化させるアメリカだが、アクアマンはアトランティス軍に反撃の許可をださず。
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焦れる国民を抑えながら、戦争の背後に潜むN.E.M.O.とブラックマンタの陰謀の証拠をつかみ米国との和平に成功する。

その後も、アクアマンは戦争によりぎくしゃくした米国関係を和らげるために、積極的に融和制作を推進。
自身も謎の殺人生物"デッドウォーター"の調査及び討伐をアメリカ海兵隊と共同で行うなど、アトランティスの未来に向けて忙しく活躍していた…

【国王失脚】
しかしアトランティスの多くは、そんなアーサーの努力を快く思ってはいなかった。
国民は戦争のエスカレートを避けるために米国への反撃を禁じた決断を"弱さ"ととらえ、国際社会との調整のために世界中を飛び回る行為を"国政を疎かにし地上にばかりおもねっている"と感じていた。

そして何よりも重要なこととして、国民の多くは"地上との融和"など望んではいなかったのだ。
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王の補佐としてアトランティスの権力を司る議会、長老院、祭儀院は王国の伝統に根ざす正式な手続きを踏んだうえで、オリン・アトラン王(アーサーの正式名)の廃位を決定。
アーサーとその弟オームに次ぐ王位継承権の持ち主であるラス家のコーラムを、アトランティスの新王としていただくこととしたのだ。

新王コーラム・ラスは血統的には申し分ないものの、元々は反政府テロ組織のリーダー。
かつてアーサーに捕まり投獄されていたところを、突如、王として担ぎ出されたのだ。
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その時の恨みを晴らすべく先王アーサーの捕縛を命じるコーラム・ラス。

逃げるアーサーと追う近衛兵たちの大立ち回りの舞台は、いつしかアトランティス上空(?)へ。
しかしあと少しというところで、近衛兵長の刃にその身を刺し貫かれ、アトランティスの最下層へと沈んでいくアーサー。
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かくして、コーラム・ラス王の治世は先王の死と共に幕を開けたのであった。

【Make Atrantis Great Again】
アーサーの死亡から数週間の月日がたち、新王を戴いたアトランティスの状況はすっかり様変わりしていた。
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「アトランティスを再び偉大な国に」を標榜する新王が、まず初めに行ったこと。
それは祭儀院の宝物庫に封印されていた魔法具を使い、アトランティスの周囲を"壁"で覆う事であった。
その成功に気をよくし、アトランティスの魔術の素晴らしさに味を占めたコーラム・ラスは、その危険さゆえに代々の国王が禁忌としてきた魔法具の封印を次々と解き、その力を振るうことでアトランティスを強権的に治めていく。


【貧民街の守護者】
一方アトランティスの最下層、貧民達や逃走中の犯罪者が流れ着くスラム街でアーサーは生きていた。
たくわえた髭で人相を隠し、他人に深入りしないスラムの住人達の中でひっそりと暮らすアーサー。
彼の心は、アトランティスの未来をかけた自身の夢がただの独りよがりに過ぎなかったショックに押しつぶされていた。
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しかし、未来への希望を失ったとしても彼の持ち前の正義感が失われたわけではなかった。
スラム街を脅かすギャングや新王の治安維持部隊から街の人々を守るため、アーサーがとった道。
それはかつての友人ブルース・ウェインの戦いを真似することであった。

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バットマン同様、暗闇(と魚群)に身をひそめ、敵に恐怖を植えつけることで街を守護するアーサー。
その活躍は、迷信深いアトランティスの住人によって"先王の亡霊"の噂に姿を変え、国中へ広まっていく…

【アーサーの継承者】
「アトランティスを開かれた国にし、国際社会の一員に加える」という先王アーサーの夢。
その意思を継いだのは、皮肉にもアーサーの一番の忠臣でありながら、アーサーを国王の座に座らせるためにアトランティスと地上世界の全面戦争を画策した男ヴォルコであった。

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新王即位の恩赦で監獄から出されたヴォルコは、心酔する先王の夢をかなえるための活動を開始する。
アトランティスを覆う魔術的な障壁を超え地上へと連絡をとるために、かつて知ったる王宮へ潜入するヴォルコ。

アトランティスの魔法具を駆使し、何とか地上世界のスマホを鳴らすことに成功したヴォルコ。
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彼が連絡を取った先は、最愛の夫が死ぬ様を目の前で目撃し失意のどん底に沈んでいたアーサーの妻、メラであった。

電話越しにアーサー生存の噂を聞き、その眼にみるみる生気を取り戻していくメラ。
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彼女が一路向かった先それは…

****************
…というわけで、今回はリバース後初のアクアマンの紹介でした。

月刊化とともにアトランティスを舞台にした物語へ移行したアクアマン誌ですが、特筆すべきはなんといってもステファン・セジックのアート!
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管理人は男ですが、髭アーサーの色気のあるアートに思わず赤面しそうでした。

ライターは引き続き安定のダン・アブネット印なので、面白さも折り紙付き。
アトランティスの王権に関する物語ということで、管理人的にはオーシャンマスターの再登場なんかも期待したい気持ちです。


【宣伝】
繰り返しになりますが、来月の個人的目玉はなんといっても「DCユニバース:リバース」!
このブログを読んでくださってる人は言わずもがなですが、DCの新章の幕開けですのでこれだけはぜひ!
そして、DCリバース傘下の各種タイトルも次々翻訳予定があがっています。
個人的には、管理人未読の『ジャスティス・リーグ:エクスティンクション・マシン』、『ハーレイ・クイン:ダイ・ラフィン -REBIRTH-』あたりが気になるところです。


そしてマーベル側は大型クロスオーバー『フィアー・イットセルフ』の翻訳が決定。
アスガルドの邪神の復活とその邪神によってつくられた8本のハンマーに選ばれた闘士が、ヒーローたちと戦う王道クロスオーバーとなっています。
また、見逃していたのですがスマホゲームのコミック化『マーベルツムツム:テイクオーバー!』の予約も開始!
地球に襲来した謎の生物TsumuTsumuが、ヒーローたちの真似をし始めて…と言った物語とのこと。

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アクアマン#49

アクアマン#49
(作:ダン・アブネット、画:ヴィセンテ・シフェンテス)

はるか昔にアトランティスから分離した邪悪な魔導士たちの王国との戦いを終えたアーサー。
彼は激闘の疲れを癒すために、アムネスティベイの灯台で最愛の妻と共に夫婦水入らずの時間を過ごしていた。
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おりしもアムネスティベイでは年に一度のフェスティバルが到来。
地上とアトランティスの融和を目指すアーサーはこれを好機ととらえ、アトランティスから腹心の部下たちを呼び寄せ、自分たちと共にフェスティバルへの参加を命令する!

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初めは嫌々だったガース、テュラ、ムークの近衛兵3人組だが、初めて目にする地上の文化に興味津々。

ちなみに一番地上になじんだのがこの人
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ガース:陛下!次はバナナボートとやらを試したく存じます。なにとぞ更なる"お楽しみ券"をわたくしに!

そしてアーサーとメラも記念写真をパチり。
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存分にフェスティバルを楽しんだアーサーとメラ達。
その晩、アーサーはかねてより温めていた地上との融和策をメラに打ち明ける。

その政策とは地上の国々にアトランティスを知ってもらうために、地上世界に大使館を作るというもの。
そしてアーサーは、メラに全権大使として地上世界に赴いてくれないかと頼む。

散々迷った末、これを了承するメラ。
そして、自分に与えられた"アトランティスの顔"という新しい役割を察した彼女が選んだ道…

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それはアクアウーマンを名乗り、世間が自分に持っているステレオタイプなイメージを最大限に活用することであった!

…というわけで始まった、新ライターであるダン・アブネットによるアクアマン譚。
物語は親善大使として活躍するメラと、それを陰ながらサポートするアーサーの戦いを描くことになりそうですが、比較的ハードな雰囲気であった前任者と比べて、ユーモアに富んだ活劇が中心となりそうで、今のところかなり面白いです。
ダン・アブネットは「DC:リバース」後もアクアマン誌を担当することが確定してていますが、これはかなり期待できそうです。

【宣伝】(使いまわし)
めぼしい翻訳はこちら。
まずは映画公開も控え飛ぶ鳥を落とす勢いのデッドプールからは、
レギュラータイトルである『デッドプール VS. シールド』と『ウェディング・オブ・デッドプール』。後者はデッドプールの関係者が制作陣まで含めて参加する結婚式で話題になった号を収録。
またミニシリーズである『デッドプール:ドラキュラズ・ガントレット』も6月に発売予定。
そしてなんといっても重要なのは、ファンから翻訳が熱望されていたタイトル『ケーブル&デッドプール:青の洗礼』が遂に翻訳!
ケーブルとデッドプールの絆を描いた話題作です。


そして管理人がぜひともお勧めしたいのが『グレイソン』!コスチュームを高級スーツに着替えジェームス・ボンド張りの活躍をスルディック・グレイソンのスパイアクションで、その凝った物語構成は一読の価値があるはずです!
また他にもマーベル屈指の人気兄弟として上り詰めたソーとロキの確執を描いた「ソー&ロキ:ブラッド・ブラザーズ」や、
過去様々なコミックやメディアに登場したあらゆる世界のスパイダーマンが一同に会した話題作『スパイダーバース』など、相変わらず話題作が目白押しです!

アクアマン #28-34

アクアマン #28-34
(作:ジェフ・パーカー、画:ポール・ペルティエ、他)

前回の紹介からずいぶんと期間が空いたので、アクアマンの現状を説明。

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"死せる王"として復活した古代アトランティスの賢王アトランを退け、あらためてアトランティスの玉座に着くこととなったアーサー。
アトランティスの進撃」事件の直後は、王国の追放者たちが築いた隠れ里ゼベルの出身であることがアーサーの治世の妨げにならないようにと、身を引くことを決意したメラも、アーサーの熱意にほだされて正式に王妃としてアトランティスで暮らすことに。

(と、ここまでがリブート後から続いたジェフ・ジョーンズ担当分となり、これ以降は『X-MEN:ファーストクラス』などを担当したライター、ジェフ・パーカーの担当となります。)

国王として新たなスタートをきったアーサーですが、

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…アトランティスの守護獣として語り継がれてきた伝説の怪獣と戦ったり、

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…時のアトランティス王の裏切りにより地獄に幽閉され錯乱したヘラクレスその人と戦ったり、

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…法律&倫理上、国内では許されない違法な研究を公海上で大手を振って行うために作られた海底研究所「トリトンベース」と対立したり、

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…そのトリトンベースが培養したあらゆる海洋生物の遺伝子をその身に保持するキメラ人間「モンスターキング」と戦ったり

と国内を留守にしがち。


そんな王の不在を補佐するのが王妃であるメラ。
「王が突如連れてきた何処の馬の骨とも知れない女」と批判的な声に囲まれながらも抜群の政治手腕を発揮して、アトランティスの近代化、地上との融和政策を推進していく。
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先王オームの復帰を望む過激派によって自身が襲撃された際も、暗殺計画を見抜けなかった評議会の不手際を襲撃の事実も含めてアーサーには秘密にしておくことで評議会を味方につけるなど、硬軟織り交ぜながら自らの(ひいてはアーサーの)影響力を高めるその手腕はさすがの一言。


そんなこんなで様々なトラブルを乗り越えながらも、王族としての平穏な日常を築きつつあるアーサー&メラ。
しか、そんな2人の幸せを、アトランティスを襲う新たな大災禍(メイルストローム)が待ちかまえていた…

というのが、昨年11月より始まったアクアマンのストーリーライン「メイルストローム」の導入となります。
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この「メイルストローム」は、アクアマンの担当となってから比較的小規模な物語を続けアーサーたちの日常描写に力を入れてきたジェフ・パーカーが放つ初めての大規模ストーリーとなり、この物語のなかでアクアマンの人生が大きな転換点を迎えることが示唆されています。

ジェフ・ジョーンズによる超弩級のクライマックス以降、種蒔きに徹してきた感のあるアクアマン誌がいよいよエンジンをかけてきたといったところでしょうか?
(『X-men:ファーストクラス』読めば分かるように、ジェフ・パーカーは何気ない事件を活き活きと描くのが非常に上手なので、種蒔き期間は種蒔き期間で面白いのですが。)

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敢えて引き合いに出させてもらえば、ジェフ・ジョーンズによる超絶クライマックス後の脱力感に苦しんだアクアマン誌とグリーンランタン誌のうち、グリーンランタン誌が前任者に負けないくらいのクライマックスを畳みかける事で読者をつなぎ止めようとしたのに対して、アクアマン誌は前述のように種蒔き期間を置いて読者のクールダウンを促しました。
どちらが正解であったのかなかなか判断が付けづらい面もありますが、少なくともアクアマン誌についていえばジェフ・パーカーの取り組みは成功しているように思えます。

ライターのジェフ・パーカーは「メイルストローム」に関するニュースサイトのインタビューの中で、記者から発せられた「あなたは(新任ライターがよく使う)“そして○○に大きな変化が訪れる!”カードを中々使いませんでしたね?」という質問に対して、「そうだね。大きな変革をもたらす前に、まずは読者に自分の事を信頼してもらう方が先だと思ってね」と回答しており、個人的には非常に高印象です。

【宣伝】
小プロからはジェフ・ジョーンズの『シャザム』や、米国の各賞を総なめにする"いまアメリカで最も売れているアメコミ"『サーガ』や、弱小出版社ながらその面白さが話題となっているヴァリアントコミックスの『クァンタム&ウッディ』など、比較的キャラ人気に重きを置いていた今までの翻訳作品とは一味ちがった"実力派"タイトルが販売されますので、この機会に是非どうぞ。
ちなみに『サーガ』については、アメコブログさんが詳しいのでどんなコミックか知りたい方はこちらを参照ください。


その他の翻訳で気になるところは以下の通り。
まずは、現在のバットマン系列誌の旗艦誌となっているスナイダーのNew52バットマンの最新作「バットマン:ゼロイヤー 陰謀の街」が早くも発売になります。
また、アベンジャーズ系列の一つの節目となる大イベント『シージ』や、飛ぶ鳥を落とす勢いのデッドプールの新刊『デッドプール:デッド・ヘッド・リデンプション』なども気になるところです。

プロフィール

NOB-BON

Author:NOB-BON
X-men生まれSpawn育ちを地でいく、90年代アメコミバブルの残党。
しばらくの間、アメコミは翻訳本を買う程度だったのが、最近のデジタルコミックの手軽さにひかれ、本格的に復活しました。

基本的にMarvelメインですが、DCのリランチを機に自分の中でDCブームが来てるので、しばらくはDCの話題続くかも。
しばらくどころか完全にDC派に転びました。

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