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最近のX-MEN

最近のX-MEN

今回はこの数か月で大きく変貌を遂げたX-MEN関連の状況を、要注意人物たちの紹介を通して整理していきたいと思います。

【サイクロプス】
ご存じX-MENのリーダー。
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実はX-MENという名前のヒーローチームはクラコア建国からしばらくの間存在せず、サイクロプスもクラコアの軍人の最高位"グレートキャプテン"としての役目を果たしていました。しかし、とある事件をきっかけに「軍隊、警察、諜報といった国家の方法論ではなく、"ヒーローの方法論"でミュータントを守る存在が必要だ」という事に気が付いたサイクロプスは、プロフェッサーXの慰留を振り切って公職を辞し、X-MENを設立。そのリーダーの座に収まりました。
しかし、その後サイクロプスはX-MENとしての活動中に落命し、ニューヨークを救った英雄として盛大な式典の末に埋葬されることに。

もちろんその後サイクロプスは問題なく復活したのですが、ミュータントが死を克服したという事実は、その恩恵を与えられることのない人類には知られてはならないクラコアの最重要機密。このため、復活後は謎のヒーロー"キャプテン・クラコア"として正体を隠して活動している。
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【ストーム】
サイクロプス同様、読者にはおなじみのX-MENサーガの中心人物。現在はクラコアの植民地である火星の総督として活動中。
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新興国家クラコアの国威発揚と、その国力を国際社会に見せつける目的で開催された"ヘルファイア・ガラ"。
このミュータントたちの祝祭における余興として、クラコアは、火星を赤い砂嵐の吹き荒ぶ荒野から緑あふれる世界へと変貌させた。

クラコア政府はミュータントの力を持って開拓された火星をクラコアの植民地とすることを宣言。『X・オブ・ソーズ』の物語の中で異世界より救出したミュータントの一団をそこに移住させ、星の名前も彼らの故郷の名前である"アラッコ"へと改名することを発表する。

異世界に於いて地球を守るために何千年も戦争を続けてきたアラッコの住人は、その終わりのない戦いの歴史の中で「力こそが全てにおいて優先される資質である」という文化を築いており、自分たちより弱い存在をけしてリーダーとは認めない。
そんな荒っぽいアラッコの住民を統治するために、ストームはアラッコの流儀で外敵と戦うミュータント集団"ブラザーフッド"を組織するとともに、ストームの座るリーダーの座を奪わんとする挑戦者たちを決闘で破り続けている。

【アビゲイル・ブランド】
地球を外宇宙から守る国際機関S.W.O.R.D.の元長官。
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星間文明の外交と諜報に明るく、S.W.O.R.D.がクラコアの宇宙開発部局となった後は、その手腕を持って星間社会に太陽系の母星が火星(アラッコ)であることを認めさせた。
しかし、ミュータントと異星人のハイブリッドである彼女の帰属意識はミュータントにはなく、その目的はあくまで宇宙のパワーバランスの安定。
このためミュータントが力を持ちすぎないように、クラコアの敵対者である人類代表機関オーキスに密かに情報を流している。


【オメガセンチネル】
90年代のイベント『ゼロトレランス』にて登場した生体ロボット。
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インド人警察官カリーマが半機械化された存在として、ヒーローとしての役割が多かった彼女だが、『ハウス・オブ・X』と『パワーズ・オブ・X』以降は、ミュータントによる人類支配に対抗すべく集まった人類代表機関オーキスに参加している。

実は彼女の意識は今までのカリーマのそれではなく、ミュータントが人類およびロボットとの戦いに勝利した未来世界の自分自身によって上書きされている。
(こう書くとややこしいですが、要するに未来からやってきたタイムトラベラーと思ってください)

未来世界の知識をもとに、ミュータントでも人類でもなく、ロボットが勝利する未来にこの時間軸を導こうとしており、究極のセンチネルであるニムロッドが想定よりも早く起動されたのも彼女の計画によるもの。

【Mr.シニスター】
長年のX-MENの宿敵だが、現在はクラコアの代表機関"沈黙の議会"の1人。

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ただひたすら自身の邪悪な研究の推進だけを考えており、ミュータントの繁栄などこれっぽちも興味がないのは相変わらず。

転生能力者であるモイラ・マクタガートのクローン体をタイムカプセルのように使うことで未来を予知し、密かに沈黙の議会の決定、ひいてはクラコアの未来を自分の望む方向に操っている。

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このモイラのクローン体を使った未来予知は、手順がちょっと複雑なので軽く整理。

①シニスターは定期的に脳内を空っぽにしたモイラのクローン体を作成。作ったばかりのその脳内に何もメッセージがないことを確認する。
②過去に戻ってやり直したい事態が発生した場合、シニスターは、戻りたい日に作成したクローン体の脳内に自分へのメッセージをアップロードしたうえで、そのクローン体を破壊する。
③モイラのクローンが死を迎えたことにより、彼女のミュータント能力が発動。クローン体が生まれた瞬間(①のタイミング)まで時間が巻き戻される。しかしモイラだけは前の人生の記憶を保持できるため、破壊の直前に脳にアップロードされたメッセージはそのまま。
①'いつものようにモイラのクローンを作成したシニスターは、その脳内に未来の自分からのメッセージを発見する。

このような手順を踏むことで、モイラのクローン体はシニスターにとってある種の"セーブポイント"のように機能している。


【ミスティーク&デスティニー】
かつてテロリストとして活動していたミュータントの夫妻。ミスティークは変身能力、デスティニーは未来予知の力を持つ。
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長らくX-MENと敵対していたミスティークだが、死亡した妻デスティニーを復活してもらうために、プロフェッサーXとマグニートの手先となり、クラコアの敵を相手にした危険なテロ活動に従事している。
しかし、クラコア建国時にモイラが決めた「予知能力者の復活は許さない」という裏ルールにより、教授とマグニートはミスティークの願いを叶えるつもりなど毛頭ない。
やがて"デスティニーの復活"が自分の前にぶら下げられた人参に過ぎないことを悟ったミスティークは、その変身能力を用いて暗躍。
教授とマグニートの許可なしで、最愛の妻を復活させることに成功する。
再開を喜ぶミスティークとデスティニー。
やがて2人は、復活したデスティニーが予知した未来から、ミュータントの理想郷クラコアの影に潜む女、モイラ・マクタガートの存在を察知する。

【モイラ・マクタガート】
自らの死によって発動し人生をやり直すことができる転生能力を持つミュータント。
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ミュータントが皆殺しに合う運命を回避するため戦い続けた過去9回の人生での知識を元に、10回目(今回)の人生では"今までにないやり方"を試すことを決意。プロフェッサーXとマグニートと共に、ミュータントの楽園であるクラコアを建国するに至った。

しかし、デスティニーの復活によって、モイラの真の計画が明かされる。
実はモイラの真の目的は、ミュータントの繁栄ではなかった。ミュータントを護るために戦いを繰り返す長い人生の中で、やがてミュータントという存在そのものを憎むようになったモイラは、この世界からミュータント遺伝子を消去し、完全に人類と同化させる方法を開発しようとしていたのだった。

しかし、その計画を知ったデスティニーとミスティークはこれを阻止するために動き、モイラの誘拐に成功する。
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ただ、このままモイラを殺害してしまうと、その瞬間にモイラの能力が発動し、彼女を過去に逃がしてしまうことになってしまう。そこで2人は、モイラにミュータント治療薬を投与し人間に戻したうえで、彼女を解放。
モイラに死の恐怖に怯える逃亡者としての人生を与え、復讐としたのであった。

しかし、おめおめと逃亡者としての境遇に甘んじているモイラではなかった。
その後、モイラは未来に有望な技術を開発中の科学者兼実業家を強襲し、自分の身体を機械化。
「自分の記憶を外部ストレージにバックアップし、死亡するたびに新たな機械の身体にアップロードする」という、ある意味ミュータントたちと同じ方法で死を克服したのだ。
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かくしてミュータント、人類、機械と地球の覇権を競う3つの種族全てを経験し、いまやミュータントの最強の敵となったモイラは、新たな未来のタイムラインを築くため、独自の活動を開始する。
その活動の第一歩とはメリジェーン・ワトソン。

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クラコア製薬の広告塔となった彼女の皮を被り、ミュータントたちの祝祭ヘルファイア・ガラへと潜入することであった……

【宣伝】
今回の紹介した内容は大体ここら辺のタイトルから。


デスティニーの復活とモイラ/マグニート/教授の三頭体制の崩壊を描いたのが『インフェルノ』。
逃亡するモイラとそれを追って未来からやってきた謎のウルヴァリンの逃走劇を描いたのが『X Lives & Deaths Of Wolverine』となります。
そしてそれを受けたX-MENの本筋が『X-MEN』と『イモータルX-MEN』となります。


続いて翻訳本ですが、マーベルからはトニー・スターク亡き後にその後継者として現れた天才少女リリが主人公の『インビンシブル・アイアンマン:アイアンハート』と、マーベル世界のオカルト系ヒーローが教師となった魔法学園を舞台に、マーベル世界のあらゆる場所から集められた少年少女たちが活躍する『ストレンジ・アカデミー2:ブライト・サイド』が翻訳決定。


続いてDCからは長らく入手困難だったマイク・ミニョーラの『バットマン:ゴッサム・バイ・ガスライト』が再邦訳。
こちらはヴィクトリア朝時代のゴッサムを舞台にバットマンが切り裂きジャックと戦う表題作の新訳版に加え、その続編も初邦訳!
また正史のバットマンからは最新作となる『バットマン:ゴースト・ストーリーズ』の翻訳も決定。現在DC各誌で活躍中であるバットマンのライバル、ゴーストメイカーの初登場話となります。

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ダークナイツ・オブ・スティール #1-2

ダークナイツ・オブ・スティール#1-2
(作:トム・テイラー、画:ヤスミン・プットリ)

星々の遥か彼方に存在する惑星クリプトン。その崩壊を予見した科学者は、最愛の息子を守るため脱出ロケットを建造した。
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遂に訪れたクリプトンの崩壊の日、爆発する惑星から飛び立つロケット。
やがてロケットは緑豊かな惑星、地球に着陸する。

ロケットから現れたのは、科学者ジョー=エルと、着陸の衝撃で産気づいた身重の妻のラーラ。
そして彼らがたどり着いた地球は、剣と魔法、合戦と権謀が渦巻くファンタジー世界であった!
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……ということで、半年ぶりの更新となる今回は、今をときめく人気ライター、トム・テイラーとヤスミン・プットリによるファンタジー版ジャスティスリーグの紹介です。
以降はこの世界における3つの大国とその住人たちを紹介していきます。

【キングダム・オブ・エル】
クリプトン人であるジョー=エルが治める王国。

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元々はウェイン王家が治める国であったが、先王トーマスとその妻マーサが正嫡の子を残さないまま暗殺されたため、その遺言に従いトーマスが最も信頼し、半ば崇拝していた側近であったジョー=エルが新たな国王となった。
魔法に弱いという王族の体質上、国内では魔法が禁止されている。


[ブルース卿]
先代の女王マーサ・ウェインの私生児。
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先王トーマスとの間にできたのではない不義の子であるため継承権はなく、両親の死後はジョー=エルが後見人となり、王の近衛となった。
王家の人々の守護を誓っており、そのためには汚れ仕事をこなすことも厭わない。

そんな危険な任務をこなす日々の中で、たびたび絶体絶命の危機を経験するが、どんな状況であっても致命傷を負わない自分の悪運に疑問を抱いている。

[カル=エル王子]
エル王国の王子。宮廷のなかで屈託なく育ち、一緒に育ったブルース卿を兄弟のように慕っている。
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しかしブルース卿は、そんなカル=エルのことを命に代えても守るべき主君として、一歩引いた態度を崩さない。

[ロビンズ]
ブルース卿の従者である少年少女たち。隠密行動に特化した特殊な訓練を受けており、ブルースとその家臣であるアルフレッドの諜報活動をサポートする。

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左からリチャード、デューク、ジェイソン、ステファニー。
ティムは嵐の王国にて潜入活動中。

[ブルース卿の秘密]
そんなある日、ジョー=エル国王に呼び出され、人払いされた城のバルコニーを訪れたたブルース卿は、国王よりある秘密を打ち明けられる。その秘密とは、自身の出生についてであった。
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マーサの密通の相手、つまりブルースの父の正体とは、ジョー=エル国王その人であったのだ。
ジョー=エル国王は、自身の過ちによりマーサの名誉を傷つけ、ブルースに恥辱にまみれた少年期を与えてしまったことを謝罪。国民に全てを打ち明け、ブルースを第一位王位継承者とする腹積もりであることを打ち明ける。

自身の生まれとともに、自分がどんな致命的な状況でも傷一つ負わない理由を知り、狼狽するブルース卿。
しかし、その瞬間、何者かの手で放たれた"緑色の矢"がジョー=エルを射抜く。

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崩れ落ちる国王……父の身体を支えながらブルース卿は気が付いていた。
自分が今回も肉親の命を護れなかったことを、そして自分がジョー=エルの子であり正式な王位継承者であることを知る者は、自分以外にはもういないということを。

【アマゾニア】
女王ヒッポリタが治めるアマゾンたちの王国。
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その勇猛さで世界に知られ、魔法大国である嵐の王国とは、同盟関係にある。

[ダイアナ]
女王ヒッポリタの娘。
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平和を愛する博愛主義者でジョー=エル国王の暗殺によって大戦への道を歩み始めた世界に平和をもたらす道を模索する。

[ロイス・レーン]
アマゾニアに使える密偵。世界中を旅し、そこで集めた周辺諸国の動向をヒッポリタに伝えることを使命とする。

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ジョー=エル国王暗殺の報を伝えるために、アマゾニアに緊急帰還する。

[ザーラ]
ジョー=エルの娘。エル王国の王女だが、見聞を広げるために客人としてアマゾニアの宮廷に迎え入れられている。

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ダイアナ王女の恋人でもある。
(正史世界に於けるスーパーガール(カーラ)。正史世界とは異なりカル=エルの従姉ではなく妹であるため、名前が微妙に変わっているものと思われる。)

ロイスより父の訃報を聞いたザーラはショックを隠せず、何処かへと飛び立つ。

【嵐の国】
賢王ジェファーソンが治める魔法大国。
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[ジェファーソン国王]
嵐の国の国王。魔法の力で雷を自在に操り、才能あふれる2人の子供を溺愛している。

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参謀である予言者が下した「星々からやってきた我々によく似た姿の悪魔が、この世界を支配する」という予言が、エル家のことだと確信しており、暗殺者にジョー=エルの暗殺を密かに依頼。

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(こちらがジョー=エルの暗殺を指揮した男。その指輪と全身を包む光の色から"緑の男"と呼ばれている)

[コンスタンティン]
ジェファーソン王の参謀。ジョー=エルの宇宙船が飛来した日に、星から飛来する悪魔に関する予言を下したが、本人は「予言は予言。エル家のお歴々もそこまで悪い奴らじゃなさそう」と、暗殺には懐疑的。
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ジェファーソン国王に対して、臣下としての忠誠心以上の感情を密かに抱いている。

[報復]
ジョー=エル暗殺から数日後。ジェファーソン国王は、寝室を揺るがす爆音で目を覚ます。
音の出どころである、息子ジェニファーの寝室に駆け込むジェファーソン。
そこで彼が見たものは、息子を襲う1つの影、エル家の王女ザーラであった。

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ジェファーソン:息子から手を放すのだ、ザーラ。
ザーラ:それはいいアイデアだ、人間よ。

邪悪な笑みを浮かべてジェニファー王子を高空へと吊り上げたザーラは、そこから幼い王子を突き落とす。

息子が落下するさまもなす術もなく見つめるだけであったジェファーソンは、怒りに燃えて稲妻をザーラへと叩きつける。
しかし、ジェファーソンの渾身の魔法はザーラには何の手傷も負わすことはできなかった。
嘲りの笑みと共に飛び去って行くザーラの後に残されたのは、命を失った少年の亡骸と、最愛の息子を失った父のみ。

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この時、ジェファーソン国王の心はすでに決まっていた。
やはりエル家は人の皮をかぶった悪魔であった。今こそ古の同盟に頼り、アマゾニアと共にエル王国への進軍を開始する時がきたのだ。

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今回紹介した作品はこちら。
(3つ目は22年9月に発売予定の単行本)
新たに本作の前日譚となるスピンオフも発表されるなど、本国での人気ぶりもうかがえる本作。
ファンタジーながら非常に読みやすい現代英語なので、気になる方は是非。



続いては邦訳作品の紹介。
(久しぶりの更新のため、既刊、新刊問わず目についた商品から)
まずはDisney+のドラマが待たれるシーハルクを主人公とした『シーハルク:シングル・グリーン・フィメール』。マーベルのトップライターとして今をときめくダン・スロットの出世作であるとともに、シーハルクのキャラクターを新たな次元に押し上げた名作です。第4の壁を破ることができるシーハルクによる法廷コメディ!
次は可愛い絵柄が人気の日本人アーティスト、グリヒルによる『ソー&ロキ:ダブル・トラブル』。
ソーとロキがわちゃわちゃと喧嘩をしながら繰り広げるスラップスティックコメディである本作は『ダブル・トラブル』シリーズとして人気を博しており、『スパイダーマン&ヴェノム:ダブル・トラブル』も邦訳済み。



DCですが、こちらは映画『ブラックアダム』での登場が予定されているJSAを主人公とした『JLA/JSA:欲望と希望の狂宴』が発売済み。
ジャスティスリーグの先輩チームであるJSAがメインの作品が邦訳されるのは、おそらくこれが初めて。
ライターも、デイビッド・S・ゴイヤーとジェフ・ジョーンズという、今の時代に見ると信じられないような組み合わせです。
続いておすすめなのが、『バットマン:ザ・ワールド』。世界中のコミック作家とバットマンの共演という面白い趣向のコミックですが、キム・ジョンギやパコ・ロカといったコミックファンなら一度は名前を聞いたであろう大御所たちが参加しており、この1冊で日本とアメリカのみならぬ、世界中の様々なコミック文化に触れることができる面白い一冊です。
(日本からは時代劇系の劇画誌で活躍中の崗田屋愉一が参加)

また、長らく手に入らずプレミアがついていたミニョーラの『バットマン:ゴッサム・バイ・ガスライト』が再び発売するのもうれしいニュース。
19世紀末のゴッサムを舞台にバットマンと切り裂きジャックの対決を描いた本作ですが、なんと今回はその続編にあたる『マスータ・オブ・ザ・フューチャー』も初邦訳の上で、収録される予定です。

俺ズナー賞2021 (2021年ベストコミック)

管理人は年末になると、Twitter上で"俺ズナー賞"と称してその年のベストコミックを発表する遊びをやっているのですが、せっかくなので今回はブログ上で発表してみます。

【ベスト・アーティスト賞】
グレッグ・スモールウッド

(ヒューマンターゲット)


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ベスト・アーティストは秋から始まった新シリーズ『ヒューマンターゲット』の本編とカバーを担当するこの方。
この賞に関しては、アートを見れば一目瞭然。
ヒーローコミック、フィルムノワール、ポップアートの融合が見事。

【ベスト・ライター賞】
ドニー・ケイツ

(ソー[紹介記事]、ハルク[紹介記事]、クロスオーバー[紹介記事]、キング・イン・ブラック他)



今年のベストライターはいまやすっかりマーベルの中心となったライター、ドニー・ケイツ。
唖然とするくらいスケールの大きい話を、王道の英雄譚に仕立て上げ、それにぬけぬけとしたジョークを差し込む独特の読後感が好きです。
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(こちらは『クロスオーバー』に登場したドニー・ケイツ。どうみてもアラン・ムーアなのに、「ドニー・ケイツです」と言い切る人を食った態度こそケイツ節。)

ちなみに最近は毎年のようにこの賞にトム・キングを選んでいて、今年も『ロールシャッハ』、『バットマン/キャットウーマン』、『ストレンジアドベンチャーズ』と、順当に選んだらトム・キングなんだけど今年は殿堂入りってことで除外。

【ベスト・ミニシリーズ賞】
ストレンジアドベンチャーズ

(作:トム・キング、画:ミッチ・ゲラッズ&ドク・シャーナー)
紹介記事

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「(誰も知らない)惑星ランで(誰も知らない)大冒険を繰り広げるヒーロー」というアダム・ストレンジの基本設定に潜むあやしさを、陰謀論とポストトゥルース渦巻く現代の物語に仕立て上げた傑作。

そのあやしい出自にも関わらず人々から愛されるアダム・ストレンジと、卓越した実績を持ちながらも人々から「どこかいけ好かない二線級ヒーロー」とみなされるMr.テリフィクスの対比も鮮やか。

【ベスト・シングルイシュー賞】
スーパーマン:ワールズ・オブ・ウォー

(作:フィリップ・K・ジョンソン、画:ミケル・ハニン)


2021年のDC各誌の展開を、"実現することのない未来"という形で予告するイベント『フューチャーステイト』の中の一編。

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スーパーマンが地球を去った近未来。そこではスーパーマン/クラーク・ケントは信仰の対象となり、学生時代に提出したレポートすら予言書として扱われる始末。
そんな中、スーパーマンに救われた経験のある人々が彼を称える集会に現れた1人の少女は、
「スーパーマンの真の偉大さは、飛行能力でも、超人的に肉体でもない。」と一喝。
懐から1枚の古新聞を取り出し、他愛もない死亡記事を読み上げていく。

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一方そのころ、モンガルによってウォーワールドに囚われ剣闘士となったスーパーマンは、今日も反逆の見せしめとして、勝ち目のない戦いを強いられていた……

ということで、ワールズ・オブ・ウォーという景気のいい名前に反して、非常に落ち着いた抒情的な語り口の物語。
スーパーマンがその"真の力"を発揮し、ウォーワールドの民衆をインスパイアしていく様とクラーク・ケントの新聞記事が重なるシーンは圧巻。

【ベスト・オンゴーイング賞】
アクションコミックス

(作:フィリップ・K・ジョンソン、画:ミゲル・メンドンカ)
(紹介記事)


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今年のオンゴーイングのベストは、なんといってもこちら。
息子であるジョン・ケントがスーパーマンとして個人誌を持ち独り立ちしていくフランチャイズ上の流れを、生まれてきた子供に自らの人生の一部を託し、やがて老いさらばえ子供の下を去っていく父の姿に重ねた本作。
細かい解説は上記の紹介記事に記載しましたが、2児の父である自分には非常に刺さる物語でした。

【特別賞】
スーパーマン:サン・オブ・カル=エル
(作:トム・テイラー、画:ジョン・ティムス)
紹介記事



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最後に、2021年のアメコミ業界を語るうえで外せないのがこちらの作品。
"スーパーマンの息子はバイセクシャルである"というニュースはコミックファンの間だけに留まらず、普段コミックを読まない層にまで広がりました。
多くの人を巻き込みながら人々をインスパイアしていくその様子は、物語上の存在であるジョン・ケントが現実世界に表れたかのようであり、他でもなく"スーパーマン"がLGBTとなることの深い意義を意義を感じさせました。
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今回の更新は以上。来年の面白いコミックに出会えることを期待しつつ筆を置きたいと思います。
みなさん、よいお年を。

プロフィール

NOB-BON

Author:NOB-BON
X-men生まれSpawn育ちを地でいく、90年代アメコミバブルの残党。
しばらくの間、アメコミは翻訳本を買う程度だったのが、最近のデジタルコミックの手軽さにひかれ、本格的に復活しました。

基本的にMarvelメインですが、DCのリランチを機に自分の中でDCブームが来てるので、しばらくはDCの話題続くかも。
しばらくどころか完全にDC派に転びました。

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