ディテクティブコミックス紹介:ヒーロー編

今回は、DCリバース以降のバットマンにおける重要タイトル『ディテクティブコミックス』の紹介です。
ディテクティブコミックスといえばDCコミックス社の社名の由来となった伝統あるタイトル。
(余談ですが、この話をすると「じゃあ、DCコミックスを略さずに書くと"Detective Comics Comics"になるのか?」と書かずにはいられない面倒くさいファンが必ず現れます。そうです、私の事です。)

代々バットマン誌と並ぶバットマン系列の旗艦タイトルとして扱われていたディテクティブコミックス誌ですが、New52期においては快進撃を続けるスコット・スナイダーのバットマン誌に対して今一つ独自色を打ち出せず、正直目立った活躍がなかった印象があります。
そんな状況を踏まえてか、リバース後のディテクティブコミックスはバットマン誌と差別化を図るべく、同誌とはっきりと異なる路線を打ち出してきました。

その路線とは"チーム物としてのバットマン"。
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バットマンが結成した新たなチームの活躍を描いた本誌は、とあるニュースサイトが"バットマン版X-MEN"と評したように、特定の主人公が存在せずストーリーアークごとに各メンバーに順繰りと焦点を当たっていく群集劇となっています。

またライバル(?)のバットマン誌が、新進気鋭の人気ライターであるトム・キングによって技巧的で批評的、言い換えれば"一歩引いた視点"での物語を展開するのと対照的に、ジェイムス・タイノン4世のディテクティブコミックスは「次々現れる強大な敵とそれに立ち向かうヒーロー、そしてそれらを結びつける謎」というエンタメ路線。

「群集劇としてのバットマン」と「王道エンタメ路線」という2つの趣向ががっちりと噛み合った同誌は、その甲斐あって読者に好評を持って受け入れられ、名実ともに"バットマン系列の2枚看板"(厳密には『オールスター・バットマン』も入れた3枚看板)の座を手に入れることとなりました。

今回の記事では、そんなディテクティブコミックス誌をキャラクター説明の形式で紹介していきたいと思います。

【バットマン】
ご存知、ゴッサムを護る闇の騎士。
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ゴッサムにいるヴィジランテ達を蝙蝠型の小型ドローンで密かに監視する何者かの存在に気が付いた彼は、若きヴィジランテ達を自身の庇護に置き彼らの訓練を行うことを思いつく。

しかし、個人主義が骨の髄まで染み込んだ自分がリーダーには不向きであることを重々承知しているバットマンは、新チームに結成にあたり、そのリーダー役を一人の女性に託す…

【バットウーマン】
バットマンが新チームの組織化を託した女性こそが、ゴッサムで活躍する女性ヴィジランテであるバットウーマン。
その正体はブルースの母方の従姉妹ケイト・ケイン。
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軍人の家系で育ち自身も従軍経験のあるケイトは、"個"の集団を有機的に機能する"チーム"へとまとめ上げることはお手の物。
ゴッサムにたむろする若いヒーローたちの鬼軍曹として彼らの再教育に乗り出す。

【カサンドラ・ケイン】
週刊タイトル『バットマン&ロビン:エターナル』にて登場した少女。
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世界中から才能を持った子供を集めて洗脳し、最高の教育を与えたうえで用途ごとに高値で販売する闇の奴隷商"マザー"の最高傑作ともいえる暗殺者。現在はオーファンと名乗るヒーローとして、ゴッサムで活動中。

バットマンすら凌ぐ格闘技術を持つチームの最強戦力である彼女だが、子供のころから格闘術以外の教育を一切与えられなかったため、肉体言語以外のコミュニケーションが苦手。

自分の殺人術同様、極限まで自身の肉体を統制する技術でありながら、それを美の表現に利用するバレエにあこがれており、夜な夜な劇場に忍び込み"劇場の怪人"として恐れられている。
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【クレイフェイス】
泥状になった自らの身体を自在に操る怪人で、その能力は変形、変装、分身と何でもござれ。
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元々はハリウッドの賞レースに絡んだことがあるほど才能に恵まれた役者であったが、撮影中の事故によりクレイフェイスとなってからは、大脳皮質の泥化によって分裂症気味の症状を示すようになり、長年、ゴッサムを脅かすヴィランとして活動してきた。

そんな彼がバットマンによる治療の申し出を受け、チームに加わることに。

本当の彼は、昔のギャング映画から抜け出てきたような少し芝居がかったしゃべり方を好む好漢。
自らが次第に人間性を失い怪物になっていくことを恐れているが、それを表には出すことはせず、同じく自らの怪物性と戦うカサンドラのよき理解者となっている。
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(カサンドラにシェークスピアを教えるクレイフェイス)

ちなみに彼の体組織を利用して、レッド・ロビンが造った訓練施設が"マッドルーム"。
事前にプログラミングしたありとあらゆるシチュエーションが泥によって現実化し、トレーニングに利用できる。
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(むしろここら辺が"バットマン版X-MEN"と言われる由縁なのかも…)

【レッド・ロビン】
ご存知"3代目ロビン"、ティム・ドレイク。
チームの副官兼メカニック担当として参加。
バットマンから潤沢な資金を提供された彼は、その天才性をいかんなく発揮して、ゴッサムの中心にそびえ立つ時計台の中にチームの秘密基地"ベルフライ"を建造。
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子供のころからバットマンのよき理解者としてヒーロー活動を続けてきた彼だが、実は近年「ヒーロー活動以外にも、よりよい世界の実現のために自分を活かす道があるのでは?」と悩んでいた。
その後、恋人ステファニーの後押しもあり、ヒーロー稼業を引退し研究者となるべく大学への進学を決意したティムであったが、その直後にバットマンにインスパイアされた米国の秘密特殊部隊"バットメン"のドローン軍団からゴッサムを護り、命を散らすことに…
(ティムの死の真相についてはこちらを参照)

【スポイラー】
『バットマン:エターナル』に登ゴッサム破壊計画の鍵を握る少女として登場し、ヒーロー/ヴィランの双方に追われながら大逃走を繰り広げたステファニー・ブラウン。
粗削りながら優れた身体能力と、SNSなど現代的なIT技術を駆使するその手腕を買われチームの一員となった彼女であったが、恋人であるティムの死亡以来ヒーローという存在そのものに疑問を抱くようになる。
その後、バットマンとヴィランの戦いで巻き沿いを食らった人々で構成された犯罪組織ヴィクティム・シンジケート(被害者の会)との戦いを経て「ヒーローの存在こそがゴッサムに悲劇を招く原動力」という結論に達した彼女はチームを脱退。

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バットシグナルの破壊など地味な妨害活動をしながら、ゴッサムをよりよい街にするためにヒーローでもヴィランでもない第三の道を模索中。

【バットウィング】
最新技術が満載のアーマーを身にまとったゴッサムには珍しいタイプのヒーローで、その正体はウェインテックの頼れる番頭ルシアス・フォックスの息子ルーク・フォックス。
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天才的技術力に裏打ちされた若き起業家にして、ゴッサムの社交界に君臨するパーティ好きのセレブリティとして知られるルーク。一見、ブルース・ウェインとよく似た経歴の持ち主ですが、彼のチャラついた性格は隠れ蓑ではなく、全くの地。
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それゆえ、生真面目なバットウーマンからは毛嫌いされているのですが、ティム亡き後のチームの技術担当としてチームに参加することに。

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現在の彼が力を入れている研究はAIで、その研究室にはゴードン・バットマンの相棒であるルーキーが、助手として働いている。

【アズラエル】
『バットマン&ロビン:エターナル』にて登場したヒーロー。
元々は「最新技術の革新と収集」をその教義に取り入れた秘密教団聖デュマス教会に帰依する暗殺者であったジャン・ポール・バレーだが、『バットマン&ロビン:エターナル』の中で教団の呪縛を打ち破り、現在はヒーローとして活躍中。
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後の展開で、あらゆるAIをその聖デュマスのドグマによって"教化"する力を持った新型アズラエルと立ち向かうため、何者にも洗脳されることのない狂気じみた信念である"バットマン"をその制御AIに組み込んだ新型スーツを着込み、アズラエル・バットマンとなる。

…うーん、チームのメンバーを紹介するだけで、この分量。
本当は本作に登場する魅力的な悪役も紹介したかったのですが、それはまたの機会に譲ることにしましょう。
とにかく、エンタメ系バットマンとして出色の出来の作品ですので、気になる方はぜひ!

【宣伝】

翻訳作品の注目作品、初めは『ゴッサム・アカデミー:イヤーブック』。
「ゴッサムシティの学校を舞台にした学園探偵物」という、奇抜な設定ながらその丁寧なライティングで好評をはくした本シリーズ。
今回は様々な人気アーティストを招へいしたうえでの短編集となっています。
管理人の一押しライターで本国で"現代のアラン・ムーア"という形容詞が付くまでになったトム・キングのバットマンの2巻目『バットマン:アイ・アム・スーサイド』が早くも発売。ここから加速度的に面白くなっていくので、ぜひ!
そしてNew52のバットマンを担当したスコット・スナイダーのDCリバースでの作品『オールスター・バットマン:ワースト・エネミー』も翻訳開始。こちらはNew52ではそれほど露出の無かった人気悪役ツーフェイスがメインです。
またリバース版ジャスティスリーグの2巻目となる『ジャスティス・リーグ:アウトブレイク』も予約開始、こちらは管理人未読なので楽しみです。


そしてマーベル関連では何といっても『Ms.マーベル:もうフツーじゃないの』が楽しみ。
今まで翻訳されていなかったことが不思議なくらいの作品が満を持しての登場です。
また『ロキ:エージェント・オブ・アスガルド』も地味に楽しみ。「映画に合せてイケメン化」という心無い中傷を一気に覆した快作という評判だけは聞いていますが、未読なのでこれまた楽しみですね。


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Mr.オズの正体について

「神のような力を持った何者かによるDC世界の歴史改変」という衝撃的な謎の提示で始まったDCリバース。
当ブログでは、その後、そんな“リバースの謎”に関する展開を紹介してきました。
(リンク1.リンク2)

そしてその謎のど真ん中にたつ存在こそが、正体不明の謎の男Mr.オズです。
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DC世界の外側からヒーロー達の活動を観測し、時には介入を続けてきたMr.オズ。
正体も目的も全てが謎に包まれてきた彼ですが、DCはここに来て彼の正体が明かされる物語『オズ・エフェクト』をアクションコミックス誌で、
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Mr.オズに捕らえられ“何か”を目撃したレッドロビンの脱出を描く物語『ロンリー・プレイス・フォー・リビング』をディテクティブコミックス誌で行うことを発表。
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というわけで、その正体の発表まで待ったなしの彼ですが、一年間以上やきもきさせられたファン達の気持ちを供養するために、今回のエントリではMr.オズの正体を巡る様々な予想を検討していきたいと思います。

【Mr.オズの特徴】
まずは彼の正体のヒントになりそうな彼の特徴をおさらいしていきましょう。

[その1.クラークに対する執着]
世界の影からヒーロー達を観測しまるで超越者のように振る舞うMr.オズ。
そんな彼が特別か関心を寄せるのがスーパーマンです。

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『DCユニバース:リバース』にて、スーパーマンの前に直接姿を現し「自分はお前の味方だ」と宣言したことは記憶に新しいですが、New52時代に初登場した時も、敵と戦う彼を見守りながら「クラーク、立ち上がり戦うんだ。お前はいつだってそうしてきたはずだ…私が教えたように」
とまるで、スーパーマンが彼の教え子であるかのような態度をとっています。


[その2.特徴的な紋章]
New52期のスーパーマン誌に登場した彼の部下の腕に刻まれた刺青、
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そして先日発売されたアクションコミックスに登場したマーク。
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Mr.オズはその名の通り、“O”と“Z”を組み合わせたマークを随所で使用しています。

また後者のマークを調べようとしたルーサーの前にオズが直接姿を表してまで、マークの秘密を守った事からも、このマークがオズの秘密に直接結びついていることが伺えます。

[その3.天才性]
ルーサーの研究所の前に突如現れたMr.オズは、“地球で最も賢い男”であるルーサーがその技術力の粋を尽くして築き上げたコンピューターシステムにあっさり侵入し、その中のデータを消去します。
呆気に取られるルーサーを前に残したオズのセリフ。
オズ:なぜ私がお前のコンピューターに侵入できるか不思議か?単純なこと、私がお前よりも賢いからだ…
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このセリフから、Mr.オズがルーサーをしのぐ知性の持ち主であることが伺えます。

[その4..出所不明な知見]
さて、ここままでの情報は、DC:リバースの比較的初期から読者に対して提示されていたもの。
しかし、この数か月で物語はさらなる展開をみせます。

サイボーグスーパーマンによって集められたスーパーマンの宿敵たちで構成されたチーム通称"スーパーマン・リベンジ・スクワッド"と、スーパーマンの危機に集まったスーパーマンファミリーによる全面対決。
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孤独の要塞で繰り広げられる戦いのさなか、スーパーマンの息子ジョン・ケントは彼にしか聞こえない謎の声に導かれ、要塞に安置されたクリプトン星のバトルアーマーに乗り込みます。
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複雑な計器類に戸惑うジョンに謎の声の持ち主Mr.オズは語り掛けます。
Mr.オズ:案ずるな、私はそのアーマーの事を熟知している。
果たして、Mr.オズがクリプトン星の技術に詳しいのはなぜなのか…

[その5.そして…]
そして、先日発売されたアクションコミックス#986で、ルーサーの前に現れたMr.オズはその出自に対する重大なヒントを見せます。

突然の侵入者に対して、スーツに組み込まれたアポコリプスの技術で戦いを挑むルーサーですが、Mr.オズはクリプトン人の特徴ともいえる特殊能力ヒートビジョンを用いてこれを圧倒。
「お前も、この岩のかたまりの上を這いまわる人間(Human)にすぎない。お前たちはみな所詮、単なる人間(Human)なのだよ」と聞きようによっては、地球人全体に対する蔑視ともいえる感情を吐き捨て、ルーサーの前を後にしたのです。

【Mr.オズの正体予想】
というわけで、その正体に関するヒントが全てテーブルに置かれた今、改めてその正体を予想していきましょう。

[候補1.オジマンディアス]
長い間、Mr.オズの正体の第一容疑者であったオジマンディアス。
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その主な根拠は、「オズ=オジマンディアス」という名前の一致と、オズの紋章と『ウォッチメン』の世界でオジマンディアスが販売した香水ノスタルジアのロゴの一致、
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そして何よりも「ウォッチメン世界によるDC世界への干渉」という『DCユニバース:リバース』の衝撃の展開を受けたファンの期待感でした。
しかし、「オズ=クリプン人」という新たな証拠が出てきた今となっては、ちょっと根拠が薄くなってしまったというのが正直なところです。

[候補2.ジョー・エル]
そして、オジマンディアスに替わって浮上してきた有力な候補がジョー・エル。
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スーパーマンの生みの親である彼であれば、スーパーマンに特別な関心を寄せるのは当然ですし、クリプトンを代表する科学者ということでその頭の良さも折り紙付きです。

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また、アクションコミックスにてスーパーマンに行った攻撃も、その直接的被害がマーサ・ケントとジョナサン・ケントの氷像―孤独の要塞に置かれたスーパーマンの2組の両親の氷像の片割れであったことを考えると非常に意味深いものになってきます。

そしてダメ押しなのが先日公開されたアクションコミックス#988の表紙。
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クリプトン星の崩壊を前に、わが子カル・エルを送り出すジョー・エル達の様子がモチーフなのですが、そこにはクリプトン星破滅の瞬間にどこかへと転送されるジョー・エルの姿が描かれています。

[候補3.スーパーマン・プライム]
続く容疑者はDCヒーローの活躍がコミックとして出版される世界からやってきた、"中二病スーパーマン"ことスーパーマン・プライムです。
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非常に人気のある割にNew52では出番がないキャラクターなのですが、彼が候補に挙がる理由はそれだけではありません。
クリプトン人としてヒートビジョンが仕えるだけではなく、彼は遠い未来においてリージョン・オブ・スーパーヒーローズの宿敵タイムトラッパーとなるという宿命があります。
そのタイムトラッパーのとしての彼が、目深にフードをかぶったその姿といい、時空を超えて現実世界に干渉するその手口といい、Mr.オズに似ているというのです。

[候補4.ロズ・エム]
最後にネットで見かけて思わずうなってしまった予想。
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ロズ・エムとはゴールデンエイジに登場した超マイナーなクリプトン人で、犯罪目的でジョー・エルの双子の兄弟であるニム・エルそっくりに顔を整形したため、結果としてスーパーマンによく似た顔つきを持つにいたった悪人です。
その後彼は、スーパーボーイとして活躍していた若き日のクラークの前にスーパーマンの振りをして現れ、一時的に師弟関係を結んでいます。

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このため、彼がMr.オズだったとしても、彼がクラークに対して師匠のような態度をとるのもけして不思議なことではありません。

そしてこの説をもっともらしくする一番の理由は、彼の名前。
つまりMr.オズ(Mr.OZ)とはロズ・エム(ROZ EM)のアナグラムになっているというのです。

ただ、この説には非常に大きな問題点があります。
それはこいつがMr.オズの正体だったとして、そんな展開を喜ぶ読者がどこにいるのかということです!

はたしてどの予想があたるのか?(もしくはどれも当たらないのか?)
それはだれにもわかりませんが、こうやって今後の展開を予想してあーだこーだと語るのも、リアルタイムでアメコミを読む醍醐味の一つ。
一度物語が発表されてしまったら味わえないその醍醐味を、アクションコミックスの次号の発売までゆっくりと味わうことにしましょう。

【宣伝】
久しぶりの更新で疲れてしまったので、宣伝は駆け足で。

ヴィレッジからは最近のマーベルの大本命『Ms.マーベル:もうフツーじゃないの』が発売。新世代ヒーローブームの火付け役となったイスラム系女子高生カマラ・カーンは、その現代的な悩みに共感を覚えた若者だけではなく、その無類のヒーローオタクとしての姿は長年アメコミを読んできたベテラン層の気持ちもがっちりとゲット。
今から読むのが楽しみです。
そして、名作と名高い『プラネット・ハルク:天の巻』も映画に合せ翻訳。
『ロキ:エージェント・オブ・アスガルド』は"映画に合せてロキがイケメン化"という飛び道具に留まらない、マーベル世界の構造に物語論的な切り口踏み込んだ物語という事で、こちらも楽しみです。




アクアマン#26

アクアマン#26
(作:ダン・アブネット、画:ステファン・セジック)

【ここまでのアクアマン】
(DC:リバースのアクアマンを紹介するのは今回が初めてという事で、今までの簡単な粗筋から。)

アトランティスの王としての地盤を確固たるものとしたアクアマンは、その国策としてアトランティスの開国と国際社会への融和を目指す。
しかしその行く手を阻んだのは、アクアマンの仇敵ブラックマンタであった。

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ブラックマンタは、冷徹な戦略家と冷酷な戦士を同居させたその能力をいかんなく発揮し、歴史の陰から世界の政治と経済を操ってきた海洋秘密結社N.E.M.O.の実権をあっさりと奪取。
その権力をもってして米国の潜水艦をアトランティスの仕業と見せかけて撃破することで、米国にアトランティスへの宣戦を布告させることに成功する。

かくして、戦争状態に陥ったアトランティスとアメリカ。
潜水艦による爆撃や、米国が密かに組織していた魚人特殊部隊ウルトラマリーンによ要人る暗殺など、攻撃を激化させるアメリカだが、アクアマンはアトランティス軍に反撃の許可をださず。
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焦れる国民を抑えながら、戦争の背後に潜むN.E.M.O.とブラックマンタの陰謀の証拠をつかみ米国との和平に成功する。

その後も、アクアマンは戦争によりぎくしゃくした米国関係を和らげるために、積極的に融和制作を推進。
自身も謎の殺人生物"デッドウォーター"の調査及び討伐をアメリカ海兵隊と共同で行うなど、アトランティスの未来に向けて忙しく活躍していた…

【国王失脚】
しかしアトランティスの多くは、そんなアーサーの努力を快く思ってはいなかった。
国民は戦争のエスカレートを避けるために米国への反撃を禁じた決断を"弱さ"ととらえ、国際社会との調整のために世界中を飛び回る行為を"国政を疎かにし地上にばかりおもねっている"と感じていた。

そして何よりも重要なこととして、国民の多くは"地上との融和"など望んではいなかったのだ。
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王の補佐としてアトランティスの権力を司る議会、長老院、祭儀院は王国の伝統に根ざす正式な手続きを踏んだうえで、オリン・アトラン王(アーサーの正式名)の廃位を決定。
アーサーとその弟オームに次ぐ王位継承権の持ち主であるラス家のコーラムを、アトランティスの新王としていただくこととしたのだ。

新王コーラム・ラスは血統的には申し分ないものの、元々は反政府テロ組織のリーダー。
かつてアーサーに捕まり投獄されていたところを、突如、王として担ぎ出されたのだ。
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その時の恨みを晴らすべく先王アーサーの捕縛を命じるコーラム・ラス。

逃げるアーサーと追う近衛兵たちの大立ち回りの舞台は、いつしかアトランティス上空(?)へ。
しかしあと少しというところで、近衛兵長の刃にその身を刺し貫かれ、アトランティスの最下層へと沈んでいくアーサー。
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かくして、コーラム・ラス王の治世は先王の死と共に幕を開けたのであった。

【Make Atrantis Great Again】
アーサーの死亡から数週間の月日がたち、新王を戴いたアトランティスの状況はすっかり様変わりしていた。
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「アトランティスを再び偉大な国に」を標榜する新王が、まず初めに行ったこと。
それは祭儀院の宝物庫に封印されていた魔法具を使い、アトランティスの周囲を"壁"で覆う事であった。
その成功に気をよくし、アトランティスの魔術の素晴らしさに味を占めたコーラム・ラスは、その危険さゆえに代々の国王が禁忌としてきた魔法具の封印を次々と解き、その力を振るうことでアトランティスを強権的に治めていく。


【貧民街の守護者】
一方アトランティスの最下層、貧民達や逃走中の犯罪者が流れ着くスラム街でアーサーは生きていた。
たくわえた髭で人相を隠し、他人に深入りしないスラムの住人達の中でひっそりと暮らすアーサー。
彼の心は、アトランティスの未来をかけた自身の夢がただの独りよがりに過ぎなかったショックに押しつぶされていた。
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しかし、未来への希望を失ったとしても彼の持ち前の正義感が失われたわけではなかった。
スラム街を脅かすギャングや新王の治安維持部隊から街の人々を守るため、アーサーがとった道。
それはかつての友人ブルース・ウェインの戦いを真似することであった。

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バットマン同様、暗闇(と魚群)に身をひそめ、敵に恐怖を植えつけることで街を守護するアーサー。
その活躍は、迷信深いアトランティスの住人によって"先王の亡霊"の噂に姿を変え、国中へ広まっていく…

【アーサーの継承者】
「アトランティスを開かれた国にし、国際社会の一員に加える」という先王アーサーの夢。
その意思を継いだのは、皮肉にもアーサーの一番の忠臣でありながら、アーサーを国王の座に座らせるためにアトランティスと地上世界の全面戦争を画策した男ヴォルコであった。

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新王即位の恩赦で監獄から出されたヴォルコは、心酔する先王の夢をかなえるための活動を開始する。
アトランティスを覆う魔術的な障壁を超え地上へと連絡をとるために、かつて知ったる王宮へ潜入するヴォルコ。

アトランティスの魔法具を駆使し、何とか地上世界のスマホを鳴らすことに成功したヴォルコ。
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彼が連絡を取った先は、最愛の夫が死ぬ様を目の前で目撃し失意のどん底に沈んでいたアーサーの妻、メラであった。

電話越しにアーサー生存の噂を聞き、その眼にみるみる生気を取り戻していくメラ。
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彼女が一路向かった先それは…

****************
…というわけで、今回はリバース後初のアクアマンの紹介でした。

月刊化とともにアトランティスを舞台にした物語へ移行したアクアマン誌ですが、特筆すべきはなんといってもステファン・セジックのアート!
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管理人は男ですが、髭アーサーの色気のあるアートに思わず赤面しそうでした。

ライターは引き続き安定のダン・アブネット印なので、面白さも折り紙付き。
アトランティスの王権に関する物語ということで、管理人的にはオーシャンマスターの再登場なんかも期待したい気持ちです。


【宣伝】
繰り返しになりますが、来月の個人的目玉はなんといっても「DCユニバース:リバース」!
このブログを読んでくださってる人は言わずもがなですが、DCの新章の幕開けですのでこれだけはぜひ!
そして、DCリバース傘下の各種タイトルも次々翻訳予定があがっています。
個人的には、管理人未読の『ジャスティス・リーグ:エクスティンクション・マシン』、『ハーレイ・クイン:ダイ・ラフィン -REBIRTH-』あたりが気になるところです。


そしてマーベル側は大型クロスオーバー『フィアー・イットセルフ』の翻訳が決定。
アスガルドの邪神の復活とその邪神によってつくられた8本のハンマーに選ばれた闘士が、ヒーローたちと戦う王道クロスオーバーとなっています。
また、見逃していたのですがスマホゲームのコミック化『マーベルツムツム:テイクオーバー!』の予約も開始!
地球に襲来した謎の生物TsumuTsumuが、ヒーローたちの真似をし始めて…と言った物語とのこと。

プロフィール

NOB-BON

Author:NOB-BON
X-men生まれSpawn育ちを地でいく、90年代アメコミバブルの残党。
しばらくの間、アメコミは翻訳本を買う程度だったのが、最近のデジタルコミックの手軽さにひかれ、本格的に復活しました。

基本的にMarvelメインですが、DCのリランチを機に自分の中でDCブームが来てるので、しばらくはDCの話題続くかも。
しばらくどころか完全にDC派に転びました。

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